頭痛は何科に行けばいい?症状によって変わる?

頭痛といっても風邪や二日酔いのようなものから緊急処置を必要とする命取りのものまで幅広くあります。脳からくるものもあれば目や鼻から頭痛が発生しているものもあり、原因が不明な場合細分化された医療現場でたらいまわしにされることも少なくありません。長期化してこじれるケースもあります。

ここでは多岐にわたる頭痛の症状から受診科目を選び抜きました。こんな頭痛、まず何科に行くべきかお考えの際、ご参考ください。

内科に診断に行く頭痛

頭痛

時々、あるいは常にどうしてこんなに痛いのか分からない頭痛、日常生活を妨げるようになれば受診レベルといえます。頭痛を経験しない方はまずいらっしゃらないので大体の目安はあると思います。

風邪をこじらせた、寝冷えした、パソコンゲームしすぎた、虫歯かな?でも、これは何かおかしい。すぐに治る気がしない。そう思われたら受診をお勧めしますが、さてどこに?となると身体全体の専門が先になります。

内科

まずは内科医、しかもかかりつけの病院をお勧めします。あなたの病歴やいつもの状態記録のある医師がいるのなら診てもらいましょう。風邪や体調不良なのか頭痛を発生させている病気の原因を特定し、症状に合った他の専門医の紹介をしてくれます。

ここでは問診が主になってきます。顔見知りの医師であれば気心も知れている場合が多く、白衣を見てストレスから更に頭痛がひどくなることはないと思います。

頭痛で苦しい時に新しい病院を探していくのも頭痛の種になります。実際、白衣を見て血圧が上がることはよく知られています。ただでさえ痛いときに一気に血流が上がると痛みは激増します。安心して受診できる「かかりつけ医」に恵まれることは大きなメリットを生みます。

4つのタイプの頭痛

頭痛は大きく分けて4タイプあります。多くの症状が複合して頭痛になるので何科になるかという問題も一つでは終わらないケースもあります。ここでは一般的な分類を知識として持っていただいて医師のアドバイスに従う理解とすることを目的としてご説明いたします。

まず、頭痛の4タイプは器質性頭痛(脳出血・くも膜下出血など)、機能性頭痛(片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛)、薬物乱用頭痛、その他(目、鼻、耳、歯)に分けられます。

いつまでもすっきりしない、風邪かな?と思っていたのになかなか治らない、しかもどんどん酷くなってきていて鎮痛剤が離せないといった慢性的な頭痛はまず内科から行きます。

上に挙げた、機能性頭痛と薬物乱用頭痛がその対象です。片頭痛とは頭の片側や両側がズキンズキンと脈が打つかのように痛みます。周期的にやってきて吐き気を伴って悩ませますがピークを過ぎるとケロリとなくなります。

最も一般的な緊張型頭痛

緊張型頭痛は頭全体が締めあげられるように重だるく痛み、肩こりや首の張りもあります。体の疲労から筋肉の緊張が発生し、血行が悪くなることで痛みが出るようになります。

群発頭痛とは年に1度から数度、発作的に現れます。痛みのある片側の目や鼻に涙、鼻汁が発生しますが目や鼻が悪いわけではなくて副交感神経の問題です。薬物乱用頭痛とは鎮痛剤の副作用で起こる症状で頭痛はその一つです。

いつ、どんな時に、どんな風に頭痛がくるのか、吐き気もするのか、問診で詳しく答えられるように「頭痛の記録」をつけましょう。そこに血圧なども書けば更に判断材料が増えます。

もし、かかりつけ医をお持ちでなければCTやMRIなどの検査機器を置く総合病院が良いでしょう。

神経内科

臓器や身体全体から的を絞り、脳・脊髄・末梢神経・筋肉の症状が強く出たら神経内科を受診します。具体的には頭痛に加えて以下のような症状が現れてきたときに行く場所と考えましょう。

  • しびれ
  • めまい
  • 力が入らない
  • むせる
  • ものが二重に見える
  • ぼーっとする
  • ひきつける
  • ふらつく
  • まっすぐ歩けない
  • ものわすれがひどい
  • つっぱる

上記の症状が同時に発生していないか、チェックしてみてください。

眠くもないのに気がつくと眠ってしまった、飲料を飲むと唇がしっかり閉まらなくて口元からこぼしてしまう、ものを手元から落としてしまう、も要注意です。自覚がなくても発音が不明瞭になって人から聞き返されることもあります。

内科医師が紹介状を書いて神経内科の受診を勧める時には、状態がかなり悪化して長期化している場合がほとんどです。いろんな症状が頭痛と関連していると思えなくて記憶に残っていないのです。そのために服用してきた薬も多くなっていると思われます。お薬手帳をお持ちでしたら提出してください。そこに書かれていない、市販薬も覚えてらっしゃったら書いておきましょう。神経内科としての判断材料になります。

神経内科は脳神経外科とならんで頭痛外来を持っている病院もあります。いきなり頭痛外来には行けませんので、ここでは紹介にとどまります。各専門医が手に負えないと判断したらこの頭痛外来に紹介されることがあります。予約制ですので急な頭痛には対応できません。じっくりと頭痛に向き合って、この方だけの診断を専門的に行います。

心療内科

心療内科と精神科とよく混同されますが、心療内科はあくまでも内科です。精神が元々健康であったにも関わらずストレスが原因で心身のバランスを崩した心身症です。緊張型頭痛、片頭痛と薬物乱用頭痛が対象になります。

この場合、頭痛だけでなく気分が落ち込んで不登校になったり引きこもってしまったり社会生活に長く支障をきたします。登校時間になると頭痛がして休日などは痛まない、周りからワガママと言われてしまうが本人は苦しくてたまらない・・・などのケースです。

薬物乱用頭痛は頭痛鎮痛剤を服用しすぎたために発症します。何科なのか初め分かりません。頭痛にとどまらず全身の痛み、めまい、吐き気、顔や手足のしびれなどが一気に襲いかかります。これがなぜ心療内科も受診科目になるかというと薬依存症になっているからです。

ここでは触れませんが精神科でも頭痛は受診対象になります。しかし、精神の病気である分野では頭痛以前の問題が多く、一つに焦点を合わせるのが難しいのです。そして精神科の場合、多くは受診歴があるため何科に行くべきか?という課題については、まず行きつけの精神科だと思います。

外科系

気圧 頭痛

急性で激しい頭痛は緊急事態と思ってください!場合によっては救急車を呼ぶ必要がある頭痛の症状になります。

今まで感じたことの無い頭痛が発生した場合や、近くにいる人が急激な頭痛を訴えたときは、たかが頭痛と軽視せずに、危険な頭痛があることを知ってしっかり対処していきましょう。

救命科

今まで経験したこともない激しい頭痛、発熱、嘔吐、まひ感、失神などを併発した場合は一刻を争います。外傷の有無に関わらず、救急車を呼んで緊急の治療をされた方が賢明です。

過去にあった例では、いつもより頭痛のきつい方が、手元にあった電話機をポロリと落としたからと救急車を呼ばれました。大げさな、とか救急車の乱用とか言われたそうですが検査すると何と脳梗塞!24時間以内の処置なら予後がいいとされているこの症状は発見が難しいのです。その方は全く脳梗塞の後遺症なくお過ごしですが、今後も頭痛には注意するよう医師から指導されています。一度でも脳梗塞を発症したということは他でも起こす可能性があるからです。

いきなり意識を失って周りに誰もいなければ通報できません。そのままお亡くなりになったり発見が遅れて重篤な後遺症に苦しめられることは充分、考えられます。ご家族の方も「いつもと違う!」と思われたらためらわず救急センターに通報して状況を伝え、指示に従いましょう。

脳神経外科

上記のような症状は脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍、脳炎などの疑いがあります。

意識があって救急車を呼ぶのをためらう時でも初期治療が予後を決定します。専門外科処置のできる脳神経外科に直行をお勧めします。

ご自分でここに先に行かれる方は、以前こういう病気にかかって経過観察中だと思います。カルテもないのに突然、ここを受診しようと思う方は少ないと思います。しかし、ご家族で脳神経外科に受診したことのある方は別です。遺伝子レベルの問題もありますので心当たりのある症状を出されたら脳神経外科をすぐに希望されるかもしれません。

それでも一度はかかりつけの内科を通して紹介状をいただくのが安心です。ご家族の病歴も報告事項として含まれますので、内科医に相談しましょう。

顔面の専門診療各科

頭痛

頭痛だけでなく他の顔面の症状を伴っている場合は何科になるのか患部で考えましょう。意外と関係ないと思われている専門家の病院に行く事が有効なものを紹介します。

眼科

パソコンやスマホなど電子機器から眼精疲労になり、頭痛がひどくなるケースです。使用を控えることができない場合、作業に適した眼鏡を処方して改善することが可能です。

パソコン スマホ テレビ など、それぞれに輝度が違います。さまざまな輝度に書類や電卓といった距離の遠近速度が速くて目の中の焦点を合わせる筋肉が疲労します。目の奥を押し込むような頭痛と吐き気、薬の乱用につながりかねないので眼科で対策をしてもらいましょう。これは作業量に比例して症状が悪化するので予防が一番です。

眼精疲労を和らげるメガネやドライアイの治療などを行うことで頻繁に発生している頭痛が軽減することがあります。

耳鼻科

蓄膿症は頭痛のもととして知られています。花粉症など長期間鼻汁が出ても頭痛を引き起こすので、耳鼻科の治療が必要になります。

また、風邪などの症状に併発して頭痛が発生しているときでも耳鼻科でも治療を行うことが出来ます。

内科同様に、鼻水などや鼻詰まりなどの症状が発生している人は耳鼻科に掛かり付けの先生がいる場合、内科ではなく耳鼻科を受診してみてもいいでしょう。

歯科

虫歯の場所や炎症の度合いによっては強い頭痛を併発します。鼻の症状から発生する鼻腔炎以外にも、歯性鼻腔炎があるので、奥歯で発生している虫歯から顔面痛や頭痛を発生させている場合は歯科を受診しましょう。

歯の痛みから考えられない頭痛に見舞われますが歯の治療が終わればまず再発しません。

これは早期にこじれる前に治療することが頭痛を解決する手段になります。

出来ればこの問題を発生させやすい親知らずは先に抜いておいたほうが良いでしょう。親知らずなどは長期にわたり強い頭痛の元になります。抜けば、当たり前ですがこの原因で起こる頭痛はありません。根治が難しいとされる頭痛の中で唯一、結果を望めるものです。

口腔外科

咬み合わせに不具合があると三叉神経を刺激して片頭痛をひき起こします。三叉神経で頭痛になると電流系の激痛です。突発的に数秒から数十秒、息もできないような激痛です。これにストレスで食いしばりや歯ぎしりで歯状が変化している場合は心療内科の受診も考えましょう。

就寝時の歯ぎしりで頭痛を引き起こしている場合はマウスピースを処方してもらうと改善されます。ただ、このマウスピースは保険で作るよりも高くても保険外、オリジナルで作られることをお勧めします。しっかり合わないと逆効果で歯そのものを傷めかねないからです。

頭痛を治す専門外来

頭痛3

近年頭痛持ちの患者が増えてきている事で、頭痛を治す専門外来が新設されてきています。

まだ数は多くなく、首都圏に僅かに存在する程度になりますが、もし原因不明の頭痛に悩まされていて、他の病院でもたらい回しにされている場合は、この病院の先生に相談してみてはいかがでしょうか?

頭痛外来

頭痛を専門的に扱っている病院になります。基本的に頭痛は何かしら他の原因から来る症状と認識されていますが、この頭痛外来では頭痛を一つの疾患として認識して診断から治療までを行います。

細かい検査内容から、頭痛の原因を導き出すので正確性も高く、他の病院では明らかにならなかった症状でも明らかにすることが出来ます。

他の科とも連携しているところが多いので、明らかになった原因ごとに、上記でも紹介したそれぞれの専門家を紹介して治療を行うこともあります。

特に片頭痛という、原因や誘引の判断が難しい頭痛を抱えている人の場合には適している科になります。

慢性的に頭痛の症状を抱えていて、薬などが効かない、対策法の効果がないという人はこの病院に相談するといいでしょう。

ペインクリニック

ペインクリニックという専門外来や科は存在しませんが、麻酔科外来や内科と表している病院の中にペインクリニックと細かく細分化している病院が存在します。

このペインクリニックは神経治療や麻酔治療などを専門的に行う先生が担当している事が多い科でもあります。神経痛や頭痛、疼痛、帯状疱疹など神経にウイルスが侵食することで発生している頭痛を専門に扱っている専門家になります。

特に偏頭痛を持っている人はこの病院での治療を行うことが多いでしょう。

治療方法について

これらの病院やクリニックで治療を行う場合は基本的には保存的治療で、手術などは行わずに生活習慣の乱れの改善や薬の服用、神経ブロック注射、理学療法、心理療法などの方法での治療が行われます。

多くの場合が、脳内の神経伝達物質の減少や運動神経の機能低下、知覚神経の過敏、血管の異常などが原因で頭痛が発生しているので、それらに適した保存的治療を進めていきます。

有効とされるアプローチを順々に行いながら、効果や経過を観察していくので、数ヶ月ほどの時間がかかってしまうこともあるでしょう

また、頭痛の症状が慢性化すると、心疾患が発生しやすくなることもわかっていますので、もし元気が無いような状態が続いているとしたら、それは頭痛のせいで今後も悪化の一途を辿る事になるでしょう。

なので出来るだけ早めに何かしらの科で治療を開始し、出来れば頭痛外来やペインクリニックなどを受診したほうが治療は捗るでしょう。

まとめ

◆内科系

  • 内科
  • 神経内科
  • 心療内科

◆外科系

  • 救命科
  • 脳神経外科

◆顔面の専門診療各科

  • 眼科
  • 耳鼻科
  • 歯科
  • 口腔外科

頭痛の専門家

  • 頭痛外来
  • ペインクリニック

以上が今回の記事のまとめになります。

普段の頭痛に合わせて、他の症状が現れている場合は注意しましょう。どの科を受診するのかを判断して、適切な処置を受けましょう。

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