「納豆は栄養があるから食べなさい。」なんて言われた事ありますよね。スーパーなどで安く手に入り栄養価が高いので重宝している方も多いのではないでしょうか。
しかし、いくら栄養価が高いからと言って食べ過ぎてしまうと逆に体に悪影響が・・・?今回は”納豆”について詳しく見ていきます!
納豆とは?
納豆は大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品になります。蒸した大豆を稲の藁苞で包み込み、40度ほどに保温して約1日発酵させます。稲の藁に付着している納豆菌が大豆に移って増殖をすると発酵されて納豆が出来上がります。
発酵させる時に使われる藁は一定以上の長さと良い品質が必要になるので、手作業で刈られた稲を自然乾燥させた物を使用しています。昔は多くの農家さんなどが作業していましたが、現在はだいぶ減ってきているので最近では藁を使わずに、純粋培養した納豆菌の分散液を大豆に掛けて作られています。
納豆に含まれる栄養と効果
では納豆にはどのような栄養が含まれていて、どんな効果があるのか見ていきましょう。
大豆イソフラボン
納豆は原料が大豆なので大豆イソフラボンが多く含まれています。この大豆イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」とよく似た働きを持っているので、女性ホルモンが不足している時は役割を補ってくれます。エストロゲンには美容効果もあるので
- 新陳代謝を上げて肌を綺麗にしてくれる
- 乳房の成長を促進させて女性らしい体つきにしてくれる
- コレステロールの増加を防ぐ
- 子宮内膜を厚くして受精卵が育つ環境にする
などの効果が期待されます。どちらかと言うと女性の人が求める効果ですが、コレステロールの増加を防ぐ効果は男性にとっても良い事なので、積極的に納豆を食べる事をオススメします。
大豆イソフラボンの1日の平均摂取量は18mgほどなので少なめですが、納豆には65mgもの大豆イソフラボンが含まれているので毎日1パック食べるだけで多く摂取できるのです。
ナットウキナーゼ
納豆にだけ含まれているナットウキナーゼという酵素は、血液中に含まれているタンパク質の一種であるフィブリンを分解してくれます。これによって血液をサラサラにしてくれたり、癌を抑制する効果が期待されるのでとても嬉しい栄養素なのです。
血液がサラサラになる事で脳梗塞や心筋梗塞の防止にもなります。
レシチン
レシチンには排毒作用があるので便秘を解消してくれる効果が期待されます。排泄がスムーズに行われる事で肌荒れが改善されたりシミを防ぐ事もあります。
ミネラル
ミネラルは水素、炭素、窒素、酸素を除いた要素を総称して言います。ミネラルには
・カルシウムによって骨を強くしてくれる
・マグネシウムによって代謝をアップさせて動脈硬化を予防してくれる
・鉄によって貧血予防になる
などの効果が期待されます。
食物繊維
納豆には食物繊維が多く含まれています。食物繊維は不要性と水溶性の2種類があり、胃の調子を整えてスムーズに排泄する作用と、小腸などでの消化速度を遅める働きがあります。
大抵はどちらかの食物繊維が偏って含まれていますが、納豆には2つの食物繊維が多く含まれています。
ムチン
山芋などにも含まれていて、納豆特有のネバネバ感を作り出しているのがムチンという栄養素です。糖たんぱく質の一種で正式名称は「グルタミン酸ポリペプチド」と言います。体の粘膜を保護する作用があるので
- 胃粘膜を強くして胃が荒れるのを防ぐ
- 鼻粘膜を強くしてウイルスや菌などを侵入させないようにする
などの効果が期待されます。
納豆の食べ過ぎには注意
栄養価が高いので沢山食べれば体に良いというわけではありません。
生理の乱れや子宮内膜増殖症を引き起こす
こちらは女性特有の副作用ですが、大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た作用をしてくれるので、摂取しるぎてしまうと生理が乱れてしまったり子宮内膜増殖症などの副作用を引き起こしてしまう可能性があります。
1日に摂取する量は70~75mgが上限と言われています。1パックに含まれている大豆イソフラボンは約37mgなので、1日に納豆を食べる量は1,2パックにしておきましょう。ただ、納豆の他に大豆類の食べ物を摂取した場合はそちらの大豆イソフラボンの量も考えなければなりません。
痛風を引き起こす
納豆を食べ過ぎてしまうと痛風になると言われています。納豆にはプリン体が多く含まれていて100gあたり115mgのプリン体が含まれているそうです。これはビールに含まれるプリン体よりも約20倍にあたる数字なのだそうです。
1日1,2パックであれば特に問題は無いですが、納豆の他にプリン体を多く含む食材を同時に食べる場合は気を付けなければいけません。
痛風とは血液中の尿酸が増えて結晶化してしまった時に起こる病気です。痛風は激痛で歩く事が出来ないという事を聞いた事があると思います。骨折よりも痛いと言われていて普段の生活もままならない程になります。
痛風になる人の9割が男性という事なので、男性の方はプリン体の摂取量には気を付けて下さい。特に飲み会などの付き合いが多い人はただでさえお酒でプリン体を多く摂取しているのに、食事でもプリン体を摂取するとなると痛風まっしぐらです。
嘔吐してしまう
納豆に含まれるセレンという成分は抗がん作用や細胞の酸化を防ぐ効果があると言われています。とても魅力的な成分なのですが、過剰摂取してしまうと中毒症状を引き起こしてしまい、嘔吐や肝臓の機能が働かなくなってしまう症状が出てしまいます。
納豆の効果を効率よく摂取する
納豆の成分がとても魅力的でついつい沢山食べたくなりますが、ちょっと工夫するだけで少量でも効果をグッと引き延ばす事ができて、食べ過ぎずに済む事に繋がります。
納豆は夜に食べる
納豆と聞くと朝食のお供というイメージが強いと思いますが、実は夜に食べるのが一番良いのです。それは、ナットウキナーゼは血液をサラサラにする効果があるのですが、活発に動きだしてくれるのは食べてから4~8時間ほど後になるのです。血栓が起こりやすいのは就寝中と言われているので、その時間帯に合わせて夜に食べるのが一番良いのです。
また、カルシウムも豊富に含まれていて骨や歯の形成をしてくれます。こちらも夜に活発に動くので夜に食べるのが良いとされています。
賞味期限ギリギリまで発酵させる
納豆は発酵が進むほど栄養や効果が高まっていくので、賞味期限ギリギリまで発酵させてから食べるのが一番良いと言われています。賞味期限を過ぎてからでも食べる事は出来ますが、味が落ちてしまったり見た目が悪くなってしまうのであくまでギリギリで食べるのが良いでしょう。
加熱させない
納豆を加熱調理する事はあまり無いと思いますが、ナットウキナーゼは熱にとても弱いので調理する際は気を付けなければいけません。大体70度以上の熱で効果が無くなってしまうので、よく納豆汁などにしている地域がありますがあまりオススメできません。
アツアツのご飯にかけたり熱のある料理の上にかけるぐらいでしたら大丈夫です。ただ、暫く熱に当ててしまうのはあまり良くないので早めに食べるようにして下さい。
食べる20分前に常温に戻す
発酵は常温の時が一番進むので冷蔵庫で保存している場合は、食べる20分前に常温に戻しておくようにしましょう。その少しの間でも発酵が進みビタミンKが増えます。また、粘りも出やすく柔らかくなるので美味しくいただけます。
納豆と食べ合わせが良い物も悪い物
納豆と一緒に食べる事でダイエット効果をアップさせる事が出来ます。
○納豆とキムチ
キムチに含まれる乳酸菌は納豆菌をエサにして増殖していきます。腸内環境を改善するのに乳酸菌は良いとされているのでとても良い組み合わせなのです。また、キムチに含まれるカプサイシンという成分は脂肪の燃焼を助ける働きがあり、納豆にもダイエットに良い栄養素が豊富に含まれているので、ダイエットに最高の食材と言えます。
納豆とキムチを混ぜ合わせてから暫く常温で置いておく事が大事です。一晩が望ましいですが面倒な時は30分ほどでも効果はあります。
○納豆と大根おろし
出来れば大根おろしは大根の根っこ部分を摩り下ろした物を混ぜると良いです。大根おろしはビタミンCが豊富なので美肌効果も期待出来ます。
○納豆とレタス
納豆とレタスは血糖値を上がりにくくしてくれます。納豆レタスを食前に食べる事で主食の吸収される速度を遅くして、脂肪の蓄積を抑える効果が発揮されます。
×納豆と卵
納豆と卵を一緒に混ぜて食べるという人が多いと思いますが、実は食べ合わせが悪いと知っていましたか?卵の白身に含まれているアビジンという成分が納豆に含まれるビオチンという成分の吸収を邪魔してしまうからです。
ビオチンは皮膚炎の改善に効果があるものですが、逆効果になってしまう可能性があるので皮膚アレルギーを持っている人は注意して下さい。ただ、アビジンは卵白にだけ含まれる成分なので黄身だけを納豆に混ぜる分には大丈夫です。
×納豆とビール
納豆のネバネバでビールの炭酸が消えにくくなり口から泡が噴き出してしまう事があるそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。納豆はとても魅力的な成分が豊富に含まれているのですが、食べ方には注意しないといけないという事が分かって頂けたでしょうか?納豆だけでなく食べ物には量の限度という物があります。納豆の場合は1日1,2パックほどに抑えるようにしましょう。
納豆の成分を効率よく摂取する方法も説明しているので、是非参考にしてみて下さい。