酒粕の栄養って?得られる効果や成分、食べ方を紹介!

日本の伝統的な食品、酒粕が、健康や美容への効果が高いと注目されています。酒粕というと、甘酒を思い浮かべる人も多いと思いますが、実は甘汁は飲む点滴といわれるほど栄養がぎっしり。酒粕に含まれる成分や効果、利用方法などをご紹介します。

スーパーなどでも簡単に手に入り、保存性も高いので、あまり使ったことがないという人も、ぜひ試してみましょう。

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酒粕とは?

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酒粕は日本酒を造る工程で、もろみを圧搾する際にできる副産物です。

たんぱく質、炭水化物、脂質の三大栄養素をはじめとするさまざまな栄養を含んだ発酵食品で、以前は甘酒や粕汁、魚や野菜の粕漬けなどとして利用される以外に、あまり使い道がありませんでしたが、近年は健康食品として注目され、酒粕を利用したサプリメントや、酒粕の成分を含んだ化粧品なども販売されています。

酒粕は、大きく分けて板粕とバラ粕の2種類があります。板粕は、平たい板状の酒粕で、料理に使う際はだし汁や水、少量の酒などで溶いてから使います。バラ粕は、板粕がバラバラに崩れた状態のもので、そのまま料理に使うことができます。

その他に、板粕やバラ粕をねかして熟成させた練粕などがあり、味噌のような濃い色と、強い風味や香りが特徴です。

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エネルギーを生み出す酒粕パワー

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酒粕には、たんぱく質をはじめ、炭水化物や食物繊維、ビタミン類、ミネラルなどが含まれています。

特に、ビタミンB1、B2、ナイアシン、葉酸、パントテン酸といったビタミンB群が豊富です。ビタミンB群は、人間が活動するためのエネルギー生産に欠かせない栄養素です。エネルギー生産を中心的にすすめるのは酵素と呼ばれるアミノ酸から作られる物質ですが、ビタミンB群はこの酵素の働きを助ける補酵素として働くのが特徴です。酵素と補酵素がそろって、はじめてエネルギー生産は円滑に行われます。

たんぱく質

三大栄養素のひとつ、たんぱく質は、血液や筋肉など人間の身体を構成する主な栄養成分であり、エネルギー源となります。

たんぱく質の1日の摂取推奨量は、成人男性で50g、成人女性では40gとされています。

酒粕100gには、米由来の植物性たんぱく質が約15g含まれています。一般的に甘酒1人分に使用する酒粕は25g程度で、甘酒1杯で約4gのたんぱく質を摂取することができます。植物性のたんぱく質は、動物性たんぱく質に比べてカロリーや脂質が少ないという特徴があります。

ビタミンB1

疲労の回復を助けるビタミンとして有名で、豚肉やうなぎに多く含まれていることで有名なビタミンです。夏バテ予防に、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があるのは、昔からこの疲労回復効果を、日本人が経験的に知っていたからといわれています。

日本人の主食である米は、体内で糖質に分解されます。ビタミンB1は、この糖質の代謝を促進し、エネルギーを生産するためになくてはならないビタミンです。ビタミンB1が不足すると、エネルギーの生産がスムーズに行われなくなり、すぐに疲れてしまう、だるいなどの状態が続くことになります。さらにビタミンB1が不足すると脚気になります。

また、吹き出物などが出たときにビタミンB1のサプリなどを摂るとよいのは、皮膚や粘膜を守る働きがあるからです。

ビタミンB2

ビタミンB2は、リボフラビンとも呼ばれる水溶性のビタミンB群のひとつです。三大栄養素の中でも、脂質の代謝において大切な働きをしています。

三大栄養素は体内で分解され、吸収されてエネルギーに変わりますが、この過程では、酵素の働きが欠かせません。ビタミンB2は、酵素の働きを助ける補酵素として様々な場面で役立ちます。

ビタミンB2が足りなくなると、脂質を上手く利用できなくなってしまい、エネルギーとして使用できなくなります。また、新陳代謝が早く、細胞が生まれ変わるスピードの速い皮膚や粘膜などに影響が現れます。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群の一種で、体内にもっとも多く存在するビタミンです。野菜などの植物性食品や肉・魚などの動物性食品など、さまざまな食品に含まれています。

ナイアシンは食べ物から摂取する以外にも、体内で合成することのできるビタミンです。その材料となるのがビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6などで、これらのビタミンが十分にないとナイアシンを体内で作り出すことができません。

ナイアシンは、三大栄養素からエネルギーを作るために欠かせない成分で、エネルギー生産の代謝をすすめる酵素の補酵素として働きます。

パテント酸

パントテン酸はビタミンB群のひとつで、ビタミンB1、ビタミンB2とともに糖質、脂質の代謝に関わります。また、代謝に関わる酵素のうち、100種類以上がパントテン酸なしには作られません。神経細胞の伝達とも関わりがあるため、心身ともに欠かせないビタミンです。

葉酸

葉酸はビタミンB群のひとつで、造血のビタミンとも呼ばれ、ビタミンB12といっしょに働き、赤血球の形成を助けます。また、葉酸は胎児の正常な発育を助ける栄養素としても重要なため、妊娠初期の女性は、妊娠してない女性の2倍近い量の摂取が奨めされています。心がけて摂取したい栄養素です。

食物繊維

口から食べた食べ物のうち、人間の体の中で消化できないもののをまとめて食物繊維と呼びますが、酒粕の中にはレジストプロテインと呼ばれる消化されにくいたんぱく質があります。

米から酒を造るときに、米に含まれるでんぷんやたんぱく質が分解されていく中、最後まで分解されずの残ったものがレジストプロテインです。分解、消化されないので酒粕として摂取したときも、分解されずにそのまま小腸まで到達します。小腸で、コレステロールや脂質を吸着して便として排出してくれるので、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの低下や体脂肪の減少に効果が期待されています。

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酒粕の効果

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ここでは、酒粕の効果について紹介します。

糖尿病予防

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度が慢性的に高い状態にあることで起こる病気で、ブドウ糖を下げる役割のあるインスリンが円滑に働かなくなることが原因です。遺伝的にインスリンの働きが悪い場合になる1型糖尿病と、飲酒や肥満などが原因で後天的に起こる2型糖尿病があります。

酒粕にはインスリンと同じような働きをする物質が含まれているとされ、糖質の吸収を抑制し、糖尿病を予防します。

高血圧予防

高血圧のひとつの原因として、腎臓から分泌されるレニンというホルモンがあります。腎臓は、腎臓の糸球体という場所で流れる血流をモニターしており、血流が減ると血流を増やすためにレニンを分泌し、血圧を上げようとします。

酒粕の中にはこのレニンの働きを阻害するオリゴペプチドという物質が含まれているので、高血圧の予防に効果があります。

脳梗塞予防

全身の細胞には、常に血液によって酸素と栄養素が供給されています。そのため、必要なときには血流が滞らないように、血液の固まりを溶かすウロキナーゼという酵素と、血栓を溶かすプラスミノーゲンという血栓を溶かす物質が分泌されます。

酒粕には、このウロキナーゼの合成を促進させたり、プラスミノ ーゲンに働きかけて活発化させる物質がわかってきました。

動脈硬化予防

酒粕に含まれる難消化性食物繊維であるレジストプロテインは、小腸で脂質やコレステロールを吸収して便として排出する効果があることから、コレステロール値が下がり、動脈硬化を予防する効果があります。

美白効果

酒造りに携わる人に色白の人が多いというのは、昔からいわます。その理由は、酒粕に大量に含まれるアミノ酸の一種、遊離リノール酸にあります。遊離リノール酸には美白効果があるといわれ、シミやそばかすのもととなるメラニンの生成を抑制する働きがあります。

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酒粕の使い方

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酒粕の代表的な食べ方としては、甘酒やかす汁、粕漬けなどの方法があります。

甘酒は酒粕をちぎって鍋に入れ、水、砂糖とお好みでしょうがのしぼり汁を加えて煮込んでいただきます。

粕汁は、鮭、大根やにんじんなどの野菜といっしょにだし汁で煮て、味付けには味噌を使います。酒粕のにおいが気になる人は、いつものお味噌汁に少量混ぜるだけでも、寒い季節には体が温まり、栄養も補給できる一品になります。

粕漬けは、酒粕にみそ、みりん、塩などを混ぜた粕床を作り、酒や鶏肉、豚肉などを漬けます。

それ以外にも板粕は、そのまま一口大に切って、焼き網などで焼いて塩をふるとおつまみとしてもおいしく食べられます。

また、お菓子作りに利用したり、ヨーグルトなどに少量加える、バナナなどの果物といっしょにミキサーなどで混ぜてスムージーなどにするのもおすすめです。

板粕、バラ粕ともに少量のお湯で練ってペースト状にしておくと、料理に使う際にも使いやすくて便利です。溶けにくい場合は電子レンジで、加熱をすると簡単に溶けます。アルコールのにおいも抜けるので、お酒が苦手な方や小さい子どもにも食べやすくなります。しょうゆや塩などとともに炒め物などに調味料の感覚で、少量使ってみましょう。

美白効果を期待する人は、酒かすをふきんなどに包んでお風呂に入れる酒粕風呂や、水で練ってパックにするのもおすすめです。酒粕は、すべて米由来の天然成分ですが、使用する際は肌の目立たないところに少量塗ってみるなどのパッチテストを行ってからにすると安心です。

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まとめ

日本酒の製造工程でできる酒粕は、日本独自の食品です。米の栄養が凝縮、発酵した食品でさまざまな健康への効果が期待できます。

中でも、人間の活動の源となるエネルギー代謝に関わるビタミンB群が多く含まれており、元気で活動的でいるために、積極的に摂取したい食品です。糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病への効果も期待できます。

甘酒や粕汁など、昔からの利用法のほかにも調味料感覚で料理に加えたり、お菓子やジュースづくりに利用するのもおすすめです。

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