柿の食べ過ぎは危険?どんな症状が起きる?注意点や一日の摂取量を知ろう!

「柿が赤くなると、医者が青くなる」と言います。柿は栄養豊富で健康に良いので、医者は患者が減って困るということです。

ところが、昔から「柿は身体を冷やす」と言われています。関ヶ原の戦いで負けた西軍の大将石田三成は、六条河原で斬首されました。斬首される直前、喉が渇くので水を求めました。兵卒が水の代わりに柿を差し出すと、「柿は身体を冷やすから、食べるなと、母に言われた」と言って、口にしませんでした。「すぐ首を斬られるのだから、関係なかろう」と、兵卒達が嗤うと、「武士は、どんな時も身体を大事にして、有事に備えるものだ」と応じました。

柿は健康にいいのか?それとも、身体に悪いのか?迷ってしまいますね。柿はとても美味しいので、いっぱい食べたいのに・・・。

柿の食べ過ぎが身体に与える影響と、併せて、柿の栄養について、お伝えしますね。

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柿という果物

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柿はカキノキ科の落葉樹です。原産地は東南アジアと考えられます。中国の揚子江(長江)流域に自生しています。

日本には、古代に中国から伝わり、全国的に広がりました。青空の下で赤い実をつけた柿の木は、日本のいかにも秋らしい風景です。柿の実の旬は、10月~11月です。

柿は中国・韓国・日本で約90%が生産されています。

[柿の種類]

柿には、渋柿と甘柿の2種類があります。

渋柿は、完熟しても渋味が残っています。果肉がグズグズに柔らかくならないと、渋がなくなりません。干し柿にしたり、焼酎(ホワイトリカー)などに漬けて樽柿にしたりして、渋を抜いて食べます。

甘柿は、渋柿の突然変異種です。13世紀初頭に発見されました。実が熟するにつれて渋が抜けて、甘味が強くなる柿です。

甘柿には、完全甘柿と不完全甘柿があります。完全甘柿は、熟すれば渋味が残ることはありません。富有柿・次郎柿・御所柿が有名です。不完全甘柿は、種の有無や種の多少によって渋味が残ることがあります。

柿の渋味の元は、シブオールというタンニンです。シブオールは水に溶けます。渋柿を食べると、唾液にシブオールが溶けて、渋く感じるのです。甘柿は、熟すると、シブオールが水に溶けにくくなりますから、食べても渋味を感じないのです。甘い柿には、黒いゴマのような点々があります。これは、水に溶けなくなったシブオールです。「渋を抜く」というのは、シブオールを水に溶けないようにすることです。

[柿の栄養分]

柿には、いろいろな栄養分が含まれます。

まず、柿には多量に糖分が含まれています。そのため、他の果物より高カロリーです。100gで70calあります。リンゴは100g53cal、ブドウは100g59calですから、柿は思ったよりもカロリーが高いとわかります。

柿は、ビタミンCの含有量が100g70㎎で、果物の中ではトップクラスです。人間が1日に必要とするビタミンCは100㎎ですから、大きい柿(約200g)を1個食べれば、十分摂れます。ビタミンCは柿の実だけでなく、葉にも含まれています。「柿の葉茶」でビタミンCを摂取することができます。

ビタミンA、βカロチンも豊富に含まれています。ビタミンAとβカロチンは、生柿よりも干し柿の方が2~3倍も多くなります。ただ、干し柿にすると、ビタミンCが減少します。

大きめの柿なら、1個につき388㎎もカリウムが含まれています。干し柿ならば574㎎と、カリウム含有量が増えます。

柿には、タンニン(シブオール)、ペクチンも多く含まれています。柿の特徴は、アルコールデヒドロゲナーゼ(カタラーゼ)というアルコール分解酵素があることです。

詳しくは、柿の栄養は何が凄い?成分や効果、選び方などを紹介!を読んでおきましょう。

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柿を食べ過ぎると、病気になる?

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柿には、多くの栄養分がたくさん含まれていますが、食べ過ぎると、下痢や便秘、身体の冷えを起こします。「柿胃石」という病気を発症することもあります。

特に、妊娠中の女性は柿の食べ過ぎには注意が必要です。また、柿アレルギーの人は、食べないようにしてください。

[柿は身体を冷やす]

柿は漢方でいう「寒性」の食べ物で、身体を内側から冷やします。石田三成の言う通りです。

身体を温めるには、熱が必要です。血液中の赤血球が酸素を身体の隅々まで運ぶことによって、熱がつくり出され、身体が温まります。酸素や赤血球が不足すると、身体が冷えてしまいます。

柿にはカリウムが豊富に含まれています。カリウムには体内の余分な塩分(ナトリウム)を水分と結びつけて尿として排出する働きがあります。ナトリウムは、赤血球をつくるために必要です。柿を食べ過ぎると、必要なナトリウムまで尿として排出してしまうので、赤血球を増やすことができません。それで、身体が冷えやすくなるのです。

また、柿にはタンニン(シブオール)が豊富に含まれています。タンニンは、体内の鉄分と結びついて、身体が鉄分を吸収するのを妨げます。鉄分が不足すると、赤血球中のヘモグロビンが生成できず、減少してしまいます。酸素はヘモグロビンと結びついて身体中に運ばれます。ヘモグロビンが減少すると、身体中が酸素不足になり、熱をつくることができません。柿を食べ過ぎると、熱をつくりにくくなり、身体が冷えてしまいます。

[柿の食べ過ぎは、胃腸に悪い]

柿を食べ過ぎると、お腹を壊して下痢をしたり、逆に便秘することがあります。胃を壊したり、腹痛を起こすこともあります。

➀下痢

柿にはペクチンという成分が多量に含まれています。ペクチンは便を柔らかくする働きがあるので、柿を食べ過ぎると、下痢をすることがあります。

②便秘

柿の渋味の元であるタンニン(シブオール)には、腸の動きを鈍らせる作用があります。柿を食べ過ぎると、腸の動きが悪くなり、便秘することがあります。

③胃腸の負担が大きい

柿は消化の悪い食べ物です。柿を食べ過ぎると、胃腸にかかる負担が大きくなります。胃弱の人や胃にトラブルを抱えている人は、腹痛を起こしたり、吐き気が生じたりしやすくなります。

また、柿は身体を内側から冷やします。胃腸が冷えるので、小児や高齢者は胃腸を壊しやすくなります。

④柿胃石

空腹の時に柿を大量に食べると、胃石ができることがあります。これを「柿胃石」といいます。

柿に含まれるタンニンは、胃酸に混じると、食物繊維と結びついて胃石を作ります。空腹時は胃酸の量が多いので、そこへ大量のタンニンが混じると、胃石を作りやすくなります。特に、糖尿病性神経障害がある人や胃の切除手術を受けた人など、胃が弱っている状態だと、胃石はさらにできやすくなります。

胃石ができると、吐き気・嘔吐・胃痛などの症状がでます。胃石が胃壁を傷つければ、胃潰瘍になります。胃石が腸の方に流れて行くと、腸閉塞を起こします。

胃石は、レントゲン検査や超音波検査で発見できます。治療法は、内服薬で胃石を溶かすか、内視鏡でレーザーを使って胃石を破砕するか、です。開腹手術することもあります。最近、「コーラを大量に飲むと、胃石が溶ける」という説が注目されています。

⑤食べ合わせに要注意

柿に含まれるタンニンは、鉄・カルシウム・酸と結びつくと、沈殿して消化が悪くなります。鉄分やカルシウム分の多い食べ物といっしょに柿を大量に食べると、腹痛が起きます。特に、鉄欠乏性貧血で鉄剤を服用している人は、要注意です。

また、空腹時に、サツマイモといっしょに多量の柿を食べると、胃痛や腹痛を起こすことがあります。サツマイモは胃酸の分泌を促します。タンニンは酸と結びつくと沈殿して、消化が悪くなりますから、要注意です。

柿を海老やカニといっしょにたくさん食べると、腹痛が起きることは、昔から知られています。

[柿を食べ過ぎると、太る?]

柿は他の果物に比べて糖分が多く、高カロリーです。普通に御飯など炭水化物を摂取した上に柿を食べ過ぎると、カロリー過多になります。

でも、柿には、脂肪分や糖分を燃焼させるリコピンや利尿作用のあるカリウムが含まれているので、御飯などを減らして、柿を食べるというダイエットを試みる人もいます。でも、柿の食べ過ぎは胃腸に負担をかけるので、オススメできません。

柿は血糖値が上がりにくいので、糖尿病の人も安心して食べられるのですが、食べ過ぎると、糖分の取りすぎで、糖尿病にはNGになります。

[柿のアレルギー]

「柿アレルギー」とは、柿のタンパク質に身体の防衛機能が過剰反応を起こすことです。柿アレルギーは、花粉症と密接な関係があります。花粉症を起こすタンパク質と、柿やラテックス(天然ゴム)素材に含まれるタンパク質がとてもよく似た構造をしているので、花粉症の人が柿を食べたり、ラテックス素材に触れたりすると、過剰反応を起こすのです。

花粉症の人が柿を食べると、口の中や目がかゆくなります。蕁麻疹(じんましん)や吐き気、嘔吐を起こすこともあります。重症になると、発熱や呼吸困難というアナフィラキシーショックを起こすこともあります。これは、かなり危険な状態です。

柿アレルギーは、柿を食べると、すぐ起こります。柿を食べて、口や目がかゆくなったり、蕁麻疹が出たりしたら、すぐに食べるのをやめて、お医者さんに診てもらってくださいね。

[妊娠中は柿の食べ過ぎに要注意]

妊娠中の女性は、柿を食べ過ぎないように注意してください。ただ、後述するように、柿は身体に有益な果物なので、適量を食べることをオススメします。

➀妊娠糖尿病になりやすい

妊娠中の女性は、胎盤から血糖値を上げるホルモンが分泌されるため、妊娠中期から後期にかけて、血糖値が高くなる傾向があります。たいていの女性は、膵臓から分泌されるインシュリンの量が増加して、血糖値の上昇を抑えるようにします。

しかし、体質によって、インシュリンの分泌が不足することがあります。すると、血糖値の上昇を抑制しきれず、妊娠糖尿病になります。

妊娠糖尿病になると、高血圧症候群や羊水過多症が発症しやすくなります。早産する確率も高くなります。胎児にも影響します。胎児が巨大化したり、新生児が低血糖になったりします。最悪の場合、子宮内で胎児が死亡することもあります。

柿は糖分が高いので、妊娠中の女性は食べ過ぎない方が安全ですね。

②身体が冷えるのは、妊婦の大敵

柿は、身体を内側から冷やします。妊娠中の女性にとって冷えは大敵です。身体が冷えると、「つわり」がひどくなります。お腹が張って、腰が痛くなったり、便秘になったりします。

身体が冷えると、早産や流産をしやすくなります。

[柿の食べ過ぎは、何個から?]

「柿の食べ過ぎ」といいますが、いったい、何個以上食べると、「食べ過ぎ」になるのでしょう?普通の人ならば、1日3個~5個まではOKのようです。

健康な成人ならば、1日10個まで、子供は1日5個まで大丈夫という説もあります。

妊婦さんは、1日2個程度、糖尿病の人は1日1個までが適量です。腎臓にトラブルがある人でも1日2~3個なら食べ過ぎにはなりません。

常識的に考えると、柿を1日10個も食べる人は、あまりいませんよね。1日2個〜3個までなら、たいていの人が問題ありません。むしろ、メリットの方が多いでしょう。糖分の摂取を制限されている人も、1日1~2個なら大丈夫ですね。ただし、柿アレルギーの人は1口でも食べると発症するので、危険です。

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「柿が赤くなると、医者が青くなる」というのは、本当?

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柿は、とても身体に良い食べ物です。二日酔いに効くことは、昔から知られています。風邪やインフルエンザ、感染症を予防します。高血圧症の改善と予防もできます。

抗癌作用があることも、最近注目されています。また、アンチエイジング効果、美肌効果があることもうれしいですね。

[柿は二日酔いに効く]

柿は、二日酔いを治すのに効果があります。柿には、「アルコールデヒドロゲナーゼ(カタラーゼ)」という酵素が含まれています。この酵素は、アルコールを分解する働きがあります。

柿は多量のビタミンCを含有しています。ビタミンCは、肝臓の解毒作用を促進する働きがあります。アルコールは肝臓で分解されますから、ビタミンCが分解作用を高めます。

柿に豊富に含まれるタンニンは、アルコールが肝臓で分解される時にできる「アセトアルデヒド」という有害な物質を無害にする働きがあります。また、タンニンには、胃の粘膜を保護してアルコールの吸収を抑制する働きがありますから、アルコール類を飲む前に柿を食べると、二日酔い防止になります。

ただし、二日酔いに効くのは、自然に熟した柿です。熟する前にアルコールなどを使用して人工的に熟させた柿(アルコール追熟させた柿)は、アルコールデヒドロゲナーゼ(カタラーゼ)という酵素が破壊され、ビタミンCやタンニンが減少するので、効果が低下します。マーケットなどで売られている柿は、アルコール追熟されたものが多いので、気をつけてくださいね。

[風邪・インフルエンザ・感染症の予防に効く]

柿は、ビタミンCとAを豊富に含んでいます。ビタミンAは、ビタミンCといっしょに摂ると、ウィルスに対する身体の免疫力・抵抗力を高めます。

ビタミンCとAは鼻や喉の粘膜を強くします。柿に含まれるタンニンには、細菌の毒素を解毒する働きがあります。秋に毎日柿を食べておくと、風邪やインフルエンザが流行する季節になっても、感染しにくくなります。

私は、柿の盛りになると、毎日1~2個、柿を食べるようにしています。おかげで、毎年、冬になっても風邪をひくことがありません。インフルエンザの予防注射をしておけば、「鬼に金棒」、元気で冬を過ごせます。

[動脈硬化や高血圧症の改善と予防]

柿に多量に含まれるビタミンCは、コレステロールを減少させ、動脈硬化を改善したり、予防したりします。血管壁を強くするので、高血圧症にも効果があります。

柿のタンニン(シブオール)は、血管を緊張させて収縮させる酵素を抑制する働きがあります。毛細血管の透過性が高くなります。そのため、血圧が下がります。

柿にはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)を水と結びつけて、尿として体外に排出する働きがあります。余分な塩分が体内に吸収されるのを防ぐので、高血圧症の改善や予防に効きます。

カリウムは利尿効果が高いので、トイレが近くなります。でも、体内の老廃物を尿といっしょに排出し、新陳代謝を促進します。むくみが解消します。

柿に含まれるペクチンという食物繊維は、コレステロールを減少させて動脈硬化を防ぎます。

柿のβカロチンにも動脈硬化を予防する働きがあります。

[抗癌作用]

柿にはβカロチンが豊富に含まれています。柿の黄色がかった赤い色は、カロチンのおかげです。柿のカロチンの80%がβクリプトキサンチンです。βクリプトキトサンチンには強い抗癌作用があります。ビタミンCといっしょに摂ると、相乗効果が出て、癌を予防します。

[アンチエイジング効果・美肌効果]

ビタミンCには、抗酸化作用・抗老化作用があります。肌を強くして、日焼けによるシミやくすみを改善します。真皮細胞の線維芽細胞の働きを活発にして、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンを生成させます。

柿には多量のビタミンCが含まれていますから、アンチエイジング効果・美肌効果が抜群です。

柿にはブドウの5倍もポリフェノールが含まれているので、抗酸化作用が強く、アンチエイジング効果が期待できます。タンニンにも抗酸化作用・抗老化作用があります。

ぺクチンは便を柔らかくする働きがあるので、便秘に効きます。便秘が改善すると、美肌になるだけではなく、身体の様々な不調が改善されます。

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まとめ

柿にはビタミンCやA、βカロチン、タンニン(シブオール)、ペクチン、カリウムなどが豊富に含まれています。

これらの成分は、動脈硬化や高血圧症の予防や改善、抗癌作用、風邪やインフルエンザの予防、アンチエイジング効果、美肌効果など、いろいろな効果があります。一番よく知られているのが、二日酔いの改善と予防ですね。

ところが、柿を食べ過ぎると、身体が内側から冷えて、早産や流産をしたり、胃腸を壊したり、様々な障害が生じます。「柿胃石」「妊娠糖尿病」などの病気を引き起こすこともあります。

つまり、同じ成分が良い方にも悪い方にも働くのです。柿は血糖値を上げにくいので、糖尿病の人も安心して食べられますが、糖分が多いので、食べ過ぎると糖尿病を悪化させます。カリウムも適量ならば、余分なナトリウムを体外に排出して高血圧症を改善・予防しますが、量が多すぎれば、身体を冷やして早産・流産を引き起こします。

昔から、「毒と薬は紙一重」と言います。同じ物質が毒にも薬にもなるのです。ジギタリスは心不全の治療薬ですが、使い方を誤ると、不整脈など中毒症状を起こします。柿も同じです。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」とも言います。柿は1日2~3個食べていれば、良いことばかりです。でも、1日に10個近くも食べると、逆効果です。柿の適量は体質や体調、健康状態によって違いますが、たいていの場合、1日2~3個程度なら全く問題ありません。

糖尿病や腎臓に障害がある場合、妊娠中の場合は、お医者さんに相談することをオススメします。

おいしい柿を適量食べて、厳しい冬を健康に過ごしてくださいね。

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