太田母斑の症状とは?原因・治療法を知ろう!レーザー治療が有効な理由はなぜ?

顔の半面に、特におでこや頬、瞼に「青あざの様な症状が出てきた!」というようなことがあった場合、太田母斑(nevus of Ota/おおたぼはん)が疑われます。

アザの色は様々であり、赤、青、茶、黒と色や症状により、疾患も異なります。良性のものと悪性のものもあります。皮膚に何か変なシミ・アザがあるな?と気づいた際には、放置せずに早期に受診しましょう。

では、太田母斑とは一体どんな病気なのか、症状や検査、治療などについて紹介していきます。

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太田母斑の症状と検査

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太田母斑の症状は、顔と眼に出現します。母斑とは、アザの事を言います。顔と眼以外に出現した場合には、他の母斑が考えられます。

顔や眼に限らず皮膚の異変がみられた際には早期に受診しましょう。それでは、顔のどこに、どのような原因で、どういった症状が出現するかを説明していきます。

好発年齢

黄色人種など日本人を含む東洋人の女性に多いです。特に思春期に好発します。生後一年以内の小児や子供、成人と年齢に問わず発症します。

男性には発症しにくく、女性の方が男性の4、5倍の発症率と言われています。小児の場合は、全体の約0.1%の発症率になります。

顔に出る症状

三叉神経の第1、2枝領域に片側性の淡青褐色の母斑(ぼはん/アザ)と眼球メラノーシス(ocular melanosis)を生じます。眼球メラノーシスに関しては後述します。

顔にある三叉神経の第1、2枝領域は、瞼裂・眼瞼・頬骨部・側額・頬部が存在します。ここに生じる母斑の色調は単一ではないです。上記にも記したように、片側性で全体的に淡青色を呈し、更にその中に青色、褐色や赤色の小さい点々が播種性(はんしゅせい)に散在します。これらは、皮膚の深層部にメラニン細胞が集まることで生じます。

ほとんどが片側性(顔の右側か、左側)に発症しますが、約10%の方は両側性(顔の右側・左側両側)にも発症する可能性があります。こちらも後述しますが、両側性のものには、遅発型である中年以降に発症する太田母斑で生じやすいです。

眼の中にも症状が出現

眼球メラノーシスとは、眼球上の結膜や強膜、上強膜、虹彩、眼底に色素沈着し、斑点が出現するといった症状のことを言います。これは、太田母斑を発症する約半数の症例にみられます。白眼の部分に出現する太田母斑の黒い小さな斑点が、人の肉眼でも直接見つけることができます。

生後数か月と間もない時に出現する太田母斑は、眼の周囲に出現しやすいです。これは、自然消退はされず、徐々に濃くなります。小児の場合も、皮膚だけではなく眼球メラノーシスも出現することがあります。

「目元にクマがある!」という方も、軽度の太田母斑が疑われます。安易に放置せず、ずっと目元が青くなっている方は一度病院を受診してみると良いでしょう。

口や喉、耳などにも症状が!

三叉神経は、頬骨部や側頭部、頬部の支配もしている。ということで、症状はその付近にも出現する可能性があります。

要するに、眼の周囲や眼球以外にも、耳の中の鼓膜部、鼻の中、口や喉の内側にもメラニンの色素が沈着して母斑が出現することがあります。見えないところになるため、医師に診てもらい確認してもらう必要があります。

早発型(小児)の場合

早発型と言われ、生後1年以内に発症すると言われています。

また、好発する思春期も早発型に含まれます。早発型で発症したシミは、成長と共に色濃く、大きくなっていく可能性が大きいです。

遅発型の場合

遅発型は「遅発性太田母斑」と言われます。これは、頬部に2~5㎜程の小さく、不明瞭な褐色のシミの症状が出現します。これは、両側性と顔の右側にも左側にも発症します。

合併する病気は日光性色素斑や肝斑といった、30~40歳代の女性に多く、女性ホルモンバランスが不安定になることが原因で生じるものとなります。遅発型の場合は治癒が困難となり、治療にも数カ月かかると言われています。

検査

皮膚の真皮の上層から中層にメラノサイトが散在し、基底層にはメラニンの沈着が所見として認められます。顔の表面だけではなく、眼や耳、口の中も検査する必要があります。

検査内容は、診断を確定するための皮膚の生検、細菌の検査、アレルギーの検査などの血液検査が行われます

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太田母斑の原因

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太田母斑の原因は、明確化されているものと、そうではないものがあります。また、遺伝性と勘違いしてしまい、そのままにしてしまう方もいます。

アザやシミにもいろいろなタイプがあるので、しっかり医師に診てもらい、原因を探ってみましょう。

太田母斑は腫瘍です

腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。良性腫瘍も多数種類があります。太田母斑は、良性腫瘍の中の、神経堤由来に分類されます。

メラニン細胞の異常が原因

太田母斑の原因は、未だ明確化されていません。しかし、以下の症状にも述べますが、メラニン細胞というメラニンの色素が集まることで発症することに関しては明確化されています。

このようにメラニン色素が異常に繁殖するものは、皮膚のどこの部位に発症するかによって母斑の色が異なります。

遺伝性なのかどうか

遺伝性と思われがちですが、遺伝性ではなく、先天性あるいは後天性が要因となります。

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太田母斑の治療

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ひと昔前は、母斑が出現している部位の皮膚表面を薄く削る手術や、ファンデーションで隠したり、ドライアイスを使用した凍結療法などといった対症療法が施されていました。しかし、近年では医療も進歩して、母斑を消退しようとすることができる治療が主流となっています。

それが、レーザー治療です。これは非常に効果的とされています。レーザー治療の機械としては、アレキサンドライトやQスイッチルビーレーザー(The Ruby Z1TM)などがあります。レーザー治療に関しては、保険が適応されますが、内服薬や外用薬に関しては保険が適応されず、自費での治療となることがあります。

受診する病院

皮膚の病気になるので、皮膚科または形成外科、美容皮膚科を受診するようにしましょう。現代では、美容形成外科も施術がしているところがあります。

病院によって設けている機械も異なり、今後の対処法が異なるでしょう。よく選んで、医師と相談し、治療をしていきましょう。

症状が出る箇所によっては、精神的なストレスがなければ大きな支障はないですが、加齢とともに小さかった母斑が拡大していき、小さく青いブツブツとして母斑が消退していかないというのは異常です。他の原因が考えられることもあります。早期に病院を受診するようにしましょう。現在では、レーザー治療であれば保険が適応されています。治療費に不安がある方は、事前に調べるか、金銭に関しても医師に相談してみましょう。

どの科を受診するかを悩む方は、皮膚科と美容形成外科の両方の診察が可能な施設を選択すると悩まずにすむかもしれません。

皮膚科は病気を検査・処置して治癒させ、元の健康な状態に戻すためにあるため、レーザー等の処置や処方される薬には健康保険が適応されます。一方、美容形成外科や美容皮膚科に関しては、「シミを消す」と、美容が目的となった治療になってしまい、レーザー治療などの処置にかかる費用や、薬は全て保険が適用されません。

「皮膚科と美容形成外科の両方の診療が受けることができなくても良い、どれかに絞りたい!」という方は、こういった治療費用を検討して選択するのも良いかもしれません。

小児の場合

幼小児期から治療は可能ですが、入院が必要です。全身麻酔を施行した上で、照射を行います。全身麻酔の必要性は、治療する部位や、その面積によります。また、全身麻酔を行うならば3歳以降が最適であるとも言われています。

治療期間は2泊3日となります。照射は、3~4カ月毎に繰り返します。照射終了後には、約1週間の軟膏での治療が必要となります。

成人の場合

麻酔は局所麻酔が行われ、麻酔テープや麻酔クリームが使用されます。外来にて麻酔と照射の処置がされます。照射は、3カ月毎に1回施行し、繰り返し施術を行います。

レーザー治療について

レーザーを利用して血管やメラニン、異物などの色素を選択的に破壊して消失させる方法です。更に、レーザーを使用することで皮膚組織へのダメージを最小限に抑えることができ、瘢痕(はんこん/傷跡)の形成もされずに治療が可能です。母斑の大きさが小さければ小さいほど、レーザー治療の効果が発揮されやすいと言われているため、早期に対応できるように行動すると良いでしょう。

使用する機械は、Qアレキサンドライト、Qスイッチレーザー、Qスイッチルビーレーザー、ロングパルスアレキサンドライトレーザー、色素レーザー(Vビーム)、ピコセカンドレーザーなどがあります。

基本的には、麻酔の代わりに氷で冷やしますが、痛みに敏感な方や、照射範囲が広範囲の場合には、皮膚に塗る麻酔が使用される場合があります。

照射回数は機種により異なり、照射する期間の目安は約1~3カ月毎に1回になります。Qスイッチレーザーに関しては、深層部の太田母斑の消滅も可能と言われています。個人差はありますが、一度医師と相談してみると良いでしょう。レーザー治療のその後に関しては、「予後」で説明をします。

レーザー治療が適応外になることもあります

レーザー治療は非常に有効的ではありますが、全ての方に適応されるわけではありません。禁忌となる対象者がいます。

それは、関節性リウマチといった関節病変を罹患している方、免疫力が低下しており、刺激に弱い自己免疫疾患など、免疫の異常を有している方、妊娠中、授乳中の方やその他、糖尿病、緑内障、自律神経疾患、円錐角膜などの眼障害、精神神経疾患を有している方が、レーザー治療の非対象者となります。

その他にも、対象外となる疾患もあるので、受診した際には自身の既往歴(今までに有している病気)や内服または外用している薬について医師に情報を提供する必要があります。「どうしてもレーザー治療を受けたいから内緒にしよう!」と言って情報不足の状態で検査や処置を行ってしまうと、それに対する副作用や合併症を引き起こし、取り返しのつかないことになる可能性があります。最善の治療を受けるためにも、医師には正しい情報を伝えましょう。

内服薬

メラニンに対する薬なので、ビタミンCが処方されることが多いです。また、トラネキサム酸などもあります。

よく「シミができたからドラッグストアの市販薬を買って使おう!」という方もいますが、これは間違った判断になります。太田母斑は、「アザ」であり、メラニン色素が増殖することで淡青褐色や茶色の色素のシミではありますが、母斑という「アザ」が出現する症状なのです。よって、市販薬のシミの治療薬では治しようがないのです。

必ず、皮膚科や形成外科へ受診し、正しい処置をしてもらうようにしましょう。

外用薬

メラニンの除去のため、トレチノインゲルやハイドロキノン軟膏などがあります。ハイドロキノンを含む薬や、甘草エキスを含むワセリン軟膏などは美白作用があり、効果的と言われています。美白に関する成分を含む化粧品やサンスクリーンもオススメです。

こちらも、内服薬と同様、薬自体は市販薬を購入して使用しても治癒はされません。医師に処方してもらうようにしましょう。

太田母斑の予後

治療をせずに放置をしていると、年齢を重ねると共に太田母斑が拡大していき、より濃くなっていきます。

レーザー治療での有効率は約97%となっており、悪性化はしませんが、自然に消退することもありません。レーザー治療後は、約1週間、化粧を施すことができません。その他に、治療を施した部位を擦るなど、刺激を与えないようにする必要があります。

なお、レーザーの出力を高くしすぎると、一時的に内出血やシミが濃くなる可能性があります。その他、炎症性の色素沈着や眼感染症、眼圧の上昇、強膜・結膜の癒着や視力の低下といった合併症が予測なく併発する可能性があることを頭においておきましょう。

内出血やシミが濃くなった際には、しっかり経過を追うと最終的に早期に母斑が薄くなるとされています。

レーザーの出力を低めにするとこういった内出血や瘢痕は残らず、ダウンタイムも短期になります。乳幼児期のレーザー治療では、改善後も約半数の症例は思春期に再発する可能性があり、レーザー治療を再び受けることになります。

顔の母斑はこういったレーザー治療によって治癒されやすいですが、眼球に発症した場合には、治癒は困難であり、予後不良となる可能性があります。

太田母斑の予防

太田母斑は予期せず発症します。原因も明確化していないため、予防することは困難です。発症後に対応をしていかざるを得ません。

メラニン色素が関与しているので、念のために日焼け止めを使用したり、普段使用する化粧品には紫外線カット機能付きのファンデーションやベースを使用すると良いでしょう。また、眼球からも紫外線が入り込んで身体の中へ影響を出すため、紫外線カット機能付きのサングラスを着用することもオススメです。

メンタルケア

シミやアザがどうしても気になる方は、コンシーラーやファンデーションといった化粧品で隠すこともオススメです。治療前や治療後にも使用することは増えるかもしれません。化粧を施すことで精神的なストレス負荷を軽減することができる可能性があります。

もし、ファンデーションを使用する場合には、リキッドファンデーションの厚塗りでは間に合わないことがあります。リキッドの上に、しっかりとカバー力のあるパウダーファンデーションを塗ると良いでしょう。夏やスポーツをする時などは汗をよくかき、ファンデーションが崩れることで母斑が目立ちやすくなる場合があります。

そういったことが無いように、このような際には、より密着性の高い、カバー力のある物を使用すると良いでしょう。

治療前後では、状態によっては化粧の使用を制限されることがあります。化粧品の使用を検討している場合は、医師としっかり相談しましょう。これは、化粧水や乳液といった基礎化粧品に関しても同様です。

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まとめ

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太田母斑は、顔にアザができる病気ということがわかります。ちょっとしたシミだと安易に考えないようにしましょう。眼にも症状が出て状態が悪化してしまうと取り返しがつかないこともあり得ます。皮膚の何らかの異変に気付いた際には、放置せずに早めに皮膚科または形成外科に受診をしましょう。

多くの疾患は、症状の発症から病院へ受診したこと、検査や治療の闘病記録をブログなどに投稿している方がいます。もし、不安のある方は、そういったブログ記事をインターネットで調べてみると、精神的な不安が解消されるのではないでしょうか。但し、インターネット上の体験記が全てとは思わないようにすることが注意点です。それらは、あくまでその人その人の体験であった、「自分」ではないからです。

病気は個人によって全身状態から既往歴、服用しているもの、生活背景が異なり、病気のかかり方や症状が類似していたとしても、これらにより個人差が生じます。インターネット上の体験記は参考として頭におき、自身の事は自身だけで判断するのではなく、医師と一緒に治していきましょう。

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