パートナーといい雰囲気になった時に、「今日は生理だった」という経験をした事がある方は多いのではないでしょうか。生理中に性行為をするのは、なんとなく良くないと思っている人はいても、リスクを正しく理解している方は少ないと思います。
また、周りの皆はどう対応しているのか、男性は生理中の性行為についてどう思っているのか、生理中の性行為について気になる事はいっぱいあります。ここでは、生理中の性行為についての気になる疑問やリスク、生理中の性行為の回避方法、生理中に性行為を行う際の注意点について詳しくご紹介します。
生理中の性行為について
ここでは、生理の概要、生理中の性行為を周りの皆がどのように対応しているか、男の人がどう考えているかについてご紹介します。
生理について
生理中の性行為について知る前に、まずは、生理とはどういうものなのか知ることが大事です。生理または月経とは、子宮が成長し子供を産むことができる体が作られたという証です。10歳~15歳の頃に初めて生理を経験してから、約50歳までは毎月続きます。
女性の体は約28日前後の周期で排卵をして、子供を産む準備を整えます。子宮内膜が厚くなり、生理終了後14日後頃には、排卵が起こります。この時期に、精子と結合して受精卵になることを妊娠といいます。
しかし、この期間中に妊娠しなかった場合は、必要のない卵子や子宮の中に準備した子宮内膜を外に排出し、また新しく準備に取り掛かります。この必要のなくなった卵子や子宮内膜を外に出す行為が生理です。
月経が始まると、子宮内膜の表面に位置する機能層と呼ばれる組織が、溶け出したものが血液となります。これが生理の血液となり、外に排出されます。この子宮内膜が排出されると、ホルモンが新たに子宮内膜を作ろうと働き、生理を毎月繰り返します。
生理の平均日数は3日から7日です。8日以上の場合は、過長月経や月経期間異常と診断され、子宮筋腫や子宮内膜症の可能性が高いです。また、2日以下の場合は、過少月経と呼びます。生理の平均日数以上でも以下でも、何か異常が起きていると診断され、放置すると不妊症を引き起こす可能性が高くなります。
生理に3日~7日の期間が必要な理由は、子宮の出口が関係します。子宮の出口はストローの穴よりも細いと言われ、血液が通るには時間がかかります。その他にも、子宮のサイズやホルモンの分泌量、子宮口の大きさなど様々なことが関係して、生理が終わるのまでには数日かかります。
また、生理が始まると心と体にも大きく影響が出てきます。体の影響としては、乳房が張る、乳房が痛む、乳首が敏感になる、下腹部痛、腰痛、吐き気、下痢、貧血、だるさ、むくみ、頭痛、肩コリ、腰痛、ニキビ、肌荒れなどが挙げられます。また、心の影響としては、イライラ、憂うつ感、不眠、眠気、過食などの症状が起こりやすくなります。
このように、生理期間中は体や心に大きな影響を与えている時期とも言えます。
生理中の性行為を周りはどう対応しているか
生理中の性行為について、周りの女性はどのように考えているのか、ご紹介します。
1.血が気になるので性行為は絶対にしない
生理痛が重かったり、気分が乗らなく、イライラしていることも多いので、いい雰囲気になる事自体ないという考えが圧倒的に多く、生理中は性行為に及ぶ気分ではない女性が多いようです。その他に、ベットやシーツが汚れたり、血を見たくないという理由もあります。
また、生理中の性行為は清潔ではないという声や、病気になるのではと心配する声もあります。このように、気になる事が多いので、生理中には性行為はしないという結論に至る方が多いようです。
2.生理中の方が性欲が増す
生理の時は気分が落ち込みやすい、イライラしやすく、性欲が低下する人もいれば、生理中の方が性欲が増す方もいます。性欲が増す時期は、人それぞれではありますが、一般的には女性の性欲は、生理終了から排卵日の4、5日後くらいまでが高くなると言われています。
その為、実際に生理中に性欲が増す方は少数の方ですが、お酒を飲んだときや、寂しさを感じている時、ストレスがある時は性欲が増加する傾向にあるので、生理でストレスを感じてそれを発散させたいと性行為に及ぶことが考えられます。
男性に聞いた生理中の性行為のイメージ
大半の女の子は生理中に性行為をしたくないと考えていますが、男性はどうなのでしょうか。いくら女性側がしたくないなと思っていても、大好きなパートナーといい感じになってしまったら、避けられない女性もいると思います。男性が考える生理中の性行為のイメージについてご紹介します。
1、生理中は出来るだけ性行為を避けたい
女性同様、生理中の性行為を躊躇する男性がほとんどです。理由として、血をみたくない、血を見ると性欲が下がる、ベットやシーツだけでなく、自分の性器に血がついたりと汚れが気になる、血を見ると痛そうなイメージがある、パートナーに負担があるのではないか、不潔なイメージがあるといった理由が挙げられます。
2、避妊しなくてもいいチャンス
生理中は、卵子などが外に流れる時期である為、生理中は避妊しなくてもいいのではないかと考えている男性がいます。しかし、生理中でも妊娠する可能性は十分にあるので、避妊をしなくていいと考えるパートナーがいれば、しっかりと否定するべきでしょう。
3、出来ないと思うと逆にしたくなる
いけないことや制限がかかることは、逆にしたくなったり、意欲がわくという理由で、生理中の性行為に興味がある方もいます。相手の体の負担を考えたり、気にするべき点が多いのは分かっていながらも、ダメと言われてるとチャレンジしたい男の人もいるようです。
男性側の意見は、生理中は性行為をしたくないと思っている人がほとんどですが、一部の方は、避妊をしなくていいチャンスだと思っていたり、制限がかかることで性欲が増す人もいるようです。女性よりも男性の方が生理中に性欲が増す人が多いので、このような考えを持っているパートナーには、生理中の性行為について正しく理解をしてもらう必要があります。
生理中の性行為は危険?
生理中に性行為をすることは、様々なリスクがあります。膣内が傷ついたり、感染症や子宮内膜症などの病気を引き起こす可能性があります。
また、生理中は避妊が必要ないと考えている方もいますが、生理中でも妊娠の可能性は十分にあり、望まない妊娠をしてしまう可能性もあります。ここでは、これらのリスクについて詳しくご紹介します。
膣内が傷つく・感染症を引き起こす恐れが
生理中の膣内は、大変敏感で傷つきやすくなると言われています。その為、生理中に性行為をすると、膣が傷つき感染症を引き起こしたり、痛みを伴う場合もあります。
また、性行為をする前には、膣を濡らす行為が必要です。膣を濡らす分泌物のことを、膣の潤滑油と呼びます。この潤滑油は、生理の血は別物である為、生理の血があるからといって膣がぬれていなくても大丈夫と考えるのは大きな間違いです。生理の血が、潤滑油の役割を果たさない事が、膣がいつもよりも傷つきやすい原因でもあります。
子宮内膜症になる恐れが
子宮内膜症とは、子宮内膜が骨盤の腹膜や、卵巣などに入る状態を子宮内膜症と呼びます。一般の方では5%~10%の方に見られ、不妊症の方では20%~30%の方に見られるといわれ、不妊の原因にも繋がる病気です。
子宮内膜症になる原因はハッキリとは解明されていませんが、生理中の性行為が原因ではないかと考えられています。通常、生理の血液は膣を通って体外に排出されます。しかし、生理中に性行為をすることで、血液が卵管の方に逆流して子宮内膜が入ってしまうのではないかと考えられています。
通常は体外に出されるはずのものを、性行為をすることで逆流させる原因になる為、危険性は伴います。子宮内膜症になると、辛い生理痛が現われたり、生理の回数を重ねる度に痛みが増します。痛みが強く寝込んでしまう方や腰痛や性行為時の痛み、排便時の痛みを感じる方もいます。これらの症状が現われたら、すぐに産婦人科を受診されることをおススメします。
生理中でも妊娠の可能性がある
生理中なら避妊しなくても大丈夫と考えている方がいます。実際に、生理中に妊娠する確率は排卵日に比べると低いですが、生理中でも妊娠する可能性は十分にあります。女性の排卵はほぼ定期的に行われますが、ストレスや性行為の刺激、ホルモンバランスの乱れなど様々な要因で排卵周期が変わることがあります。また、生理が長引いて生理中に排卵することもある為、生理が終わる頃につれて、妊娠する確率が高くなります。
また、精子は1週間ほど卵管の中で生きていると言われている為、生理後に排卵して生きていた精子が受精するという事も起こります。生理だから大丈夫と誤った認識を持って、避妊をしないのは望んでいない妊娠を招く恐れがあります。
妊娠を望んでいないのであれば、生理中でも避妊をする必要は十分にあり、更に膣が傷ついたり、子宮内膜症になる恐れを考えると、整理中の性行為はしない方がいいと言えます。
生理中の性行為を回避する方法
女性側は自分の体にかかるリスクを思うと、生理中の性行為をやめることは容易なことに感じますが、パートナーに頼まれた場合に、しょうがないと受けてしまう方や、いい雰囲気になって断りずらいなどの状況になることもあります。ここでは、それらを踏まえてパートナーと一緒に生理中の性行為を回避する方法をご紹介します。
食欲を満たす
人間には3大欲求と呼ばれる「食欲」「睡眠欲」「性欲」とあります。これらの欲求は影響しあう部分があり、一部の欲が満たされた場合は、他の欲を抑えられる関係にあります。少しお腹がすいている時や食べる前の方が性欲が高まると言われています。その為、ご飯を食べたりお腹をみたすことで性欲を抑える事が出来ます。
性欲が高まっていると思ったら我慢せずに、パートナーと一緒に好きなものをお腹いっぱい食べて回避しましょう。
パートナーと話し合う
自分だけ悩みを抱えていてもしょうがないので、まずはパートナーに生理中の性行為に関するリスクについて話をしましょう。「リスクがあるので、生理中はしたくない」という話を事前にすることで、パートナーも理解してくれたり、一緒に努力しようとしてくれるはずです。
まずは、生理中の性行為について、どのように考えているのかお互いの認識をすり合わせる必要があります。
いい雰囲気を作らない環境にする
生理中は気分がおっくうになったり、落ち込む為、家に居たいと思う方も多いです。しかし、パートナーと一緒に家にいると、いい雰囲気になってしまうことが多いです。その為、生理中はなるべくパートナーと外に出かけたり、外で会う機会を作りましょう。外に出ることで、生理中のストレスも解消できたり、性欲を忘れることも出来ます。
出来るだけ人目のある場所で会い、2人きりの空間を作らないようにすることで、お互いの性欲を抑える事が出来ます。
趣味に没頭する
何もしていないと、性欲が高まったり、性について考えてしまいがちです。その為、何かに忙しくなる時間を作ることで、性欲を抑える事が出来ます。ゲーム、読書、ショッピング、スポーツなど自分の好きなものに没頭しましょう。
生理がくる前に性行為もしくは自己処理をする
たまにの休みにしか彼に会えないという方は、性欲が高まった状態で彼に会うので、生理中でも性行為をしたいという欲求に駆られてしまいます。その為、自分の生理がくる周期を覚えておき、彼に長い間会わずに生理を迎える可能性のある方は、生理前に自己処理をしましょう。
また、生理が来る前に性行為を行い、生理中の性欲を抑えるようにするなど工夫しましょう。
性処理を行う
生理中にどうしても相手の性欲が高まってしまっている場合は、挿入は避けて相手の性欲を抑えるために、自己処理をしてもらったり、出来る限り手伝ってあげましょう。性処理を行うことで、欲が収まります。相手の欲求が強い場合は、挿入はしない旨を伝え、相手に満足してもらうようにすることで愛情表現を伝えられます。
スキンシップやキスの回数を多くする
性行為だけが愛の表現方法ではありません。スキンシップを多くしたり、キスを多くすることで、愛情を伝えることが出来ます。キスやスキンシップが多いと性欲がわくのではないかと思う方もいますが、これらの行為をすることで幸せホルモンである、セロトニンという物質が放出され、ストレス解消になります。
愛情を表現したいという気持ちは、性行為ではなく、キスやスキンシップを多くすることで満足できることもあります。キスや性行為をすることで性欲がわいてしまった場合は、相手の性処理を行い、出来るだけ挿入する行為を避けましょう。
生理中に性行為をする場合の注意点
どうしても避けられなかった場合、生理中に性行為をすることになった場合は、必ず下記のことに気をつけましょう。
避妊具(コンドーム)をつける
感染症のリスクや妊娠のリスクを回避する為、コンドームを使用しましょう。特に、生理中の膣内はデリケートな為、感染症を引き起こすリスクが高いです。女性だけでなく男性も感染症になるリスクがある為、パートナーと相談してコンドームは必ず使用しましょう。
性行為前も後も性器を清潔に保つ
生理中は膣がデリケートになっている為、傷ついたり感染症を起こす危険性があります。その為、出来るだけ性器をキレイに洗い、清潔にしてから性行為を行いましょう。雰囲気が壊れるからとお風呂に入るのを嫌がる場合は、一緒にお風呂に入るなど雰囲気を壊さない工夫しましょう。
また、性行為が終わった後も、キレイに洗い流して清潔に保ちましょう。可能であれば、ベットではなくお風呂場で性行為をすることで、寝具を汚さずに済んだり、性行為が終わった後もお互いの性器をキレイに保つことが出来ます。
激しい動作を避けてもらう
生理中に性行為をする場合は、激しい動作を避け、ゆっくりと動いてもらいましょう。潤滑油と呼ばれる膣を塗らす分泌物は、生理中は少ないです。生理の血は潤滑油の役割を果たさない為、血で塗れているから大丈夫という考えは大きな間違えです。
潤滑油が少ない為、激しい動作は膣を傷つけます。パートナーに伝えて激しい動作を避けてもらいましょう。
おわりに
生理中の性行為は、膣が傷ついたり、感染症を引き起こす、子宮内膜症になるなどのリスクを考えると避けるべき行為であると言えます。生理中に性行為をすることが多いという方は、一度パートナーと一緒にリスクについて話し合い、今回ご紹介した回避する方法を試してみてください。
それでも回避できない方の場合は、必ずコンドームをつけたり、お互いの性器を清潔に保つ、激しい運動は避けるなどの注意点を守って、性行為に及びましょう。
関連記事として、
これらを読んでおきましょう。