陰嚢水腫は赤ちゃんに多い?症状や原因、検査方法を知ろう!治療した後の予後は?大人にも発症することがあるの?

子供に起こる病気というは親としてとても心配になりますよね。体の一部に他とは違う明らかな異変がある。そうなると、例え大丈夫だとしても心配でしょう。

陰嚢水腫は陰嚢部に水が溜まり、腫れてしまう病気です。体には無害ですが、見た目はかなり変わっていますから、なんとも心配になってしまうことでしょう。

では、この陰嚢水腫がどうして起こってしまうのか。またその症状とはどういうもので、どういった治療をしていくのか。これらのことについてみていきましょう。

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陰嚢水腫とは

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冒頭でも述べたように陰嚢水腫とは、陰嚢部に水が溜まる症状です。大人でも発症することがありますが、新生児・小児に好発します。

出生児からわかるものもあれば、時間が経って発症することもあります。それほど心配することはない病気ですが、具体的にはどのような症状を発症するのでしょうか。

陰嚢水腫の症状とは?

陰嚢部に水が溜まり、腫れてしまうことが主な症状です。それ以外には基本的に症状を伴いません。それもまた、陰嚢水腫の特徴と言えるでしょう。陰嚢部が痛いといったことは起こらないのですね。

ただ、陰嚢が大きくなるものですから、歩行の際にかなり邪魔になることがあります。すれてしまうこともありますから、その点は注意する必要があるかもしれません。陰部に異物があると、かなり違和感がありますよね。

水腫は触ると弾力があります。触っても痛みはありません。また、水腫の大きさは日や時刻によって変化します。朝は大きかったけど、夜になると小さくなっているなんてことがあるのですね。ただ、元の大きさになるにはそれなりの時間がかかります。

水腫はどちらか片方の陰嚢に発症します。どちらも大きくなるという症状は稀です。左右対称ではない腫れが見られるときは水腫と診断できます。

水腫の判断としてはペンライトを用います。陰嚢部に光をあてると透けてみえることが特徴です。痛みがなく、この症状がみられる場合は病気を疑ってもいいでしょう。反対に透けていない場合は水腫ではないかもしれません。

一方で陰嚢部の痛みを訴えるようであれば、それは陰嚢水腫ではなく、他の病気の可能性があります。重篤な病気を患っている可能性もあるため、早急な対応が必要でしょう。

そもそも陰嚢とは

陰嚢とは精子を産生する精巣、精巣と尿道を繋げる精管、そして精索という生殖組織をまとめる袋状の組織です。皮膚や皮下組織から構成され、皮下脂肪は持っていません。

陰嚢水腫は具体的に、陰嚢内にある鞘膜と呼ばれる精巣、精管などをおおう袋に水が溜まります。陰嚢部に水がたまれば、陰嚢水腫ですが、陰嚢内の精管に水が溜まると精管水腫と呼ばれます。

陰嚢に何かしらの病気があるとき、水腫では腫れがみられますが、左右の大きさが違ったり、高さが違うなんて症状もみられます。この辺りも病気を判断する1つの指標にしてみてください。

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陰嚢水腫の原因とは?

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陰嚢水腫は発育過程に問題があることで発症します。精巣は通常、発育の過程で陰嚢に入り、その通り道は塞がれます。通り道が塞がれているわけですから、陰嚢部に水等が入ることはできません。

しかし、陰嚢に精巣は入ったものの、その通り道が上手く閉じず、水が溜まってしまうことがあります。これが陰嚢水腫を発症する原因です。通り道がどうして閉じないのかについての原因はよくわかっていません。

大人の陰嚢水腫

新生児や小児の場合は発育の過程で水腫を発症することがありました。しかし、大人の場合はそういった原因とはまた別の原因で水腫を発症することがあります。具体的には以下のことがあげられます。

精巣腫瘍

精巣部に腫瘍ができてしまうことで、陰嚢水腫を招くことがあります。初期症状としては陰嚢の腫れが起こりますが、痛みは起こりません。しかし、強い不快感を感じるでしょう。

症状の進行に伴って、痛みを感じることがあります。このような痛みは陰嚢水腫だけではみられないので、精巣腫瘍を疑ったほうがいいでしょう。転移することもあるため、違和感を感じたら早めに治療を受けることが大切です。

寄生虫

かなり稀なケースですが、寄生虫による陰嚢水腫があります。これは寄生虫がリンパ管に規制することで、リンパの循環機能を停止させるために起こります。バンクロフト糸状虫という寄生虫によって引き起こされます。

精巣上体炎

精巣の横には精巣上体と呼ばれる器官があります。副睾丸とも呼ばれます。なんらかの原因でこの部位に炎症ができてしまう症状を精巣上体炎といいます。精巣上体炎は尿中の細菌が逆流することで起こることが多いです。

尿中には基本的に細菌はいません。しかし、他の病気を合併していると、尿中に細菌が繁殖することがあり、伴って精巣上体炎を発症します。尿道炎や、膀胱結石などがきっかけになることがあります。

大人の陰嚢水腫の特徴

大人の陰嚢水腫では40歳以上の方に好発します。また、高齢になるほど体力が低下し、病気を発症しやすくなりますから、伴って病気を合併する何てこともあります。

特に精巣腫瘍では、自覚症状が少なく、進行してから病気が見つかるということもあります。また、症状を自覚していても、病院へいかないという人もいるため、発見が遅れることにつながります。陰嚢部の違和感、しこり、腫れ。これらのことに自覚があるようであれば、早期に治療を受けるようにしましょう。

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陰嚢水腫の治療

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陰嚢水腫の治療は基本的に経過観察です。小児であれば、1〜2歳までには腫れは消失します。陰嚢の腫れで歩きにくいといったことがありますから、そういった動作だけに注意すればいいでしょう。

反対にその年齢になって水腫が治らない場合は、治療を行うことがあります。治療は手術を行います。内容物を吸い出すという手法では再発することが高いため、あまり行われることはありません。

手術では鞘膜の切除、および閉鎖を行います。小児では陰嚢と腹膜が繋がっていることがあり、この部分の閉鎖も行うことがあります。このような原因で起こる水腫を交通性陰嚢水腫といいます。

大人の陰嚢水腫の治療とは

大人のケースでは陰嚢と腹膜は繋がっていない、非交通性陰嚢水腫を発症します。しかし、治療は小児と同様、鞘膜の切除、内容物の吸引等が行われます。

また、他の病気の合併があるケースでは陰嚢水腫だけではなく、そちらの病気の治療も行っていきます。大人の水腫は他病気の合併で起こることが多く、同時並行で治療していく必要があります。

陰嚢水腫の検査方法

病気の判断は陰嚢部の痛みの他、ペンライトを当てることで判断します。光を当てることで透けるようであれば、陰嚢水腫と診断することができます。他の病気で透けはみられません。

また、超音波検査をすることもあります。これは鼠径ヘルニアという症状と判断するためです。鼠径ヘルニアとは脱腸のことで、正常な位置とはずれて腸が位置してしまう病気です。

陰嚢水腫では痛みがなく、陰嚢が腫れることが特徴です。反対に腫れていて、痛みもあるようであれば注意が必要です。早急に検査を受けるようにしましょう。

陰嚢水腫の予後

手術後の再発は稀で、予後は良好です。水腫の発生が片方のみの場合は、10%の確率でもう片方に発症するといわれています。治療後、数週間程度で元の生活に戻ることができます。

陰嚢水腫単体で他の合併症を招くということもありません。そのため、自然治癒、治療後の病気の心配をする必要はないでしょう。一方でこれが成人の場合は病気を疑うきっかけとなります。

生殖機能に関しても気にすることはありません。水腫は自然に消失していきますから、その後不妊症になるということもありません。

ただ、原因の部分でも述べましたが、大人の場合、水腫ができるということは何かしらの合併症の可能性があります。詳しい検査を行い、体の状態を詳しく調べる必要があるでしょう。

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陰嚢水腫に気づいたらどうする?

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小児の陰嚢水腫は気にする必要がありません。痛みもありませんし、合併症を招くということもないからです。見た目はかなり気になりますが、時間経過と共に消失していきますので安心してください。

もちろん、陰嚢が腫れるというのは、衣類との擦れを招くことがあります。また、違和感から泣いてしまうなんてこともあるかもしれませんよね。そういったことに親はきちんと気配りをしてあげることが大切でしょう。

一方で成人の陰嚢水腫には十分な注意を払う必要があります。他の病気の合併症を発症していることがあり、時として腫瘍の可能性もあるからです。

陰嚢という場所だからか、体に異変があったとしても病院へ行くのをためらうという人もいます。治療が遅れればそれだけ労力が要りますし、症状も悪化することもあります。

特に腫瘍であれば、転移してしまっていることが多々あります。見た目でわかりやすい症状が出ているにも関わらず放置してしまう。これだけはなるべく避けたいものです。

陰嚢が左右で大きさが違う。また、時間経過と共に肥大している。そして、なにより痛みを感じるようになってきた。このようなことに心当たりがあるようであれば注意するようにしましょう。

病気を正しく捉える

ふと子供のおむつを取り替えるとき、左右の陰嚢の大きさが異なる。全く知識がなければ、かなり戸惑うことかと思います。何かの病気で、命に関わることだったらどうしよう。そう思う人もいるかもしれませんよね。

しかし、全ての病気が命に関わるわけではありません。それこそ陰嚢水腫は陰嚢が腫れるだけであり、全く悪さをしないものです。さらにいえば治療も必要ありません。

病気を正しく捉えることは冷静さを保つためにも、とても大切なことだと思います。どうしてどうして、と症状を見つけた時には思うかもしれませんが、きちんとした知識があれば冷静に対応できるでしょう。

もちろん、病気にならないことが最も良いことですが、そうならないこともあります。そういうとき、親が子供の病気に関してきちんと理解しておくことは子供のためにもなるでしょう。

大人は最大限の注意を

小児であれば問題のない病気も、大人では全く意味合いが異なってきます。他の合併症のリスクがあるため、単に腫れているだけでは済まされないでしょう。

稀なケースですが精巣腫瘍では転移のリスクもあります。また、その他の合併症でも生殖機能の低下を招くリスクもあるため、異変に気付いた時点で治療を開始することが大事です。

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他の病気の疑い

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原因の部分で陰嚢水腫を起こす病気について説明しました。成人ではそれ単体で発症することは少なく、さらに病気が隠れていることがあり注意が必要です。

また、小児の場合でも、痛みを伴うケースや陰嚢水腫以上に深刻な病気を発病していることもあります。そのような、陰嚢水腫に似ている病気や関連した病気についてみていきましょう。

鼠径ヘルニア

鼠径とは足の付け根や太もも部分のこと。ヘルニアとは脱腸のこと。鼠径ヘルニアとはつまり、足の付け根や太もも部分で脱腸が起こる症状です。陰嚢水腫と鼠径ヘルニアは強い関連性があるといわれています。

というのも、腸が鞘膜や精巣上体まで脱腸することで陰嚢水腫が起こることがあるからです。この場合は強い痛みを発症し、症状が進行すると危険な状態にもなるので、早急な治療が必要です。

腸が陰嚢内部に入ることで腸が締め付けられることがあります。これは輪ゴムで指先を締め付けるように、血液が止まり、壊死してしまうことがあります。かなり危険な状態といえるでしょう。

鼠径ヘルニアでは陰嚢部にペンライトを当てても、光が透過しないという特徴があります。これもまた陰嚢水腫を区別する一つの判断材料になります。詳しい診断をするために超音波検査を行います。

詳しくは、鼠径ヘルニアの症状とは?手術で起こる合併症について知ろう!を参考にしてください。

精巣捻転

精巣に繋がる精索がねじれている状態です。血液循環が阻害されるケースもあり、放置すると精巣の壊死を招きます。非常に救急性の高い状態といえるでしょう。

症状としては睾丸の急激な腫れと痛み。そして嘔吐、発熱、めまいなどがみられます。急激に症状が進行するため、すぐさま病院へ搬送する必要があります。

精巣捻転は精巣の発育過程でねじれてしまうことがあります。精巣が活動的に動いたり、重量が重なることをきっかけとしてねじれてしまうのですね。

精巣捻転ではその後の生殖機能に影響を与えることがあります。男性不妊の後遺症を残すこともあるため、症状を発症したときはとにかく早く治療を受けるようにしましょう。

詳しくは、精巣捻転ってなに?原因や症状、治療方法について詳しく!を読んでおきましょう。

精索静脈瘤

精索静脈瘤とは睾丸から心臓へ戻る静脈で瘤ができてしまう病気です。瘤とは血のたまり場のようなもので、血管が肥大し、別の部屋ができてしまうような状態になります。

症状としては陰嚢部の腫れ、強い痛みがみられます。また、症状の進行によっては男性不妊症の原因になります。後遺症を残してしまうこともあるので注意が必要です。

陰嚢のサイズが異なる、動作の際に違和感や痛みを感じる、表面のでこぼこなどが見られるようであれば、一度検査を受けてみることをオススメします。

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子供の病気の特徴

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生まれたばかりの子供というのは、なかなか自分で症状を訴えることができません。それこそ、泣くことばかりしかできませんから、どこが悪いのかというのは、親が推察するしかありませんよね。

このように子供の病気というのは、どこが痛いなど、詳しい状況を見極めるのがとても難しいことがあります。陰嚢水腫はわかりやすいですが、そうでない場合もありますよね。

このため、親は普段から子供がどのようなことをしているかどうか、またはどういうことを親がしたかということに関して、きちんと把握しておく必要があります。医者に連れて行った時、細かく話せるようにするためですね。

医者に行った時、子供はどこが痛いかなんて話すことはできませんから、親が話すしかないのです。これはある意味では親の義務の1つといってもいいかもしれません。

先ほど述べた病気の中には発見が遅れると後遺症が残るものもあります。精巣捻転なんかは生殖機能が失われることもありますから、なかなか注意が必要でしょう。

明らかな異常、そして自分では対処できない状況であれば、すぐさま病院へ行くようにしましょう。それは子供の将来にも大きく関わる病気であるかもしれません。

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まとめ

小児であれば陰嚢水腫はそれほど警戒すべき病気ではありません。発育家庭の1つの些細な異常と考えるべきで、自然治癒するものですから、心配する必要はないでしょう。

見た目には多少違和感があったり、日常生活をしていてなかなか不具合があることもありますが、それ以外はすべて健康ですから安心してくださいね。

反対に成人であれば、最大限の警戒を払うべきです。なにかしらの病気の可能性があり、すぐさま検査を受け、具体的な原因を特定することをオススメします。

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