環状紅斑の原因となる病気を知ろう!原因によって症状も変わる?治療法や検査方法は?

輪状や環状の赤い斑ができる「環状紅斑(かんじょうこうはん)」という皮膚症状をご存じでしょうか?様々な病気が原因で起こる皮膚病ですが、環状紅斑から基礎疾患を判断するのは難しく、不明の赤い斑に不安になる患者も多いといわれています。

そこで今回は、環状紅斑の基礎知識から、考えられる原因病や症状、検査方法、治療法まで、詳しい症状について教えます。原因不明の皮膚病にお悩みの方の、お役に立てますように……。

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環状紅斑の基礎知識

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人によって症状の現れ方は様々ですが、普段は絶対ない赤い斑が複数点、足や手、腹部や顔などにできる環状紅斑。この謎の赤い斑の正体は何なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

環状紅斑は病気の一種ではなく症状のひとつ

環状紅斑は病気の中の一種と認識している人が多いのですが、あくまでも症状のひとつと考えるのが正解です。環状紅斑を引き起こす原因の病気があって、その病気に体が反応して現れる症状が環状紅斑なのです。

原因病によって症状は様々

環状紅斑は、体質や原因病によって症状の方は実に様々です。スタンダードな現れ方は、赤い紅斑がブツブツと体にでき始め、やがて紅斑の中心部の赤みが消えてなくなり環状の斑点ができます。他には、木目状の紅斑や、激しい痒みを伴うもの、そうでないものなど、数を挙げたらキリがないほどの症状のパターンがあります。

一概に、この紅斑ができたからこの病気……と特定することは難しく、原因病を突き止めるには医師による精密な検査が必要です。単なる皮膚病と放置するには恐ろしく、合併症を引き起こすものや、命を脅かす恐ろしい病気が原因の場合もあります。自己判断は危険です。注意しましょう。

 蕁麻疹と間違えやすい

虫に刺されたとき、日光を浴びたとき、体に合わない食べ物を摂取したとき、ノミやダニ……など、アレルギーなどが原因で発疹を起こした経験がある方も多いでしょう。それは、赤いブツブツが肌に複数箇所に現れ、自然と消えてなくなる「蕁麻疹」です。

環状紅斑が発症した患者は、見たことのない紅斑に、始めはじん麻疹だと勘違いする人が多いです。しかし、蕁麻疹とは別物です。環状紅斑は、蕁麻疹のように一時だけ赤みが広がるといった現れ方ではなく、発症したらなかなか消えてくれないのが特徴です。

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環状紅斑の症状

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環状紅斑は、原因となる病気が何かによっても症状は異なり、また体質でも大きく変わります。発症する場所は、顔や首、腹部や背中、手足や顔など様々です。痒みが伴う場合もあれば全く無い場合もあるし、ゆっくりと症状が拡大していくタイプと一気に拡大するケースもあります。さらに、鱗屑(りんせつ)という皮膚の薄い皮のみが剥ける症状もあります。

症状の中で特に注意が必要なケースは、木目状や年輪状に紅斑が発症した場合です。この独特な症状の出方をした場合は、後ほど病気について詳しくまとめますが、匍行性迂回状紅斑(ほこうせいうかいじょうこうはん)という内臓の悪性腫瘍が原因で、環状紅斑を発症した可能性が高いです。

ただし、決めつけてしまうのは危険です。あくまでも参考程度にして、疑いや不安がある場合は一刻も早く医師の診断を受けることをおすすめします。

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環状紅斑が発症する原因の病気

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環状紅斑を発症するには、何かしら原因となる病気が存在します。その病気は一体何なのか……。可能性のある病気をいくつか紹介します。

慢性遊走性紅斑(まんせいゆうそうせいこうはん)

慢性遊走性紅斑は、マダニに吸血されることによって感染します。マダニの中で足が黒い「シュルチェマダニ」という種類に「ボレリア」という菌が住み着いていて、マダニが人間を吸血する際にボレリア菌が体内に入り込むことによって発症するといわれています。このシュルチェマダニは海外だけでなく日本国内にも生息しており、本州中部から北に至るまで広範囲で確認されています。

このように、シュルチェマダニに噛まれて紅斑が発症する皮膚病は「ライム病」と呼ばれています。マダニに噛まれてから最短で即日、長くて1ヵ月程度でライム病第1期の症状が表れはじめ、噛まれた箇所に赤い環状紅斑ができて範囲が拡大していきます。紅斑は、壊死する場合もあります。

第1期の症状が落ち着くと、続いて第2期の症状が表れます。ウイルスが全身にまわり、ツブツブと小さな環状紅斑が広範囲に広がり、髄膜炎や循環器症状などを発症する可能性が高くなります。さらに、感染してから数年経った頃に発症する第3期では、重度の皮膚病や関節炎を発症するといわれています。ライム病の環状紅斑は紅斑が大きいのが特徴で、数十センチメートルに広がる紅斑もあります。自然治癒する可能性はないため、医師の診断を必ず受けましょう。

遠心性環状紅斑(えんしんせいかんじょうこうはん)

遠心性環状紅斑とは、30~40代の壮年期に起こりやすいといわれている疾患で、体の中心部やお尻、手や足などの付け根部分に紅斑ができ、そこから遠心性に拡大していく環状紅斑です。遠心性環状紅斑の典型的な症状の出方は2種類あります。

一つ目は、プクッと赤く腫れあがった部分が硬くなるけれど表面は特に変化しない「遠心性肝臓紅斑」。二つ目は、患部の表面が魚のうろこのようにガサガサとする「表在型遠心性環状紅斑」。いずれも、円形または花弁状でゆっくりと拡大し、かゆみは無く、1~2ヵ月程度で自然治癒することがほとんどです。しかし、患部近くに再発を繰り返す傾向があります。

遠心性環状紅斑は、原因不明で発症するといわれており、検査を重ねても原因となる疾患が見つからないケースの方が多いようです。しかし稀に、内臓悪性腫瘍、良性腫瘍、細菌感染、ウイルス感染などの症状から起こる場合もあり、原因となる腫瘍や感染症が完治すれば環状紅斑は消失します。

原因となる疾患が特定できない場合は、発症、自然治癒、再発の流れを何度も繰り返し、数年が経ってしまうというケースも少なくありません。このような状況に陥った場合は、対症療法を行います。紅斑が最も目立つ箇所は強めのステロイド外用薬が効果的で、場合によっては抗スタミン薬の内服を併用します。

リウマチ性環状紅斑

リウマチ性環状紅斑は、「リウマチ熱」という病気を発症した際に症状が表れる紅斑です。リウマチ熱は、レンザ球菌というウイルスが体内に入り込むことによって発症する病気で、感染するとのどに炎症を起こし、発熱や発疹、動悸や関節痛などの症状が一度に現れ、ひどい倦怠感に襲われます。発症する可能性のある年齢は、3歳の小児から40代までと幅広い年代の方が感染する可能性がある病です。中でも小児の発症率が高いことから、体力のない小児への感染は特に注意が必要です。

リウマチ熱が原因で起こる環状紅斑は、かゆみや痛みが無いのが特徴といわれています。また、円状などの形をした紅斑が多い中、リウマチ性環状紅斑は不規則な形をしており、これも非常に特徴的です。紅斑は、数時間、数日で消えるケースが多いでしょう。しかし、症状は軽いとはいえ、再発する場合があるので注意が必要です。自然治癒する場合もありますが、再発する可能性も考えてしっかり医師の診断を受けることをおすすめします。

医師の診断により治療を行う場合は、原因菌を撃退させるために抗生物質を用いて治療する可能性が高いでしょう。例えば、原因菌となるレンザ球菌を死滅させる場合は、ペニシリン系の抗生物質の投与が考えられます。

匍行性迂回状紅斑(ほこうせいうかいじょうこうはん)

他の環状紅斑とは一目見て違いが分かるほど、年輪状やしま模様などの規則性があり、さらに強いかゆみを伴うため、症状が非常に特徴的です。この匍行性迂回状紅斑の原因病の大半は、肺がんや膀胱がん、乳がんなどの内臓の悪性腫瘍だといわれています。悪性腫瘍が原因で発症した環状紅斑ですが、ある意味、腫瘍が体内にあることを教えてくれるサインでもあります。

規則性がある匍行性迂回状紅斑は、まず手や足の他、体の中心部にでき、その後勢いよく拡大するケースが多いといわれています。痛みを覚えるほどの激しいかゆみですが、原因となる腫瘍の治療が終われば自然となくなります。しかし、悪性腫瘍が再発した際は、紅斑も同じように再発します。

壊死性遊走性紅斑(えしせいゆうそうせいこうはん)

壊死性遊走性紅斑は、「グルカゴノーマ」が原因で起こる紅斑です。このグルカゴノーマとは、グルカゴンという膵臓の中にあるホルモンが過剰に分泌する腫瘍性病変です。舌が異常に赤くなって光沢がでたり、手や足に発疹、唇に炎症などを起こすなどの症状が出ます。

この環状紅斑は、衣服が擦れるなど日常の動作の中で刺激を受けやすい箇所にできるといわれており、口周りや脇、太ももなどに発症するケースが多いでしょう。さらに、水疱や皮膚のただれが患部周囲に表れたり、紅斑と同時に脱毛や爪が変形するなどの症状が起こることもあります。

このような、普段と明らかに違う症状が確認されたら、すぐに病院へ行くことが大切です。壊死性遊走性紅斑の治療は、原因病となるグルカゴノーマの治療を行います。一般的にグルカゴノーマの治療には、「オクトレオチド」や「ドキソルビシン」という薬剤が使われることが多いですが、担当医の指示に従いながら治療しましょう。

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膠原病が原因になることもある

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環状紅斑が発症する際には原因病があると記載してきましたが、ここでは紅斑を発症する原因として、膠原病(こうげんびょう)も原因のひとつとなる可能性があることを詳しく説明していきます。

膠原病とは?

全身の皮膚や血管、関節や筋肉などに謎の炎症が起こる病気の総称を膠原病といいます。膠原病の症状として、発熱や関節の痛み、湿疹など共通の症状がありますが、いずれも原因不明です。比較的、若い女性患者が多い病気と言われていて、発症すると原因不明の熱に悩まされる患者が多数います。

膠原病は、病気を特定するのが難しいため、さまざまな病気が挙げられます。例えば、「シェーグレン症候群」という膠原病に含まれる病に関しては、発症すると紅斑が出る可能性が高いと言われています。膠原病の一種、シェーグレン症候群について詳しく見ていきましょう。

膠原病については、膠原病と遺伝子の関係は?原因や治療方法も紹介!を読んでおきましょう。

シェーグレン症候群発症で紅斑ができる

難病認定されている病「シェーグレン症候群」は、一度にたくさんの症状が発症する病気で、口や鼻、目などの乾燥が特に強く出ます。シェーグレン症候群を引き起こす明確な原因は、未だ解明できていません。

しかし、自己免疫の異常が原因に挙げられている説もあり、ウイルスや体の様々な異変から守るための免疫システムが、体内にある正常な物質にも関わらず、誤って攻撃をしてしまうことから発症するとも言われています。

この病気は幅広い年代の患者がいますが、中でも50代の男女に発症しやすいと言われています。 さらに、遺伝性も強いと言われており、家族内にシェーグレン症候群患者がいる場合は、そうでない場合に比べて発症率は数倍高いでしょう。

シェーグレン症候群により紅斑が発症する場合の大きな特徴は、紅斑の外側のフチ部分が盛り上がることです。紅斑の形は必ずしも円状ではなく、アルファベットの「C」の形をしている紅斑もあります。人それぞれ形も大きさも違います。あくまでも参考程度にして、不安なことや疑問点がある場合は、医師へ相談しましょう。

全身性エリテマトーデスでも紅斑はできる

全身性エリテマトーデスは難病のひとつです。発疹や発熱、関節炎など、一度に症状が発症するケースが多く、シェーグレン症候群同様、自己免疫の異常が原因ではないかと言われています。発症年齢は20~40代に多く、特に女性患者が多いとされています。あなた自身が全身性エリテマトーデスを発症した場合、子供にも遺伝する可能性が高いと言われています。

全身性エリテマトーデスが原因で起こった環状紅斑は、顔面や頭部に出来やすいとされています。特に気を付けたい新生児期の子供が発症した場合も、顔面や体の中心部にできることが多く、紅斑部分がガサガサパサパサとした皮膚になります。顔面紅斑は、出生後1ヵ月過ぎから出る可能性もあり、半年程度で自然になくなるでしょう。

全身性エリテマトーデスは大人の女性が多い疾患ではありますが、体力のない小さい子供もなる可能性がある病です。いつもと違う皮膚反応が起こっている場合は、病院へ行くなどすぐに対処しましょう。

エリテマトーデスについては、エリテマトーデスとは?原因・症状・治療法・経過について知ろう!を読んでおきましょう。

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環状紅斑の検査方法と診断

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環状紅斑が体に現れた場合は、まず皮膚科専門医を受診するといいでしょう。そこで、原因となる病気を調べる検査を受け、元となる病気が解明できた場合は、内科や各専門科でさらに検査が必要になるでしょう。

詳しい検査例をまとめると、まず元となる病気の診断をするために、スクリーニング検査を行います。このスクリーニング検査とは、原因病を診断するために、血液検査や尿検査などを行って、その病気の特徴的な成分を抽出して検査します。紅斑の形状やスクリーニング検査から、ある程度の原因病が特定できた場合は、その病気に合わせてさらに一歩踏み込んだ検査が行われるでしょう。

最近では、このスクリーニング検査と一緒に「病理組織検査」という検査を行う病院も多いと言われています。病理組織検査では、環状紅斑の症状が現れている皮膚の一部を数㎜切り取って、顕微鏡などを用いて細胞を詳細に検査します。この皮膚生検では、どの病気に該当するかある程度は見当がつくでしょう。

他にも、リウマチや膠原病が疑われる場合は、血液検査で自己抗体の数値を調べるでしょう。シェーグレン症候群は、唾液や涙液の出方を中心に検査が行われます。内臓の悪性腫瘍の可能性がある場合は、腫瘍が存在する場所を特定するため、頭からつま先まで全身の精密検査をする必要があるでしょう。

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環状紅斑の治療方法

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これまでもまとめてきた通り、環状紅斑は原因病が完治すれば、自然と治癒します。そのため、治療は原因となる病気を治す治療が行われます。ただし、膠原病のように原因となる病気が特定できないケースも多数あり、環状紅斑の治療法は実に様々です。

原因病が解明できない場合は、症状を無くすまたは少しでも軽くするために「副腎皮質ステロイド薬」の内服もしくは外用か、かゆみや痛みが強く出ている場合は「抗ヒスタミン薬」の内服が効果的と言われています。

ただし、医師の治療方針や患者の体質、症状の程度によって治療法や薬などは様々です。参考程度にとらえて、医師の指示に従って治療を行いましょう。

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まとめ

環状紅斑が発症する原因病の中には、悪性腫瘍など重い病気を患っているケースもあり、紅斑はただの皮膚病ではなく、病気のサインとして重要な役目を果たしている場合もあります。

そのうち治るだろう……と過信せず、少しでも不安な場合は病院へ行くことをおすすめします。

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