ウイルス性イボの種類や原因、症状を知ろう!治療する場合は自宅でも出来る?

手などの皮膚に膨らんだ「いぼ」を見たことはありませんか?いぼは「疣贅(ゆうぜい)」とも言います。

いぼには様々な種類があり、大きく分類すると、全身のあらゆる部位に出現する加齢による老人性疣贅と、ウイルス感染によるウイルス性疣贅があります。

いぼの大半は、ウイルス性を占めます。ここでは、そのウイルス感染によって発症するいぼについて説明をしていきます。

ウイルス性疣贅の種類と主な原因

プール 温泉

ウイルス性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染して出現する皮膚や粘膜の感染症です。

そのウイルスは150種類以上あり、ウイルスの種類によっていぼの種類も分類されます。ウイルス性いぼは、5種類に分類され、それぞれ原因が異なります。

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

最も一般的ないぼです。手や足の指、足底部、肘、膝などの傷が付きやすい部位に好発します。皮膚の傷にウイルスが侵入して(感染)いぼができます。小さな傷でも入り込みます。

いぼの形状は、点状出血です。点状出血とは、いぼの表面に赤黒い砂粒のような血管の断端ができたもので、これが有るか無いかで判断されます。

特徴は、大人だけではなく、特に子供に好発するという点です。アトピー性皮膚炎で肌をかきむしってしまう人は、その傷からどんどん感染するため注意が必要です。

詳しくは、尋常性疣贅の治療法は?自然治癒するの?原因や症状を把握しよう!を読んでおきましょう。

青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)

顔や腕、手の甲の皮膚に好発します。

形状は、平なので「扁平」と、言います。若年層に好発します。髭剃りやスクラブ洗顔で肌をこすり、過度に肌が傷つくことでいぼの発生が増える可能性があります。

爪周囲疣贅

形状は、カリフラワー状のいぼで、爪の周りに出来ます。爪を噛む癖があると、その噛み傷から菌が侵入するため、注意が必要です。

糸状疣贅

好発部位は、首や瞼、唇などです。形状は細長いいぼです。特に、ネックレスや襟の摩擦が刺激となってできることが多いです。

尖形(せんけい)コンジローマ

肛門や性器の周囲に発生するいぼです。形状は、花きゃべつの様な形をしています。性交渉によって感染することが多いため、性病の一種に含まれています。症状は、悪臭はありますが、痛みや痒みはありません。外陰部に傷ができて、その部位が感染するといができます。

子宮頚がんも同様です。元々、子宮頚がんの菌を男性が保有しているため、性交渉によって更に感染しやすくなります。この場合は、16型や18型といった型が子宮頚がんの原因に当たりますが、ウイルス性のいぼの場合は、これらの型とは異なる物に感染して起きます。よって、感染していぼが発生することで必ずしも子宮頚がんになるとは言えません。

詳しくは、コンジローマは完治する?症状や治療方法を紹介!を参考にしてください。

水いぼ

ポックスウイルスによる感染で起きます。毛に感染する伝染性軟属腫ウイルスによる感染症です。形状は、約3~4mmの水泡です。潰してしまうと、白いチーズの様な物質がいぼの中から出てきます。

感染力が非常に強い病気です。プールやお風呂、スパや岩盤浴、温泉など濡れている場所で感染しやすく、子供から大人まで感染しやすい病気です。

このように、水いぼはウイルス感染ではありますが、以上の5つのようなウイルス性のものとは感染する原因が異なります。つまり、尋常性疣贅とは全く別のいぼになり、手や足の裏、足底には出現しません。

ウイルス性いぼの症状と感染経路

病院

ここでは、ウイルス性いぼの症状と感染経路を紹介します。

どのような症状が現れ、どのような経路で感染するのかを知りましょう。

症状

ウイルス性いぼの症状は、痛みなど自覚できる症状がありません。経過も、感染を続けて増えるか、対策をとって増えないかのどちらかです。いぼは皮膚表の一種です。症状がないだけに自分で治せると思っている人もいますが、

自己治療は避けましょう。検査をして悪性腫瘍であったなど、他の皮膚病だったという症例もいます。経過を自己観察する前に皮膚科の専門医のいる病院へ受診しましょう。

感染の経路

ここで紹介しているいぼは、ウイルス性の感染によるもですが、では、その感染はどのような経路で起きているのか、説明をしていきます。

人間の皮膚は、表面から見て表皮・真皮・皮下組織と、何層もの構造になっています。タンパク質やコラーゲンといった栄養素がそこに加わり、それらのバランスが十分にとれていると、皮膚の免疫力が十分に発揮されて、細菌やウイルスといった外部刺激から肌の細胞を保護することができます。健康的な人では体の免疫力や皮膚を保護する機能が十分にあるため、簡単に感染することはありません。

しかし、その皮膚や粘膜に傷が入ったり、何らかの影響で免疫力が低下すると、ウイルスが皮膚の細胞組織に侵入していきます。皮下組織もくぐり抜けて、基底細胞という部分に感染し、約1~6ヶ月間ウイルスは潜伏します。この期間が経過すると皮膚表面にいぼとして出ます。更に、その感染した部位を触った後に、体の他の部位に触れたり、何かの物質を触ってウイルスが付いている部分を他の人が触れることで感染は拡大します。

皮膚科での治療方法

皮膚科 治療

まずは、日常生活でいぼに感染しないように防止しましょう。もし感染してしまった場合には、皮膚科のある病院を受診しましょう。再発防止・感染の拡大を防止するためには皮膚科で正しい治療を行ってもらう必要があります。

また、他の皮膚病である可能性もあり、いぼによっては徐々に大きく成長していくものや悪性の皮膚病もあるため、早期に診てもらうようにしましょう。他の病気の場合は、生検検査で細胞を調べる場合があります。では、皮膚科で施行される治療について説明をしていきます。

液体窒素療法(冷凍凝固療法・凍結治療)

皮膚科では、基本的には液体窒素での治療が施行されます。液体窒素は、-196℃の物を利用します。この液体窒素を綿棒などに付けて、いぼのある幹部へ押し当てます。

この方法によって、ウイルスに感染している組織を一気に凍らせることで焼き、ダメージを与え、患部に炎症を起こさせます。これは、皮膚に感染しているウイルスを焼き殺しているのではなく、皮膚の免疫機能を一時的に高めるために焼いています。この作用によってカサブタになり、いぼが剥がれます。皮膚の表面から焼くため、皮膚の深層までは免疫の活性化が起きにくいです。この方法で治療を進めます。

通常、早期治療を開始して外来通院で3回通って治療すると完治する可能性が高いです。しかし、皮膚の層が厚い部位では10回以上の処置が必要とされる場合があります。数回の施術で済むため、治療期間は短いです。

しかし、効果は体調など全身状態に左右され、個人差が大きくでることがあります。また、液体窒素の焼く時の強さは、医師の感覚で行うため、強すぎて水泡ができる場合や、焼く強さが弱すぎて効果が得られなかったりすることがあります。経験値の高い医師がいる病院を選ぶと、より的確に早く治すことができるでしょう。

液体窒素は、表面的な施術を行っており再発する可能性があります。

レーザー治療・電気焼灼法

レーザーや電気を利用する治療を用いると、1回で完治する可能性があります。

しかし、手術の後に強い痛みや瘢痕が残ります。術前には、麻酔を施すため、治療中の痛みや出血は少ないです。

注射治療

注射治療では、抗がん剤を局所注射します。

抗ガン剤の作用には、ウイルスの増殖を抑制する効果があります。それを利用します。

外科手術

状態が重度の場合は、外科手術にていぼを切除する場合があります。

そうならないためにも、早期発見・早期治療が必要となります。

張り薬

いぼの治療では、張り薬を使用することがあります。一般的には、スピール膏(こう)という薬です。スピール膏には、サリチル酸という成分が含まれており、角質を柔らかくする効果が期待できます。

これを約5日間、患部に貼ると、いぼが白くふやけていきます。その後、皮膚科でいぼを削り取る施術を行います。

内服薬

いぼの薬物療法では、ヨクイニンという薬を飲みます。

これは、漢方のハトムギ茶に含まれているようなハトムギエキスを配合しており、免疫力を高めることができます。この作用を利用していぼを落とします。

漢方薬は、毎日継続して飲み続けないと効果が得られません。根気良く続ける意志と意識が必要です。ヨクイニンの場合は体の内部から働きかけており、再発する可能性が低いです。

治療費の保険適用の有無

いぼの治療には、保険適用が可能な治療と保険適用外の治療があります。それぞれに分けて保険適用の治療と適用外の治療を紹介します。

・保険適用内の治療

一般的には、内科的治療では液体窒素療法のみになります。しかし、漢方薬の治療でも一部保険が適用します。

外科的治療で保険適用内にするには、裏ワザが1つあります。大学病院などの大きな病院にて、「悪性腫瘍になる恐れを心配してそれを防ぐため」や、「検査」という目的で「切除術」を施行することです。

但し、その時の担当医の技量によって成功の可否は変わります。また、目的が悪性化の予防や検査であるため、感染部位の周囲5mm以内の切除となります。ごく微量の範囲でしか切除を施すことができないため、的確にいぼを治療できる可能性は低いです。

・保険適用外の治療

注意すべき点は、保険適用外の治療があることです。これは、レーザー治療がそれに当たります。レーザー治療を使用する主な目的は美容的観点での治療に用いられます。美容外科として行うため、ウイルス性のいぼに対しての治療を施行していない施設はたくさんあります。

いぼの治療は、1mm単位で治療費が異なります。数万円以上と高額になり、いぼ1つ切除するのに1万円はかかるわけです。保険適用の有無に関しては規制が厳しくなっているため、保険を利用してレーザー治療を行うことは難しいでしょう。

自宅治療の方法

皮膚 自宅治療

皮膚科での治療以外にも、民間療法など自分でできる対処もあります。

自分で自宅治療はできますが、必ず医師の指示の元、皮膚科での治療が終わった後に担当医と相談して行うようにしましょう。

自宅治療の可否

自宅治療では、基本的に市販薬での治療になります。

まず、皮膚科でいぼを根本的に治す治療を受けて、医師と相談の上で自宅治療を行うか検討していきましょう。市販薬では、スピール膏と同様にサリチル酸を配合している薬を勧められるでしょう。

また、イソジン軟膏もオススメとされています。これは、うがい薬のイソジンを軟膏にしたものです。ウイルスを退治する薬なので、毎日塗って効果が得られるという報告もあります。

自己判断で最初から自宅治療を行うと感染を拡大する可能性や、状態を悪化させる原因にもなるため、避けましょう。

木酢液治療

民間療法の1つです。木酢液は、木炭を作る時に出る液体です。これは、アルコールを含んでおり、殺菌の効果が期待できます。

しかし、成分に注意が必要です。木材の原料によっては発がん性物質が混在している場合があるためです。あくまで民間療法なので、完治するとは言い切れません。

ダクトテープの利用

ダクトテープによる閉塞治療は、民間療法の1つです。あくまで、民間療法なので必ず完治するとは言い切れません。ダクトテープは、強力な粘着力のあるテープであり、ホームセンターやドラッグストアで購入ができる医療部外品です。一般的には、DIYといった工作などに用いられることが多いです。

ダクトテープの閉塞療法が適応できるいぼは限られており、ウイルス性の大きないぼを治すためには向いている道具です。

方法は、いぼを清潔になるように綺麗に洗い、乾いたいぼの上から貼っていぼを閉塞状態にします。切る大きさは、いぼよりも少し大きめで大丈夫です。重ねて貼ると剥がれにくくなります。「直ぐに剥がれてしまうのでは?」と、不安な人は重ねて貼ることをオススメします。ダクトテープが剥がれるまで張り続けます。しかし、お湯や水に触れて剥がれた場合はダクトテープを交換して張り直しましょう。

これを継続し、目安約1ヶ月間で治癒が可能です。上手くいけば、ダクトテープにいぼがくっついた状態で、痛みがなく取れることがあります。個人差があり、人によっては3ヶ月間の治癒期間を要することがあります。また、手や足のいぼにはオススメですが、顔や首といった皮膚が薄く弱い部位に貼ると、逆に肌を傷めてしまうため、オススメできません。

自分で切除しないようにしましょう

ウイルスは、皮膚底まで侵入していきます。治療自体、真皮まで除去する必要がある術を施行する場合があります。

そこで、自分で無理に削ったり、千切ったりしてしまうと、皮膚底の血管や組織に傷をつけてしまい、出血を引き起こす可能性があります。また、これにより状態を悪化させたり、再発を繰り返して更に状況を悪くさせる可能性があります。

ウイルス性のいぼは予防が大切

タオル

手術を施行して完治をしても、ウイルス性のいぼは、極めて再発するリスクが高いです。

治療効果が得られても油断しないようにしましょう。日頃から、ウイルスに感染しないように予防を心がけましょう。

日用品に注意しましょう

ウイルスは少しの傷から皮下組織に侵入していきます。少しでも侵入しないような環境作りを常に心がける必要があります。

そのためにも、特に感染をしやすいお風呂場のバスマットやタオルは共有しないようにしましょう。家族と言えど、友達と言えど、ウイルス性のいぼは感染します。勿体ないかもしれませんが、感染のことを考慮すると感染している人は、その人専用にタオルを分けて感染を防止することが大切です。

また、肌のどこかに傷がある場合には、銭湯や温泉、足湯、プールなど公共の水場の共有スペースは利用しないようにしましょう。もし、利用してしまった場合は、帰宅後に、できれば玄関に足を踏み込む前に足や手をしっかり濡れたタオルで拭いたり、ウエルパスなどの消毒液で拭くといった対処をすると良いでしょう。

肌のケアに注意しましょう

乾燥や水場の使い過ぎによってアカギレや肌がガサつくといったことが起きます。

紙や刃物などで手を切ってしまった、何らかの衝撃で擦り傷をしてしまった、髭剃りなどによる眼には見えにくい細かな傷が皮膚にできたという場合も同様です。また、アトピー性皮膚炎をもっていると、皮膚の免疫力が低下し、かゆみが生じることがあります。睡眠時に無意識に掻いてしまうこともあり、肌が傷つきやすくなります。

皮膚や粘膜にできた傷には治療を施しましょう。肌の免疫の力が低下する可能性が高くなるため、念入りにケアするようにしましょう。

生活リズムを調整しましょう

不規則な生活を送ると、肌のターンオーバーも乱れ、肌の免疫力が低下する可能性があります。

睡眠を適度にとり、就寝時間や起床時間も調整して肌の周期も整えましょう。その他にも、ストレスを解消して心身の健康を保ち、栄養バランスの良い食生活を送ることが大切です。

皮膚病を治すためには、薬を使うだけではなく、いろいろな要素が相乗効果として現れるので、いろいろな方向に視点を向けることが大切になります。

まとめ

美肌 

皮膚にできるいぼは、感染力が強く、一度感染すると治癒がしにくいことがわかります。容易に感染するため、感染を防ぐことはとても難しいですが、日頃から手洗いや消毒など、感染に防止に心がけることで感染や感染の拡大を防ぐことができます。

また、いぼができても良性のものから悪性の皮膚病まであり、症状は様々なので、なるべく自己判断は避けて最初は皮膚科の専門医に診てもらうようにしましょう。

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