私たちが普段飲んでいるお茶には種類にもよりますが、意外とカフェインが入っています。コーヒーにカフェインというイメージはありますが、お茶にカフェインというイメージはあまりないかもしれません。
さて、ウーロン茶にも実はカフェインが入っています。その量は比較するとそれほど多い量ではありません。しかし、体に変化が起こっている人には注意したい飲み物でもあります。
では、ウーロン茶とカフェインとの関係やそもそもカフェインとはどんな効果があるのか。そして、体への影響はどのようなものがあるのか。これらのことについてみていきましょう。
カフェインの効果
カフェインの効果を期待してコーヒーを飲む、という人も多いでしょう。では、ここでカフェインの効果について詳しくみていきましょう。
1:覚醒作用
カフェインには覚醒作用があります。眠気を吹き飛ばし、目を覚ます効果ですね。1日の良いスタートを切るために、朝にコーヒーを飲む人もいます。
また、学生さんはテスト前日にカフェインを摂って勉強をするなんてこともありますよね。あまりオススメはできませんが、目を覚ましたいシーンで活躍してくれます。
カフェインを取ることで頭痛が解消されたなんて人も居ます。しかし、この効果には個人差があり、逆にカフェインの摂取により頭痛が起こる場合もあります。脳や心臓や骨格筋などに微弱な刺激を与えてくれる効果があるので、感覚が適度に過敏になり眠気を覚ましてくれます。
2:集中力の向上
仕事などで集中力が必要なときってありますよね。学生であれば勉強なんかも集中力が必要です。カフェインには集中力を高める効果があります。
集中力低下の大敵である眠気を覚ましてくれますし、1杯のコーヒーに含まれる程のカフェインの量で2時間ほどの血行の促進が期待できるので脳へ送られる血液量も増え集中力の上昇が期待できます。
3:余分な水分を体外へ排出する
カフェインには利尿作用があります。これは体に溜まった余分な水分を排出する効果が期待できます。特に足など重力の作用を受けやすい部分のむくみ解消に効果的です。体のむくみを解消したい人はカフェインを摂取するといいでしょう。
利尿にはデトックス作用があるので、効率的に体の毒素を外に排出することが出来ます。
4:血行の改善
カフェインは心臓に作用することで、血液の循環効率を高める効果があります。体に血液が巡るようになり、代謝改善や冷えを解消することができます。
暑い時には体の血液を循環させ、栄養を運び、夏バテを防いでくれるでしょう。反対に冬場など寒いときに飲めば、血液が循環し、体を自然に温めてくれます。
5:リラックス効果
血流を良くし、脳や体への血行を良くすることで、栄養分を運搬する能力を上げるだけでなく、大脳の精神機能を向上することで疲労感を回復し、リラックスを促す効果があります。
同時に集中力もアップすることで、作業効率が良くなり疲労感の削減を図ることが出来ます。
6:運動の持続力の向上
研究により明らかになったことで、運動の1時間前に一定のカフェインを摂取することで、より長時間運動を行うことが出来たという研究結果があります。
また、カフェインには脂肪燃焼や脂肪の分解を助ける効果があるため、運動前にカフェインを取ることで効果的に脂肪を燃焼させることが出来るのでダイエットにも効果が期待できます。
カフェインの3つの悪い効果
カフェインには仕事のパフォーマンスを向上させる効果がありますが、反対に体に悪い影響を与えることもあります。それは具体的に以下の3つがあげられます。
1:中毒症状の発症
短時間で多量のカフェインを摂ると中毒症状を発症します。顔面の紅潮、興奮、睡眠障害、嘔吐などがあげられます。これら症状がみられたら医師に相談するようにしましょう。
2:血圧の上昇
カフェインの過度な摂取は血圧を上昇させます。このため、高血圧と診断を受けている人はカフェインを含む飲料の摂取を控えた方がいいでしょう。
また同様に心臓に病気を患っている人などは、心臓への負担も大きくなることが危惧されるので過剰にカフェインを摂取することは厳禁と言えます。
3:栄養を排出してしまう
利尿作用と相まって、せっかく摂取した栄養を排出してしまうことがあります。特にカルシウムや鉄分といった成分が流れやすく、飲み過ぎには注意が必要です。
せっかく摂った栄養も排出してしまっては意味が無いので、カフェインの摂取は適量を守る事が重要です。
一方でこんなことにも注意が必要。
カフェインを摂取することで起こる覚醒作用。この作用に体が慣れてしまうという研究結果もあります。実に3週間カフェインを摂取し続けると効果が薄まるといいます。
覚醒作用を期待して、習慣的にウーロン茶やコーヒーを飲むという人は注意が必要でしょう。ここぞというときに飲むと頭が冴えるかもしれませんよ。
体に耐性ができ効果が薄まっていくと、効果が出るまで短時間に何杯ものカフェインを含んだ飲料を摂取するなどの行為に発展する可能性が高くなります。普段飲まない場合の人に比べて中毒症状は出にくい傾向があるものの、危険量を越えての摂取は危険が伴います。
カフェインの摂取量の管理はしっかり行いましょう。
カフェインの1日の適正量は?
カフェインの1日の適正量は成人で100〜300mlといわれています。ウーロン茶で考えるとペットボトル1〜3本程度ですね。これ以上飲むと強い覚醒作用を感じるでしょう。
カフェインは軽度の中毒があり、過剰摂取は身体に悪い作用をすることがあります。軽いものですと動機を感じたり、ほてったりといた症状です。重いものですとめまいや頭痛を感じることがあります。
どんなものでも適正量があります。ついつい飲み過ぎてしまう、なんてこともあるとは思いますが、摂りすぎには注意してくださいね。
死の危険も
カフェインは微量の毒性の性質を持っている為に、一度に過剰に摂取してしまうと体がその毒性を処理しきれずに異常症状を発症してしまいます。
カフェインの中毒症状は先ほども挙げたような症状です。初期の軽度の症状では感覚の覚醒、一時的な不眠症、不安、多弁、緊張感などがあり、症状が重度に傾くと、パニック発作、精神錯乱、妄想、幻聴、幻覚、突発的な衝動、精神疾患の悪化などの症状が現れます。
以上の精神的な症状加えて、肉体的に頻尿、心拍数の上昇、呼吸が早くなる、嘔吐、吐き気、胸焼け、胃痛、動機、痙攣、湿疹、赤面、瞳孔拡大、むずむず感、頭痛などの症状が現れます。
この様な症状は一度に集中的にカフェインを摂取したことや、一定の時間に危険な量のカフェインを摂取したことで症状が現れます。最悪の場合中毒症状がひどくなった場合は死に至る可能性もあります。
烏龍茶のカフェインで死亡事故にまで発展することはまだ報告されていませんが、同じカフェインを含んだ飲み物での中毒による死亡事故は過去10年間で13件報告されています。
これは、主に近年ヒットして売り出されているエナジードリンクによるものがほとんどです。その中毒者は子供が多く、エナジードリンクにハマった子供が病的にカフェインを摂取することで死に至っています。その他には心臓に病気を持った人などがエナジードリンクによって死ぬという事故を引き起こしています。
危険摂取量
具体的なカフェインの危険摂取量を紹介しておきます。
カフェインの摂取量の危険値は飲食者の体重に比例しています。50kgの体重の人と25kgの体重の子供では、危険摂取量は2倍の差があります。
さらに、1時間の間、3時間の間、24時間の間に摂ったら中毒症状が現れる可能性がある量と集中的に摂った場合の致死量と摂取する時間での危険量も変わってきます。
50kgの人を例に紹介すると、1時間中では33mg、3時間中では85mg、24時間中では5g〜12,5gで症状が現れる可能性があり、集中的に摂った場合の致死量は10gとなっています。
烏龍茶で考えると1時間以内にコップ1杯(200ml)以上の烏龍茶を飲むと中毒症状が現れる可能性があります。家で作る烏龍茶などは多少薄まっている場合が多いので、厳密な量というわけではないですが、基準値として覚えておきましょう。
また、人によって個人差があるのでカフェインに弱いという人はカフェインの摂取を抑えるようにしましょう。
ウーロン茶とカフェインの関係
さて、ウーロン茶にはカフェインが含まれていますが、その量は一体どのぐらいなのでしょうか?また、ウーロン茶を飲むことでどのような効果が体にもたらされるのでしょうか?
ウーロン茶のカフェイン量は?
ウーロン茶のカフェイン量はどのぐらいなのでしょうか。他のお茶と比べると以下の通りです。(全て100mlあたりの含有量)飲み物含有量一覧
- ウーロン茶:20mg
- 玉露:160mg
- 煎茶:20mg
- 紅茶:30mg
- コーヒー(ドリップ):90mg
- インスタントコーヒー:45mg
100mlあたりの量と実際に飲む量の違い
比較するとウーロン茶はコーヒーと比べてそれほど多くないように思います。しかし、同じ100mlという量でカフェイン量を見てしまうと、過剰摂取に繋がることもあります。
例えばウーロン茶を飲む時ってペットボトルで買ったりしますよね。ペットボトル1本分500mlですから、100mg程度のカフェインが入っていることになります。
反対にコーヒーはお店なんかで頼んでも500mlを一気に飲むことはないと思います。それぞれ、飲むペースや量が違うため、一概にカフェイン量を比較することはできないのです。
夏の暑い日など水分をとりたい時はカフェイン入りの飲料は少量に抑え、水や麦茶っといたノンカフェインを飲むといいでしょう。カフィエンの過剰摂取を防いでくれるでしょう。
ウーロン茶を飲む上での注意点
ウーロン茶には思ったほどカフェインが含まれている。そう思った人もおおいのではないでしょうか。カフェインは覚醒作用があり、仕事の集中力を高める効果が期待できますが、付き合い方には注意したいものです。
では、ウーロン茶を飲む上で注意すべきことについてみていきましょう。
時間帯に注意する!
ウーロン茶に含まれるカフェインには覚醒作用と利尿作用があります。どちらも睡眠を妨げる原因になるので、夜にウーロン茶を飲むのは控えた方がいいでしょう。
例えば覚醒作用によって夜眠れなくなる、なんてことが起こります。夜寝るのが遅くなれば、翌朝起きるのが遅くなったり、睡眠の質が低下します。これは日中の仕事にまで影響するでしょう。
また、利尿作用によって深夜にトイレに行きたくなる、という症状も起こります。一度起きたりすると、これも睡眠の質の低下につながります。ウーロン茶を飲むのであれば、朝や日中に限った方がいいでしょう。
飲む量に気をつける
ウーロン茶はペットボトルで購入するという人は多いと思います。先に述べたように、500ml中カフェインは100mgになります。これは比較的多めの摂取量です。
暑い夏の日にウーロン茶をガブガブ飲んでしまう。この場合、結構なカフェインの摂取になってしまいます。ウーロン茶は1日でペットボトル1本と決め、喉が乾いたらそれ以外の飲み物を飲むようにしましょう。
妊娠中の方は注意!
妊娠中の女性は胎児、つまりお腹の中の赤ちゃんに影響を及ぼすカフェインの摂取を控える必要があります。具体的な影響として、胎児体内へのカフェインの残留、早産や流産などがあげられます。
また、覚醒作用によって不眠となることもあります。生活が不規則になればそれだけ胎児へ悪影響を与えてしまいます。規則正しい生活を心がける必要があるでしょう。
ウーロン茶にカフェインは入っていない。そう思っている人も多いですから、妊娠中は十分に注意する必要があるでしょう。なるべく他の飲み物を飲むようにしてくださいね。
また、授乳中もカフェインの成分が母乳に出てくることもあります。母乳を通して、赤ちゃんに影響を与える可能性もありますので注意しましょう。
子供も注意!
夏場に冷えたウーロン茶を飲む。そんなご家庭もあるかもしれません。冷たい飲み物はついつい飲みすぎてしまい、水っ腹になってしまうなんてこともあるでしょう。
さて、子供の場合、体が小さい分カフェインの摂取量が大人と同じでも影響が異なります。少量でも覚醒作用に反応しやすくなってしまう可能性があります。
覚醒作用に敏感に反応してしまうと、夜眠れなくなるなんてことが起こります。特に子供の時期は成長ホルモンが分泌される時間帯に睡眠をとるかが今後の成長を左右するので、遅い時間帯でウーロン茶を飲むことは避けた方がいいでしょう。
ただ、一方で個人差もある
ウーロン茶のカフェインによる覚醒作用が生活に悪い意味で作用する。このようなことが起こるのには個人差があります。それはコーヒーを飲んでも目が覚めないという人がいるのと同じことです。
子供の場合であれば、それほど過度に心配する必要がないでしょう。幾度か飲んでみたけど、夜は普通に眠っている。そうであれば全く問題ないと思います。
一方、妊婦の場合は胎児がどのような状態になっているかがわかりません。ウーロン茶をはじめとするカフェインを含む飲料はなるべく控えることをオススメします。
また、カフィエンが強く作用する場合もあります。血行が良くなることで脳の血管が拡張し、頭痛を感じるという人もいます。飲み過ぎには注意しながら、自分の体の耐性もきちんとみるようにしましょう。
ウーロン茶の楽しみ方
ウーロン茶は実は緑茶や紅茶と同じ茶葉から生産されます。それぞれの違いは発酵の度合いによって変化します。発酵の度合いは緑茶、ウーロン茶、紅茶の順で高くなります。
ウーロン茶は冷やして飲むのもいいですが、温めて飲むのがオススメです。体がポカポカしますし、カフェインによる血行促進効果でその効果はより高くなります。
また温めて飲むことで、がぶ飲みを防ぐこともできます。カフェインを適度に抑え、ちょうど良い感じで目を覚ましたい。そんなときにホットなウーロン茶はいいでしょう。
ついつい冷やされていると飲み過ぎてしまうウーロン茶。次からは仕事の合間に温かくして飲んでみてください。ゆったりとした気分になると思いますよ。
まとめ
ウーロン茶もそうですが、どんなものでも摂りすぎは身体に毒です。普段飲んでいる水でさえ、致死量があるのですから、何事もほどほどが良いのです。
ウーロン茶をはじめとするお茶は適量であれば身体に良い効果をもたらし、気分も楽しくしてくれます。人とのコミュニケーションを円滑にしたり、仕事のパフォーマンスをあげるといった効果もあるでしょう。
お茶は本来、楽しんだり、リラックスするために飲むものです。自分の体に合った量をきちんと守り、楽しく飲むようにしましょう。
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