肝臓に悪い食べ物ってなに?アルコールだけじゃない?脂質や糖質にも要注意!

肝臓に悪い食べ物にはどういったものがあるのでしょうか。代表的なものでいえばアルコールなんかがあげられますが、それだけではありません。長期的に量を摂取することで、病気を招いてしまうこともあるでしょう。

普段何気なく食べているものが、実は内臓の機能を下げてしまう食品だった。では、その中でも肝臓に悪い食べ物について見ていくことにしましょう。これを食べているようであれば注意が必要ですよ。

肝臓に悪い食べ物1:脂質の多い食べ物

お肉

肝臓の役割の1つに脂肪の合成があります。摂取した食べ物は腸で吸収され、肝臓へ送られます。肝臓内では、吸収した脂質を中性脂肪などに合成しなおし、体に運ぶ役割があります。

脂質の多い食べ物はなんとなく食べ過ぎると体に悪いイメージがありますが、肝臓に対してもあまり良い効果をもたらしません。摂取のしすぎは中性脂肪が肝臓に溜まる、いわゆる肝脂肪の状態を招きます。

肝脂肪の状態では蓄積した脂肪が肝臓内の血液循環を妨げます。これにより、肝臓機能の低下を招くことがあります。代謝や合成、解毒といった肝臓が持っている機能が低下すれば、病気を招くこともあるでしょう。

脂質の多い食べ物とは?

脂質の多い食べ物と聞いてどんなものをイメージするでしょうか。最初に浮かぶのはお肉だと思います。中性脂肪として溜まりやすいのは、脂身を豊富に含んでいるお肉です。動物性脂肪ですね。こういったものを日常的に食べているのであれば注意が必要でしょう。

そのほか、意外なのがパン。菓子パンなど、トッピングされたパンには脂質を多く含むことがあります。普通のパンを食べるよりも肝臓に悪い影響を与えることがあるので注意が必要です。

肝臓に悪い食べ物2:糖質

パン

糖質制限というダイエットが流行っていて、どこか悪者にされている糖質。体のエネルギーになる重要な栄養素ですが、摂りすぎは肝臓に悪い影響を与えることがあります。

糖質も肝臓で分解され、余剰分は肝臓に脂肪分となってついてしまいます。甘いものが好き、炭水化物が好きという人は肝臓に負担がかかる脂肪肝を蓄積させている可能性があるでしょう。

糖質の多い食べ物とは?

糖質の多い身近な食べ物といえば炭水化物。つまり、ご飯や麺、パンなどです。イメージとしては白い食べ物に多く含まれていると考えていいと思います。果物を乾燥させたドライフルーツなんかも流行っていますが糖質は多めです。

そのほか、清涼飲料水、炭酸飲料、砂糖がたくさんはいったコーヒー飲料、お菓子、ジュースなどがあります。当たり前といえば当たり前ですが、甘いものには白砂糖・糖質が入っていますから、食べ過ぎには注意が必要でしょう。

例えばコーヒーなんかはブラックなら問題はありませんが、最近のコーヒーチェーン店で販売されているコーヒーはたくさんの砂糖が入っていますよね。クリームを乗せたり、かなり甘めの味がします。これは缶コーヒーも同様ですね。

これら飲食物には砂糖の原料であるショ糖が含まれています。ショ糖は中性脂肪を作る物質で、多量に摂取すればそれだけ脂肪分を溜め込むことになるでしょう。

ちなみに清涼飲料水や炭酸飲料水などの液体で甘いものは、吸収が早いため、血糖値を上げやすいという特徴があります。血糖値が高くなってしまうペットボトル症候群の原因になることもあります。糖質の過剰摂取はなるべく避けた方がいいでしょう。

そのほか注意が必要な食べ物

糖質が多い食品にはジャンクフードがあります。ジャンクフードはその名の通り、ジャンクな食べ物。栄養素がほとんど入っておらず、基本的には糖質や脂質のみです。

また、トランス脂肪酸という油が含まれていることがあります。この油はマーガリンやショートニングによく添加さていますが、がんやアトピー、はたまたうつ病といった病気の原因になるともいわれています。同様に過酸化脂質という成分にも注意が必要です。

忙しい時、あまり手をかけずすぐに食べられるジャンクフードは、とても便利ですよね。カップ麺などのインスタント食品はお湯をかけて待つだけで、簡単に食べられるものができます。糖分が欲しいというときもありますよね。

しかし、こういったものを食べ続けてしまうと、肝臓に悪影響を与えるのみならず、栄養素が足りず、病気の原因となることもあります。食品添加物も多いので、できるだけ避けたい食品です。

肝臓に悪い食べ物3:アルコール

アルコール

肝臓に悪い食べ物、というよりは飲み物として代表的なのはアルコールです。体内に摂取されたアルコールは肝臓で分解され、無害な物質へ変化します。しかし、過剰なアルコール摂取は、肝臓機能を低下させる原因になります。

肝臓に入ったアルコールは分解されます。その過程で発生されるアセトアルデヒドは過剰に産生されると、脂肪の分解を抑制するという特徴があります。つまり、肝臓に脂肪を溜まりやすくしてしまうのですね。

お酒を飲んでクラクラしたり、二日酔い状態である。こういった人は肝臓のアルコール分解が十分に進んでいないことが推察され、また肝機能が十分に働いていないことが考えられます。

なるべく避けたい組み合わせ

お酒にはお肉なんかを食べたくなりますよね。しかし、これは肝臓にとってみれば避けてほしい組み合わせと言えるでしょう。アルコールの分解過程で産生された、アセトアルデヒドが脂肪分解を抑制し、脂肪はそのまま中性脂肪として肝臓に溜まりやすくなるからです。

肝臓は沈黙の臓器とも言われ、異常があってもなかなかその症状を自覚することはありません。症状が出てしまったときは、肝臓の病気がかなり進行しているといいます。

お酒とお肉、糖質といった組み合わせはなるべくであれば避けた方がいいでしょう。年を重ねるほど、肝機能は低下していきますが、きちんと節制をしたいものです。

肝臓の3つの役割とは?

肝臓

ここまで肝臓に悪い食べ物についてお話ししましたが、そもそも肝臓の役割とはどういったことがあるのでしょうか。普段、どんなことも沈黙しながら処理をする肝臓。大きく3つの役割があるのです。

1:代謝

体は食べ物から栄養を摂取し、エネルギーに変換して活動しています。細胞はこのエネルギーを使い、日々活動しています。このことを代謝といいます。肝臓は摂取した栄養を、代謝(エネルギー源として使える形)する役割があります。

例えばたんぱく質や血液、骨といった体を構成する重要な組織も、この肝臓によって作られています。肝臓内で行われる化学変化は体を作る重要な役割を持っています。

また、肝臓は必要がなければ栄養素を貯蓄することができます。そして、必要な時にその貯蓄した栄養素を分解・放出し、エネルギー源として供給します。貯蓄はグリコーゲンという物質で行われ、これを分解するとブドウ糖となります。

2:胆汁の産生

胆汁は脂肪を消化する消化液です。胆のうに一時保存され、適宜分泌されています。1日の産生量は多い人で1リットルともいわれ、消化・吸収する重要な消化液です。

胆汁の流れが悪くなることで起こるのが胆石症です。胆のう内や胆のうの通り道に石ができてしまう病気で、しばし腹痛を発症することがあります。初期の段階では自覚症状は少ないですが、月を経るごとに痛みが増してきます。

3:解毒作用

肝臓には体外から入ってきた毒素を分解・解毒する作用もあります。その代表例は先に述べたアルコールの分解です。あまり毒素というイメージはありませんが、アルコールは十分毒素なのです。

そのほか、タンパク質の摂取で腸内で発生するアンモニアの分解も行なっています。おならが臭いのは腸内細菌でも悪玉菌が産生したアンモニアですが、これを無害な物質に変えてくれています。

では、肝臓に良い栄養素・食べ物は?

野菜

肝臓機能の低下は、体全体の健康に関わることです。アルコールや脂質の取りすぎで肝臓が疲れているとき、どんなものを食べればいいのでしょうか。おすすめの食材は以下の通りです。

食物繊維

食物繊維は腸内細菌のエサとなる栄養です。腸内環境を整え、便秘改善効果が期待できます。そして、肝臓にとっても良い効果をもたらしてくれます。それは負担を減らしてくれる効果です。

腸内で発生するアンモニアは体にとって有害な物質で、肝臓で解毒されます。腸内環境が悪く、アンモニアが発生すればするほど、肝臓への負担は大きくなります。

食物繊維を意識して食べることで、このアンモニアそのものの発生を抑えることができます。動物性食品を減らしつつ、食物繊維を摂取することで肝臓への負担を減らし、便秘解消にも効果があるので、ぜひ摂取したい栄養素です。

大豆などのタンパク質

タンパク質は体を構成する重要な栄養素です。例えば大豆はタンパク質を豊富に含む食材で、味噌や豆腐といった様々な大豆製品として摂取することができますよね。また、アミノ酸を含んでおり、肝臓の修復をサポートすることが期待できます。

お肉を食べるときも赤身の多いものを意識して食べるといいかもしれませんね。動物性タンパク質も身体にとって必要な栄養素です。どちらのタンパク質もバランス良く食べるようにしましょう。

良質の油を摂取する

脂と字で書くと、固形の脂。一方、油と字で書くと液体の油を表します。良質の油は血液をサラサラにしてくれ、中性脂肪や血糖値を下げる効果も期待できます。おすすめなのが植物性の油、オリーブオイルです。

オリーブオイルにはオレイン酸という成分が含まれていて、これが血液をサラサラにしてくれるのですね。また、腸内に届くと便のすべりを良くしてくれるので便秘解消効果も期待できます。

一方で、植物性脂肪には様々な種類がありますが、どれでもいいというわけではありません。カロリーが高かったり、中性脂肪が多いような油ものあるので、きちんとした判断が必要です。

海産物

貝類やタコ、また魚などに含まれる栄養素は肝臓の働きを向上させる効果があります。具体的には貝類やタコでは、タウリン。魚にはDHAやEPAなどが含まれています。

肝臓の役割の1つに代謝がありました。この生理現象にはどうしてもビタミンやミネラルが必要です。特に抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを摂取したいもの。

体の老化は代謝の際に排出される活性酸素によって起こりますが、抗酸化ビタミンはこれら活性酸素を除去する役割があります。海産物にはこういった栄養素が含まれているので、積極的に摂取していきたいものです。

肝臓に良い習慣・対策

運動

肝臓に負担を与えない習慣は、日々実践することで身につけることができます。健康診断で注意を受けている人は少しずつ生活習慣の中に取り入れていくことが望ましいでしょう。良い習慣として以下があります。

休肝日を作る

よく言われることですが、肝臓が休む日。つまり、アルコールを飲まない日を作ることが肝臓に良い効果をもたらします。仕事でもそうですが、働きすぎてしまうと疲れてしまいますよね。

肝臓にも同じことが言えます。アルコールばかりを分解して、疲れてしまうと、肝機能が低下してしまうものです。毎日飲んでいる人はきちんと肝臓を休ませてあげるようにしましょう。

運動習慣を身につける

運動は身体機能を高めるとともに、血液循環を良くします。もちろん、脂肪燃焼効果もあります。習慣的に行うことで、生活習慣病をはじめとするあらゆる病気を予防することができるでしょう。

ランニングといった激しい運動ではなく、少し早めに歩く程度のウォーキングから始めてみてください。頻度は週に数回程度で効果があります。続けていく中で心身の状態が良くなっていくことを感じるでしょう。運動不足の人は意識して行ってみてください。

栄養価の高い食品を食べる

炭水化物や脂質がメインの食品は比較的栄養価が低いといわれます。エンプティカロリーともいいますが、高カロリーで低栄養のものはなるべく避けるようにしましょう。

一方で栄養価が高いものは、原型に近いものを基準にして選ぶといいと思います。例えば生野菜などは原型がわかりますが、それが野菜ジュースになってしまうと、加工され、原型から遠ざかってしまいますよね。

こういった加工食品は成分をみても添加物も多いので、こういったものを避けるよう意識して選んでみてください。良い食べ物を意識して選ぶ。食事療法を自ら実践し、続けていけばきっと体の調子は良くなるでしょう。

腹八分で抑える

食べ過ぎ・飲み過ぎというのは肝臓に関わらず、体全体に大きな負担を与えてしまうでしょう。あらゆる病気を招く原因となることもあり、節制が必要です。基本的な目安としては腹八分で食事を終えるようにしましょう。

腹八分で食事を終えてみると、時間が経つにつれて満腹感・満足感を得ることができます。意外と体は少食でも動くもので、普段食べすぎていることに気づくかもしれませんよ。少しずつ量を減らしていくことがポイントです。ぜひ、改善していってみてください。

肝臓に悪い食べ物と病気との関連

病気

肝臓に悪い食べ物を食べつづていると、肝臓だけではなく、体全体に深刻な影響を与えることがあります。病気は肝臓にとどまらないということですね。

では、具体的にどういった病気があるのでしょうか。

糖尿病

糖尿病は血液中の糖の濃度が常に高値となってしまう生活習慣病の1つです。習慣的な糖質の過剰摂取が原因の1つですが、そのほかさまざまな要因によっても発症します。血糖値を下げるインスリンが正常に分泌されなくなっています。

肝臓に悪い食べ物に糖質がありました。糖質は多くの身近な食べ物に含まれていますから、付き合い方をきちんと考える必要があるでしょう。食べすぎてしまえば、当然病気にもなってしまうわけです。

炭水化物を始め、炭酸飲料といったものは血糖値を上げやすく、またインスリンを分泌する膵臓に負担をかけてしまいます。食事や運動に関して十分気を配り、食事を節制していく必要があるでしょう。

肝炎・肝がん

肝臓に限ったことではありませんが、働きすぎてしまうとその機能が低下し、病気になってしまうことがあります。日々の食生活が悪く、肝臓にばかり負担をかけているといずれ病気になってしまうのです。

肝炎や肝がんはそういった習慣の延長線上にある病気です。症状が出るまで沈黙を貫く臓器ですから、自覚症状を感じた時には進行していることもあるので注意が必要です。アルコール性の病気も発症することがあるので、節制が必要です。

肝臓の病気では鉄分の摂取が制限されます。これは肝臓が鉄を蓄積するという役割があるためですが、病気の状態では蓄積しすぎていることがあるからです。レバーなどの比較的鉄分を含む食品は避けるようにしましょう。

循環器疾患

中性脂肪が産生されると血管に蓄積し、動脈硬化を招くことがあります。血管が柔軟性を失い、破れやすくなったり、詰まりやすくなってしまうのですね。これで起こるのが循環器疾患です。

特に心臓で起こる心筋梗塞や、脳で起こる脳梗塞・脳出血。これら病気は命の危険もある深刻な病気です。そして、その原因背景には日々の食生活の積み重ねによって引き起こされるのです。

今は健康だけども、突然病気を発症してしまう。最悪の場合、そのまま亡くなってしまうなんてこともある循環器疾患。健康診断ですでに悪い結果が出ているようであれば、食生活を変えてみてください。

まとめ

私たちの体は当たり前ですが、日々食べているものから作られています。食べ物の質がよければ健康になりますが、悪ければ簡単に病気になってしまうことでしょう。

肝臓は食べ物の影響を一旦に受ける臓器でもあります。食品を分解し、エネルギーに変えてくれていますが、やはり限度があります。負担をかけすぎてしまうと、病気になる危険性が高まり、やがて体は壊れてしまうのです。

日々の生活習慣や食べ物に悪いもの・ことがあるのであれば、まずはそれを断つことから始めましょう。その第一歩を踏み出すだけで、体調が変わることもあるのです。

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