年末年始、もしくはそれ以外の飲み会でも、ついつい飲みすぎてしまうというシーンはあるかと思います。お酒を飲むのは気分が良くなるものですから、仕事であった嫌なことを忘れさせてくれます。
そんな飲みすぎた日の翌日は二日酔いに苦しむことがあります。強い頭痛やめまい、倦怠感。休日であればいいのですが、仕事の日だったりすると冷や汗をかくものです。朝寝坊をしてしまうこともあるかもしれませんね。
二日酔いの朝に効果的な食べ物として味噌汁があります。味噌汁には効果的な成分が含まれており、速やかにアルコールの排出が期待できます。では、その効果について見ていくことにしましょう。
この記事の目次
二日酔いに味噌汁が効果的な理由
お酒の飲み過ぎで二日酔いになってしまい、吐き気がある…誰しもそんな経験があるかと思います。
そんなときにおすすめしたいのが味噌汁。では、味噌汁にはどういった効果があるのでしょうか。
コリンがアルコール・脂肪の蓄積を予防する
味噌にはコリンと呼ばれる成分が含まれています。このコリンは肝臓内に取り込まれたアルコールの蓄積を防いでくれる効果があります。同時に肝機能の向上が期待できます。
肝臓に脂肪分がついてしまうと、それだけ肝機能が低下します。つまり、アルコールの代謝・分解機能が低下するということですね。コリンは脂肪肝、そして二日酔いの状態を改善する働きがあるのです。
塩分が体の倦怠感を解消する
味噌汁には当たり前ですが塩分が含まれています。この塩分が二日酔いに大きな効果をもたらしてくれます。その背景には飲酒によるナトリウム不足が関係しています。
アルコールには水分を排出する利尿作用があります。お酒を飲むとトイレに行きたくなりますよね。このとき、体内のナトリウムが尿と一緒に排出されてしまいます。
ナトリウム不足を補うためには塩分摂取が必要です。味噌汁は適度な塩分を含んでおり、二日酔い状態でナトリウムが不足している体にうってつけの食べ物といえるでしょう。
目覚めの一杯として最適
二日酔いを起こすと、気分が悪く、なかなか気持ちが覚めないということがあります。体が重く、休んでいたい。そういった状態をリセットする効果が味噌汁にはあります。
温かく、適度にしょっぱい味噌汁は、目を覚ませてくれます。持っていた気持ち悪さも解消されるような安心感も得られるかもしれませんね。体を温め、心も軽くなる。ぜひ、目覚めに味噌汁を一杯飲んでみましょう。
合わせて飲みたい!二日酔いに効果的な具材とは
味噌汁には何か具を入れますよね。豆腐やわかめ、油揚げやシジミなど様々な具材があります。その中でも二日酔いの効果的な具材は以下のものがあげられます。
シジミ
二日酔い解消に大きな貢献をしてくれるのがシジミです。シジミにはアルコール分解を促すグルタミンや、肝機能を高めてくれるメチオニンという成分が含まれています。また、アンモニア分解をサポートするオルニチンというアミノ酸も含まれています。
これら成分のほか、ミネラルや必須アミノ酸といった栄養素も豊富に含まれているため、体の機能を高める効果が期待できるでしょう。あさりは肝臓を総合的にサポート、アルコールの解毒作用をする食材として、ぜひ摂取したい具材です。
あさり
あさりにはタウリンという成分が含まれています。タウリンも同様に肝臓機能を高める効果があります。具体的には肝臓の酵素をサポートします。二日酔い対策として大きな効果が期待できるでしょう。
また、タウリンはアルコールの分解過程で産生されるアセトアルデヒドの分解を促進する効果があります。排出効果もあるので、身体の状態を最善に保つことができます。タウリンはあさり他、魚介類に豊富に含まれています。
なめこ
なめこの味噌汁は粘性がありますよね。これはムチン呼ばれる成分のせいです。この成分は体内に入ると胃腸の粘膜を保護してくれる役割があります。アルコールで荒れてしまった粘膜を良くする効果が期待できるでしょう。
豆腐は二日酔い予防に効果的
二日酔いになってしまったときの対処法として、シジミやあさりの味噌汁を飲むことがありました。一方、二日酔い予防には豆腐の味噌汁が効果的だといわれています。
豆腐には摂取したアルコールをそのまま体外へ排出する効果があります。つまり、お酒を飲んだすぐに豆腐のお味噌汁を飲めば、悪い酔いせず、そのままアルコールを排出してくれるのですね。また、肝機能を高めるビタミンBも含まれています。
もちろん、食事のおつまみとして豆腐を食べるというのもいいでしょう。冷奴や鍋の具材としてお豆腐がありますが、こういったものを積極的に食べてみてくださいね。
具材がなくても効果アリ!
シジミやあさりを買って、味噌汁の具材に使ったとしても、あまった食材をどう使うががわかない。だから、なかなか貝類って買わない。そういった人もいるでしょう。そういった人におすすめしたいのが具なし味噌汁です。
実は沖縄では郷土料理の1つにかちゅーゆという食べものがあります。これは具が入っていない味噌汁のこと。鰹節と味噌だけのシンプルなレシピです。お好みでゴマや梅、大根おろしなどを入れますが、基本的には具材がありません。
ただ、忙しい朝や食材を買い忘れたとき、このかちゅーゆを飲むだけでも二日酔いを解消することが期待できます。適度な塩分とほっこりとする暖かさが身にしみるはずです。ちなみにゴマに含まれるセサミンは近年の研究によってアルコール分解機能があることがわかってきています。
味噌汁以外の二日酔い解消法
一人暮らしで外食ばかりをしている。冷蔵庫には味噌がないから、味噌汁を作ることがない…そういった人もいるかもしれませんね。
では、味噌汁以外の二日酔いを解消する方法にはどのようなことがあるのでしょうか。
まずは塩分と水分補給を
先ほど述べたように二日酔いを起こしているときは、体の塩分量が減っている状態です。このため、味噌汁に限らず、塩分を摂取できる食べ物を食べるようにしましょう。
また、アルコールの利尿作用により、体の水分量も減っていることが予想されます。軽度の脱水症状を発症することもあります。なので経口補水液や水などを意識して補給ことがポイント。一方、スポーツドリンクなどは糖分が多いので飲む量には注意が必要です。
すっぱいものを食べる
クエン酸は酸っぱいと感じる元の成分です。レモンや梅干しといった食材に含まれています。クエン酸を摂取することで二日良い解消に効果的です。
レモンや梅干しが苦手という人はグレープフルーツやイチゴなど、酸っぱい果物を食べるのもいいでしょう。旬の果物を食べることで、二日酔い以外にも体調の回復が期待することができます。
ツボ押し
シンプルな方法ですが、効果があります。二日酔いに効果的なツボは足三里という部分。
その名の通り、膝の皿、裏側から指4本分下に下ったところにあります。こちらを押してあげると消化器官の機能を高めることができます。
できれば十分に休みましょう
翌日が仕事でなければ、きちんと休むようにしましょう。体がだるいというのは、体が頑張ってアルコールを処理してくれている証拠です。無理をしてしまうと、体を壊してしまうことがあります。
例えば、動物は病気の時は、なるべく動かず、そして少食にして体の回復に注力する習性があります。これは人にも同じことがいえるでしょう。とにかく休むに限るのです。
なるべく、二日酔いをしてしまうほど飲むことは避ける。特に翌日が仕事のケースですね。翌日が休みであれば、その日は無理をせず、味噌汁を飲んで自宅でじっとしているようにしましょう。
胃腸薬はなるべく控えましょう
胃腸薬は二日酔い解消や胃、腸の改善をしてくれる効果があります。ただ、胃腸薬を飲むほど、お酒を飲んでいるようであれば、体がボロボロになってしまうかもしれません。
あくまで胃腸薬は応急処置という考え方の方がいいかもしれませんね。それだけ体が疲れているのですから、無理やり薬で治してしまうというのも、負担がかかるものです。
胃腸薬を飲むのであれば、まずはお酒の量を減らすことが大切です。薬ばかり飲んでいると、薬の作用も薄くなってしまうこともあるでしょう。お酒との付き合いには距離を保つようにしましょう。
二日酔いの予防法
ここまで二日酔いの解消法についてみてきました。味噌汁をはじめとする塩分を含んだ食べ物。また、肝臓をサポートする食材が効果的でした。
では、二日酔いを予防するためにお酒を飲む前にしたいこととはどういったことがあるのでしょうか。
水分を取っておく
アルコールには利尿作用があります。飲酒後、トイレに行きますが、結局体の水分が足りなくなって、余計にお酒を飲んでしまう。そして、またトイレへいって水分が足りなくなる…こういった悪循環を招くことがあります。
なので、飲酒前には水分を摂取しておくことをおすすめします。500mlのペットボトル1本でもいいでしょう。ただ、コーヒーなどのカフェインを含むものは、同じく利尿作用があるのでご注意を。
栄養ドリンクを飲む
お酒に伴う二日酔いや悪い酔いを予防するために、様々な栄養ドリンクが販売されていますよね。ウコンやハイチオールCを使ったものはとても有名でしょう。ウコンにはクルクミン、ハイチオールCにはLシステインが肝臓機能を高める効果があります。こういったものを飲酒前に飲んでおくと、体調管理に良いでしょう。
今ではコンビニにいけばウコンドリンクを始めとする栄養ドリンクは手軽に手に入りますから、ぜひ居酒屋にいく前に買ってみてくださいね。ビタミン類などの効果的な栄養素を素早く取り入れられるのでおすすめです。自分に合った栄養ドリンクを探すのも楽しいかもしれませんよ。
炭酸飲料も効果的
飲酒の前や二日酔いをしてしまったとき、意外と効果的なのが炭酸飲料です。コーラやスプライトといった飲み物は気分を目覚めさせてくれる効果があります。コンビニなんかで買っておくといいかもしれませんね。
ただ、注意点としては砂糖が多いことでしょう。お酒の糖質と合わせて、炭酸飲料に含まれる砂糖を追加で摂取してしまうと、どうしても肥満の原因になってしまうので、しばし注意が必要です。
空腹の飲酒は避ける
空腹の状態でお酒を飲むと、血中のアルコール濃度が高くなりやすくなります。アルコールの吸収が早いためですね。このため、翌日まで酔いを残さないためには、なるべく食べ物を食べた状態から飲酒を始めましょう。
サラダを食べたり、おつまみを食べたり。スピードの早い飲酒もまた、注意が必要です。食べ物を味わいながら、楽しい時間を過ごすようにしましょう。
深酒をしたときにやってはいけないこと
大量の飲酒は翌日に二日酔いを発症させることがあります。しかし、それ以前に飲みすぎた後にやってはいけないことがいくつかあります。
最悪、病院に搬送されてしまうこともあるでしょう。以下のことに注意するようにしてください。
長風呂
お酒を飲んだ後はどうもスッキリしたい。そう思ってお風呂に入ってしまう人がいます。もちろん、入る入らないはどちらでもいいのですが、熱いお湯に長時間浸かってしまうと、かなり危険です。
お風呂によって発汗作用が働くと、体から水分が出ていきます。脱水症状を招いてしまうのですね。アルコールの血中濃度をあげ、またアルコールの分解機能を低下させる可能性があります。
深酒をすると気持ち悪くてお風呂に入れない、という人もいますが、そうではないこともあるので、注意しましょう。そのまま素直に寝てしまうのがいいのかもしれませんね。
薬の服用
深酒をしているようであれば、すんなりと眠ることができると思います。しかし、風邪薬や睡眠薬など普段から使用している薬を飲むときは注意が必要です。アルコールによって血行が良くなっているので、薬が効きすぎてしまうことがあります。
これは肝臓にダメージを与えてしまったり、副作用が出てしまうなどのことが起こる可能性があるでしょう。また、胃腸薬に関しても、飲酒後に飲めないタイプのものもあるので、きちんと確認する必要があります。
お酒の付き合い方
何か良いことがあったり、反対に何か悪いことがあると、お酒をついつい飲みすぎてしまうということがあるでしょう。誰しも経験があることではないでしょうか。お酒は気分を高揚させてくれる良い飲み物です。
一方で飲みすぎると体に悪影響を与えてしまうことがあります。翌日に酔いが残れば仕事に影響することもあるでしょうし、または急性アルコール中毒の発症もあります。
二日酔いに関していえば、基本的に飲みすぎないということがベストの予防策です。必要以上に飲まないというのは、意識すればそう難しいことではないと思います。お酒との付き合いにはきちんとした自制心が必要です。
何か悪いことがあって、そのストレスのはけ口としてお酒に逃げてしまうのであれば、どこかで矛先を変えてあげなければなりません。体が疲れてしまう原因になることもありますから、注意が必要です。
お酒以外のストレス発散を考える
習慣的にお酒を飲んで、翌朝によく潰れてしまう…そういうことに心当たりがあるようであれば、なるべくお酒を控えることをおすすめします。おそらくその背景には、何かしらのストレスが隠されているかもしれませんね。
ストレスは誰しも日常生活をしていれば感じるものです。大小ありますが、その発散をお酒でしてしまうのであれば、別の何かで発散することを考えたほうがいいでしょう。
お酒を飲むより自宅に直帰して、そのまま寝てしまう。映画を見る。運動をする。などなど、娯楽が沢山ある現代だからこそ、お酒以外で楽しむ方法もたくさんあるかと思います。
もちろん、お酒を沢山飲みたいという日もあるかもしれません。そんな日は飲んでもいいでしょう。ただ、その頻度が多いとやはり体を壊してしまうでしょう。この部分は自制心が必要です。
適度な距離でお酒と付き合う。いくら二日酔いを治す方法があったとしても、距離を詰めすぎると体を悪くしてしまうのです。飲んでも飲まれるな。ぜひ、このことを意識してみてくださいね。
まとめ
二日酔いになってしまったとき、体がだるく、何のやる気も起きないことでしょう。ただ、その症状を少しでも解消できるのであれば、1日の良いスタートを切ることができます。
味噌汁はそんな二日酔い解消に効果を示してくれるでしょう。ちょっと作るのが面倒というときは、それを見越して前日の夜のうちに作ってしまうというのも手だと思います。
お酒との付き合い方を考えつつ、もし二日酔いになってしまったときは、味噌汁を飲んでみてください。心が温まると同時に、体調回復に驚くほどの効果を実感するでしょう。
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