オリゴ糖は便秘に有効なの?効果や成分、摂取するときの注意点を知ろう!

日頃、腸内環境が悪くて便秘に悩まされている人は多いです。便秘解消・改善に良いとされる食べ物にはいろいろな物があります。

今回は、その中のひとつである「オリゴ糖」について紹介をします。オリゴ糖には様々な種類と効果があります。食べ物に含まれる物であり薬ではないため、必ずしも変化が期待できるわけではありませんが、腸内環境を良くする助けをしてくれるでしょう。

また、「オリゴ糖を試したけど体に変化がない!」という人も中にはいます。なぜ、オリゴ糖を摂取しても変化がみられないのか、これについても説明をしていきます。

オリゴ糖とは

糖

便秘には幾つもの原因が挙げられます。オリゴ糖の効果は、幾つもの原因の中で、腸内環境の悪化による便秘に対して示されます。

そんなオリゴ糖とは、一体何なのかについて最初に触れていきましょう。

定義

オリゴ糖(プレバイオティクス)とは、特定される糖類の名称ではありません。3~9種類以上の糖類の分子(ブドウ糖や果糖といった単糖類)が複数結合した化合物の総称を言います。

つまりは、多糖類です。甘味料や調味料や野菜などの食品や、歯磨き粉といった日用品に含まれています。

オリゴ糖の種類

オリゴ糖の種類はたくさんあるため、代表とされるものを紹介していきます。オリゴ糖以外の甘味料は熱に弱いため、調理に用いると効果は消えますが、オリゴ糖は熱に強く、火を通してもその効果は生きています。

イソマルトオリゴ糖は、砂糖の約50%の糖分をもち、味噌や醤油、ハチミツといった発酵された食品に含まれます。熱には特に強いため、調理に用いることができます。

フラクトオリゴ糖は、砂糖の約60%の糖分をもち、タマネギやゴボウ、アスパラガスといった野菜に含みます。ダイエット効果が期待できる糖です。

アラビノオリゴ糖は、りんごに含まれます。

ガラクトオリゴ糖は、砂糖の約40%の糖分をもちます。乳糖とガラクトースが結合してできています。牛乳から抽出される糖で、虫歯の予防にも良いとされています。

マンナンオリゴ糖は、コンンニャクから抽出され、悪玉菌が生成する有害物質と結合をして体外に排出されます。

キシロオリゴ糖は、タケノコ等から抽出され、整腸作用に長けています。

上記に加え、特に代謝されやすいと言われるオリゴ糖は、ラクトース、ラクチュロース、ラフィノース、コーヒーオリゴ糖等も挙げられます。

特定保健用食品の1つ

オリゴ糖は、特定保健用食品に指定されています。

副作用はありませんが、過剰摂取をすると、分子を代謝しきれずに下痢などの症状を引き起こす可能性があります。

オリゴ糖と腸内細菌の関係

オリゴ糖で期待できる腸内環境正常化効果は、腸内の細菌と密に関係しています。

腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌、日和見菌があります。それぞれの細菌とオリゴ糖の関係について見ていきましょう。

・オリゴ糖は細菌のエサ

よく目にする内容は、オリゴ糖は善玉菌のエサであるという言葉ですが、オリゴ糖はいずれの腸内細菌に対しても、最も代謝されやすい多糖類であり、いずれの腸内細菌に対しても増殖を促進するエサになります。つまり、悪玉菌のエサにもなるということです。

それは、オリゴ糖が直接大腸内に届く多糖類の中で最も低分子の多糖類だからです。低分子であるため、体内で消化されず、腸を通過して消化管に留まり、作用します。

オリゴ糖以外に、細菌のエサになりやすい多糖類は現在のところ存在しないとされています。

・善玉菌

善玉菌は、腸内環境改善と安定に役立ち、食べ物の消化・吸収を促進する働きがあります。オリゴ糖は善玉菌が増殖するためのエサです。

善玉菌のエサとなる糖類は、他にもありますが、腸内の分泌液は強いアルカリ性であるため、ほとんどの糖類は大腸に達するまでに消化されます。しかし、オリゴ糖は胃や小腸の強いアルカリ性の分泌液で消化されにくく、大腸まで達することができます。よって、善玉菌のエサとなって、腸内環境を調整する助けをすることができます。善玉菌が優勢の時は、腸内は酸性になり、良い状態になります。

腸内環境を良くするだけではなく、善玉菌が優勢にある場合、ビタミンBも産生されます。ビタミンBには精神を安定させる作用があります。善玉菌が増えると、カラダも精神も健康になるでしょう。

・悪玉菌

善玉菌の量が減少すると、悪玉菌が優勢に働き、腸内環境が悪くなっていきます。腸内に悪玉菌が多いと、多くの有害物質や、アンモニアや硫化水素といった腸内を腐敗する腐敗物質が生成されます。

これらの物質は、腸の消化機能を妨げ、腸のぜん動運動も阻害します。悪玉菌が優勢の時は、アルカリ性に近いですが、善玉菌が増殖すると酸性になり、悪玉菌は生きることができなくなります。

・日和見菌

日和見菌は、ガス生成菌(バクテロイデス)です。日本人が保有する菌の中でも最も多い腸内細菌になります。ガス生成菌いわゆる、体内から体外へ排出されるガス(俗に言うゲップやおなら)のことを言います。

これは、短鎖脂肪酸をオリゴ糖といった糖類から産生する良い菌です。しかし、タンパク質を過剰摂取すると、ガスとして大概へ排出されるアンモニアや硫化水素といった有害物質を産生する悪玉菌にもなり得るため、注意が必要です。

要するに、体外へ排出されるガスが減った時、それは腸内の細菌の善玉菌が優勢になってきていることを示します。ちなみに、ガス生成菌は、大腸に乳酸が蓄積することで抑制されます。乳酸は、ビフィズス菌が産生する酸性の物質です。この活動に要する期間は、オリゴ糖を摂取してから約5日間~1ヶ月間とされています。

この期間は、善玉菌を優勢にするまでガスの排出が多いです。このことより、オリゴ糖を含む食品を摂取してから約5日間~1ヶ月間で体調の変化を訴える人が多くいます。

オリゴ糖の役割

たまねぎ

オリゴ糖が腸内でビフィズス菌によって分解されると、良質な栄養素に変換され、腸内フローラに良い影響を与えます。

では、どういった働きかけをするのか見ていき、摂取方法のポイントを押さえましょう。

カラダに良いエネルギー源

オリゴ糖のカロリーはゼロで、消化・吸収されません。ビフィズス菌によって分解されると、酢酸や酪酸、プロピオン酸といった短鎖脂肪酸が生成され、腸から体内へ吸収されます。

それが、エネルギー源となります。カラダに良い栄養源であり、短鎖脂肪酸のカロリーはブドウ糖の約半分と、低カロリーに加え、虫歯にもなりにくいといったメリットがあります。

腸のぜん動運動が活性化する

腸内環境が改善されてきれいになると、腸内は酸性になります。

すると、小腸や大腸のぜん動運動が活性化され、栄養素の吸収が良くなり、正常な排便ができるようになります。

肌の状態を良くする

悪玉菌によって生成される有害な物質は、便と一緒に排出されます。しかし、この有害物質が多いと腸に吸収されて血液に流れ、全身に行き渡り、皮膚から体外へ排出されます。これによって、様々な肌トラブルが生じます。

しかし、オリゴ糖によって善玉菌が優勢になると、血行も良くなり、肌の状態が良くなります。その他、冷え性や浮腫みも解消されます。

口臭の予防

悪玉菌によって生成される腸内腐敗物質は、臭い便やおならの原因となります。腐敗物質が多いと、血液にのって全身に行きわたった時、肺から排出されます。

よって、吐く息やゲップも臭い便やおならと同様に異臭を放ちます。そこで、善玉菌を優勢にすると口臭予防になります。

免疫力がつく

腸内環境を良い状態に保つことで、免疫力が良い状態に維持されます。そのために必要な物は、「オリゴ糖」と「乳酸菌」の組み合わせです。オリゴ糖は、ビフィズス菌のエネルギー源になります。乳酸菌は、腸内を掃除し、酸性に戻します。

整腸作用があり、便秘の解消やアレルギー体質の改善やアトピー、花粉症の改善、風邪症状を和らげることに役立ち、免疫力をつけることができます。

これが、悪玉菌優勢になって腐敗物質が増えると、免疫力も低下し、普通の下痢だけではなく、ノロウィルス等の病気を発症する可能性も高くなります。

血糖値の上昇速度が遅くなる

通常、炭水化物が血糖値を上昇させる速度は、とても速いです。しかし、短鎖脂肪酸は糖ではないため、血糖値を上昇させる要素は少ないです。

また、ゼロカロリーのオリゴ糖がビフィズス菌に分解されるまでには、ある程度の時間が必要なため、インシュリンの分泌速度も緩徐になり、血糖値の上昇を遅らせ、緩慢にすることができます。

ダイエットといった食事制限をしている人にはおすすめの糖です。

摂取方法

オリゴ糖は甘味料や様々な食品に含まれています。熱に強いため、調理の際にカロリーが高いハチミツや砂糖の代わりにオリゴ糖が含まれている物を利用すると良いでしょう。また、簡単な摂取方法としては、ヨーグルトを取り入れるという方法があります。

特に、ビフィズス菌入りヨーグルトを毎日食べていると、何らかの変化は得られやすいでしょう。但し、食べ物から取っているため、必ず変化するとも限らず、体感が出るのも個人差があります。ビフィズス菌入りヨーグルトが飽きる場合は、オリゴ糖を含むバナナやプルーン、きなこといった食品を取り入れるのも1つの方法です。

ヨーグルトのみでは即効性はあっても、持続性はありません。オリゴ糖を加えると、持続性も期待できるため、ヨーグルトと併用することをおすすめします。

赤ちゃんの便秘対策にオリゴ糖!!

母乳

赤ちゃんは自身の体調不良を言葉にして表現することはできません。大人が赤ちゃんの健康状態を把握するためには、便の状態を確認することが大切です。

では、便の状態をどのように把握すると良いのか、赤ちゃんがオリゴ糖を摂取することに対する安全性は大丈夫なのかについてみていきましょう。

赤ちゃんの腸内環境

赤ちゃんの腸内細菌は、生まれたての時はほとんど善玉菌と言われており、赤ちゃんの腸内細菌の約9割以上はビフィズス菌です。とても健康な状態にあります。オリゴ糖は整腸作用が強く、生まれてから食事が母乳のみの時は腸内環境がとても良いです。

しかし、呼吸をしたり、食べ物の摂取やミルクを飲み始めることで悪玉菌が増えていきます。

便の状態を確認する方法

赤ちゃんの便の状態の理想は、軟らかい便です。そして、1日の排便の回数は、4~5回が理想です。便秘気味の可能性が想定される徴候は3点あります。

それは、便が小さく、硬く、乾燥している場合や、排便時に不快感を感じて泣く場合、排便時に力んだり、顔面を紅潮させる場合です。生れて間もない、善玉菌が多い時期は赤ちゃんの便に異臭はありませんが、悪玉菌が増えて腸内腐敗が始まると異臭が生じます。

便秘の解決方法

赤ちゃんの便秘の解決方法として最もおすすめの方法は、オリゴ糖の摂取です。

その他に、赤ちゃんの足をもって、自転車を漕ぐように足を動かすこと、目安1日に3~4回、お腹を時計回りにさすることが挙げられます。いずれも、腸内に蓄積されている便が下方向へいくように誘導する方法です。

また、赤ちゃんが飲むものが母乳か粉ミルクかにもよって変わります。母乳の方が便の回数が多いため、できれば母乳を飲ませることをおすすめします。

赤ちゃんのオリゴ糖に対する安全性

オリゴ糖は、母乳にも含まれており安全と言え、積極的に摂ると良いです。

オリゴ糖は、腸内の善玉菌の増殖を促進します。よって、腸内環境正常化に役立ち、便が柔らかくなります。

妊婦の便秘対策にはオリゴ糖!

妊婦

ある試験より、妊婦の約半数が便秘に悩まされているという結果が出されています。

妊婦の便秘は何が原因で起きるのか、それらに対する対策は何があるのかについて押えましょう。

妊婦の便秘の原因と症状

妊婦は、妊娠中にプロゲステロンという女性ホルモンを多く分泌します。プロゲステロンは、出産前の準備の1つとして分泌され、カラダに存在する平滑筋線維を弛緩させる作用があります。

それと同時に、消化管も弛緩させるため、小腸や大腸の蠕動(ぜんどう)運動が抑制されます。ぜん動運動とは、食べ物の栄養を体内に吸収する役割があるため、この運動が抑制されると、吸収されきれず便秘が起きやすくなります。

また、サプリも原因に挙げられます。貧血の人が摂取する鉄のサプリは便秘を悪化させます。

妊婦の便秘の症状は、腹部膨満感、胃の痙攣、胸やけや嘔気、胃部不快感などがあります。

対策と安全性

オリゴ糖は、善玉菌を増殖するためのエサと言うように、最適な便秘解消方法と言えます。オリゴ糖は、トマトや人参、バナナ、ニンニク、テンサイといった野菜や果物に自然と含まれています。サプリも食品になるため、サプリで補うのも良いでしょう。但し、しっかりと食事で栄養補給をして初めてサプリの意味があります。

土から取れた野菜の栄養素も薄いため、野菜だけでは不十分なことがありますが、サプリのみでも栄養バランスは崩れます。ちなみに、妊婦に必要な鉄や葉酸とは異なり、オリゴ糖は、1日の摂取量の制限が必要だといった文献はほとんどありません。過剰に摂取しないようであれば安全でしょう。

オリゴ糖で良い変化が得られない理由・注意点

サプリ

古来より健康維持の効果がもてるとされているオリゴ糖は、年々、重要性が高いと認知されてきています。

しかし、そんなオリゴ糖を摂取してもカラダの変化が得られないというケースもあります。その原因は一体何なのか、注意して着目する点は何なのかについて説明をします。

有機酸の生成の有無

大腸の主なエネルギー源は有機酸です。

有機酸は、大腸内の有害物質をある程度、無害化します。オリゴ糖を摂取してから1ヶ月以上を経過してもカラダの変化を体感できない場合は、有機酸の生成に問題がある可能性があります。

有機酸は、全ての食べ物からオリゴ糖によって生成されますが、生成されていない場合は腸のぜん動運動が遅延し、必ず悪玉菌のエサになります。これにより、便秘の解消効果は激減します。

市販の商品に注意!!

「難消化性のオリゴ糖は大腸に届いて効果的」という謳い文句を使う会社があります。利用者側も、みられたカラダの変化に対して間違えた解釈をして口コミに高評価を綴る人もいるため、惑わされず、間違いのないように注意をして見るべき点です。

難消化性のオリゴ糖に結合している多数の分子は、グルコースや果糖、ガラクトース等といった単糖類です。つまり、ここで言う「難消化性のオリゴ糖」は、裏を返すと、吸収されやすい低分子のオリゴ糖よりも「分子量が大きい」ということを言っています。

分子量が大きいと、細胞間をくぐり抜けることができないため、腸内の細菌に作用することができず、利用率は低くなります。つまり、難消化性であるほど、短鎖脂肪酸の生産量は減少するということです。そうなると、長期間、下痢や軟便、水様便を引き起こします。

これを、利用者側は、「(下痢になるほど)たくさん便が出る!」と、間違えて良い方向に解釈をします。

また、市販されている薬は、飲み過ぎるとカンジダ症を発症する可能性があります。

もし、腸内環境の改善を目的にサプリ等を利用するのであれば、「オリゴ糖の種類」の項目で述べている代謝されやすいオリゴ糖が含まれている物を摂取しましょう。

まとめ

ヨーグルト

単に、「ヨーグルトを食べると良い」、「とりあえずオリゴ糖を食べると良い」というわけではありません。

ヨーグルトのみでは効果が期待できない、オリゴ糖をただただ過剰に取り入れても腸を壊すことがここからわかります。適度にオリゴ糖を取り入れて、腸内環境を良くしていきましょう。

また、食事だけではなく、運動も取り入れて、健康的に体の調子を整えていきましょう。

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