鼻涙管閉塞とは?症状や原因、治療方法を紹介!鼻涙管閉塞が伴う病気はなに?

鼻涙管閉塞という病名を、聞いたことありますか?これは新生児や乳児、高齢者に多く発症する病気で、特に高齢者は女性が多く発症します。新生児や乳児の場合は、鼻涙管が発達しなくて生まれてくることがあるので、これは自然治癒することが多く、痛い思いをしてあえて治療など、しない方が良いときもあります。

これは病院の先生の考え方で、大きく違ってきますが、新生児はまだ生まれてきても、完全に体が完成されて生まれてくるのではなく、生まれてからも成長しながら、体が完成されていきますので、その所を良く考えて、鼻涙管閉塞の病気を捉えられたら、良いのでは無いでしょうか?

鼻涙管閉塞について詳しく見てみました。

鼻涙管閉塞とは

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鼻涙管閉塞は目の痛みや、泣いてもいないのに涙がともらない、流涙になったりすることです。

それに伴う病気として、常に目やにの出る涙嚢炎の慢性涙嚢炎や、急性涙嚢炎などのように、痛みを伴って腫れあがり発熱を瞼から、頬、鼻にかけ起こります。

目元の一部の涙管の口から鼻腔に繋がっていて、すなわち鼻から涙が口の奥に通じているという事です。鼻涙管は余分な涙や、使い古された涙を排泄する管と考えられます。

先天性の新生児鼻涙管閉塞

目頭にある涙点から鼻涙管を通って鼻腔に流れますが、この管の途中で膜のような物が降りて、鼻涙管が閉塞した状態で生まれてくる新生児がいます。

この鼻涙管閉塞で細菌が感染し、炎症を起こすことがあり、これを新生児涙嚢炎といいます。生まれた時は鼻涙管が開通してない事が多いのが現状です。しかし成長と共に、開通するのですが、ハスナー弁付近が閉塞していることが多いです。

ハスナー弁は鼻腔側に逆流を防ぐ弁です。鼻涙管を経て鼻腔から涙嚢側に、空気が漏れるのが起こりにくくなっているのは、このハスナー弁がある為、鼻腔内の圧の上昇が伴うからです。

後天性の鼻涙管閉塞

後天性の鼻涙管閉塞の原因は、まだはっきりした原因は解っていません。強いアレルギー性結膜炎や副鼻腔炎などの鼻の病気や、はやり目、ヘルペス、外傷などによっても起こるのではないかといわれています。

顔が変わるぐらい腫れる急性鼻涙炎なども起こりますし、合併症を伴うこともありますので、注意が必要です。

鼻涙管閉塞の原因

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涙は一体目の中にどの様に、作られ流れていくのでしょうか?涙は眼を潤すために、必要不可欠な物質です。涙がなければ目を守る事はできません。

涙は上まぶたの外側にある、涙腺というところで作られます。この涙は涙点から、涙小管を通り、涙嚢の袋に溜まります。そして鼻涙管を通って、鼻の奥に抜けて粘膜で吸収されます。

鼻涙管閉塞の原因の流れ道

眼を潤すために、涙は常に少量(毎分1~2μl、毎時0.1ml程度)分泌されています。涙液は様々な病原体から保護するため、眼頭の内眼角付近の、小さな上下涙点から吸い込まれます。

上下涙小管の細い管を通過して、2つが重なりある総涙小管(そうるいしょうかん)を通過します。そこを通過すると涙嚢という、眼球の内側の袋に到達します。そこを通り過ぎると今度は鼻涙管を通過して、鼻腔へと出ていきます。このとき鼻粘膜で吸収されます。

こ経路が閉塞することで流涙が起こって、鼻涙管閉塞が多く発症します。この鼻涙管閉塞にも先天性のものと、後天性のものとあります。

先天性と後天性

先天性のものは鼻涙管が形成異常になっていて、出生した当初から流涙と眼脂が起こった状態が起こっています。

後天性についてはポリープや鼻炎、蓄膿症の鼻の病気が原因で、鼻涙管閉塞を起こす場合があります。またその他に結膜炎などの眼の病気から、鼻涙管閉塞を起こす場合もあり、原因は2つあります。

加齢

女性に多いのは涙道が狭いための原因があります。加齢と共に涙道内に老廃物が蓄積され、狭くなったり塞がれたりする、鼻涙管狭窄症になる事もあります。

加齢の女性や主婦の場合、涙の通り道が通っているのに、涙目を起こしている場合、結膜がたるんでいて、涙が涙点に達するのを白目の皮の結膜が垂れ下がっていたり、涙の分泌が結膜炎で増えたり、白内障の初期症状だったりすることもあります。

高齢者の場合白内障手術で、水晶体再建術を行うこともあります。

鼻涙管閉塞の症状を伴う病気

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鼻涙管閉塞の症状は常に、涙や目ヤニが出てくることがあげられます。泣いていないのに涙目や目やにが沢山ついているのは鼻涙管閉塞の症状の可能性があります。

高齢者や女性にに多く発生するこの鼻涙管閉塞ですが、流涙だけなら涙管閉塞ですみますが、膿をともなう眼脂の慢性涙嚢炎が多く見られます。

鼻涙管閉塞の症状に伴う病気に慢性涙嚢炎と急性涙嚢炎があります。

慢性涙嚢炎

鼻涙管閉塞が起こり、細菌感染が起こると、涙嚢の疼痛や皮膚の発赤、腫脹などはありませんが、涙嚢に涙液が停滞しているため、細菌が増殖し膿状の眼脂が常に出るようになります。

また眼脂があって流涙が起こらない場合の慢性涙嚢炎もあり、この場合の原因は涙液の分泌低下によるもです。

急性涙嚢炎

急激な涙嚢部の疼痛、赤発、大量の眼脂、腫脹、涙嚢の大量の膿の貯留などを、細菌感染によって、感染症を起こす状態や発熱などの、全身症状を起こす急性涙嚢炎があります。

急性涙嚢炎は涙嚢のあたりにホコリが溜まり、ばい菌による炎症が急激に悪化した時など、その為危険性が伴います。急性涙嚢炎は他の周囲の組織に波及して、脳髄膜炎や先天性鼻涙管閉塞の、新生児涙嚢炎などが起こりますので注意が必要です。

鼻涙管閉塞の検査

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鼻涙管閉塞の検査として、涙道通水試験というものがあり、涙道洗浄や涙洗を行うため、涙点から細い針を使用して、生理食塩水などを注入します。そこで鼻涙管の中をスムーズに通過するか検査します。

また色素消失検査といって、黄色い検査薬のフルオレセインを点眼し、数分後に眼表面に検査薬が、残っているかを確かめる検査などを行います。

鼻涙管が閉塞していると、表面に検査薬の目薬が残ってしまいます。

閉塞があると液が逆流したり、膿が涙嚢に溜まっていると、膿が逆流して洗い流されます。この涙道通水試験は検査だけが目的でなく、水圧で自然開通を助ける作用もあり、鼻嚢炎を併発している時は、洗浄効果の役目もあります。

鼻涙管閉塞の治療方法

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治療の場合は先天性と後天性のやり方があります。最初の治療法として、抗菌剤点眼と涙嚢部のマッサージ治療と併用しながら、経過観察します。

鼻涙管閉塞の治療については、急いでやる必要性が、余りないように言われる先生が多く、急いでやる方が良いという先生は、少数おられます。

先天性治療

ブジー(細い針金)涙点から鼻涙管に差し込みます。そうする事で鼻涙管開放術の鼻涙管に閉塞部を突き破ぶります。これ以外に閉塞が自然開通するため、毎日涙嚢部をマッサージするやり方もあります。

鼻涙管は妊娠中に涙嚢から下方にのび、普通は鼻の奥に開くのですが、本来開放するところまで、鼻涙管が伸びないで生まれてくる先天性もあります。両目が10%片目が90%の頻度で発症します。新生児の10~15%の頻度でこの症状は見られます。

乳児の先天性の場合3ヶ月以内に60~70%が自然治癒し、1歳までには90~95%が自然治癒されます。

3ヶ月以内

生まれてすぐは鼻涙管が狭いため、ブジーがしにくい欠点があり、自然治癒する可能性が高いので、もう少し先に伸ばした方が得策です。

3ヶ月~6ヶ月

固定しやすいという考えでこの時点で、ブジーを行う先生もおられますが、まだ自然治癒の可能性が高く、肺血症の合併症を起こす危険があり、まだ体力が弱い事もあるので、もう少し時期を伸ばした方が良いと考えます。

6ヶ月~12ヶ月

成長するにつれ、働くための固定が難しくなることと、自然治癒の可能性が少なる事で、ブジーが正確にできにくくなる不利がある為、6ヶ月を過ぎたら行う病院もあります。

12ヶ月以上

欧米では1歳まで待って、全身麻酔をかけて、ブジーを行うのが通常で、日本でも1歳まで自然治癒を待って行う医師もおられます。

ただ1歳まで待つと、固定が困難になり正確なブジーが不可能になることがあり、全身麻酔の合併症も気になります。

長く抗生剤の点眼を使用すると、薬の効かない耐性菌が涙嚢に繁殖する可能性が高まります。

敗血症の危険性

このブジー法で危険を注意しなければならないのは敗血症です。敗血症は細菌が血液に侵入するため、血流にのって細菌が全身の臓器に障害を生じさせます。

鼻涙管の細菌のすべてを排除することはできません。細菌のいるところを、針で穴を明ける訳ですから、傷から細菌が血管に侵入して、全身に回って敗血症を起こすことが、稀ではありますが起こります。

眼科の医師のブジーの考え方

涙嚢の専門家として、新田眼科の先生は20数年間ブジーを行い約1000例に1例、疑い例を1例経験した先生は、6ヶ月までまって抗生剤の内服を処方して行うのが、安全性があり一番良いと考えてられます。

また違う先生は、ブジーはすぐに行った方が良いという先生もおられます。生後1~2か月の赤ちゃんを押さえつけながらの治療を行い、先天性鼻涙管閉塞と診断されたら、すぐに行う方が良いと言われる先生も存在します。

ブジーで行う目安は病院の先生によってまちまちですが、ご自分のお子さんの時は、やはり担当医の先生と、良くご相談されることが良いのでは無いでしょうか?

ブジーや手術治療のやり方は、病院の先生のやり方の考えがある為、先生の指示に従うのが一番良いと考えますが、上記のように考えられておられる先生たちが、おられることをご紹介しておきます。

しかし慎重に考えられる先生も、色々な状態を見てられるので、良く考えられて先生と相談されるのが良いのでは無いでしょうか?

赤ちゃんの鼻涙管閉塞のマッサージ

マッサージをするときは、手を清潔にして、爪は赤ちゃんの肌を傷つけないように、綺麗に短く切っておきます。抗生物質の点眼を併用した、マッサージをおこないます。

赤ちゃんが急に顔をそむける事もあるので、片方の手で赤ちゃんの頭を軽く押さえ、片方の手で丁度鼻の上部の涙嚢を、親指と人差し指優しくつまむようにおきます。

涙嚢は目と目の間にあります。目の縁を軽く押して、10回ほどマッサージします。目の縁を押すと、溜まっていた目やにや膿が、出てくるかも知れませんが、それは柔らかい布で、綺麗に赤ちゃんの肌から取り除いてください。

この様な不要な目やにや膿が出てくるのは、マッサージが効果を上げている事になります。マッサージ後は点眼し、マッサージした人の手も、細菌がついているかも知れませんので、綺麗に洗浄しておきましょう。

この様なマッサージを1日3回ほど行いますが、実際の涙嚢マッサージは、担当医の指示の元行ってください。

マッサージを推奨しない病院もあります。なぜなら素人マッサージは、強さの加減が分からず、涙嚢が裂けて細菌が皮下に回って、酷い炎症が起こっていることもあるようです。

後天性治療

涙嚢に膿の貯留がなければ、閉塞部をブジーで開放しますが、開放するだけではまた再発を繰り返します。

ですからシリコン製の細くて柔軟なチューブを、上下涙点から鼻涙管に侵入させ、1ヶ月ほど鼻涙管内腔を確保して留置します。この方法は局所麻酔で行われます。

初期症状の場合は閉塞部分を、3~6ヶ月柔らかいシリコンチューブで、涙点から閉塞部までチューブ留置することで治る事もあります。

この処置は傷も残らずに、外来で10分ぐらいで処置できます。しかしチューブも万能ではないので、初めからチューブが挿入できなかったり、チューブを抜いて再閉塞が起こる場合などはバイパス手術を行います。

涙嚢鼻腔吻合術

チューブを抜いた後に、再閉塞した場合、または慢性涙嚢炎が元々あって、涙嚢にうみの貯蔵が認められた場合などは、骨に穴を明ける涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)が行われます。

これは涙嚢と鼻腔を隔ててる骨に穴をあけ、涙嚢と鼻粘膜を直接つなぎます。この方法には皮膚を切開して行う方法と、鼻内法のように鼻腔内から皮膚を切開しないで行う方法もあります。

慢性涙嚢炎でも流涙を自覚しなくて眼脂のみの場合は、涙嚢摘出手術で涙嚢を取り去るだけで眼脂は治り、骨を削らなくても良いです。

この手術は安全性も、成功率も高い手術なのですが、一つ欠点としましては、1週間程度の入院が必要となります。病院によっては局所麻酔で30分から1時間で日帰り手術が行われているところもあります。

急性涙嚢炎は原因菌を特定しなければなりません。原因菌が見つかれば炎症を抗生剤の大量投与で抑えます。

症状が落ち着いたら、鼻涙管閉塞であれば、閉塞部を開放します。また新生児涙嚢炎の場合でも、炎症を抗生剤の大量投与で抑えます。それから鼻涙管開放術を行います。

その他の治療のやり方

ブジーを行う場合でも、病院によっては涙道内視鏡を使いながら、処置をするところもあり、これはブジーなどとは比べ物にならないくらい安全性が高く、ブジーの先にカメラが付いたようなもので、モニター画面を見ながら行うので、成功率も可なり高くなっています。

これは日帰り手術で行えます。また違う病院ではブジーに涙道プロービングという方法で、加圧涙道通水という、涙道内に洗浄液を注入しながら、涙嚢を圧迫して水圧で閉塞を、開放する方法も摂られています。

このように見てきますと、6ヶ月以内の赤ちゃんに対しては、医療もこれからまだまだ進歩しますので、慌ててやらないでも、痛みのない治療器具がでて、安全性も成功率も高くなるので待った方が良いかも知れませんね。

症例によっては難しい事もありますから、簡単な場所ならブジーで簡単に行えても、閉塞している部分が難しい場所だと、色々面倒な事も起こるので、先生と良く相談することが大切ですね。

外国では1年以上たってから行うのが通常だそうですので、新生児用の鼻涙管閉塞の器械が開発されるかもしれません。

自然治癒する人も多いので、余り神経質にならないほうが良いかもしれません。ただ赤ちゃんが苦しんで、目を潤ませたり、目やにを出している時は、綺麗に目やにを拭いてあげる事は必要ですね。

まとめ

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如何でしたでしょうか?鼻涙管閉塞について詳しく見てみましたが、新生児の鼻涙管閉塞については余り慌ててやる必要も無いように思われます。

またやり方も医療は日々進歩し、また医療器具も進歩しています。それを考えると少しでも遅くする方が痛みの少ない方法がとられるかも知れません。

それより子供が苦しんでいるのが可哀そうだから、少しでも早く改善してあげたいと思うのもママとして当然のことのように思われます。

やはり痛い思いしてでも、早くやった方が良いのか?やらないほうが良いのか?やるとしたら鼻涙管閉塞の、沢山やられてる先生のところを、見つける事も大切のように思われます。

またママの交流掲示板や鼻涙管閉塞の掲示板などで、主婦のはなゆきさんなどが、鼻涙管閉塞などの自分の子供の治療について、主婦の方たちが色々書いていますが、即治療をやられる方も多いように感じられます。

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