耳たぶが腫れる原因は?痛みがある場合はどんな病気?

昔から、耳たぶが厚くて幅が広い人は金持ちになる!などといわれ、耳は人相学による占いなどでよくみかけます。

しかし、体や顔などに比べ、なかなか気をつけて観察したり、触ってみたりということはありません。しいて言えば、イヤリングやピアスをしたり、耳掃除をしたりと言ったことぐらいでしょうか?

ところで、耳を触ると耳たぶの後ろに、何か触るものがあることはないでしょうか?

おでき?脂肪のかたまり?・・・・

あまり知られていな、い耳たぶや耳にまつわる役割や心配な病気について、述べてみようと思います。

耳たぶの役割

右耳

耳たぶは、漢字で「耳朶」と書きます。”耳の垂れた部分”という意味です。耳たぶは、特になくても問題がないように思えますが、はたして何の役割をしているのでしょうか?

集音の役割

耳たぶは、入ってくる音を反響させることにより、鼓膜へ音を届ける役割があります。耳たぶの反響があることにより、脳が音の聞こえてきた方向を判断できるのです。もし、耳たぶを失ったとすると、音源の特定は難しくなるかもしれません。

体温調節の役割

暖房などで部屋の中が熱いとき、耳が赤くなることがあります。また逆に寒いと感じたとき、耳たぶを触ると、あまりの冷たさにひゃっとすることがあります。

これは、熱いときは耳たぶの血管が熱を放出して体温を下げ、寒いときは血管が収縮して体温を上げることにより、体温調節をしているからです。

ちなみに、耳の血管がたくさん見えるウサギは、耳を立てることによって体内の熱を放出しています。耳を立てたまま敵から逃げるのも、走ることによって上がる体温を下げるためだそうです!

耳たぶが腫れる原因・対処法

医者

耳たぶは、意外に重要な役割をしていることがわかりました。しかし、”耳たぶの病気”と言われてもピンとこない人が多いのではないでしょうか?

ここでは、あまり知られていない、耳たぶや耳の病気について述べみようと思います。

粉瘤

「ふんりゅう」と読みます。皮膚にできる炎症性の腫れ物のことです。アテロームとも呼ばれることがあります。粉瘤は皮膚全体(顔、手、背中など)にできるものですが、耳たぶの後ろにも見かけることがあります。

初期は、手で耳たぶの後ろを触ってみると、数ミリのつぶつぶ状の粉瘤が触ります。炎症がひどくなると腫れあがり膿が出ます。

皮膚の老廃物が、皮膚の刺激や傷でできた袋状の組織にたまることによりできると言われています。無理やり潰すと、悪臭、粘りのる液が出てくることがあります。特に痛むことはありませんが、細菌に感染すると赤くはれて痛みます。

めったにありませんが、粉瘤から急に大きくなると、皮膚がんになることもありますので、粉瘤の大きさをしばらくよく観察しておくことも大切です。

・治療法

治療方法は、抗生剤の服用や点滴です。腫瘍性疾患など、ほかの病気との鑑別診断するため組織を調べたり、見た目から気になる、嫌なにおいがして気になるといった場合は、手術することもあります。通常は日帰り手術で済むようです。

詳しくは、耳たぶに粉瘤が出来るのは病気?治療方法など紹介!を読んでおきましょう。

肉芽腫

「にくがしゅ」と読みますが、慣習的に「にくげしゅ」ともいうようです。。骨肉腫などと呼び方が似ているので、大変な病気を想像される方もいるのではないでしょうか?

肉芽腫とは、体内に異物が入った時にそれに対して防御反応で炎症がおきることをいいます。ふつうは体内でその異物の毒性を弱体化させることができますが、何らかの原因で弱体化できなければ、異物を隔離して、刺激を弱くする活動のことを肉芽腫形成といいます。

代表的な原因としては、ピアスです。体がピアス自体を異物と認識すると、それを除去するために攻撃すると発症することがあります。ピアスが重かったり、形状があっていなかったりすると耳に負担がかかり発症することがあります。肉芽腫は、薄ピンク色をしていてぷにぷにしているのが特徴です。

初期では、ホール周辺の周りにできます。痛みはほとんどないのが普通ですが、押すと痛むこともあります。そのうち、少しづづホールの周辺にまとまり、肉芽になります。痛みは感じませんが、ピアスの付け替えの時に、少々痛みを感じることがあるでしょう。

・対処法

そのままにしていると、さらに大きくなり手術が必要になる場合もありますので、初期の段階で、抗生剤の軟こうなどで防ぐことが大事です。

また、ピアスを変えてみることです。ピアスのポスト部を、金属から樹脂に変えてみたり、ホールの開け方に問題があり、ゆがんで開いていることもあるので、この場合はピアスヒールをふさいでみて様子をみるのもよいでしょう。

ところで、クエン酸を用いて自分で治療する方法などがあるようですが、一時的に治っていてもさらに炎症がひどくなることもあるようですので、自己判断せず病院に行くことをおすすめします。

悪性腫瘍(がん)

これまで述べた、粉瘤や肉芽腫は良性腫瘍です。しかし、耳の腫瘍のなかには悪性腫瘍(がん)になるものもあります。

耳のがんは、50歳から60歳の男性(女性の2倍)に発症し、非常にまれですが外耳や中耳などに発生することが多いです。代表的な耳の関するがんについて述べてみようと思います。

外耳がん

外耳に腫瘍ができ発生するがんのことです。主に耳輪にできるようです。

耳だれや出血、痛みや難聴、めまいを引き起こすこともあります。片耳に生じるようです。

原因としては、火傷や凍傷、ケロイド、角化症などで悪化し、症状が進むとがんへ進行します。また、慢性中耳炎や肉芽、耳だれが長びくと、がんの原因になることもあります。

さらに耳かきをよくする人が発生しやすいともいわれています。これは、耳かきを何度もするたびに傷がつき炎症をおこし、がん細胞ができやすくなっているからと言われています。

耳介は体の外にあるため、太陽の紫外線が影響し、がんになるという人もいます。

診断方法は、まず視診し、エックス線やCTの撮影等で耳の状態の細かい部分の検査をします。聴覚の衰えがないか確認するために、聴覚検査を行う場合もあります。

初期段階であれば、外耳にできているがんを切除する手術を行います。ほかのがんと同じように、臓器に転移していることもあるのでその場合は、放射線治療が行われることが多いです。

中耳がん

中耳の悪性腫瘍は、肉腫や傍神経筋腫がありますが最も多いのが、やはりがんです。

中耳のがんは耳のがんの大半を占めます。中耳がんの人の75%が中耳炎を合併しており、がんになる大きな原因です。そのほか、耳だれや肉芽もその原因として挙げられます。

症状としては、頭痛や耳の痛み、難聴や悪臭のする耳だれの増加、めまい、吐き気などがあります。進行すると、顔面麻痺になることもあります。

慢性中耳炎のお年寄りで、頭痛や耳の痛み、においのする耳だれの増加がみられるときは、中耳がんを疑う必要があります。

治療方法は、外耳がんと同じくエックス線やCTの撮影等で耳の状態の細かい部分の検査をし、診断をします。

ただし、耳介や外耳にできたがんは外から見えるので医師が視診すればわかりますが、中耳や内耳のがんは見えにくいため、耳鏡という朝顔のような形をした器具を耳に差し込み、内部を詳しく観察します。このときは肉眼ですが、顕微鏡で診察することもあります。MIRやCT、エックス線などの画像検査も行われます。

このように、中耳は外からの状況は分かりにくいので、少しでも症状がある場合は、病院での検査をおすすめします。

耳下腺がん

耳の下にあるつばを作る臓器で、おたふくかぜで腫れるのがこの耳下腺とよばれるものです。

耳下腺には、多形腺種や腺リンパ腫などの良性腫瘍、扁平上皮がんや悪性リンパ腫などの悪性腫瘍があります。良性腫瘍の増殖はゆっくりで症状は特にないことが多いですが、悪性腫瘍はときに急速に大きくなり、痛みをともないます。

進行すると、顔面神経麻痺になり、顔を動かすことが困難になることもあります。

治療は、顔面神経を保存し腫瘍摘出手術をおこないます。もし顔面神経を切断しなければならなかった場合は、神経を移植することもあります。

痛風

プリン体を多く含む食品(例えば、鶏レバーやかつお等)を多く摂取することにより発症することで、発症します。

最近よく言われている、ビールに含まれるプリン体は、鶏レバーやかつおに比べると50分の1から100分の1と言われていますから、それほど多いとは言えないようです。しかし飲みすぎは尿酸値を増加させるので良くありません。

痛風は、血液中の尿酸値が高くなりすぎることによって、足の親指や関節に強い痛みを感じることでよく知られていると思います。関節や体の末端に毒素がたまり、外に排出することが難しいときに、血液の流れが悪くなって痛むようです。腎臓が弱ってしまって、毒素を排出できなくなると起こりやすいのです。

実は、耳たぶのなかのコリコリとしたしこりが、痛風の症状であることもあるのです。意外かもしれませんが、東洋医学的に言うと腎臓と耳は密接にかかわっていると言われているので、うなずけます。

・治療法

治療としては、痛風の痛みを抑えるため、尿酸値を下げるため薬物療法を行います。

尿酸値は食事と大きくかかわっているので、バランスのとれた食事で、塩分やアルコール控えること、プリン体の多く含まれる食品をなるべく取らないようにするなどを心がけるべきでしょう。そして、尿酸を体内から排出するために、水分を1日2リットル飲むとよいと言われています。

まとめ

耳たぶや耳にできる腫れやしこりは、9割が良性のものです。

痛みを感じない病気もあり、他の体の症状に比べると、それほど気にしないで過ごすことが多いのではないでしょうか?

しかし、そのままにしておくと悪性に転じてしまうことがあります。ただの”おでき”だと思い放置していると、大きな病気につながることを考えておきましょう。

自己判断、自己治療はおこなわず、常に症状を観察し、医師に相談することをおすすめします。

  
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