鼻の奥が痛い原因は?治し方や病気について!

風邪や花粉症で鼻をかみ過ぎた時、あるいは特にそういったことをしていないのに鼻の奥が痛くなったことはありませんか?

ツーンとしてすぐに治まる人もあれば、何度も頻繁に痛みに襲われる人もいるようです。耐えられない程の痛みではなくても、不快感が続いて気になってしまいますよね。

そこで今回は、鼻の奥が痛い時に考えられる原因や病気、改善方法についてまとめてみました。

是非ご参考頂ければと思います。

鼻の奥が痛い原因

鼻の奥が痛くなってしまう原因や病気について見ていきましょう。

鼻のかみ過ぎ

よくあるのは風邪や花粉症、鼻炎等で鼻水が止まらず、何度も鼻をかんだ場合です。

鼻をかむと鼻の粘膜にそれだけ負担がかかります。鼻水が沢山出る時というのは、すっきりさせようと力を込めて思いっ切りかむ場合も多いですよね。このことから鼻の奥が痛くなってしまいます。

鼻をかむ時はなるべく優しく、負担をかけないようにかみましょう。

鼻水の原因となっている風邪やアレルギー症状がおさまれば鼻をかむ回数も減る為、自然に痛みもなくなっていきます。

鼻をほじる癖

子供に見られる鼻をほじる癖ですが、たまに大人でもいるようです。この癖は見た目がまずいという問題だけではなく、痛み等の症状をを引き起こすことがよくあります。

・鼻の粘膜を傷つける

鼻をほじり過ぎて鼻血が出るということはよくあることです。鼻の粘膜は敏感で、軽い刺激でも傷つき出血しやすいのです。

・菌の感染

指や爪に菌が付着したまま鼻をほじると、その菌をそのまま体内に入れることになります。また、粘膜が傷ついている場合もありますから、尚更菌に感染しやすくなるのです。

これ等のことによって鼻の奥に痛みを感じるだけでなく、鼻の穴付近が炎症を起こして腫れる鼻前庭炎鼻せつといった病気に繋がることがあります。

癖を治すことは勿論ですが、気になる時は指をそのまま入れるのではなく、清潔なティッシュ等を使って優しく触るようにしましょう。

乾燥

口が乾燥すると喉が痛み、目が乾燥すると目が痛くなりますよね。同じように鼻の奥も粘膜に覆われている為、乾燥すると痛くなるのです。

乾燥性鼻炎(通称ドライノーズ)という病気があります。聞きなれない名前かと思いますが、ドライアイの鼻版です。

冬の乾燥する季節やエアコンをよく使う夏場等、空気が乾燥している環境に長時間いると、鼻からその乾燥した空気を吸い続け、鼻の粘膜が乾燥してしまいます。

鼻の中は通常空気を加湿する役割があるのですが、ドライノーズになると加湿が出来ず乾いた空気のまま肺に送ることになります。

鼻の奥の痛みだけではなく、乾燥している為にアレルギー抗原やウイルスが粘膜に付着しやすくなり、アレルギーの発症や風邪、インフルエンザの感染も高まるといったリスクが発生します。

気温の変化

暖かい場所から急に外等の寒い場所に出た時、鼻の奥がツーンと痛くなった経験はありませんか?

これは急激な気温の変化によって冷たい空気が鼻に入った時、その冷たさを”痛み”として感じることがある為です。

あるいは寒い中にずっといると鼻の粘膜にある血管が収縮し、痛みを感じることもあります。

その為、なるべく外に出る時はマスクやマフラーを鼻まで覆って保温したり、あまり冷たい空気を大きく吸い込まないようにしましょう。

それだけで痛みをだいぶ防ぐことができます。

喫煙、大気汚染

喫煙や大気汚染も鼻の奥の痛みを引き起こす原因となることがあります。

タバコの煙や大陸から流れてくる黄砂、PM2.5といった汚染された空気は鼻の粘膜を直接刺激し、更に粘膜を乾燥させる為更に刺激や感染が起こりやすい状態にしてしまいます。

喫煙者だけでなく受動喫煙でも起こる可能性はあります。

病気ではありませんが、こういった環境にいる時や季節には特に注意をして、マスクを着用したり帰宅後うがいをする等の対策をしていく必要があります。

風邪の兆候

風邪の兆候として、ひき始めに鼻の奥に痛みを感じる場合があります。

風邪のウイルスによって鼻の粘膜が炎症を起こして腫れる為、その腫れを痛みとして感じたり、鼻づまりが続くことによって痛みが生じる為です。

また、風邪によって体の免疫力が低下することで鼻の奥が痛む場合もあるので、このような風邪の兆候を感じたら休養と栄養をしっかりとって免疫力を回復させることを優先させましょう。免疫が高まれば鼻の症状も次第に緩和されていきます。

副鼻腔炎

副鼻腔炎も風邪の症状の一つです。

副鼻腔とは鼻周辺の骨にたくさんある空洞のことですが、ここに風邪の菌が入って炎症が起こると副鼻腔炎になります。

鼻の奥の痛みの他、鼻づまりや鼻水、頭痛、臭いが分からなくなる嗅覚障害といったいわゆる鼻風邪の症状が生じます。

ただし、風邪だと思って放置していると慢性副鼻腔炎を引き起こす場合があり、風邪の症状が治まっても鼻水が止まらなかったり、中耳炎となることもありますのでやはり治療が必要です。

尚、この慢性副鼻腔炎は蓄膿症と呼ばれるもので、この呼び方の方が一般的に広まっているかと思います。通常の副鼻腔炎の症状の他に、副鼻腔内に膿が溜まってしまう状態です。ひどいと記憶力や注意力が低下してしまうこともあります。詳しくは、蓄膿症が臭い!症状や予防方法を知っておこう!を参考にしてください。

治療は耳鼻科で行います。

鼻水を取り除く鼻吸引や鼻洗浄、薬物療法やネブライザー療法と呼ばれる薬液を霧状にしたものを鼻から吸い込む治療が中心に行われます。

状態が酷い場合は手術によって炎症を起こしている箇所の切除を行うこともあります。この病気は自然治癒が難しい病気です。放置しておくとさらに症状は慢性化し、痛みが増す可能性があります。鼻の症状が長引く場合は副鼻腔炎を疑ってしっかり病院で治療するようにしましょう。

上咽頭炎

喉は上の位置から上咽頭、中咽頭、下咽頭に分けられます。

このうち鼻と喉の間に位置するのが上咽頭で、ここの部分に炎症が起こることを上咽頭炎と言います。

(中咽頭、下咽頭それぞれ炎症を起こすことがありますが、それらをあわせて”咽頭炎”と呼ぶことが多いです。)

上咽頭にはアデノイドと呼ばれる咽頭扁桃という器官があります。上咽頭炎の場合、このアデノイド部分に炎症が起こります。

症状としては、

  • 鼻の奥(アデノイド部分)の痛み
  • 喉の痛み
  • 鼻と喉の間の乾燥
  • 耳がつまったような閉塞感
  • 血が混ざった痰が出る
  • 口臭
  • 肩こり

等、様々なものがあります。

炎症が起こっても通常1~2週間で症状が治まってきます。この場合は急性上咽頭炎と言いますが、治療をしなかったり悪化すると症状が長引き、慢性上咽頭を引き起こす可能性があります。

原因はストレスや疲労等で免疫力が低下している時や喉が乾燥している時といったウイルスや細菌が感染しやすくなっている場合。そして上で説明した副鼻腔炎等によって鼻水が喉に流れ、炎症を引き起こす場合があります。

治療は副鼻腔炎と同様、鼻洗浄やネブライザー療法、薬物療法が中心に行われます。

悪性腫瘍

上咽頭や副鼻腔といった箇所が炎症を起こしたり膿んだりしているだけでなく、その部分に悪性の腫瘍が発生している可能性もあります。咽頭炎や副鼻腔炎のような症状に加えて鼻血などがよく出る場合は悪性腫瘍の可能性が高くなります。

歯の痛みに似たような頬付近に痛みが現れるのも特徴です。悪性腫瘍の場合は副鼻腔炎と違い片鼻に症状が現れるのも特徴でしょう。この病気が確認された場合は切除することが望ましく、歯肉を切って行うか、鼻から内視鏡を入れて手術を行います。

いずれも悪性腫瘍の場合は転移の可能性がありますので、早めに耳鼻咽喉科の診断を受けましょう。

鼻の奥の痛みの解消法

それでは鼻の奥に痛みを感じた時の解消法と、痛みが生じる前にできる予防法、どちらにも使える方法を幾つかご紹介していきます。

どれも簡単にすぐ実践できることばかりですので、是非意識して行って頂ければと思います。

保湿

幾つかの原因に挙げた通り、鼻の粘膜が乾燥することによって炎症や痛みが引き起こされます。

その為、予防の為だけでなく既に違和感や痛みが生じている場合にも、乾燥対策として保湿をすることが回復を早める鍵となります。

冬場やエアコン・ストーブ等を使用している室内ではミストを出すものや加湿器を置くことが乾燥を改善させる一番早い方法ですが、その他にも洗濯物を室内に干したり(タオル一枚でも大丈夫です。)、多少効果は落ちますが、水を入れたコップを置いたり、観葉植物を置くことや濡れマスクを着用することも加湿の効果が期待できます。

入浴

入浴で身体を温めて血行を良くすることで鼻の通りを良くしましょう。鼻に炎症が起きていて鼻が詰まっていたり重い痛みが続いている場合はこの入浴で血行を良くすることで鼻の痛みを軽減することが出来ます。

また、浴室の高い湿度で鼻を潤し乾燥した鼻の粘膜を復活することが出来ます。

温度差に注意

温度差によって鼻が痛くなる場合は冬によく起こります。寒い所から温かいところに出たときにはこの様な減少は起きませんが、温かい所から寒いところに行った時に鼻が痛くなります。

一時的な痛みで、誰でも経験したことのある減少なので特に対策をしなくても問題はありません。

急な気温の変化による痛みを予防・解消する為には、寒い外に出る際はマフラーやマスクで鼻を覆いましょう。

急激に冷たい空気を吸わないように、静かに呼吸することもポイントです。冬に自転車に乗っているときなどによくなりますよね。原因は冷たい空気をいきなり吸ってしまうことが関係していたのです。

鼻のかみ方

鼻水が大量に出ている時や鼻が詰まっている時、思い切りかんでしまうと粘膜を痛めてしまいますので、優しくかむことが大切だということは先に述べました。

とはいえ軽くかんでもかんだ気がしないと思いますので、片方の鼻を抑えてもう片方の鼻をかむ、といったように、片方ずつ行うと粘膜の負担は軽くなるのでお勧めの方法です。

その他鼻が痛むときには、鼻をかまないでティッシュで鼻の中を掃除するようにすると粘膜を傷つける心配がありません。

鼻うがい

鼻うがいを行うことで鼻の中を洗浄しスッキリさせることが出来ます。鼻うがいは痛いだとか汚いだとか難しいのような先入観があるようですが、一度やり方を覚えてしまえば簡単で痛くないとてもスッキリする有効な鼻の問題の改善方法です。

正しいやり方を紹介します。

・まずは生理食塩水を用意

1Lの水に9g程の塩を混ぜて9〜10%の生理食塩水を作ります。しっかり混ぜて塩を溶かしたら完成です。冷たい水ではなかなか溶けないので半分ほどの水を沸騰させて塩を溶かし、溶かしたら水を入れて10%の生理食塩水を作れば完成です。温度も30〜38度くらいに調節すれば鼻うがいが行いやすくなるでしょう。

注意点※水道水には飲めるものでもごく少量のアメーバなどの微生物が含まれていることもあります。飲んだ場合は胃酸で消化されるため問題ないですが、かなり稀なケースでこの微生物が鼻の中で増殖して脳にまで侵食し脳炎を起こし死に至るケースがあります。なので安全のために、一度水を沸騰させる方法を推奨します。

・やりやすい容器に移します

市販で鼻うがい用の専用容器が売ってあります。やりやすい容器がない人や初心者の人はこれらの商品を使って行うと簡単にできるでしょう。

そのような容器を用意しなくてもコップなどでも行うことは出来ます。

注意点※このとき選ぶ容器も清潔なものを選びましょう。水の中に存在するアメーバが鼻の中に入ってしまう可能性があります。アメリカで鼻洗浄用の容器を使用して鼻うがいを行った人が脳炎によって2人死亡する例が報告されています。専用の容器は鼻に入れやすいように先が細くなっているので洗浄しづらい事が多いです。慣れてきた場合はコップなどを使って行うほうがトラブルが少なく良いかもしれません。

・片鼻ずつ行う

片鼻ずつ鼻うがいを行っていきます。どちらでもやりやすい方から生理食塩水を鼻で吸っていきます。始めのうちはゆっくり食塩水を吸っていき、口の中に溜めていっぱいになったら吐き出していきます。しっかり吸って口から出す。という動作を何度か繰り返します。

この時鼻から吸って飲んでしまったという人が結構居ますが、口の中の形を「ん」の発音をする形にしておくことがコツです。しっかり口の中に食塩水を移しましょう。

・反対の鼻も同様に

片鼻の鼻うがいが終わったら一旦鼻をかんで鼻の中の水を出して、拭き取りましょう。軽く鼻を拭き終わったら反対側の鼻うがいを同様の方法で進めていきます。

慣れてくると豪快に鼻に食塩水を吸い込むことが出来るので、時間はかからなくなるでしょう。

・しっかり鼻をかむ

鼻うがいが終わったら次は鼻の中に溜まった食塩水を出していきます。そのまましっかり鼻をかまずにいると、生活中の何気ないタイミングで鼻から残った生理食塩水が大量に出てくることがあります。その他にも、この食塩水が鼻に溜まっている状態は衛生的にも良くありません。この様な問題を防ぐためにしっかり鼻をかんでいきます。

この時の正しい方法は、立った状態から状態を前に股から後ろが見えるくらいまで倒します。その状態で片鼻ずつかむ方の鼻を下にして顔を傾け食塩水が出切ってしまうまで鼻をかみます。これを両鼻で行えば完了です。

耳鼻科へ

鼻の症状は風邪の引きはじめや治りかけの症状とされ比較的軽視されがちで放置してしまう傾向があります。

確かに重症化や長期化はしにくく、1~2週間程の時間経過と共に回復してくる場合が多いのですが、症状が慢性化、特に慢性副鼻腔炎(蓄膿症)となってしまった場合は自然治癒はほとんど出来ませんし、鼻だけでなく頭痛や顔面痛、集中力の低下といった症状が長く続き、生活に支障が出てしまうケースも少なくありません。

早い段階であれば、簡単な治療で早く回復することが出来ます。

手術等をしなければいけなくなってしまう前に、症状が辛かったりなかなか治らない場合はできるだけ早いうちに耳鼻科を受診し適切な治療を受けるようにしましょう。

鼻水が止まらなかったり鼻づまりですっきりしない場合、治療法であげたネブライザー療法と言って吸入器を使って行う治療を受けるだけでもかなりスッキリすることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

鼻の粘膜は非常に敏感な器官である為、日常の少しの刺激や行い、環境の変化によっても傷つき痛みやすいことが分かりました。

また、副鼻腔炎や上咽頭炎といった病気による場合もあります。

命に関わるような重大な病気ではないものの、鼻の奥に痛みを生じるようになると呼吸をする度に痛みを感じるようになるので、意外と苦痛は大きいものです。

日常生活で少し気を付けることで、痛みの緩和や予防に繋げることが出来ます。

風邪や花粉症等のアレルギー性鼻炎の時は鼻をかみ過ぎてしまうことがよくありますので、解消法であげた片方ずつ鼻をかむ方法や、病院での鼻洗浄等を積極的に取り入れてみて下さい。

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