反抗期がない原因ってなに?及ぼす影響や対応方法を知っておこう!

「反抗期がない」というと異常だと言われて不安に思ったり、よくないと思ったりしがちです。しかし反抗期はなくても大丈夫な場合と、少し心配な場合があります。反抗期は人間が成長するのに大切な過程です。

子育て中でご自分のお子さんに今反抗期がないという人、またはなかったという人、そして自分自身に反抗期があった人もなかった人も「反抗期がない」ということは気になりますよね。反抗期がないことの原因や対処法について、説明していきますね。

反抗期がないとは?

親子

反抗期がない、ということはどういうことをいうのでしょうか。具体的に説明します。

反抗期は2回ある?

そもそも反抗期とはどういう状態のことを言うのでしょうか。

「反抗期」とは「精神発達の過程で親や年長者の指示に反抗的態度を示す時期」です。個人差はあるものの一般的に3、4歳の幼児期に起こる反抗期を第一反抗期、思春期に起こる反抗期を第二反抗期と呼びます。このように大体の人は2回の反抗期を経験します。

第一反抗期である幼児の時は「イヤイヤ期」とも呼ばれ、親が手伝おうとすると怒って自分で何でもやりたがる時期です。この時から子供は自立しようとする気持ちがあるのです。

第二反抗期は中学生くらいから始まります。早い子では小学校中学年から高学年で反抗期になる子もいます。個人差はあるもののだいたい11歳頃までは大人の言うことを聞いていますが、だんだん親のいうことに反発するようになります。

反抗期の子供の特徴として親と口をきかない、言うことをきかない、無視をするなどです。このように反抗した覚えのある方もいると思います。

反抗期の必要性

反抗期は自我の目覚め、そして成長においてとても重要なものです。自立するための準備をしている、ということなのです。自分の意思を明確にし、そして自己主張をして、最終的には「自立して生活していく」という意味のある、大切な時期なのですね。

反抗期は「勉強しなさい」などのお母さんのいうことにも反発して勉強しない、言葉遣いも悪くなる、または口をきかない、など人によっていろいろです。この時期は対応する親が大変ですが、反抗期があるのはむしろいいことと言えるのです。

成長に欠かせないものなので、一定の時間が過ぎればおさまります。ですので親は見守っていくことが大切です。怒鳴ったり手を出したりするなど脅す態度や行動をとることは禁物です。

この時期はまだ親への依存心もあり、自立しようとする気持ちと依存心が葛藤している時期であるとも言えます。また子供が反抗できるというのは、親に対して「反抗しても大丈夫だ」という親への信頼があるからこそ、ともいえます。

反抗期がないとはどういうこと?

反抗期がないのはまさに文字どおり、「親に反抗しない」のです。はたから見ると親は楽なように思えるかもしれませんが、親自身は反抗期がないことで却って不安に思うかもしれませんよね。他人に反抗期がないことを「大丈夫なの?」などといろいろと言われることもあるかもしれません。

第一反抗期は記憶にない人も多いですし、ここでの「反抗期がない」ことの説明は「思春期の反抗期」に関しての説明とします。では反抗期がないことの原因や理由は何か、説明しますね。

反抗期がないことの原因

少女

誰もがあると思いがちな反抗期ですが、ない人もいます。

反抗期がないことの原因や理由にはどのようなものがあるのでしょう?

親と価値観が一致している

子供の成長にしたがって、だんだん価値観が親子の間でもずれてきます。親の価値観を打ち破って、自己主張するのが反抗期の始まりです。ただ、親子で価値観が一致している場合は明確な反抗期がありません。きちんと自己主張する場がある、意見をいうことができる、また親がきちんと子供の主張に耳を傾ける、という親子関係ですと目立った反抗期はほとんどありません。

とはいえ全く反抗がないということはあまりなく、実際は小さな反抗があることが多いのです。何れにしても親子での信頼関係がしっかりできていて、自立できていれば心配はないと言えます。

親の過干渉で自己主張ができない

親が子に対して干渉しすぎることで子供が自己主張できずにいると、反抗期がないことの原因となります。過干渉とは子供の思考や行動などあらゆることに口出しをしてしまう状態です。過干渉は実は愛情不足、ということもあるのです。

親があまりにも子供のことに不安を抱きすぎたり、心配しすぎたりしてつい干渉してしまうのです。また良かれと思って抑圧的な教育や勉強の強要をしてしまうこともあります。子供のためというより親自身が安心したいために口出ししてしまう場合もあります。

例えば「あなたのためだから」と子供がやろうとしていることや、やりたいことをやめさせてしまったり、「こっちのほうがいい」と親の価値観でやらせたりするのが過干渉です。「あの子と遊ぶのはよくないからやめなさい」というように子供の交友関係に口を出すことも過干渉であると言えるでしょう。親の言葉はシロアリのように子供の心を蝕むという意見もあるくらいです。

そうなると、子供は自分で考えることができず、自己主張ができなくなってしまいます。そして自分というものがはっきりわからず反抗することもできなくなってしまうのです。

干渉されすぎると反抗しなくなる

親の管理下に置かれ、干渉されすぎた子供はだんだん自分の考えを伝えたり主張したりしなくなります。やりたいことややろうとしていることを否定される、ということが続くと、感情を押し殺したまま反抗期に反抗することもなく成長してしまうのです。

過干渉の親は、子供が期待に応えた時は大変喜んで、子供を褒めます。だから親の期待や希望に答えることが良いのだと思い込んでいるのです。親が喜ぶ姿をみて、性格が優しく素直な子供は、そのままいうことを聞いてしまう子供もいます。

こういう場合は、思春期に反抗期がないまま大人になってしまうことが多くなります。

何でも与えられて我慢することがない

希望するものは何でも与えてしまう親だと、子供が「我慢する」という葛藤を経験しないので、反抗することがありません。子供が欲しいもの、望むものを何でも買ってあげる、そしてやってあげるので過保護だと言えます。こうなると反抗の必要性がないのです。

過保護な親の元に育った子供も思春期には反抗期がないことが多くなります。

親子関係が薄くても反抗期がない

過干渉で反抗期がないというのとは逆に、親が子供に対してあまりにも関心が薄かったり、仕事で忙しすぎて接点が少なかったり、という親子関係でも反抗期がない場合があります。接点が少なくて反抗する場面がないのです。

接点が少なく反抗する間もないまま大人になってしまうのです。

思春期に反抗期がなかったことの影響は?問題点は?

泣いている女の子

思春期に反抗期がないと将来が心配だ、危険だとよく言われます。

本当にそうなのでしょうか。どのような影響があるのでしょうか。

反抗期がないのは異常?犯罪者になる?

反抗期がないことは異常なのでしょうか。親と価値観が一緒で、自分の意見を言ったり主張できた家庭で育った人は、自立していれば大人になってもそれほど問題はありません。

しかし過干渉な親に育てられたり、逆にあまりにも親と接点がなく反抗期がなかった人は、自分の考えに自信が持てず自尊心が低くなってしまいがちです。自立ができていないまま大人になってしまっているのです。

そのことにより、様々な影響が出てくる可能性が生まれます。「反抗期がないのは異常だ」とか「反動で将来犯罪をおかしてしまう、犯罪者になってしまう」と極端なことをいう人もいます。

本当にそうなのでしょうか。反抗期がなかった人にどのような影響が出ているのか、どういった特徴があるか、どういう問題が起きやすいかなどを説明しますね。

反抗期がないと恋愛ができない?

反抗期がなかった人は恋愛がうまくいかない、という意見があります。

「彼氏作り専門家」菊乃さんは、「恋愛がうまくいかない」という相談を受けた際、質問者の部屋に「実家暮らしの大人なのに、部屋にまだ学習机がある人がいる」ことに驚いたそうです。そしてその理由が「捨てようとすると親が反対するから」であることに違和感を覚えたそうです。まさに自立ができていないと言うことになりますね。

そして菊乃さんは元保育士、元右脳開発教室講師、現在は働くママを応援する『おうちサロンペールグリーン』代表カウンセラー、赤井 理香(あかい りか)さんにインタビューしています。赤井さんは「反抗期のない子供は幸せな恋愛が出来ない」と答えています。

自立できていない人は自分で判断する基準がないので、相手に騙されやすくなります。恋人関係になっても相手に自分の意見がいえない、主張できないということになり結局は長続きしない、ということになり幸せな恋愛ができないということなのです。

反抗期がないと社会人なっても親の管理下から抜けられない

思春期になり、反抗期が始まると親のいうことは聞かなくなります。そして子供は友達や周りの影響、さらに社会の影響を受けて成長していきます。親の価値観とは違う、自分の価値観を持つようになり、親に対して反抗するということになります。その結果自分の考えをもち、決断ができるようになって自立していきます。

しかし過干渉の親の管理下にいる環境で反抗期がないまま過ごしてしまうと、親の管理下から抜け出せないまま、自立のできていない大人になってしまいます。反抗期がないのは親から見るといい子に見えるかもしれませんが、いい子すぎるのは子供の成長にとってはよくないことなのです。

毒親の期待に応えようとする

過干渉、過保護の親は「毒親」とも言われます。暴力を振るうなどわかりやすい状況が毒親とは限らないのです。一見子供のことを考えているようで、過干渉や過保護も「毒親」になっていることがあるのです。

毒親は子供を支配してしまっていることに気づいていません。子供も支配されていることに気づかず、親が喜ぶことを優先してやってしまいます。「親の喜ぶこと」が「自分の夢、やりたいこと」だと考えてしまうのです。

社会人になっても親の期待や喜ぶことが自分の夢だと気づかずにいるので、自分が本当にやりたいことや好きなことがわからないままになってしまうのです。親を喜ばせることが自分のやりたいことだと思ってしまいます。

人間関係がうまくいかない

反抗期を経験しないまま大人になると、自分の基準になるものがなく、社会人としての経験値も少なく甘えた意識も抜けていません。恋愛関係だけでなく、人との関係をうまく築くことができない、そして仕事もうまくいかない、ということが多いのです。

自分で判断する基準がないため意見をいうことができません。そのため会社などで仕事をしていても、人間関係をうまく築くことができず、会社を転々とすることもあります。ニートになってしまう人もいるのです。また相手の言うことに反論することができないため、友達関係もうまくいかないことが多くなります。

反抗期がないとアダルトチルドレンになってしまう?

反抗期がなかった人は「アダルトチルドレン」になってしまうという意見もあります。アダルトチルドレンとは「子供の生育や成長に悪影響を与える家庭で育ち、成長しても精神的な影響を受けている人」のことをさすのが一般的です。

アダルトチルドレンと言われる人々は生きづらさを訴え、人間関係がうまくいかないなどのトラブルを抱えがちです。反抗期がなかった、親に反抗できなかったという経験がある人が多くいます。

詳しくは、アダルトチルドレンとは?その定義や概念、原因を知ろう!治療するにはどうすればいい?

反抗期がないことへの対応

息子と父

反抗期がない、親はその場合はどうしたらいいでしょうか。そして反抗期がなかった自分自身はどうしたらいいでしょうか。

子供に反抗期がない時はどうしたらいいか

自分の子供に反抗期がない、ということに気づいたり、今まさに心配している時はどうしたらいいでしょう。

まず自分が過干渉になりすぎていないか、口出しをしすぎていないかを顧みてみます。そして「〜しなさい」「〜したら」ではなく「あなたはどう思う?」「あなたはどうしたい?」という意見をいう質問に変えたり、「どちらにしたい?」など自分で考えて選択する質問に変えたりすることがポイントです。

そういう質問をすることで子供は自分で考え、自分の意見をいうようになっていきます。うまく答えられなかったり、「どうでもいい」などという答えが返ってきたりしても怒らずに、根気よく子供が自分の意思で意見を言ったり行動したりするのを待ちます。もしなかなか意見を言わなくても、自分でどうしようか、どうしたいかと考えるようになっていきます。

そこで反抗期が起こってきたら、成長過程において必要なことなのでむしろ喜んだ方がいいですね。反抗されてもやり過ごし、放っておくということも時には重要です。

反抗期がなかった本人はどうしていけば良いか

反抗期がないまま大人になってしまった場合はどうしたら良いでしょう。たとえどのような過程を経て大人になったとしても、まずは自立することが大切になります。

自分の人生をしっかり自分自身の力で生きて、経験値を増やしていくことが大事なのです。大人になってしまった人は今からでも遅くないので「反抗期」になってもいいのです。自分で考えて、自分で行動する自立した人になることが大切です。

実家暮らしをしている人は家を出て、名実ともに自立することをやってみてもいいですね。家を出ることができない事情がある場合も親との関係性を見直し、距離を少し置いてみることもいい方法だといえます。

あまりにも生きづらさを覚えたり、人間関係がうまくいかなかったり、など悩みが深すぎたり、そのせいで体調まで崩してしまっている場合はカウンセリングなどを受けて相談するのも良いですね。同じような反抗期がなかった人と話してみるのも客観的に自分を見つめることができる機会になります。

まとめ

自由

反抗期がなかった人は意外と多いものです。しかし今まで自分の考えで行動して決めてきた人は大丈夫です。もし不安がある場合は大人になってからでも自分の意思で動き、人に嫌われることを恐れずに意見をいうことが大切です。今まで親に反抗できなかった人は、自分の主張をしてみます。

また友人や恋人が反抗期がなかったため悩んでいるような場合は、自分の意見を言ったり主張したりすることを勧めてみるのもいいかもしれません。それでお互いの関係がさらによくなることも期待できます。

「反抗期がなかったなんて異常だ」とか「将来犯罪者になる」などという周りの声は気にせずに過ごしていきましょう。

家庭が100あれば100通りの家庭があります。反抗期がなかった自分の家庭は異常だ、自分自身がおかしいとかなどと考えず、自分がしっかり「自立して生きていく」ことを考えていくといい方向に進んでいきます。

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