皆さんは、初対面の人から学歴を質問された際に、躊躇することなく答えることが出来ますか?日本では小学校、中学校が義務教育となっていますが、現在では約8割もの人が高校に進学し、その後も7割の人が短大、専門、大学などの進路を選んでいます。
多くの人が進学を選ぶ中で、中卒高卒の人は学歴に対して劣等感を感じたり、また偏差値の低い大学を選んだ人も悩みを抱える場合があります。ここでは、学歴コンプレックスとは何かから解決法まで詳しくご紹介します。
学歴コンプレックスについて
日本は学歴社会とも言われたり「一流の就職先につくには、学歴が重要だ」とこだわりを持っている人がいます。就職活動する度に履歴書に学歴を毎回書く必要があったり、一生ついてまわるものであるので、コンプレックスになりやすい部分でもあります。ここでは、学歴コンプレックスとは何か、学歴コンプレックスの抱き方、学歴コンプレックスを抱いていると言われている著名人についてご紹介します。
学歴コンプレックスとは?
学歴コンプレックスとは、自分自身の学歴に対して劣等感を持っている事です。日本はアメリカを始めとする欧米諸国ほどではありませんが、学歴によって就職先が選別されてしまう仕組みである為、学歴社会と呼ばれています。
中学や高校を卒業してすぐに就職した人は大学まで出ていないので、就職につきにくいと感じることも多く、学歴に対してコンプレックスを持ちやすくなります。他にも出身校が偏差値が低く名門大学でない場合も自分のキャリアを構成する学歴に対して執着する傾向にあります。
コンプレックスになりやすい部分ではありますが、執着しすぎると自分よりも高学歴の人に対して嫉妬が生まれたり、何かと学歴のせいにしたり、他人の学歴を必要以上に気にする行動に出るようになります。学歴コンプレックスがひどいと、うつ病、パニック障害などの精神病になる場合もあります。
実際、高学歴が実際に優秀であるとは限りませんが、優秀である可能性があったり、経験上で企業は判断します。特に一流企業の一次選抜の時には何千通ものエントリーシートに目を通すよりも学歴で選別した方が効率的だという考え方もあります。その為、大学時代にコンプレックスを抱くよりも、学校を卒業していざ就職活動をして就職の難しさを目の当たりにして、悩み出す人もいます。
学歴別のコンプレックスの抱き方
学歴コンプレックスの抱き方は、「大卒」「高卒」「中卒」でも異なります。文科省の報告資料によると、高校卒業後は約71%の人が専門学校、短大、大学などに進学しています。多くの人が進学を選んでいる事からも、社会に出ると高卒や中卒であることでの学歴差別を感じたり、また大学に出ても偏差値による劣等感を抱く場合があります。
高等学校卒業者(中等教育学校後期課程卒業者を含む)の進学率は、大学・短大進学率(現役)は54.8%、専門学校進学率(現役)は16.3%
大卒の場合
大卒の方で学歴コンプレックスを持っている方は、大学受験を失敗した可能性が高いです。志望していた大学に行くことができずに、滑り止めや第二志望で受けた少し偏差値の低い大学を最終的に選んだ為にコンプレックスとして残る傾向にあります。
この場合、第一志望の大学に受かっている生徒だけでなく、自分よりも偏差値の高い学校に通っている人や有名大学に通っている人、これらの大学を卒業した人に対して嫉妬心を抱くようになります。
高卒の場合
高校卒業の人は、卒業してすぐに就職する人が多いです。勤務先によって条件は異なりますが、大学卒業の進学や実績などは給料に考慮されて初任給が高かったり、出世に関しても待遇される場合も少なくありません。
その為、働き始めた当初はコンプレックスもなく仕事に取り組んでいますが、後に同い年の人が大学を卒業して社会人になった時に優遇のされ方が異なるのを感じてコンプレックスを抱く傾向にあります。
また、本当は専門学校や大学に進学したかったけれど、両親の都合で働かなければいけなかったといった人も後悔が残りコンプレックスになりやすいです。
中卒の場合
中卒の人の場合は、全く学歴を気にしていない人もいますが、世間はなかなか中卒を受け入れてくれません。中卒は義務教育を終えていますが、進学しないと選択をしたという事は周りに「家庭の経済状況が苦しいのかしら・・・」や「勉強が出来ないから行かないのね」「不良なのかしら」と色々な想像をさせてしまいます。
どんな理由があるにせよ、周りからは中学を卒業したばかりではまだ子供と思われ教育が不足していると捉えられてしまいます。「中卒と言った途端に周りの態度が変わった」や「同じ仕事をしても中卒だと評価されない」というように思う人も少なくありません。
学歴コンプレックスが疑われる著名人
学歴コンプレックスを持つ著名人たちは多くいますが、政治界では安倍首相がその1人だと疑われています。安倍首相の家系である岸家、安倍家には東大出身の人が多く、父親に「東大へ行け」と言われても反発するだけで、幼少期から勉強が得意なわけでも好きでもなかったと言われています。
安部総理は成蹊小学校、成蹊中学校、成蹊高等学校経てそのままエスカレータで成蹊大学法学部入学し卒業します。その後、南カリフォルニア大学に入学するも中退し、神戸製鋼所入社に勤めた後は、親の安倍晋太郎の秘書として働き、その後出馬を果たして政治家になりました。
これらの過去の経緯から、努力せずに大学に進学したり、コネで企業に勤めたり政治家になったと言われています。また「安部首相は東大出身者とエリート官僚や政治家が苦手」という議員の声もあったり、歴代の内閣に比べると安部内閣に東大卒者が極端に少ない事や、文藝春秋から出版された『新しい国へ』という本がリニューアルされた時には、成蹊大学法学部卒業をしたという経歴をカットしていることから、更に学歴コンプレックスが疑われるようになりました。
政治家は批判される事が多いので、このような噂もありますが、実際は成功者でもあるので、周りが考えているほど本人は学歴を気にしていないかもしれません。
学歴を気にしやすい人の特徴について
20代~60代の男女555人を対象に、学歴を気にした事があるかという質問したところ、4割の方が「コンプレックスに感じたことがある」と答えたデータが報告されています。中でも、年収が中くらいの層の人や男性が気にしやすく、他にもFラン大卒がコンプレックスに感じやすいとも言われています。ここでは、学歴を気にしやすい人の特徴についてご紹介します。
中くらいの年収が気にしやすい
学歴を気にする人は、年収に現れるというデータが報告されています。学歴をあまりコンプレックスに感じていないのは年収300万円以下の層です。年収300万円以下の層は職人業や専門職が多かったり、フリーターや専業主婦など日常生活に学歴が影響することがない為、気にしない傾向にあると考えられます。
また、700万円以上を超える年収の人も学歴コンプレックスを持っている人は少ないと言われています。年収が平均よりも高いため、現在の肩書きや稼ぎ、過去に学歴に関係なく成功できているという自信から気にしない傾向にあると考えられます。
一番学歴を気にする人は、年収500~700万円の層だといわれ、この年収に属する人の6割以上の人が学歴にコンプレックスを持っていると言われています。出世争いやビジネスの厳しい戦いにいる人は「自分が出世できないのは、学歴のせいではないか」と思っていたり、同僚が出世すれば「彼が出世できたのは、いい学歴があるからだ」と本当の問題に目を向けるよりも、学歴で片付けてしまう傾向にあると考えられます。
男性の方が女性より気にしやすい
男性は5割以上の人が劣等感に感じている一方で、女性の場合は3割程度の方が劣等感を感じているという結果があります。その為、女性よりも男性の方が学歴が劣等感に感じやすいと言えます。
男性の方が女性よりも出世意欲が強く、プライドが高い為に出世が出来ていなかったり、就職先がなかなか見つからないと仕事に対する難しさを感じている人は、学歴のせいにしてしまうと考えられます。
Fラン大卒
Fラン大卒とは、河合塾が偏差値をつけることができない大学として分類した大学で、大学入試が機能しない為、基本的には希望者全員が入れます。その為、偏差値が低い無名な大学という意味でネットスラング用語として広まりました。日東駒専未満をFラン扱いしている傾向にあります。
このFラン大学に通った人は、大学入試、センター試験という成功体験を突破せずに大学に入っています。一方高学歴と呼ばれる人たちは、過酷な受験戦争をくぐりぬけ、それを1つの成功として自信をつけています。
その為、就職しようとした時にFラン大卒の人は今まで高いハードルというのを経験してこなかったので、高学歴の人にとっては低い壁でも、ぶつかってしまうこともあり、それを乗り越える術を見につけていません。
そして、「なぜ周りと違うのか」と自問自答した時に学歴として片付けてしまい、受験戦争を経験してこなかったからと考えるようになり、学歴コンプレックスを抱える傾向にあります。
学歴コンプレックスを感じている人の言動
学歴コンプレックスを抱えている人は、無意識のうちに人と比べて優劣をつけたり、他人の学歴を知りたがったり、子供の教育熱心になる傾向にあります。
ここでは、学歴コンプレックスを感じている人は、具体的にどのような言動にでているのかご紹介します。
無意識に人と比べている
学歴にコンプレックスを抱いている人は、他人と見比べて優劣をつけてしまう傾向にあります。例えば、あなたが有名な大学を卒業して一流企業に勤め始めた時、一方で高校時代の友人は高校を卒業して大学に進学をせずに一般的な企業に入社をしていた場合、自分の方が年収が高いと相手を見下げてしまうようであれば、他人と比べる癖があると言えます。
このような人は、無意識のうちに他人と自分を比べて「あの人は学歴がいいのに、仕事はできない」と思ったり、その逆に「あの人は学歴が悪いのに、仕事ができる」といい学歴であれば仕事ができるという事に繋げている為、学歴で人を判断しようとします。
また、自分と同じ学歴の人を見ると、同じレベルだと思い必要以上にライバル意識を持ち始めます。
他人の学歴を知りたがる
無意識のうちに学歴で優越をつける傾向にある為、人の学歴を必要以上に気にする傾向にあります。初対面の人にも「出身大学はどこ?」という質問を投げかけ、学歴によって人を判断します。
自分の学歴よりも下だと思った人に対しては自分の学歴は素直に言う傾向にありますが、一方で自分が質問者側ではなく回答を求められた時に、相手の学歴が上だと判断した場合は、自分の学歴に劣等感を感じて言わない場合があります。
子供に教育熱心になる
自分の学歴に対して苦労した親の場合「自分の子供には克服させたい」と子供の教育関連に熱心になる傾向にあります。例えば、自分は英語が出来ずに苦手意識が高いにも関わらず、子供は同じように苦労しないようにと英語を積極的に学ばせようとさせます。
幼い頃から勉強する癖がついたり、勉強することで将来の幅が広がるというメリットはあります。しかし、自分のコンプレックス解消を子供に求める傾向が強くなるため、教育がいき過ぎてしまい、それが虐待に変わって子供の人生を狂わせてしまう場合もあります。
テストの点数や成績、受験勉強に執着しすぎて、子供が本来やりたい事をさせてあげなかったり、点数が悪いことで強くあたりすぎてしまうと、マイナスな教育として働く場合があります。子供に少しずつ責任を負わせて自分で判断できるようにするのも教育のうちです。
学歴コンプレックスを克服・解消する方法
学歴コンプレックスを克服する方法は、様々ありますが共通している点は「自分に自信をつける事」です。自信のつけ方は人それぞれですが、ここでは克服するポイントについてご紹介します。
また、学歴コンプレックスが原因で精神的な病気にまで発展するようであれば、自分で解決しようとせずに専門家に一度相談しにいきましょう。
自分にしか出来ない事を見つける
自分にしか出来ないことを見つけると「自分には学歴はないけれど、自分の強みはコレだ」と自信がつけられ前向きに取り組みやすくなります。別のことに自信をつけると、学歴に対して執着する気持ちがなくなり、気にならなくなります。
自分にしかない特技をとことん伸ばしていくことが重要です。特技は資格や勉強、スキルなどに限らず、スポーツや趣味を極めたり人間性を磨いたり、外見を磨く事でも構いません。自分がのめりこめるような事を探しましょう。
学歴コンプレックスに悩んでいた学生が、ヒッチハイクをして小さな成功を繰り返して最終的に自分に自信をつけたことで解消したというブログもあります。
僕は滑り止めとして大学の付属高校を受験し航海士になる学校を推薦で受ける完全防備の受験方式を取りました。
受験を舐め切っていた僕は、大した勉強もせずに望み、アッサリ落ちました。
心底、自分に絶望しました。そんなこんやで、自分には何にもないと学歴コンプレックスを起こしました。
実績を手に入れる
学歴コンプレックスを克服する方法の1つは、実績を手に入れることです。会社で一度でも大きな成功を掴むことが出来れば、学歴に執着しなくなります。学歴がなくても社会で成功している人は堂々として自信に満ち溢れている人が多いです。
また、学歴コンプレックスは他人と比べて自信をなくしてしまう人もいれば、中には学歴だけに自信を持ちすぎて今度のスキルアップなどのモチベーションがなくなってしまう人もいます。
学歴は将来をどのように進んでいくかの手段の1つであり、過去の結果が全てではありません。視野と実力を備えて前に進んでいけるように目標をもつことが大切です。
自分にあった勤務先を見つける
学歴を重視している勤務先や人は必ずいます。働いている会社で学歴コンプレックスをより感じるような場所であれば、勤務先や働く人を一度考え直しましょう。
「自分の経験や特技を生かせる」と思えるような場所や「自分が成長できる」と感じた場所に身を置くようにしましょう。実力だけを見てくれる会社や人もたくさんいるという事を知りましょう。
他の大学へ編入する
まだ、この記事を読んでいる人が大学生で学歴コンプレックスを感じている方は他の大学へ編集してみるのも1つの手段です。学歴コンプレックスを克服するには、成功体験をつくったり、自分が熱心になれるものが必要となります。
その為、他の大学への編入試験を受けて、コンプレックスを克服するのもオススメです。編入試験のメリットは、センター試験を受験しなくても英語と小論文などのわずかな項目だけで難関の国立大学を受験でき、大学のレベルがあがったり、自分の希望する大学に受かることでコンプレックスを解消することができます。
短大から大学へ編入したり、大学から憧れの大学に編入することもできます。また、既に卒業している方でも再度希望の大学に入って新しい道を切り開くことも可能です。
おわりに
「自分の学歴を素直に言えない」「学歴が気になってしまう」人は、学歴コンプレックスを抱えている可能性があります。これが原因となって前に進めない人や目的を見失っている人は克服するために、行動にでる必要があります。
自分にしかないものを見つけるなど自信をつけることで学歴に対するコンプレックスはなくなります。学歴は一生つきまとうものですが、過去の歴史だけが全てではないので、自分の目標を見つけて新たなことにチャレンジしていきましょう。
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