栄養失調の症状をチェックしよう!原因や治療法は?判断基準も紹介!

栄養失調という言葉から浮かぶのは貧困でごはんが食べられない子供達や病的に痩せてしまう高齢者のイメージではないでしょうか。

しかし現代の栄養失調は摂食障害とも言われていて精神疾患のひとつとして認識されています。社会的・精神的ストレスによって心の病を抱えてしまうことで食に対する考え方や食行動を異常なものにしてしまうと言われています。

果してこの現代型栄養失調とはどういったものなのでしょうか?女性、特に若い女性にとっては「対岸の火事」ではない理由(わけ)がそこに潜んでいます。栄養失調はほおっておくと重篤な身体的疾患を招く恐れもあり、時には命に係わる場合もあるのです。

そこで本稿ではこの現代型栄養失調についてその症状や治療法を検証し、健康的で充実した日常生活を送るための指針を学んでいきましょう。

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栄養失調とは?

栄養失調

「調子を失う」と書いて失調(しっちょう)と読みます。

栄養失調(malnutrition)とは食物を体内に摂りこむ量と消費するエネルギー量のバランスが失われた状態を言います。車が動くにはガソリンが必要ですが、人間が活動するためには栄養を身体に摂りこまなくてはなりません。つまり栄養(=ガソリン)を体内摂りこめず、あるいは摂りこまずに活動ができない状態を指しています。

定義としての栄養失調は単に食事量や筋肉量が減るというだけでなく、食事内容つまり各種栄養素が不足し栄養バランスが崩れる状態をいいます。別名「栄養不良/栄養不足/栄養障害」等とも呼ばれることがあります。

摂食障害

栄養失調はどちらかといえば一般的に使われることが多く、医学的な正式名称は摂食障害(せっしょくしょうがい:Eating Disorder)と呼ばれます。

摂食障害のうち神経性無食欲症(しんけいせいむしょくよくしょう:Anorexia nervosa)とは別名「拒食症(きょしょくしょう)」とも呼ばれ、体型や体重に病的なこだわりを持ちそのための手段として食物をほとんどとならない状態が継続する症状です。

神経性○○というぐらいですから精神疾患に属し、男性よりも女性、特に若い女性に多くみられる病気です。栄養失調はこの拒食症が継続し体重が大幅に減少した状態と捉えられています。

因みに過食症とよばれるのが「神経性大食症(しんけいせいたいしょくしょう:Blimia Nervosa)」です。むちゃくちゃに食べる行動と排泄する行動が繰り返される症状です。

栄養失調の判断基準とは

栄養失調や拒食症と判断する場合の明確な指標はあるのでしょうか?

その判断指標としては体重、そしてその他の指標が使われています。「標準体重」という国の判断基準で最も健康的に生活できると考えられる統計的理想体重を基準とします。

「標準体重より-20%以上痩せている」というのが拒食症の一般的な判断基準となります。

例えば身長160cmの女性の場合、以下が標準体重となります。

(160-100)X0.9=54kg

標準体重54kgのー20%だと43.2kgということになり、160cmの女性であれば見た目でも確かに痩せすぎかも?!と思われることもあるでしょう。

その他の指標としては以下の5つがあります。

  • 異常な食行動が見られる
  • 体型や体重に関して異常な認識を持っている
  • 症状が現れたのが30歳以下
  • 無月経があり継続する
  • 痩せた原因(内科的疾患・精神疾患)が見当たらない

体重を含めた以上の6項目が拒食症か否かを判断する指標となります。

拒食症であれば体重の減り幅によって危険度が変わります。体重は身体全体の栄養状態を観ることにもなり重要な指標となります。

例えば標準体重のー25%以内であれば『軽症』、ー35%~-25%では『中等症』、-35%以上は『重症』と診断されることがあります。

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栄養失調の症状

栄養失調 症状

栄養失調は医学的にみれば精神疾患である摂食障害に分類され「拒食症」と呼ばれます。その症状でもっともわかりやすいのは体重の減少ですが、他にも様々な症状を呈するため、あらかじめ関連する症状を知っておくことが予防法として重要となります。

栄養失調の一般的な症状

以下に栄養失調の一般的な症状を呈します。体重や体型に対して異常とも思える自己イメージを持ってしまうところに精神疾患としての要因が存在しています。

  • 徹底した食事制限・食事管理をしてしまう(食べて太ることに恐怖を覚える)
  • 食べ始めるまでにやたらと時間がかかる、食べ物を細かく刻んで食べる
  • 体重が大幅に減っているのにまだ「太っている」と思い込んでしまう
  • 体重について異常な程の執着心を持ち少しでも増えていると嘔吐・排泄しようとする
  • 常に動きまわりカロリーを消費しないと気が済まない
  • 体内の栄養素が減りすぎて飢餓状態になり、その反動で過食になる
  • 生理が来なくなる(女性)
  • むくみがでる、歯茎が浮くような感じがある
  • 脈が遅くなる(除脈)、または不整脈が出る
  • 消化吸収機能が低下し下痢を起こす

現代人特有の栄養失調症状とは?

何事も忙しい現代人は社会の様々な変化に対応することが求められ、その中で社会的・精神的なストレスが溜まりやすい傾向にあります。

食事は特にその影響を受けやすく極端な糖質過多や動物性タンパク質に隔たりがちな一方、野菜や果物等のビタミン・ミネラルが相対的に不足しがちな傾向が高まっています。その結果、肥満症に陥っているにも関わらず栄養不足になっているというおかしな(!?)ケースも存在するのです。

この特定の栄養素の隔たりや不足によって生じる障害を「新型栄養失調」と呼んでいます。新型栄養失調は不足した栄養素によって生じる症状が異なります。

特定の栄養素不足が招く症状

①ビタミンB不足

ビタミンB群は体内に摂りこまれた炭水化物・脂肪・タンパク質を代謝を助けてくれる補酵素(ほこうそ)としての役割を担っています。B群のどれが欠けても疲れやすくなったり活動が鈍化してまうため身体にとっては重要な栄養素なのです。

症状としてはイライラしやすくなったり、集中力が続かず記憶力も衰えます。その他、足のしびれやむくみ、動機、吐き気、便秘などの胃腸障害もみられ気分が落ち込んだりふさぎがちになってしまいます。つまり仕事や勉強等の日常生活活動に著しい悪影響が出てしまうため、なくてはならない重要な成分です。

②鉄不足

鉄欠乏性貧血という症状があるくらいなので倦怠感、立ちくらみ、めまい、耳鳴り、頭痛等、また身体が酸素不足に陥るため肩こり、背部痛、関節痛、筋肉痛が起こりやすくなります。

原因は血液中で作られるヘモグロビンが不足していることが関係します。ヘモグロビンは赤血球中で作られ身体の隅々にまで酸素を運ぶ役割を担っていますが、鉄分が不足することでヘモグロビン生成ができず酸素の供給が滞ってしまうのです。

③亜鉛不足

体内に約2g程含まれ細胞全体に存在して遺伝子やたんぱく質の合成に深く関与しています。子供の場合は深刻で成長障害の可能性が高まり、女性の場合は鉄欠乏性貧血を招きます。

大人の場合、皮膚の炎症や脱毛、味覚障害を招く恐れがあり、免疫力が低下するため風邪を引きやすくなったり食欲不振、爪に白い斑点、さらに性欲が落ちたりといった症状も現れます。

④タンパク質不足

タンパク質は20種類のアミノ酸によって形成され皮膚、髪の毛、爪、内蔵、筋肉など、人間の身体を作るにはなくてはならない要素です。タンパク質はさらにホルモンや神経系の正常な活動にも深く関わる重要な栄養素です。

タンパク質不足は体内の新陳代謝亢進が妨げられ肌の老化やたるみを促進させてしまいます。免疫力が低下して内臓の機能も衰えてしまい疲れやすくなったり集中力の大幅な落ち込みが見られます。筋肉総量も減るわけですから日常生活でも身体を動かすこと自体が億劫になってしまいます。

⑤低血糖

血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の量のことです。体内に摂りこまれた炭水化物が吸収され糖となって血液中に出て身体の各器官に運ばれます。血糖値は食事の前後で多少前後することが知られていますが、栄養失調などで絶食状況が続くと血糖の正常域を大幅に下回る低血糖状態になります。

低血糖になると空腹、発汗、震え、不安、動悸(どうき)、口唇乾燥などが現れますが、中枢神経が侵された場合には意識の混乱、おかしな行動、集中力の散漫、眠気、発語困難、頭痛、複視(ふくし)、けいれん、昏睡等の重篤な症状を示す場合があります。

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栄養失調の原因

栄養失調ストレス

まだまだその原因が明確化されていない栄養失調、しかしどうやら社会的・精神的なストレスによって引き起こされることがわかってきました。

現代人を蝕む栄養失調の原因について迫ってみましょう。

社会的ストレス

日本社会は痩せた女性を好む性質があるようです。メディアやマスコミも総じてダイエットすること、また痩せている人を取り上げ、痩せていれば健康という風潮を作り上げる傾向があります。一方で肥満は極端に嫌われ、時には軽蔑視されることもあります。

現在、20代女性の平均体重は近年減少傾向にあり、標準体重よりも10%も少ない値になっているという報告もあります。この極端な痩せ型偏重社会が、人によっては過度のストレスとして摂食障害を発症する原因のひとつと考えられています。

心理的ストレス

現代の社会的風潮は特に若い世代でその影響をモロに受けることとなります。つまり「痩せている=善(良いこと)」という雰囲気が社会に蔓延することで限度を超えた体型や体重の維持を目的とする行動をとる場合が少なくありません。

特に様々な経験のない若年層女性では自分の価値をそういった外見や歪んだ考えに求めてしまい、「食べる」という行為について極端な偏見をもつ場合が少なくありません。

拒食症の場合、自分で決めたルールから外れることが嫌で拘りの強い性格故、強迫観念に縛られる場合が多く、自己評価が厳しかったり自尊心が低いと思ってしまうこともその症状に拍車をかけています。

家族環境ストレス

各種報告によれば家族とのつながりの希薄さも、逆に両親の過保護や過干渉等も栄養失調や摂食障害に繋がる原因とされています。

共働き家族で常に家に一人、または兄弟(姉妹)のみという環境では子供の性格形成にとっても良い環境とは言えません。正しいか否かの判断基準は親や大人たちによって学べる機会が多く、子供達だけで過ごす時間が多い場合、自己判断の基準が曖昧になってしまうことが多々あるからです。

食事とはどうあるべきか?食事の本質とは何か?がわからなければ安易なメディア戦略や友人・知人からの影響力の方が勝ってしまい、特に若年層ではある一定の体型や体重を維持することのみに目がいくことは仕方のないことかもしれません。

遺伝的要因

アメリカの医療施設最大手メイヨクリニックが2012年に発表した報告によれば、第一近親者(兄弟姉妹、または両親)に摂食障害が起こると自分も同症状を発症する可能性が高くなるとしています。

まだ発見されているわけではありませんが、ある種の遺伝子が拒食症を発症する感受性を高める可能性があるということで、現在その研究が進んでいます。

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栄養失調の対策と治療

笑うこと対策

栄養失調と深く関わる拒食症は精神的な疾患だと理解する必要があります。

また、うつ病や自律神経失調症とも関連が深くこれら神経症状の発症により食欲がなくなったり胃腸の働きが弱まる等の影響が報告されています。

専門医を受診しましょう

現在は摂食障害を専門とする多くの医療施設も存在します。例えば栄養摂取全般について栄養療法を掲げるクリニックでは、どんな栄養が不足しているかなどを調べることも可能ですし、心療内科を併設し心のケアまで含めたトータルな治療を専門とする病院もあります。

ある意味行き過ぎたダイエットとも捉えかねない摂食障害ですが、実際は深い心の闇に根ざすれっきとした『心の病』であり、病気とじっくり向き合わない限り良い結果は訪れません。

専門医は患者の病状や程度により向精神薬を使った薬物治療や薬を使わないサプリメント(栄養補助食品)療法、さらにカウンセリングを含む生活習慣改善治療などを併用して症状を改善させていきます。

ストレスを溜めない習慣

精神的な病である摂食障害ではいかにストレスを解放させるかが大きな課題となります。栄養が偏った状況でさらに体型や体重を気にし続ける病状はちょっとした日常の変化に敏感で強いストレスを感じてしまうことが少なくありません。

多くの場合、考え方も行動もまじめで完璧主義の女性が陥りやすく、ストレスを発散できないまま心の中に溜め込んでしまう傾向が強いのです。よって普段からストレスを溜めない状態を作ってあげることが病状の進行を止めたり予防するためにとても重要な要素となります。

笑うことが最良の薬

中でも最も簡単で効果のあるストレス発散方法が『笑う』ことです。笑うことで内臓や呼吸筋・表情筋等が活発に動く結果、身体は心拍数や血圧も上がり、酸素消費量も増えます。すると身体は運動しやすい状態になり、自ら外を歩いたり日常的に活動的な状態になります。

程よい疲れから睡眠も深くなる、そして朝も日の光を浴びながらすっきりと目覚められるといういわば“普通”の日常生活である行動的な循環が生まれます。

笑うことの効果は身体的な変化だけに留まりません。最大の恩恵は、脳の活性化とそれに伴う精神安定化作用です。「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌が高まり脳の活性化が促され、前向きな気分が持続するのです。

普段から笑いを習慣づけることで自律神経のバランスも整い、幸せホルモンの分泌の高まりと相まってどんな状況におかれてもある意味『大丈夫だ!』という安定した気持ちになれます。

物事のあるがままを受け入れてその中で自分を見つめなおす、つまり客観視することも可能なので、自らの異常行動や食習慣に気づく可能性も大いにあるのです。

家族・友人と食事を摂れる環境をつくる

体型や体重に対しある意味異常な程の執着心を持つのが摂食障害の特徴です。痩せていることを善として「細い体型の維持が絶対に必要」と思ってしまう考え方を変えるためには、食べることが楽しいという新たな価値観を見出す必要があります。

ひとりでは食べることに対する罪悪感や嫌悪感が生まれる可能性が高くなるため、できるだけ家族や仲の良い友人たちとワイワイ明るくおしゃべりをしながら食べる習慣をつけると良いでしょう。

『食事は複数で、おしゃべりをしながら楽しむ!』という行動変容が食に対する精神的はストレスを軽減してくれます。『食べる』ことへの意識変化が生まれると本来の味覚も敏感になり『美味しい』という感情が生まれ、それが食べることの楽しみをさらに増長させてくれるはずです。

家族や友人等、大切な人と共に過ごす中で自分ではわからなかった新たな価値観を見出すこともストレスを発散できる大いなる要因となることを覚えておくと良いでしょう。

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まとめ:栄養失調

未来

栄養失調は摂食障害のひとつである拒食症(神経性無食欲症)で生じ体内で必要とされる栄養素が大幅に不足した状態を言います。

栄養失調は社会的・精神的な背景による過度のストレスによって引き起こされる精神疾患と捉えることができるため、本人の自覚のないまま症状が進行しやがては内臓疾患等の合併症にまで至ることが懸念されます。

治療すべきかどうかの判断は専門医でないと付きかねる場合が多いため、早期に医療機関を受診することが最も大切です。

心の病である拒食症、そして栄養失調は家族や友人といった周りのサポートがどれだけあるかによって病気の進行具合や予後が大きく変わります。あなたにとって大切な人(達)があなたの心の闇に巣食う病魔を排除する手助けとなることを自覚しておきましょう。

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