低血糖の症状とは?原因や対処法を知ろう!機能性低血糖症についても紹介!

低血糖症という病気をご存知でしょうか?耳にしたことはあっても、どのような病気かは知らないという人が少なくないと思います。また、低血糖症について、ある程度はご存知の方でも、糖尿病に関連する病気として把握されているのではないでしょうか。

たしかに、低血糖症の多くは、糖尿病治療に付随する形で発生します。しかしながら、低血糖症は糖尿病治療だけでなく、他の病気が原因となって発生する場合や現代特有の理由で発生することもあるのです。

そこで今回は、低血糖症についての概要をご紹介したいと思いますので、参考にしていただければ幸いです。

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低血糖の定義

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そもそも低血糖とは、どのような状態のことなのでしょうか?

まずは、低血糖症という症状・病気を理解するためにも、低血糖の定義や血糖値についての基礎知識を、おさらいしたいと思います。

血糖値

血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことを言います。

食事によって摂取された炭水化物や糖質は、小腸で体内に吸収され肝臓でブドウ糖に合成されます。このブドウ糖が血液を通じて運ばれ、体内における各組織細胞の主要なエネルギー源として利用されます。特に脳においては、ブドウ糖が唯一のエネルギー源とされます。

人の血糖値は、血糖値を下げる働きをするホルモンであるインスリンと、血糖値を上げる働きをするホルモン(グルカゴン、アドレナリン、成長ホルモン、コルチゾール)が相互に機能することで、狭い範囲の正常値に保たれるのが通常です。

血糖値は、概ね70㎎/㎗~120㎎/㎗が正常変動範囲とされています。

低血糖の定義

低血糖は、血糖値が正常範囲の下限値よりも低下してしまった状態のことです。つまり、血糖値が70㎎/㎗よりも下回った状態を低血糖と言うのです。

そして、低血糖になったことにより、後述するような低血糖状態での特徴的な症状が現れると、低血糖症と呼ばれる症状・病気となります。

ただし、血糖値の変動や症状が現れるタイミングなどには個人差がありますので、血糖値が70㎎/㎗を下回ったからといって、一律に低血糖症となるわけではありませんので注意が必要です。

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低血糖の症状(低血糖症)

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それでは、血糖値が正常範囲を下回り低血糖の状態になると、どのような特徴的な症状が現れるのでしょうか?

低血糖の症状、つまり低血糖症で見られる症状について、ご紹介したいと思います。

中枢神経症状

血糖値が低下して低血糖になると、ブドウ糖を唯一のエネルギー源とする脳は、その機能を低下させざるを得なくなります。

一般的に、低血糖が進行して血糖値が50㎎/㎗を下回ってくると、脳の機能が低下して、無気力・倦怠感・集中力欠如など精神活動に影響が出始めます。場合によっては、意識障害・意識消失・異常行動などが起こりはじめます。さらに、血糖値が30~20㎎/㎗程度になると、痙攣が始まり、最終的には昏睡状態に陥ります。

低血糖回避システム

とはいえ、血糖値が一方的に下がり続けて、いきなり昏睡状態に陥らないように、人体には低血糖を回避するシステムが備わっています。

  • 第一段階:血糖値が80㎎/㎗を下回ると、インスリン分泌が極端に低下
  • 第二段階:血糖値が70㎎/㎗程度になると、グルカゴンとアドレナリンが大量分泌される
  • 第三段階:血糖値が65㎎/㎗程度になると、成長ホルモンが分泌される
  • 第四段階:血糖値が60㎎/㎗を下回ると、最後にコルチゾールが大量分泌される

交感神経症状(自律神経症状)

血糖値が低下すると、中枢神経症状が現れる前に、低血糖回避システムが働きだします。まずは、血糖値を下げる働きをするホルモンであるインスリンの分泌が減少し、一方で血糖値を上げる働きをするホルモンが順次分泌されます。このようにして、血糖値が下がり過ぎないようにするのです。

グルカゴン・アドレナリン・成長ホルモン・コルチゾールなどの血糖値を上昇させるホルモンは、インスリンと反対の作用をもつことから、インスリン拮抗ホルモンとも呼ばれます。

このようなインスリン拮抗ホルモンによって、交感神経(自律神経)が刺激されることで、動悸・異常な空腹感・発汗(冷や汗)・震え・不安感・口唇乾燥などの症状が現れます。

これらの症状は、交感神経症状あるいは自律神経症状と呼ばれ、低血糖に陥っていることや、さらに血糖値が低下すると中枢神経の機能障害を引き起こす可能性があることを知らせる警告症状でもあるのです。

無自覚性低血糖

無自覚性低血糖は、低血糖状態になっても警告症状としての交感神経症状が現れずに、突如として中枢神経症状の意識障害が現れる場合のことを言います。

通常ならば、低血糖回避システムが働き、グルカゴンやアドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンの影響で、動悸や空腹感などの自覚できる症状が現れます。

しかしながら、警告症状が現れないために、患者本人が低血糖状態であることを自覚できないのです。そして、患者は低血糖状態を自覚できないまま、意識障害に陥り、他人の介助が必要になるのです。

糖尿病神経障害と無自覚性低血糖

糖尿病神経障害とは、糖尿病によって血糖値が高い状態が続くことが原因で、四肢を動かす末梢神経や心臓・胃腸などを動かす自律神経に障害が発生する病気です。高血糖によって神経がむくんだり、神経が変性することで、様々な症状が現れます。

糖尿病神経障害によって自律神経障害が生じると、ホルモンの分泌も自律神経のコントロール下にあるため、低血糖時にインスリン拮抗ホルモンが分泌されない可能性があります。

したがって、糖尿病神経障害に罹患した上に、無自覚性低血糖となった場合には、警告症状が現れない可能性もあり、いきなり意識障害や昏睡に陥り、場合によっては死に至る危険性があるとされています。

低血糖に対する閾値(いきち)の低下

閾値とは、ある特定の反応を引き起こすために必要な最小の値、または最大の値のことを言います。低血糖回避システムを例にとると、インスリンの分泌が極端に低下する反応が現れる閾値は、血糖値80㎎/㎗であるということです。

一度でも低血糖状態に陥ると、低血糖回避システムにおいて、インスリン拮抗ホルモンを分泌する閾値が低下して、低血糖症状の自覚が遅れる傾向にあります。また、インスリン拮抗ホルモンが分泌されても、その反応性も鈍る傾向があります。

ですから、一度でも低血糖状態に陥ると、無自覚性低血糖のリスクが高まるのです。

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低血糖症の原因

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それでは、このような中枢神経症状や交感神経症状などを引き起こす低血糖の原因は、どのようなことなのでしょうか?

低血糖を招く原因や要因を、ご紹介したいと思います。

低血糖症の原因

低血糖を招く原因の多くは、糖尿病の治療に起因するとされています。

糖尿病は、インスリンが不足して血糖値が高くなる病気ですので、その治療にインスリンを服用したり、インスリン注射を行います。このように糖尿病患者は、治療としてインスリンを用いて人為的に血糖値を下げるために、ときに低血糖を招いてしまうのです。

とはいえ、糖尿病治療以外にも低血糖を招く原因は存在します。低血糖症の原因は、次のような形に大きく分類されます。

  • 外因性の低血糖
  • 内因性の低血糖
  • 低血糖を生じやすい体質

外因性の低血糖

外因性の低血糖は、主に糖尿病治療薬の服用や抗不整脈薬の服用が原因となって生じる低血糖のことです。

糖尿病治療における低血糖

糖尿病治療薬の服用量を誤り過剰摂取することで、血糖値が極端に下がることがあります。同様に、インスリン注射量を誤れば、一気に血糖値が降下してしまうこともあります。

また、糖尿病の治療で、糖尿病治療薬の服用やインスリン療法を行っている場合に、食事をしなかったり、食事の量が少ないと低血糖に陥ります。同じく、糖尿病の治療中に、激しい運動や過酷な労働を行うと、エネルギーとしてブドウ糖を消費するので低血糖を生じやすくなります。

抗不整脈薬による低血糖

不整脈の治療に抗不整脈薬を服用している場合には、抗不整脈薬自体に低血糖を引き起こす副作用が生じる可能性があるとされ、服用の際の注意喚起が行われています。

空腹時のアルコール大量摂取

空腹時に大量にアルコール摂取をすると、低血糖に陥る場合があります。

そもそも血中のブドウ糖は、食事によって摂取した栄養素を腸で吸収して、門脈という血管を通じて肝臓に運ばれた栄養素を元に肝臓で合成されたものです。一方で、肝臓はアルコールを分解・代謝する解毒作用も有しています。

アルコール摂取時に、どちらの機能が優先するかというと、解毒作用がブドウ糖合成よりも優先されるのです。

ですから、空腹時におつまみも食べずにアルコール摂取量が多くなると、肝臓は解毒作用を優先し、血中のブドウ糖を消費しても補充がされませんので、低血糖になってしまうのです。

内因性の低血糖

内因性の低血糖は、主に体内の病気が原因でインスリンの分泌調節ができなくなり、低血糖に陥ることです。

インスリノーマ

インスリノーマ(インスリン産生膵島細胞腫)は、膵臓に存在するインスリンを生み出す細胞が腫瘍となってしまうことが原因で、インスリンの分泌調節ができなくなる病気です。

正常な細胞は血糖値が低下するとインスリンの分泌を停止しますが、インスリノーマの細胞はインスリンを常に分泌し続けるために、低血糖を招いてしまうのです。

詳しくは、インスリノーマの症状や原因、治療法を紹介!ペットに発症したときはどうする?を読んでおきましょう。

膵外腫瘍(すいがいしゅよう)

膵外腫瘍とは、膵臓以外の部位に発生する腫瘍のことで、平滑筋肉腫(へいかつきんにくしゅ)や肝がん(肝細胞がん)などが代表的です。

これらの膵外腫瘍は、インスリン様成長因子というインスリンに似た物質を作り、分泌します。このインスリン様成長因子には、インスリンと同様に血糖値降下作用があることが判明しています。

ですから、膵外腫瘍によって低血糖が引き起こされることがあるのです。

インスリン自己免疫症候群

インスリン自己免疫症候群は、インスリン注射の治療歴がないのに、インスリン自己抗体によって低血糖となる病気のことです。

免疫システム

人には免疫システムが存在し、体内にウイルスなどの異物(抗原)が入ると、抗原に対応した抗体が結合して、その結合体を白血球などの免疫細胞が処理します。

インスリンは、体内で分泌される物質なので、インスリンに対して抗体が作られることは無いのが通常です。

インスリン抗体

しかし、インスリン製剤を注射すると、場合によってはインスリン製剤を異物とみなして抗体が作られることがあります。これが、インスリン抗体です。

インスリン抗体が作られると、インスリン製剤の働きを阻害しますので、血糖値が下がらないといったことが起こる可能性がありますが、現在はその心配がほとんどありません。

というのも、以前のインスリン製剤は動物由来だったのに対して、現在はヒト由来のインスリン製剤が開発・使用されているからです。

インスリン自己抗体

また、何らかの原因によって、自らの体内で分泌するインスリンを異物とみなして抗体が作られることがあります。これが、インスリン自己抗体です。

インスリン自己抗体は、体内で分泌するインスリンに結合しやすい一方で、離れやすい性質も持ち合わせています。ということは、インスリンと抗体が結合すると高血糖、結合が解かれると低血糖を招き、血糖値の変動が激しくなりやすいのです。

このようなインスリン自己抗体の働きによって低血糖になる病気が、インスリン自己免疫症候群なのです。

低血糖を生じやすい体質

低血糖に陥りやすい体質を持った人が、存在します。具体的には、胃下垂症・貧血・先天的糖尿病体質・先天的な膵臓機能障害・アレルギー・自律神経失調症などを有する人です。

胃下垂症・貧血

胃下垂症や貧血状態は、食事からの栄養吸収が上手くいかないことで、低血糖につながりやすいとされています。

先天的糖尿病体質・先天的な膵臓機能障害

先天的糖尿病体質や先天的な膵臓機能障害を有する人は、血糖値が高くなりやすいために、常にインスリンを分泌して血糖値の上昇を抑制する必要があります。

すると、インスリンを分泌する膵臓の細胞が疲弊しやすく、インスリンの分泌調節が上手くいかなくなって、低血糖になりやすいのです。

アレルギー

アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎など様々なアレルギーを有する人は、アレルギー症状を抑制するために、抗炎症作用のあるコルチゾールを副腎から分泌します。

コルチゾールは前述のように血糖上昇作用もあるので、常にコルチゾールが使われていると、いざ低血糖になった際に血糖上昇作用が十分に働かない可能性があるのです。

自律神経失調症

自律神経失調症の場合、自律神経が上手く機能しないのですから、自律神経のコントロール下にあるホルモン分泌も上手く機能せず、低血糖時にインスリン拮抗ホルモンが分泌されない可能性があります。

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低血糖症状の対処法

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このように低血糖を招く原因と低血糖の症状がわかったところで、実際に低血糖症状が現れた場合には、どのように対処すれば良いのでしょうか?

低血糖症状が現れた際の対処方法について、ご紹介したいと思います。

意識がある場合

意識がある場合で、経口摂取が可能であれば、砂糖を15~20g摂取します。糖分を含むジュースや缶コーヒーなどでも代用可能です。

通常ならば、糖分の摂取後20分前後で症状が治まり安定します。それでも症状が治まらない場合は、再度同量の糖分を摂取しましょう。

意識がない場合

意識が無く重篤な場合で、家族や周囲の人が患者の低血糖症を知っているならば、家族や周囲の人がグルカゴン注射を行います。グルカゴンは、前述の通り、血糖を上昇させるホルモンです。注射自体は、筋肉注射・皮下注射で簡単にできますが、最初は医師に指導を仰いでおくことが望ましいでしょう。

このような対処ができなければ、速やかに救急車で医療機関に搬送しなければなりません。

低血糖の原因となる病気の治療

低血糖症の診断には、ブドウ糖負荷検査が行われます。また、糖尿病か否かを診断するためには、糖負荷2時間検査が行われます。

これらの検査で、糖尿病でない低血糖である場合は、内因性の低血糖が疑われますので、血液検査によって、原因となる病気を特定します。

インスリノーマや膵外腫瘍が原因であれば、腫瘍の手術による切除などが検討されます。インスリン自己免疫症候群の場合は、食事回数を1日6回とする分割食や薬剤の投与による治療がなされます。

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機能性低血糖症について

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近年の研究によって、前述した外因性の低血糖症や内因性の低血糖症以外にも、低血糖が発生して、その低血糖がもたらす身体的症状や精神的症状が問題となっています。

このような低血糖を、機能性低血糖症と呼びます。そこで、機能性低血糖症の概要について、ご説明します。

機能性低血糖症とは?

機能性低血糖症は、生活習慣などが原因となり血糖コントロール機能が衰えて、結果として低血糖に陥ることを言います。

特に食生活が原因となることが多いので、食原性低血糖症とも呼ばれることがあります。

生活習慣から生じる機能性低血糖

最も顕著な機能性低血糖は、糖質(糖分や炭水化物)の過剰摂取が継続されることで生じます。

つまり、必要以上の糖質が摂取され体内に入ってくることが続くと、血糖値が上昇した状態が続きますので、インスリンを継続して分泌することで血糖値の上昇を抑制します。しかし、あまりにも糖質の過剰摂取が続くと、インスリンを分泌する膵臓の細胞が疲弊して、インスリンの分泌量を調節できなくなるのです。

ですから、極限まで精製された白砂糖・ジュース・菓子類・白米やパンなどの精製穀物といった加工食品の食べ過ぎには注意が必要なのです。

同様に、カフェイン・アルコール・タバコなどの継続した過剰摂取は、血糖コントロール機能に悪影響を及ぼします。

機能性低血糖症の症状

機能性低血糖症も低血糖ですので、動悸・発汗(冷や汗)・震え・不安感などの交感神経症状が現れます。また、低血糖によって脳の機能が低下して、無気力・倦怠感・集中力欠如など精神活動にも影響が及びます。

機能性低血糖症で特徴的なのが、長期間の生活習慣によって徐々に血糖コントロール機能が低下しているために、慢性的に原因不明の疲労感やイライラ感などを感じることです。

これらが進行すると、うつ病・不眠症・神経症・パニック障害など精神病に発展しやすいと指摘する研究もあります。

機能性低血糖症の治療方法

機能性低血糖症の治療方法の第一は、糖質制限食による糖質制限です。ジュース・菓子類・加工食品などを避けた食事をするように心掛けます。

また、血糖上昇が緩やかなGI値の低い食べ物を、食事に取り入れて摂取すると良いとされています。

さらに、ある程度の運動量を確保することで、ブドウ糖をエネルギーとして消費することが機能性低血糖の治療にもなり、予防にもなります。

いずれにしても、機能性低血糖の治療には自己管理が求められるのです。

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まとめ

いかがでしたか?低血糖症の概要について、ご理解いただけたでしょうか?

たしかに、従来は低血糖症というと、糖尿病の治療に伴う形で発症するというのが、いわば常識のようになっていました。

しかしながら、数多くの研究によって、インスリノーマのような他の病気によっても低血糖症が発生することが明らかにされました。さらには、現代の豊かな食生活によって、血糖コントロール機能が衰えて、低血糖になり精神症状が現れるといった研究報告もなされています。

ですから私達は、現代に生きているからこそ、食生活や生活習慣に気を配っていかなければならないのですね。

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