低血圧で朝がつらい原因は?症状や対策方法を紹介!

「低血圧だから、朝がつらい」というセリフを聞いたことがありませんか?つらさ・だるさだけではなく、ひどい場合には、立ちくらみや吐き気を催す人もいます。ところが、寝起きの悪さが、なぜ、低血圧に関係するのかまでを理解している人は、少ないようです。

また、自覚のある人は、「低血圧だから、仕方がない」と諦めている人も多いのではないでしょうか?しかし、日頃の生活習慣の見直しや、セルフケアなどで十分に改善が見込めるのです。

ここでは、低血圧と朝のつらさが、どう関係しているのかに加え、今日から始められるセルフケアについて、ご紹介します!

低血圧になる原因

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実は、男性よりも女性の方が低血圧になりやすい傾向があり、女性の5人に1人が低血圧だと言われています。女性と男性の身体の違いと言えば、骨格、脂肪の量、そして、筋肉量も男女の違いの一つとしてあげられます。

低血圧について見ていくと、どうやら、この「筋肉」が関係しているケースもあるようです。では早速、なぜ低血圧になるのか、見ていきましょう。

血圧とは何か?

低血圧がどのような状態かを知るためには、まず、「血圧とは何か?」というところから見ていかなければなりません。血圧とは、文字通り、血の圧力のこと。血が、体中を巡る通り道である血管に与える圧力のことを言います。

そして、心臓の力、血管の状態、腎臓や副腎のホルモンなどによって血圧は調整されているため、心身の状態によって常に変動しています。すなわち、血圧は、心臓や全身の血管、神経が正常に機能しているかどうかを示す、大切な指標となるのです。

また、血圧を測ると、上と下、2つの数字が出てきます。これは、心臓が収縮して最も勢い良く、ギュッと血液を送り出すときに与える、血管への圧力の最高数値(=収縮期血圧)と、心臓が拡張し、血管への圧力が最も少ないときの最低数値(拡張期血圧)を表しています。

低血圧とは?

血液は、私たちの身体を動かす燃料のようなものです。低血圧とは、「燃料となる血液が全身に流れる勢いが弱い」状態のことを言います。血圧値で見ると、WHO(世界保健機構)では、収縮期血圧100以下、拡張期血圧60以下を低血圧の基準としています。

しかし、この数値に当てはまると、必ずしも健康上に問題が出てくるというわけではないので、高血圧ほど問題視されていません。しかし、燃料が上手く全身にまわらないことから、何個も目覚ましをかけても朝起きられない、などの症状がある本人にとっては、周囲に理解されず、頭を抱える人も多いようです。

低血圧の種類

低血圧には、大きく分けて3つ種類があり、それぞれ原因や症状も異なってきます。

<起立性低血圧>

これは、自律神経の乱れが原因で低血圧を起こすパターンです。症状としては、寝たり、座った状態から、急に立ち上がったときの、めまいや立ちくらみなどがあげられます。こういった症状から「脳貧血」とも言われていますが、貧血と低血圧は異なります。

貧血とは、赤血球の中の酸素と結合するヘモグロビンが少ない状態のことを言い、鉄分不足などが原因にあげられます。低血圧による立ちくらみやめまいは、脳の血液が下半身に急に移動し、脳が血液不足になって起こるものです。症状は似ていますが、原因は、全く違うのですね。

また、脳の血液量は、自律神経が調節しており、起立性低血圧の人は、自律神経の乱れにより、この調節がうまくいきません。

さらにこのパターンの人は、「寝てもなかなか疲れが取れない」「肩こりがひどい」といった症状も合わせて見られることが多々あります。これは、自律神経の乱れを引き起こす大きな原因となる、ストレスが関係していると言えます。

<二次性低血圧>

これは、心筋梗塞や副腎不全、敗血症、糖尿病など、他の病気が引き金となっている低血圧のことを言います。また、服用している何らかの薬が低血圧を招いている場合もあります。

低血圧の症状に加え、脱水症状が見られたり、不整脈などの症状を合わせて発症しているときは、二次性低血圧の可能性が考えられます。これらは、原因となっている病気を治療しなければ、改善できません。心当たりのある人は、一度病院で検査をしてもらうことをおすすめします。

<本能性低血圧>

これは、精密検査などを受けても、明確な原因が見当たらないにも関わらず、常に血圧が低い状態が続く症状のことを言います。体質や、遺伝が関係しているとも言われていますが、明らかではありません。

しかし、「下半身の筋力不足」が影響しているという考えが、最近、有力な説として挙げられています。男性より女性のほうが下半身の筋力が弱いので、重力によって下がってくる血液を心臓まで送り戻す力が、男性に比べて弱いのではないか?といった内容です。

実際に下半身の筋力トレーニングを治療に取り入れる医師もいるそうです。

また、過剰なダイエットによる痩せすぎも、このタイプの低血圧を招く原因とも言われています。

低血圧になる原因については、低血圧の原因とは?症状や病気の可能性についてを参考にしてください。

朝のつらさと低血圧の関係

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血液を全身に送りだす力が弱いことと、朝すっきり起きられないことは、どのように関係しているのでしょうか?また、低血圧以外にも関係していることはないのでしょうか?

朝のつらさと低血圧がどのように関係しているのか、早速見ていきましょう。

低血圧だと朝がつらくなる理由

人間は、目が覚めると、身体を活性化させるため、自律神経の一つである交感神経が働き、血圧が上がって、元気に一日を始めることができます。しかし、低血圧の人は、先に述べたように、燃料となる血液を全身に送り出す力が弱いため、活動するエンジンがかかるまで、時間がかかってしまうのです。

午後になると、徐々に元気になってくるという場合も多くあります。その結果、夜になっても眠たくならないので、夜更し体質になり、また、朝がつらくなるという悪循環を招きます。

低血圧は関係ないという説も?

そもそも、寝起きの悪さというのは、交感神経と副交感神経という2つの自律神経が上手く切り替えられない状態にあります。

そのことから、「低血圧が自律神経を上手く働かせなくする」という考えと同時に、「低血圧は関係なく、睡眠リズムが乱れることで交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできない」という説もあるようです。ややこしくなりそうなので、簡潔に述べると、

【低血圧でも症状のない人とある人がいて、朝の弱さも関連はしているが、どちらかというと、睡眠リズムの乱れによって朝が弱くなる人が多い】

ということです。つまり、「低血圧だから朝が弱い」とは考えられますが、「朝が弱いから低血圧だ」とは限らないということです。

どちらにも自律神経が関係しているのは共通しているので、自律神経を整える必要があるようですね。

低血圧を改善するためのセルフケア

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低血圧を改善するには、何よりもまず自律神経を整えること、そして血液が全身に流れやすい身体をつくることが大切です。「こんなにつらいのに、理解してもらえない…」そんな苦しみから、一刻も早く抜けられるよう、日頃のセルフケアで低血圧を改善していきましょう!

朝日を浴びる

先程もお伝えしましたが、低血圧になると、午後になるにつれ活発になるので、寝る時間が遅くなってしまう人が多いようです。よって朝もつらいという悪循環を断つためには、まず、体内時計をリセットする必要があります。

体内時計を本来の時間軸に戻すには、朝日を浴びることが効果的です。朝日を浴びると、体温や血圧も上昇します。そして、夜に向けてメラニンが発生し、朝日を浴びてから約14時間後くらいに眠気が出てくるように体内時計が働くのです。これはすなわち、自律神経を整えるということにも繋がります。

塩分を摂る

高血圧の人は、塩分を控えるように、とよく言われますが、低血圧の人の場合は、適度な塩分が必要です。塩分を摂取すると血液中のナトリウム濃度が上がるので、それを薄めようとして血液中の水分量が増え、全身に血液を送るのを助けてくれるのです。

一日の塩分摂取目安量は10gと言われていますが、低血圧の人は、3g程度多めに摂って血液量そのもを増やしてみるのも良いでしょう。

チラミンを摂取する

チラミンとは、交感神経を刺激してくれる栄養素です。オレンジなどの果物や、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に多く含まれています。

一日の活動を開始する前に、朝食で取り入れるのも効果的でしょう。チーズトーストにヨーグルト、デザートにオレンジ、というメニューも手軽で良いですね。

適度な運動と、コップ一杯の牛乳

低血圧の人は、運動するのがつらいという人も多いかもしれません。無理をする必要はありませんが、そのまま身体を動かさずにいると、低血圧は一向に改善されないどころか、悪化する可能性もあります。

“どこかを温めて血行を良くする”よりも、自分の身体(=筋肉)を使うことによって、“体内から発熱し、血行を良くする”方が、根本的な改善につながります。

ウォーキングなどの軽い運動をして、全身の血の巡りをよくしたら、運動後に、コップ一杯の牛乳を習慣づけるのもおすすめです。牛乳に含まれる「含流アミノ酸」という成分が、交感神経を刺激する効果を持っているので、活動的なスイッチを入れやすくなります。

下半身の筋肉を鍛える

下半身の筋肉を鍛えて、重力で落ちてきた血液を上へ戻せる力をつけることも大切です。

まず、体幹(インナーマッスル)を鍛え、腰に負担がかからないように気をつけながら、ふくらはぎ、太もも、お尻といった大きな筋肉から鍛えていくと血行も良くなり、身体も温まりやすいでしょう。

下半身の筋肉を鍛えると、上半身の余分な力を抜くことができるので、精神的にも安定しやすくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?つらい低血圧の症状を少しでも改善できるよう、普段から気をつけられることは他にもいろいろありそうです。早朝、まだ朝日が昇ったばかりの空の下を散歩すれば、朝日も浴びれて、身体も動かせるので一石二鳥です。

「今日も新しい一日が始まるぞ!」とすっきり起きられたら、一日を充実した気持ちで過ごせそうですね♪

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