めまいの原因とは?耳と脳、ストレスとの関係について!

現代のストレス社会においては、めまいに悩む人が増えています。「自分の体がまわっている」ように感じる人もいれば、「自分のまわりの地球がまわっている」ように感じる人もいます。「ふわふわしている」と症状を訴える人もいれば、「地面に引っ張られるようだ」と言う人もいます。

めまいは、身体のバランスを保つ機能に何らかの障害が起きているのです。つらいめまいで悩んでいる人が少しでも気持ちを楽にできるように、めまいの原因・治療法・めまいとの上手な付き合い方についてお伝えしていきます。

めまいの原因を知ろう

めまい

めまいの原因を大きく分けると、3種類あります。耳から生じるめまいと脳から生じるめまい、その他の原因によるものがあります。

耳が原因のめまい

耳には音を聞く機能だけでなく、身体のバランスを保つ働きがあります。内耳にある三半規管(さんはんきかん)は、平衡感覚を保つ役割をしています。耳に異常が生じるとめまいが起こるのは、バランスを保つ機能が影響を受けてしまうからなのです。

めまいの原因となる耳の疾患は次のようなものがあります。

〇メニエール病

難聴、耳鳴り、耳閉感といった症状と共に、発作的に強いめまいを感じます。内耳リンパの異常によるもので、短時間で治まるめまいから長時間続くめまいになるときもあります。

メニエール病については、メニエール病の完治の期間は?原因や治療方法についてを読んでおきましょう。

〇前庭神経症

風邪の後になることが多く、かなり強いめまいに襲われます。強烈なめまいのため、つらくて何もできなくなります。数週間で自然に治まるといわれています。アレルギー反応によるものともいわれます。

〇突発性難聴

聴神経に炎症が起きることで、突然難聴になります。付随して起こるめまいは軽いものです。

突発性難聴については、突発性難聴は入院が必要?症状や治療方法を紹介!を参考にしてください。

〇聴神経腫瘍

聴神経に腫瘍ができますが、良性で転移の心配はありません。めまいは軽度のことが多いですが、腫瘍が進行しているとふらつき歩行といった症状も起こります。

〇騒音難聴

ヘッドホンで大きな音を繰り返し聴くなどすると、めまいを起こすことがあります。

耳が原因のめまいでは、めまいと同時に耳鳴り、難聴、耳閉感(じへいかん)があらわれます。耳閉感とは専門用語で、簡単にいうと耳が詰まった感じがすることです。めまいが治ると、こうした症状も同時になくなります。

脳が原因のめまい

脳が原因のめまいでは、耳鳴りや難聴、耳閉感の自覚症状はありません(てんかんを除く)。めまいそれ自体も、耳が原因のものよりは軽いことが多いです。脳によるめまいは特徴的で、物が二重に見える、顔がしびれる、手が震える、力が入らない、といった症状がでます。

めまいの原因となる脳の疾患は、次のものがあります。

〇脳卒中(脳梗塞、脳出血)

脳卒中とは、脳にある動脈の障害により、いきなり意識を失ってしまい、体や言葉などに障害が発生してしまう脳出血や脳梗塞などの病気の総称です。脳卒中により平衡感覚に障害をきたすと、めまいを起こします。脳卒中により発生しためまいは、短くでも20~30分、通常は2~3時間めまいが続くことが特徴的です。

脳卒中については、脳卒中の前兆をチェック!しびれや頭痛に要注意!を参考にしてください。

〇椎骨脳低動脈循環不全(ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜん)

首から脳へとつながる椎骨(ついこつ)動脈と脳低(のうてい)動脈の血液が不足すると、脳に十分な血液が運ばれません。この場合のめまいは、20~30秒ほどで治まります。

〇てんかん

耳鳴りと共に激しいめまいが15秒ほど続きます。めまいから全身けいれんにつながることもあるので、注意が必要です。

てんかんについては、てんかんは遺伝する?症状や原因、治療方法についてを読んでおきましょう。

〇良性発作性頭位変換性めまい

頭を動かしたときに、軽い回転性のめまいが起こります。通常は20秒以内に治まります。原因は多岐にわたりますが、病院できちんとした検査を受けた結果この病名を告げられたときは安心してよいでしょう。

その他の原因で起こるめまい

様々な検査をしても、原因がわからない場合も多くあります。

考えられる要因としては、老化による平衡感覚や血圧調整力の衰え、薬の副作用によるめまいがあります。横になっている状態から急に立ち上がったときに起こるめまいであれば、起立性低血圧症によるものと思われます。

これは、急激に体を動かしたことによる一時的な血圧の低下によるものです。血圧が急激に変動すると、脳に送られる血圧量が不安定になり、めまいが起こる原因となります。また、女性によく見られる鉄欠乏性貧血も、健康診断などを受けず長年気付かずに放置しておくと、めまいの症状となって現れることがあります。

また、めまいは不安や心配事が積み重なったり、極度のストレスを抱えているときにも起こることがあります。

めまいの治療に関すること

めまいの症状は人によって様々ですが、数秒程度で治まるものでも足元が揺らぎ危険なこともあります。また、病気のサインであることも多いので、できれば放置せず適切な治療をした方がよいでしょう。ここでは、めまいの治療に関する情報をお伝えします。

治療

病院は何科を受診すればいい?

めまいを治したいと思っても、原因がはっきりとわからない場合には、病院の何科を受診すればよいか迷うことが多いのです。

このときに重要となるのは、めまい以外の症状です。耳の聞こえ方が悪かったり、耳鳴り、耳閉感があるときは耳鼻科を受診します。意識が遠くなったり、物が二重に見える、ろれつが回らない、手がしびれたり震えたりするときは、神経内科か脳外科を受診したほうがよいでしょう。このような付随する症状がなく、めまいの症状だけである場合も、耳鼻科、神経内科または脳外科のいずれかを受診する方がよいでしょう。めまいを訴える患者さんが多く来院される科なので、様々な原因の可能性を念頭に診察、検査をしてもらえるからです。

数はまだ少ないですが、めまい外来といっためまい専門の科がある地域もあります。また、夜間や休日に突然の激しいめまいで動くこともつらいときには、念のため救急外来を受診する方がよいでしょう。

めまいはどう治療するの?

めまいの原因に応じた治療となります。ここでは、よくあるめまいの原因に基いた治療方法について紹介します。

耳が原因で起こるめまいの場合は、原因となる疾患の治療が中心となり、強いめまいに対してはめまいを抑える薬が処方されることが多いです。前庭神経症でアレルギー反応が関係していると思われるときは、ステロイド剤を使うこともあります。聴神経腫瘍の場合は、年齢との兼ね合い等で経過観察となる場合と、手術で腫瘍を取り除く場合があります。

脳が原因で起こるめまいでも、原因疾患の治療が主となります。椎骨脳低動脈循環不全の場合は、急に後ろを振り向いたり、天井を見上げるといった動作によって血液循環が妨げられてめまいを引き起こすため、首を勢いよく屈折しないよう指導がされます。喫煙者は禁煙をするよう指導されます。てんかんでは、抗てんかん薬で発作を抑え、禁酒と睡眠をよくとるよう指導されます。

めまいに伴って吐き気などの症状がある場合は、吐き気止めが処方されます。めまいに対する不安があるとさらにめまいを引き起こすことがあるため、抗不安薬が処方されることもあります。

めまいとの上手な付き合い方

リラックス

めまいは、生活のリズムが乱れたり、ストレスをためると起こりやすくなります。めまいを予防するために気を付けるべきポイントやめまいが起きたときの対処法をお伝えしていきます。

めまいが起きたとき

明るさを落とした静かな所で、できれば横になってください。外出先などでは、立っていると危ないので座りましょう。「激しい頭痛」「手足に力が入らない」「舌がもつれる」といった症状がある場合には、すぐに病院を受診する必要があります。これらの症状がなければ、楽な姿勢でまずは休みましょう。

不安な気持ちがめまいを悪化させることがあるので、深呼吸をして、落ち着きましょう。吸うことに意識を向けると苦しくなるので、まずはゆっくりと息を吐き出します。それから、目をつむってゆっくりと息を吸います。ゆっくり行うことがポイントです。

頭の隅々まで酸素がいきわたるようなイメージで深呼吸を繰り返すと、気持ちが落ち着いてきます。めまいが起きたときに服用する薬をあらかじめ処方されていれば、服用しましょう。

日常生活において気をつけること

①1日3食、規則正しく食事をとりましょう

栄養が不足すると、めまいが起こりやすくなります。バランスの取れた食事を、毎日なるべく同じ時間に3回取るようにしましょう。

②睡眠を十分とりましょう

遅くとも日付が変わるまでには寝て、日の出の時間に起きることが理想です。看護師や警備の仕事などで昼夜が逆転しがちな方は、特に睡眠不足にならないように必要に応じて昼寝なども取り入れてください。

③タバコは控えめにしましょう

めまいが起こる人には、できれば禁煙をおすすめします。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血液の循環を悪くするので、めまいが起こりやすくなるのです。

④目を酷使しない

スマートフォンやパソコンの連続使用は1時間までにしましょう。仕事でパソコンから離れられない人は、1時間ごとに席を立って飲み物を取りに行くなどして、目を休めるようにしましょう。目の酷使は頭痛につながり、めまいも起こしやすくします。

⑤旅行ではプランに配慮を

めまいを起こしやすい人は、慣れない乗り物に乗ったり気圧が変化すると神経のバランスを崩しやすい傾向にあります。できれば事前に主治医に相談し、旅行のプランも余裕を持ったリラックスできるような旅にすると心身にとってよいでしょう。

まとめ

めまいの原因と、原因に応じた治療法、めまいの対処法について解説をしてきました。めまいの原因がはっきりしないものも多いことがわかりました。ストレスや心配事でめまいを誘発してしまうこともあるので、なるべくリラックスして楽しい毎日を送ることが、めまいの予防につながるともいえます。

日常生活における注意点についてもご紹介しました。都会にお住いの方は、日々満員電車で通勤していたり、騒音や排気に悩まされたりと、避けられないストレスもあるかもしれません。そんなときは、少し足を伸ばして森林浴に行くことをおすすめします。森林の中では、リラックスしているときに高まる副交感神経が増加するといわれています。植物が生み出す新鮮な酸素を吸い込むことで、疲労感が軽減され、めまいの原因にもおだやかに働きかけてくれるでしょう。

病院で心配がないといわれためまいや、そのうちに治まるといわれためまいであっても、本人はつらいものです。少しでも不安な気持ちがへって、めまいの症状が楽になることを願っています。

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