低血圧の原因とは?症状や病気の可能性について

このような症状に心当たりはありますか?

朝になかなか起きられない。気持ちはやる気なんだけど身体がだるくてついていかない。立っているとめまいがする。何をしていてもすぐに疲れて横になりたくなるなど。特に病気があるわけではないと思うのにこのような症状がつづくと不安になりますよね。もし同じような症状に少しでも思い当たることがあれば、それは低血圧なのかもしれません。

高血圧に比べて低血圧はあまり重要視されないところですが、もしかしたら他の疾患の可能性を含んでいる予兆かもしれません。ここではそんな低血圧について原因や可能性のある疾患についてまとめてみました。

低血圧とは?

女の子頭痛

低血圧とはどのような状態をいうのでしょうか?

もともと血圧とは、心臓から送り出される血液の圧力によって血管の壁が押される力のことです。心臓から送り出される血液量や血管の硬さなどによって変化します。

血圧の正常な値というのは、一般的に最高血圧140mmHg以下・最低血圧が90mmHg以下といわれています。この数値以外を示すと、低血圧や高血圧などといわれます。低血圧の基準値というものはあるのでしょうか?

低血圧の基準値は、WHOの世界共通基準として、最高血圧が100mmHg以下、最低血圧が60mmHgのものを低血圧と定めています。個人によって数値の変化はあるかも知れませんが、おおよそこの基準と合うようなら低血圧と判断される可能性が高いでしょう。

またそのような状態になると身体のさまざまなところで不調をきたすことがあります。医療機関で低血圧と診断されるときはこのような数値による低血圧と、さまざまな身体的不調が合わさった状態であることを示すときです。

しかし血圧は測る時の体調や精神状態によっても変わりやすく、一回の測定では断言することはできません。よく病院に行って血圧測ると普段よりもあがってしまう方がいますが、それは病院という場所に緊張したり、病院に着くまでに走ったりしたことで血圧が上がってしまっているのです。きちんとした自分の正常値を知るには何回か計測することを覚えておきましょう。

貧血との違い

低血圧も貧血も身体の酸素が不足している状態で起こる症状であり、その現れ方も良く似ていることからときどき貧血と間違えてしまう方がいます。貧血とはどのように違うのでしょうか?

貧血とは、酸素を運ぶ役割である赤血球または赤血球の中にあるヘモグロビンという物質が少なくなるために起こる不調のことです。特に女性の場合の貧血の主な原因は鉄分不足のことが多いと言われています。

低血圧は、上記でも記したとおり血圧が低いため血液を身体中に送るための圧力が低くなるために起こる様々な身体的不調のことをいいます。

低血圧の症状とは?

では低血圧の症状にはどのようなものがあるのでしょう?低血圧の症状は人により様々ですが、

めまい・吐き気・胃もたれ・動機・発汗・不整脈・頭痛・肩こり・耳鳴り・不眠

などの症状を訴える方が多くいます。

症状のある本人はとてもつらいのですが、多くがその症状では軽い風邪や一時的なものとして軽く扱ってしまうので、低血圧とは分からず対策が遅れてしまうことが多いのが特徴です。

低血圧の種類と原因

血圧計

低血圧には主に3種類があります。

本態性低血圧

低血圧と診断される人の中でもっとも多いタイプがこちらの本態性低血圧といわれるものです。

原因は慢性的な血行不良や過酷なダイエット、遺伝などの体質的なものがあるともいわれますが、はっきりとした原因が分からず病院で病気の可能性が低いと判断された場合に、この本態性低血圧と診断されます。

症状としては冷え性やめまいや立ちくらみ、倦怠感、動悸などの症状があり朝起きられないなどです。多くが若い女性で痩せ型、虚弱体質の方にみられます。

起立性低血圧

急に立ち上がったりしたときにフラッとめまいがするのが、この起立性低血圧の特徴です。

原因は低血圧によって脳の血液の量が減少することによってふらつきを覚えます。また血圧を調整する自律神経障害などが原因の場合もあります。

この起立性低血圧の場合は普段は特に症状が現れず、横になった状態から急に起き上がることで発症することが多いのも特徴です。立ちくらみともいわれ、詳しくは、立ちくらみを起こす4つの原因!予防や改善方法、病気の可能性も!の記事を参考にしてください。

二次性低血圧(症候性低血圧)

病気や薬、重大な外傷や多量の出血などが原因で低血圧になってしまうのが二次性低血圧(症候性低血圧)です。

循環器系疾患や内分泌系疾患などの病気を患っている場合も低血圧を起こすことがよくあります。また抗うつ剤などの薬の副作用で起こる低血圧や、高齢者の場合は降圧薬による副作用で食後の低血圧が起きて、めまいやだるさなどを感じることもあります。この場合は一時的な低血圧になります。

疾患が原因で起こる低血圧の場合は、まずその原因となる疾患の治療が先決です。

疾患の可能性

では低血圧の原因となりうる疾患はどんなものがあるのでしょう?

甲状腺機能低下症

免疫機能に異常が起きて甲状腺ホルモンの分泌やその低下が起こるのが甲状腺機能低下症です。

症状は低血圧、疲れやすい。倦怠感や手足や顔のむくみなど。女性などは皮膚の乾燥や月経不順などの症状が現れます。主に40歳から50歳の女性に多く発生するのも特徴です。

心筋梗塞

心臓の筋肉に血液を送る動脈が狭くなったり詰まったりして血流の流れが悪くなったり、最悪は血流が止まってしまう疾患です。

症状は胸の激痛です。痛みは30分から数時間にわたり続き、心臓の筋肉が壊死しはじめます。

その際に低血圧になり、冷や汗や意識を失うなどの症状がでます。

原因は動脈を詰まらせる動脈硬化などですが、この症状と同時に喫煙や肥満、糖尿病や高血圧といった持病があるとさらに悪化することもあり、気をつけなければいけない疾患のひとつです。

不整脈

不整脈とは、心拍数の標準値である1分間に60から100程度の数値に関係なく心拍数がいつもより多すぎたり少なすぎたりするという、心拍のリズムが乱れる疾患です。

症状は低血圧とともに動機などが起こり、ひどいときは失神や意識不明などが起こり、最悪の場合は心肺停止にもなる疾患です。低血圧の症状とともにこのような症状に思い当たることがあれば、早めに医療機関に受診しましょう。

肺塞栓症

肺塞栓症とは血栓が肺動脈に詰まる疾患です。足の静脈などにできる血栓が肺まで達し詰まる場合や、肺動脈に空気が入り込むことによっても起こります。

この疾患は飛行機などの長時間同じ体勢でいたり、点滴などを頻繁にすることによって起こります。急に呼吸困難になったり、胸に痛みを感じたりせきや血たんなどが出てきたら注意しましょう。また低血圧が悪化しショック状態になることもあります。

アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)

アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)とは、免疫機能の異常などによって副腎皮質ホルモン分泌が低下する疾患です。

症状は顔や手の甲などの皮膚が黒ずんできたり、口の中に黒いシミのようなものが現れたりします。合わせて疲労感や食欲不振、体重減少などの症状も現れます。ひどくなると心臓の機能にまで影響して低血圧やショック症状を引き起こします。

シモンズ病

シモンズ病とは、下垂体ホルモンの分泌が減少することで起こる疾患です。出産後に起こりやすい疾患と言われます。

症状は、低血圧、食欲の減退、体重の減少、内分泌機能の低下などによる症状がでるといわれます。治療には症状にあったホルモン剤の投与が行われます。

粘液水腫

粘液水腫とは、甲状腺ホルモンの分泌減少から起こる疾患といわれています。はっきりとした原因がわからないことも多く、判断がむずかしい疾患です。30歳から50歳の女性に多くみられます。

症状はとしては

①手足や顔がむくむ。

②皮膚の冷えや乾燥。

③声の変化や舌が大きくなりしゃべりづらくなる。

④低血圧を伴う脈拍数の減少、貧血やめまいなど

⑤便秘

⑥眠くなったり興奮状態がつづいたりする。

⑦月経過剰になる。

このような状態になったらこの疾患を疑っても良いのかもしれません。早めに医療機関に相談しましょう。治療には甲状腺ホルモン剤が処方されます。

低血圧と診断されたらこんなことに気をつけよう

低血圧と診断された時の注意点を紹介します。

日常生活での行動

低血圧の場合は、身体の末端神経の血管まで血液の循環が上手くいかない場合が多いので、なるべく全身の血流をよくすることが重要です。また脚は血液の循環に大きな影響のある部分です。日頃から脚の筋肉を使うようにしましょう。

特に、ふくらはぎの筋肉を鍛えておくことがよいでしょう。ウォーキングや階段昇降など日常生活で取り入れられる運動からやってみましょう。ただし、めまいや動機がする場合はまずはお医者さんと相談してから行ってください。

また低血圧の人は人ごみや暑い場所に居続けると頭痛や疲労感が増します。できるだけ人ごみをさけ、暑い日の外出も早めに休憩をとるなど気をつけましょう。

食生活

食生活でも改善につながります。低血圧の人は朝が弱いため、食事をきちんと取らないことが多く栄養バランスが悪くなりがちです。量は少なくても3食食べるようにしましょう。ビタミンやミネラルなど一回の食事もバランスを考えて取りましょう。

また低血圧の人は、塩分をきちんと摂取することも重要です。疲れを早く取るためにクエン酸などの摂取もよいでしょう。これらを適量の水分とともにとると早めに回復できます。

まとめ

いかがでしたか?単なる低血圧と軽く見ずに心当たりがあれば、医療機関に相談してみましょう。

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