先端巨大症はどんな病気?症状や原因、治療法について!合併症のリスクも知っておこう!

先端巨大症とは一体何なのでしょうか。この聞き慣れない言葉に恐怖などはないでしょうが、知れば恐らくびっくりするものであるのは間違いありません。

この病気についてはホルモンが大きく関係してきますが、その実態とは一体何なのでしょうか?深く触れていきたいと思います。

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先端巨大症とは?

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では、まず先端巨大症が何か、ということについて触れようと思います。

成長ホルモンが過剰分泌されることによる異常成長

先端巨大症とは、文字通りの意味であり、身体の先端部分が巨大化するというものです。簡潔にいってしまえば身体の一部が巨大化する病気の総称を先端巨大症と言います。

この先端巨大症は別名「アクロメガリー」とも言われています。成長ホルモンが過剰分泌されることにより、身体の一部が変化する、または代謝の異常が見られることが特徴的に挙げられます。これはとても危険な病気でもあり適切に処置を行わなければ、後々に重度の合併症を引き起こす可能性があり生命の危機にも関わってきます。

この病気は以前は末端肥大症とも言われていました。このアクロメガリーは希少疾病でもあり、知名度が著しく低い上に、専門医でなければ診療が不可能という意見もあります。また、専門医でなければまず目にすることや知識がほとんどないために見逃してしまうことが多く、現患者のほとんどそういう経緯で見逃されきた方がほとんであると言われています。

原因となるものは「成長ホルモン産生下垂体腺腫」というものです。

下垂体とは?

下垂体とは脳の正中部にある骨の窪み存在する機関のことを指しています。重さが約700mg、大きさが約7mmほどのもので、その下垂体の上部には視神経や眼球運動神経があります。つまり目や鼻などに密接している部分にある機関であることがわかりますね。

そしてこの下垂体はホルモンの中枢でもあります。主に前葉と後葉に分けられていて、ホルモン分泌を分泌する重要な機関であり、全身の臓器へホルモンの分泌を促す役目も果たしている身体にとって必要不可欠な存在であるのがよくわかります。

下垂体腺腫というのは、下垂体の細胞が一部腫瘍化することを意味しています。この腫瘍は主として前葉部分にできるものであり、大きく二種類に分けられる症状があります。

  • ホルモンを過剰に分泌してしまうもの
  • ホルモンを分泌しなくなってしまうもの

上記の二種類の内、今回の先端巨大症に関係があるものが、前者である「ホルモンを過剰に分泌してしまうもの」であり、これをホルモン産生腺腫と言います。これを統合して「成長ホルモン産生下垂体腺腫」と呼んでいます。

余談ですが、後者である「ホルモンを分泌しなくなってしまう」もののことを、非機能性腺腫と呼びます。

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先端巨大症の症状とは?

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ここでは先端巨大症、アクロメガリーの症状について述べようと思います。

成長ホルモンが過剰分泌されることによる症状

このアクロメガリーには「下垂体腺腫そのものによる症状である」というのと「成長ホルモンが過剰分泌されるために起こる症状である」というものの二つがあります。

それについてまず挙げられるものが、顔貌の変化があります。主な部分として眉間や頬骨の突出、下顎の突出による噛み合わせが悪くなるということ、鼻や唇、耳たぶや舌が分厚く大きくなる症状が挙げられます。

この舌が肥大することにより、睡眠する際の無呼吸の原因ともなりえます。顔でも主に挙げられるものとしてはやはり先端部分になります。顔の中核となる眉間や鼻、そして下顎など中心部や頬骨などの並行している部分に主に現れます。これの症状として突出や肥大が挙げられますが、これにより一見放置しても問題ないと思われがちです。後述しますが、これを放置すると大変な自体を招く恐れがあります。

手、足の肥大

顔以外でまず挙げられるのが手足となります。目で見てわかるほどに変化します。サイズが大きくなると言った方がわかりやすかもしれません。今まで入っていた靴や指輪などが入らなくなるなどや、物理的なところでもその症状は現れてきます。

月経の異常が現れる

先端肥大症といっても身体の一部が肥大したり変化したりするだけではありません。この先端肥大症の主な原因となっているのはホルモンの過剰分泌によるものです。そしてそれが起こっているのが下垂体であり、ホルモン分泌を促す中枢となる場所ですので、自ずとそれはホルモンバランスの崩れにも繋がります。

従って、自然とホルモンに大きく関係している月経などにも影響が出てきます。月経不順や、月経の乱れ、そして重症の場合は月経が止まったり訪れなくなることがあります。

代謝の異常が現れる

ホルモンバランスの崩れによる代謝異常も見られるようになります。これはとても危険な症状と言えます。代謝というとあまり危機感がないように思えますが、代謝とは体の循環をコントロールしていると言えるものが代謝です。それに異常が生じるということは、消化や消費、吸収などのバランスが崩れます。

それにより「糖尿病」や「高血圧症」、「高コレステロール血症」などが主に挙げられる症状となります。

皮膚の変化が現れる

これは先端巨大症の代表的な症状の一つとも言えるものですが、皮膚にも影響が及んできます。まずは皮膚が分厚くなってくることです。感触や肌触りなどが通常よりもゴツゴツとしてザラザラとしたものとなり、見ただけでも分厚くなっているとわかるほどになってきます。

もう一つ、皮膚の異常として発汗が多くなるということがあります。これはホルモンバランスの崩れによるもので、汗が通常よりも多く分泌されてしまうということになります。

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先端巨大症(アクロメガリー)の診断についての詳細

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ではここでは、厚生労働省によって作成、報告された先端巨大症の診断についての詳細をまとめたいと思います。

研究班の報告による手引き、診断

厚生労働省からの研究班によって先端巨大症の診断の手引きというものが作成されています。これは先端巨大症の診断に使う資料となっています。これに基づいて診断をするのが一般的となっています。

色々と項目が設けられていますが主に「採血検査」による「成長ホルモン」及び「インスリン様成長因子-1」というものを測定することによって先端巨大症が疑われているのかどうかを判断することが可能となっています。ただこれは健康診断や通常の採血には含まれていないというものが挙げられます。あくまでも「成長ホルモン」と「インスリン様成長因子-1」の測定を目的とした採血検査でなくてはこの診断は不可能です。日常的に行われるような採血検査ではこういった項目が設けられていないものが多いです。

簡潔に言いうと、「臨床症状」と「成長ホルモンに関連する採決検査」、そして「頭部MRI検査」というものにより診断することで判断が可能となっているようです。

以下のものは厚生労働省が間脳下垂体機能障害に関して調査研究する班から、「先端巨大症の診断と治療の手引き」というもので作成がなされたものの一覧となっています。

1:主症候

  • 手や足部分の容積の増大
  • 先端巨大症様顔貌の傾向(眉弓部の膨隆や鼻、唇などの肥大、下顎の突出など)
  • 巨大舌(これによる睡眠時の無呼吸)

2:検査所見

  • 成長ホルモン(GH)の過剰分泌が見られる。血中の成長ホルモンの値がブドウ糖75g経口投与を行っても正常域まで回復されない、または制御が行われない
  • 血中IGF-I(ソマトメジンC)の高い値が見られる
  • MRIまたはCTにより下垂体腺腫の所見を認めることができる

3:副症状や参考所見など

  • 発汗や発汗過多など 汗の量が通常よりも多く分泌される症状が見られる
  • 頭痛や神経の異常 腫瘍などにより視神経や眼球運動神経への弊害
  • 視野障害 上記と同じく下垂体の腫瘍が原因により視神経の圧迫などが考えられる
  • 女性における月経の異常 ホルモンバランスの崩れと異常により月経が遅れる、または月経不順、及び月経が来なくなる症状が見られる
  • 睡眠時無呼吸症候群 舌の肥大による睡眠時の呼吸が止まるなどの症状が見られる
  • 耐糖能異常 糖に対する耐性に異常を来す 糖尿病などを引き起こす
  • 咬合不全 下顎の突出による噛み合いが悪くなることを指す
  • 頭蓋骨、手足の単純X線の異常 X線による手足などに異常が見られる

以上が厚生労働省の研究班から手引きされた所見などです。

これらにより、診断を行い問題の追求にあたります。通常の医師では見逃す可能性が高いものであり、専門医に求められるものでもありますが、一般的な知識を普及して欲しいと個人的には思います。

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先端巨大症を治療しなければならない理由とは?

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では、ここで先端巨大症を治療しなければならないわけというのをご説明しましょう。

合併症

何故治療しなければならないのか、それはしかして難しい話ではありません。単純明快でもある理由です。

成長ホルモンの過剰な分泌状態が長期に亘って続いた場合には、様々な合併症が出現するからであるというのがまず挙げられます。何も治療をしない、つまり放置すると一般健常人と比べてみて死亡率が約2倍から4倍ほどまで跳ね上がり、寿命が平均で10年から15年ほど短くなるというデータがあります。これは正式な調査による報告で上がっているものであります。

ですがこれは適切な治療を行うことによって、ほとんどの場合、健康な生活に戻れると言われています。つまり放置は危険であり、治療を行えば通常通りの生活が取り戻せるということですね。

アクロメガリーで見られる合併症の一覧

  • 心血管障害:狭心症や心筋梗塞、心不全
  • 脳血管障害:脳梗塞や脳出血
  • 悪性腫瘍:癌、特に大腸癌の発症リスクが非常に高い
  • 呼吸器疾患:睡眠時無呼吸症候群
  • 月経不順・無月経・不妊症:不妊症の原因としては、見逃されることが多い
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先端巨大症の治療法について

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では先端巨大症の治療法について触れていきましょう。

手術による治療

治療法の原則として、手術治療というのはこの先端巨大症を回復させるための唯一の方法であることが言えます。むしろこれ以外の治療法はないと言っても過言ではありません。

これが一番の治療であることが現在の医療界の見解となっています。

手術で治療が可能な腫瘍を確実的に摘出するというのが、最善の方法として用いられています。ただ、一般市中病院で、手術で大まかな腫瘍を摘出後、のちに薬物療法で回復をするという考え方をされている医師もいるそうですが、初回の手術のみが一番重要であり、むしろここで手を抜くとあとはないと言ってもいいでしょう。

全身合併症のために、全身麻酔や手術などが困難である場合などを除いて、手術療法のみが第一選択の治療であることが言えるのです。

一般的な大学病院や大きな病院では「内視鏡下経蝶形洞的瘍摘出術」というものをまず行います。これは内視鏡を導入することによって、病変を詳細に観察することができる他、摘出率の向上に繋がります。

先端巨大症の手術治療の鍵というものは、「被膜外摘出」だと言われています。腫瘍だけではなく腫瘍を包んでいる被膜自体を摘出するということによって治癒率が飛躍的に向上します。神経内視鏡というのは、術野をより鮮明な形で観察できるハイビジョン対応型のCCDカメラというものを搭載しており、被膜外摘出をより可能にすると言われています。

手術の治療法による治癒率は?

アクロメガリー、つまり先端巨大症というのは、コルチナコンセンサスというような厳格な内分泌学的治癒達成基準というものが設けられています。具体的に言うのであれば、血中の成長ホルモンの値がブドウ糖75g経口を投与することにより0.4ng/mL未満と言う値にまで抑制されることが求められています。神経内視鏡手術を導入すると言うことにより治癒達成率と言うものが向上すると言うことが認められています。

一般的な治癒達成率というもがあります。Knosp(ノスプ)ブレードというものがあり、トルコ鞍内に限局するという小さな腫瘍がグレード1とするならば、トルコ鞍の外側にある部分の海綿静脈洞へ、腫瘍伸展が強くなるというほどグレードが高くなるという仕組みになっています。Knosp4の場合は手術のみで治療基準を満たすことはほぼ不可能となっており、成功例もほぼありません。つまりこれは早期発見が何よりも大事であり、そして放置し、進行状況が浅いときに治療をすることによって完全回復が見込まれるということになります。

Knosp1の場合、手術による治癒基準の達成率というのはほぼ100%であり3でも約80%に至っています。しかしグレードが4になると成功率はほぼ0という絶望的な数値になります。しかし4というのもごく稀な数値であるのではありますが、稀に放置をして手術では手の施しようがない場合もあります。

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先端巨大症の集学的な治療法

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ここでは手術という方法以外の治療法について触れようと思います。

アクロメガリーに対する集学的治療法

先端巨大症の治療として重要なものは、前述してきた通り手術治療法というものであります。手術が一番の治療法として確立されているのも事実ではありますが、海綿静脈洞に大きく浸潤しているような腫瘍に関しては、残念ながら完全な摘出というものは困難を極めると言わざるを得ないというのが今の医学会の限界であると言われています。

厳格な内分泌学的治癒基準というものでは、手術によるもので全摘出率というものが50-70%程度であると報告があります。このような場合には、手術治療に加えてさらに「薬物療法」というものと「定位的放射線治療」といものの組み合わせる治療法が必要となっています。

そのため、内分泌内科専門医と一緒に治療を行う必要がるというのが一般的な見解でもあります。必要に応じて患者のために専門医とチーム的に治療を行うのがこの先端巨大症の治療法には求められてきます。

先端巨大症に対する薬物療法とは

もう一つの治療法として薬物治療法というものがありますが、下記にそのまとめを記載します。

ソマトスタチンアナログ

酢酸オクトレオチド(サンドスタチン)というものが挙げられます。ランレオチド酢酸塩(ソマチュリン)

これは注射製剤であり、成長ホルモンの分泌を抑制する働きがあります。腫瘍が縮小する例も見られています。

ドパミン作動薬

ブロモクリプチンやカベルゴリンなど。

これは内服薬であり、ソマトスタチンアナログと併用するということでより効果が得られることがわかっています。

成長ホルモン受容体拮抗薬

ペグゾソマントなど。

これも注射製剤であり、ソマトスタチンアナログとドパミン作動薬などと組み合わせ使用することで効果が期待できます。

定位置放射線治療について

手術治療や薬物治療において治療効果が得られないということが稀にあります。

その場合はガンマナイフなどやサイバアクロメガリーの診断や治療は複雑となっており内分泌専門医による治療が必要となっています。その場合は放射線の治療法が用いられる場合もあります。

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まとめ

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では総括に入ります。

早期発見と早期治療が最も重要である

上記での述べたように、この病気は一般の医師では見逃してしまう傾向が強いものがあります。なので自らが気付いたときに、専門の採血検査を行い、そして手術による治療を行うことが一番重要であることがわかります。

放置したり、治療が遅れると手の施しようがなくなる場合もあります。さらには合併症もあり得ますので、早期に発見し、そして早期に治療を行うように日頃から心がけておきましょう。

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