血小板が多い原因は?基準値を超えるとどんな症状が?

血小板の数って気にしたことありますか?血液検査や健康診断などで血液の数値を見た時にPLTと記載されている数値が血小板の数値になります。

この血小板の正常な値やどの程度の数値の異常が発生していた場合に症状がでてしまうのか、などについて紹介していきます。

実は血小板の数が多いとさまざまな疾患を引き起こす可能性があるのです。そんな血小板の増加についてまとめてみました。同時に血小板の数値を下げる為の対策法などについても紹介していきますので、是非参考にしてみてください。

血小板って?

海綿状血管腫

血小板とは一体何なのでしょうか?血小板の働きや血小板を生成してる器官などについて知っている人は少ないかと思います。

まずは血小板の基本的な働きについて紹介していきたいと思います。また正常な数値と多いことで及ぼす体への影響などについても解説していきます。

血小板の働きについて

血小板は、血液に含まれる成分です。ネバネバした粘着性のある成分を持っていて、血管が傷ついた時などに反応して出血を最小限で抑える働きをします。よく怪我をしたときに自然と出血が止まるのは、血小板凝集が起こり、血小板の止血作用が正常に働いた証拠といえます。

もし血小板の数が少なかったり、血小板が無かったりすると、傷口が塞がらずに出血したままです。しかしこの血小板、多ければいいものでもありません。

血小板を含む血球は骨髄の中にある造血幹細胞でできています。血小板や血液の量は、体質や性別によってもさまざまです。特に女性は毎月の月経の期間など、血液の流出により、血小板の数値も減少します。

しかしこの場合、時間を経るごとに回復しますので、検査などは、月経期間をさけたときに行うのがよいとされています。月経期間がとうに過ぎても血小板の数値が低い場合は何らかの疾患の可能性もあるので、検査が必要になったりします。

反対に血小板の数値が高い場合も何らかの異常を示しているので、再検査の必要がでてきます。血小板の検査はあまり聞きなれないかもしれませんが、どのような症状があり、疾患の可能性があるのか、知っておくと重大な疾患の手遅れにならず、良いかもしれません。

血小板の正常値は?

まず、血小板の数値を調べる必要がある状況とはどんな時でしょう?

一番分かりやすいのは、血小板の数が減少したときです。血小板の主な機能として、血小板凝集と止血作用があります。血小板の数が減少すると、ちょっとした怪我や鼻血などの時に血が止まらない状態になったり、血管を修復する作用が低下するので、青あざが出来やすくなったりします。貧血などの症状もでます。

一方血小板の数が高いときは、血液凝固の作用が強く出るために、血液が固まりやすくなったり、血液が固まってできる血栓などから血管を塞いでしまい起こる脳梗塞や心筋梗塞などの症状が出たりします。このような状態の時に医療機関に受診すると、まず始めに行われるのが血小板の検査です。

血小板の検査は、血液を採取した後に機械での検査になります。血小板の正常値は、一般的に、13.0万~34.9万/μlが基準値といわれています。検査では、血液1μl中の血小板の数が10万個以下で血小板減少症と診断され、40万個以上では血小板増多症と診断されます。

血小板が多いといけないの?

では、血小板が多いとなぜいけないのでしょうか?

血小板はその機能からネバネバした成分を持っています。その成分が多いということは、血液がドロドロした状態になっているということです。さらにその血液は固まりやすく、血栓を作りやすい状況なので、ちょっとしたことが原因で血栓ができ、さらにその血栓が血管に詰まってしまう危険性があります。

エコノミー症候群などはその最悪の例でしょう。場合によっては命の危険性があります。血小板の増加だけでさまざまな疾患を誘発する危険性があることを理解しましょう。

血小板が多くなる疾患とは?

心臓

では血小板が増えたときに考えられる疾患はあるのでしょうか?どの様な病気があり、症状や特徴にはどの様な物があるのかを紹介していきます。

血小板が高い数値になってしまっていた人は、以下の病気になってしまう事がありますので注意しましょう。

骨髄増殖性疾患

骨髄増殖性疾患とは、骨髄の働きが異常に活発になることによって起こる疾患です。骨髄では、赤血球、白血球、血小板などを生成していますが、本来それは一定の数に保たれています。しかし骨髄の異常な働きによってそれらのどれかもしくは組み合わせで増加することがあります。それを総称して骨髄増殖性疾患といいます。

実は骨髄増殖性疾患は、別名、骨髄増殖性腫瘍といわれる血液のがんです。病状は色々種類があります。慢性骨髄性白血病も骨髄増殖性腫瘍の1つに分類されます。そのほか、真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症などがあります。

症状の多くは、比較的ゆっくりと進行するためにあまり自覚症状がなく、健康診断や血液検査の再検査で発見されることが多いです。

慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病は、血液を造る骨髄にある造血幹細胞自体ががんになってしまう疾患です。この疾患は、遺伝子の異常が原因で発症します。しかし遺伝病ではありませんので、子供や孫などには遺伝することはありませんので安心してよいでしょう。

この疾患は自覚症状が初期にはあまりありません。多くの人がたまたま受けた検診などで発見されることになります。白血球の増加を指摘されたら再度検査を受けましょう。

もしそのまま放置していた場合には、腹部の膨満感や圧迫感など感じたり、胃潰瘍などの合併症が起こったりする可能性があります。さらに発熱や貧血、出血などの症状が出た場合は、病状が進行している可能性があり、早急な対応が必要となります。

早期の発見と早期の治療が進行を押さえ、完治に向かう唯一の手段であることを理解しましょう。

真性多血症

特に赤血球の増加に特徴のある真性多血症は、赤血球、白血球、血小板の増加もみられます。中年男性に多い疾患といわれています。原因は遺伝子の異常といわれています。こちらも遺伝病ではないので、子供や孫などに遺伝することはありません。

症状は赤ら顔や目の充血、頭痛や耳鳴りなどのほか、めまいや皮膚のかゆみなどがあわられることもあります。さらに脳梗塞や心筋梗塞、血栓症など合併症を起こす可能性もあります。

本態性血小板血症

慢性骨髄性白血病と同様で、造血幹細胞自体ががんになってしまう疾患です。特に血小板の数値が異常に高くなります。あまり自覚症状がなく、健康診断の血液検査などで血小板の数の増加や、血栓を確認することで発見されます。

原因は詳しく分かっていません。しかし遺伝子の何らかの異常であることは確認されています。遺伝子の異常ですが、遺伝病ではないので、子や孫などに遺伝することはありません。

症状としては、血小板の増加により、血栓が出来やすくなることや、脳梗塞などの合併症を引き起こす可能性があります。自覚症状がでないことが多いので、脳梗塞や心筋梗塞、脳出血などの重大な疾患になる前に、健康診断などの血液検査を定期的に受けておくのも良いでしょう。

検査には、血小板の増加を確認するほか、血小板凝集能検査などで異常を確認します。

原発性骨髄線維症

腫瘍細胞ができることにより、血液を造る骨髄に線維化という現象が起きて、骨髄に代わって肝臓や脾臓といった別の器官で血液が造られるようになるのが最大の特徴です。これを髄外造血と呼びます。他に白血球の数の増加や血小板の増加もみられます。またこの疾患は進行がゆっくりとしているために自覚症状があまり無いのも特徴です。

発症原因については、多くの患者において遺伝子の異常があるのが分かっていますが、具体的な原因については詳しく分かっていません。また遺伝子の異常によるものであれば、遺伝病とは違うので、子や孫などに遺伝しません。

血栓症

血栓症は、血管の内側で血液が固まりになって血管を塞ぎ、血流が悪くなったり、血流を止めることで起こる細胞の壊死や炎症のことをいいます。心筋梗塞や脳梗塞などはこの血栓症が原因で起こります。また血栓ができ、それが剥がれ、血流にのって別の場所に行き血管を塞ぐ血栓塞栓症などを起こす可能性もあります。

血小板が多いとこのような状態になるほか、血小板数の増加とともにコレステロール値が高いとさらにドロドロ血液になり、血栓症を引き起こす可能性がさらに高くなります。また傷ついた血管を修復する血小板が多いと傷の修復で大きな固まりが出来ることもあります。

よく聞くのは、足の静脈に血栓ができる深部静脈血栓症です。血栓が心臓や脳や肺にまでいき血流を塞いでしまい、命の危険もある恐ろしい疾患です。肺に行き肺の静脈を塞いでしまうエコノミー症候群などは近年話題になりました。

血栓症で特に気をつけたいのは、糖尿病や高脂血症の方です。血管が傷つきやすいだけでなく、血栓も出来やすい状態なので、長時間同じ姿勢でいたりすると血管が傷つき、血栓が出来やすくなります。足の静脈の血栓は取り除くのに手術が必要となる場合もあるので、日常生活の中で注意しましょう。

血栓症を原因とした脳梗塞では、手足のしびれや軽い口の麻痺などの症状があります。また肺梗塞や心筋梗塞などが息苦しいなどの症状ができます。足の血栓については、急に足がしびれたり、痛くなったりするので、不安なときはすぐに医療機関に受診しましょう。

治療法は、血栓を溶かす薬や血液をさらさらにする薬などを処方されます。また血栓が大きい場合は手術などの処置が行われます。

血栓症の予防には、血小板の数を安定させることと、日常生活や食生活などで血液が固まりにくくする身体作りが必要です。健康的な日常生活や食生活を送ることで血液の質があがります。血小板の数値は薬や医療機関の方針に従い数を安定させることで症状はなくなります。

血小板増加症

血小板増多症とは、血液中の血小板が増加する疾患です。血小板の増加によって血栓症の症状が起こります。ほかに血小板の機能が正常に働かなかったり、血小板そのものの異常により、鼻血や紫斑、頭痛、まれに視覚異常や耳鳴りなどの症状が現れたりします。

血小板増加症には、骨髄自体の異常から起こるものと骨髄以外の異常から起こるものにわかれています。

症状は、痛みや痺れが多く、紫斑や鼻血なども多くみられます。実は出血性のものより、血栓症の症状のほうが危険性が高く、脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などの合併症を引き起こす可能性があります。

原因は、造血幹細胞が腫瘍化したことにより血小板を作り出す機能が異常を起こし、血小板が異常増殖を始めるのが原因です。腫瘍化した原因については詳しく分かっていません。ただし遺伝子の異常が原因である可能性が高いことは分かっているので、今後の解明に期待したいところです。

治療方法は、薬による治療法が主です。まずは血小板の増加を止めることが先決です。さらに血栓症の予防のための薬などが処方されます。血小板の数を安定させることで症状も安定してきます。

血小板の適正な数値のために行うべき改善法

下がる

血小板の数値の異常に気がついたら、どうしたらよいのでしょうか?

まずは医療機関に受診し、適正な検査と診断を仰ぎましょう。血小板が多い状態というのは、血液が固まりやすいということです。血糖値の多い人や高脂血症などの人はさらにそのリスクが高くなります。血管の中で血栓が出来ないように、日常生活や食生活から改善し、できるだけ健康的な生活にしていきましょう。血液ドロドロの時に気をつけて欲しいことがあります。

①水分補給はこまめに行いましょう。

運動や入浴後にはしっかりと水分を補給しましょう。水分をしっかり補給できていないと、血中や体内の細胞の水分量が下がり、血液がドロドロになります。余計に血小板の働きによって問題となる症状が発生しやすくなりますので特に水分補給をしっかり行うことが重要です。

血液は常にしっかり流れていないと固まってしまいますので、しっかり心臓に循環させて古い血液を一箇所に溜めないように血流を良くした状態を保っていきましょう。

②コレステロール値に気をつける

コレステロール値があがるということは、血がドロドロになりやすいということです。血小板増加に加えリスクがあがります。

脂っこい食事や肉類ばかりを食べているとこの問題につながりやすくなります。

特に肥満体型の人は血小板の働きを活性化させやすく、心筋梗塞などの事故につながりやすくなります。運動なども行ってしっかり基準体型維持を目指していきましょう。

③規則正しい生活を送る

睡眠不足や過剰なストレス、暴飲暴食などもドロドロ血の原因になります。

これらのことに気をつけて、さらに医療機関と連携し、血小板の増加対策をすると、薬の効きも良くなりますし、症状も軽くなる可能性もあります。

遺伝的要素の強い、血小板増加ですが、それが原因で起こるさまざまな疾患は日頃の生活から予防することも可能です。

血液をサラサラにするおすすめの食材

血液をサラサラにすることが、病気に繋げないために非常に有効になります。有効な食べ物としては納豆、黒酢、梅肉、青魚、緑茶、卵、ブロッコリーなどがあります。これらの食材を積極的に食事内容に組み込んで、血液のサラサラ化を目指しましょう。

また、血小板が多くなっている問題(血小板増加症)が貧血などから来ている場合もあります。その場合には鉄分を含んでいる食材を積極的に取ることが重要になります。

レバーなど、動物性のものから摂るほうが吸収効率がいいのでおすすめです。野菜から鉄分を摂る場合は非ヘム鉄という単体では吸収されにくい栄養素になりますので、あわせてビタミンCと一緒に取ることで動物性の鉄分と同じヘム鉄に変換し、吸収しやすく出来ます。

逆に血小板を増加させてしまう食材として気をつけたいのは、にんじん、せろり、柑橘系の果物などになります。しかし基本的にバランスよく摂取すれば問題に繋がる事はありませんので、そこまで意識しなくても大丈夫でしょう。

バランスのいい食事でしっかり血液の質の改善を目指していきましょう。

まとめ

いかがでしたか?血小板の増加がさまざまな疾患の原因になり得ることがわかりました。日頃から定期健診の血液検査などをよく注意してみるのも良いでしょう。

もし、あなたやその周囲の家族などが血小板の数値に異常があった場合は、これらの問題が引き起こってしまわないように何かしらの対策法を打つようにしていきましょう。もし病気に関連する症状が発生している場合は専門家の先生のいる病院での検査や治療を受けるようにしましょう。専門科は血液内科になります。

逆に少ない場合では難病指定されている病気もありますので血小板の異常数値には注意するようにしましょう。

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