生理とプールが重なってしまう…女性ならば多くの人が経験しているのではないでしょうか?「なんで今日に限って…」と苦い思いをしたこともあるかと思いますが、生理だからと言って、必ずしもプールを避けられるとは限りません。
授業が休めない、または水泳のプロなど、入りたくなくても入らざるを得ないこと、ありますよね?でも、衛生上の問題や、安全面など、デリケートな問題ですから不安もありますよね。人には相談しにくいことですから、1人で悩んでしまうことも多いでしょう。そこで、生理中のプールについて、正しい対処法をご紹介します!
生理中のプールは可能か
例えば学校の授業で、水泳教室で、部活の大会で、など、大切な日に生理が重なってしまうことはあるかと思います。もちろん休んだり見学できたりすれば1番よいのですが、なかなか思い通りにいかないこともあるでしょう。
では、生理中にプールに入ってはいけない理由をまずお話しします。それを踏まえた上で、入っても大丈夫な場合と、入ることを避けた方がよい場合とを説明しますので、今後の参考にしてみてください。何が何でも入ってはいけないわけではないのです。
ただ、正しい判断をするためにはまず、正しい知識が必要になりますからね。
プールに入らない方がよい理由
生理中にプールを控えた方がよいのは、何も出血して周りに迷惑をかけるから、というだけではありません。
貧血の可能性
生理中はただでさえ出血がありますが、ちょっと体の向きを変えた瞬間、一気に出血することがありますよね?生理中は非常にデリケートな上、出血しているせいで血液が不足しがちです。
ですから、体育などで激しい運動をすると、血液の巡りがよくなって、余計に経血量が増える可能性があります。こうなると、一時的に貧血を起こすリスクがあるため、水中では溺れる危険性がありますよね?そのため、プールは控えた方が安全なのです。
身体が冷える
水の中に入るということは、身体を冷やすことになります。だいたい授業の時間は45分~50分くらいが多いですから、1時間弱も身体を冷たい水の中に入れたままになるので、休憩はあれども身体は冷えますよね。
身体が冷えると、本来ならば排出すべき血液がうまく循環せず、生理のリズムが狂ってしまうことにもつながります。
肌が敏感になる
生理中は、普段よりもお肌が敏感になっています。そして、プールの中には雑菌がいますし、大勢の人が同時に入っているわけですから、衛生的ではありません。だからプールに入った後には必ず目を洗えと言われるわけです。それに加えて生理中の敏感肌ですから、日頃からプールに入ると肌がピリピリと痛くなる、というような人は注意が必要です。いつも以上に敏感な肌には、より一層刺激が強くなってしまうかも知れません。
運動量や敏感肌、そして貧血の心配がない!というのであれば、プールに入ることは可能です。ただしのその場合も、きちんと対策をして入るようにしましょう。
タンポンは強い味方
本来、生理中は激しい運動や、水に入るなどの身体を冷やす行為は避けたいところですが、どうしてもという時には、タンポンを使えばプールに入ることは可能です。ただし、タンポン自体は水中で使用するために作られていませんから、使用する時にはいくつか注意が必要です。
タンポンの使用方法
普段からタンポンを使っている方はご存知でしょうが、ナプキン派の方はタンポンの使い方になれていませんよね。タンポンは、使い慣れてしまえば便利ですが、なかなか初めの内は難しいものです。そこで、基本的な使いからまずはご紹介しましょう。
タンポンは、ナプキンにあたる吸収部分の白い綿の端に、細いひもがついています。このひもを引っ張ることで外れるようになっているわけですね。
タンポンの種類
形状は違いますが、タンポンにもナプキンと同様に、多い日用やレギュラー、少ない日用などと種類があります。使用する日の経血量に合わせたものを使用しましょう。経血量に合わせたものを使用しないと、漏れの原因になります。
正しい位置に挿入する
タンポンの種類が決まったら、次に気を付けるべきは挿入位置です。慣れていないと、正しい位置に挿入できず、漏れの原因になります。アプリケータータイプを使うと、簡単に正しい位置に挿入できるので慣れていない方にはオススメですよ。また、挿入時に力んでしまうときちんと奥まで入らないので、軽く息を吐くなどして、体の力を抜いた状態で挿入しましょう。
また、正しく挿入されているかどうかは、着用感で判断します。経血の量は多くないのにゴロゴロした違和感があったり、痛みが強すぎたり、今にも出てきそうな気がしたりする場合には、きちんと挿入できていない可能性が高いため、再度新しいタンポンでやり直しましょう。
そして注意してほしいのは、タンポンは経血を膣内で吸収するための用品であり、経血を止める、栓のような役割は果たしません。当然、経血量が多すぎれば漏れてしまいますので、適度に交換しましょう。
生理中にプールに入る場合の注意点
さて、タンポンの付け方もきちんとマスターし、ようやくプールに入る準備ができましたね。では、プールに入る前に大切な確認です。水中では水圧がかかるため、経血が流れ出ることはないと言われていますが、それは水に入ってからの話ですよね。
当然、水に入る前や出る時には水圧がかかりませんから、細心の注意が必要です。
水に入る前後は清潔に
せっかくタンポンで処理をしていても、膣の周りに血がついていれば、水に入った時に汚してしまいますよね。経血自体は汚いものではありませんが、血は空気に触れると酸化します。酸化とは、いわゆる腐るのと同じですから、決してよい状態ではありません。
つまり、水に入る前に膣の周りに血がついていると、酸化した経血が水中に溶けだしてしまうことになります。これは衛生面から言って、避けたいですよね。周りの人にも迷惑がかかってしまいます。
ですから、タンポンを入れるだけでなく、水に入る前には膣の周りを清潔にし、汚れていないかしっかりと確認しましょう。気持ちよくプールを楽しむために、最低限のマナーは守りましょう。
プールの前後は新しいタンポンを
衛生面から考えて、プールに入る前、プールから出た後は、必ずタンポンを新しいものに変えましょう。すでにお話しした通り、古いタンポンで水に入ると万が一どこかに血が付いていた場合に不衛生ですし、水中も雑菌がいっぱいです。
プールから出た後は新しい清潔なものに変えることをオススメします。
タンポンのひもは切らない
タンポンは膣の中に入れて使うので外から見えませんが、取り出すためのひもは出てしまいますよね。気になるので隠したい気持ちは分かりますが、このひもは取り出す時に使うものなので、絶対に切らないようにしてください。
切ってしまうと、上手く取り出すことができず、トラブルの原因になります。
タンポンを使う上での注意点
さて、プールでタンポンを使う時の注意点についてお話ししましたが、タンポンを使用する時注意しなくてはならないことがもう1つあります。とても大切なことなので、きちんと理解し、タンポンを使用する時には常に頭に入れておきましょう。
トキシックショック症候群(TSS)のリスク
非常に珍しい病気ですが、黄色ブドウ球菌によって作り出された毒素が原因で敗血症を起こし、最悪の場合は命に関わることもあります。性別や年齢に関係なく、誰にでも感染のリスクはありますが、トキシックショック症候群にかかった人の半数がタンポン使用者という統計があるため、注意が必要です。
タンポンが原因でトキシックショック症候群にかかる原因としては、主に以下のようなものが考えられます。
- タンポン挿入時、清潔ではない手で触ってしまった
- タンポンを長時間入れっぱなしにしてしまった
- 取り出すことを忘れていた
つまり、タンポンが不衛生な状況にあったことが原因というわけですね。トキシックショック症候群にかかると、突然の高熱や嘔吐、下痢などを始め、発疹や倦怠感など、様々な症状を引き起こします。血圧の低下によるショック状態に陥ると大変危険なため、早めの処置が大切になってきます。
トキシックショック症候群(TSS)を防ぐには
やはり、不衛生なタンポンを長時間使用することが原因となりますから、タンポンを常に清潔に保っておくことが重要です。
- プールに入る前には新しいものに交換し、プールから出た後もすぐに交換する
- 経血量の多い日は、3時間を目安に交換し、長くても6時間以上使わないようにする
タンポンは、4~8時間以内が交換の目安ですが、生理の2日目は非常に経血量が多くなりますから、これよりも短時間の内に交換するようにしましょう。ぎりぎりまで交換しない、などはやめ、早め早めに交換して、常に清潔を保っておくことが大切です。
まとめ
このように、生理中であってもプールに入る方法はあります。タンポンに縁がなかった人も、これを機に使ってみるのもよいかも知れませんね。ただし、タンポンは膣内に直接入れるので、やはりオススメはナプキンと交互に使うことです。プールに入る時はタンポンを使い、それ以外の時はナプキンにする、など、使い勝手とライフスタイルに合わせて調整するとよいでしょう。
とは言え、生理中は本来、身体を休ませる期間です。膣の中もお肌も、非常にデリケートになっていますから、身体を冷やしたり、激しい運動をしたり、雑菌の多いプールに入るなどは極力避けたいものですね。
どうしても避けられない時も、身体を労り、体調の変化に気を配って行動するようにしましょう。無理なく楽しめることが何よりです。