腰が重い原因は?考えられる病気や炎症、予防法について

日本人の6~7割は腰痛持ちだということがいわれています。実はこの腰痛、国民病というぐらいに本当に悩みを抱えている人が多いのです。

しかも、病院に通っても、検査をしても、原因がわかっていないのがほとんどです。つまり、そのほとんどの人が、治っていない腰痛をかかえたままのようです。

また、直接腰に影響を及ぼしているものもあれば、内臓が病気にかかっていて、間接的にそれが腰への痛みになるというものもあります。これらの判断は、かなり難しいものです。

今回は、この腰が重いということについて、お伝えいたします。

一口に腰痛といっても、たくさんあります。ここでは、代表的なものをあげて、その症状や治療法を案内いたします。

慢性腰痛

腰痛い男性

腰の重さが慢性腰痛から発生している場合があります。

原因

主に加齢による長年の腰への負担が、腰の骨を変形させ、神経とその周辺組織を圧迫し痛みを引き起こします。実際には原因はこれと決めきれないのが現状です。

症状

日常において、常時もしくは時々痛くなることが多い症状です。特に、じっとしている時は痛みはないのですが、動いたり必要時に曲げたりすると痛みます。

また、ずっと立ちっぱなしであったり、朝起きた時に痛みがあったりと、時間的、場所的な要素はあまり関係ないようです。

治療法

慢性の場合、これといって治療法が確立されていません。

マッサージで一過性の痛みを取り除いても、しばらくすると痛み出すことが多いようです。

原因が年齢を重ねるごとに、筋力が落ち、痛むことが多いので、常日頃から、腰回りの筋肉が落ちないように、ストレッチ、筋トレなどでカバーすることが望ましいと思われます。また、年齢的に筋肉が硬直していることが原因となる場合もあり、その場合は針などで筋肉を刺激し、緊張をほぐすことも効果があるとのことです。

その他、治療というほどのものではありませんが、風呂などに入り、温めるとその痛みがやわらぎます。よって、身体が冷えないようにすることも必要です。

予防法

年齢が原因であると思われる場合は、ストレッチ、筋トレで筋肉の維持を心がけましょう。よく、年をとっている人がウォーキングをしていますが、ウォーキングは体調をよくするとか、有酸素運動として代謝をよくするにはいいのですが、それだけでは筋肉の維持にはつながりません。それなら、スピードウォーキングをお勧めします。どのようなものかというと、単純にウォーキングの速度を上げて歩くことです。これなら、筋肉もかなり使いますし、代謝もあげることになり、非常に有効です。

その他、筋肉の維持を意識することは重要です。特に食事においてたんぱく質をたくさんとる必要があります。意外にこれは盲点かもしれません。いくら運動をしても、身体を作るたんぱく質が不足していると、筋力は維持できず、効果は半減します。油の少ない、質のいい肉や魚、大豆製品を意識的にとるようにしましょう。食が細い人は、プロテインという牛乳を粉末化し大量のたんぱく質を含んだ飲み物を、適量摂取した方がいいと思います。

さらに、冷えによる痛みも発症するケースに関しては、夜寝る時も腹巻をするなど、極力常時温めることで、硬直した筋肉をさらに硬直させない工夫も有効と思われます。

急性腰痛(ギックリ腰)

急性腰痛によっても、腰の重さを感じる場合があります。

原因

突然の腰への負荷により、腰を痛めることです。急激にひねった、無理な衝撃が加わったなどで腰に激痛が走ります。

腰が重いという感じはなく、ただただもう、本当に痛いという症状です。が、これが治りかけの時は、やはり重い感じがします。

症状

特に腰に激痛を感じ、動けなくなる、身体を起こせない、曲げられないなどの症状となります。腰の筋肉や骨の損傷が原因となり、腰回りには損傷のために熱を発したり、腫れたりします。まれに内出血も起こすこともあります。

これは一度かかったことがないと、その痛みはわかりません。

治療法

ギックリ腰を発症した直後の炎症で熱を帯びている場合は、冷やすといいようです。氷などでしばらく冷やします。これは、氷水で冷やすレベルで、本当に冷たくした状態にします。氷枕のようなものでもいいと思います。濡れタオルで冷やすレベルでは痛みは引きません。これを程度もありますが、半日ほど行ったほうがいいと思います。

炎症が治まったら、しばらく様子をみて、その後は温めます。このタイミングは難しいので、できれは整形外科の医師の診断で行ってください。

予防法

ギックリ腰は、常日頃から注意が必要です。普通の生活をしていれば、ほとんどかかりません。重いものを持つ、急激な力を腰に与える、身体がぶつかり合う激しい運動などをしなければ、大丈夫です。

また、普段から、意識的に腰などを含めて、運動をすることをお勧めします。意識的に腰の稼動を上げていれば、多少の激しい動きにも対応できます。要は、筋肉をあまり動かさないとどんどん衰えていくので、こまめに動かすようにするのが得策です。

椎間板ヘルニア

マッサージ

腰の重さが椎間板ヘルニアによるケースも考えられます。

原因

腰の骨が腰と上体をつなげて支えているわけですが、この腰骨の椎間板という骨と骨の間のクッションの役目をしているやわらかい軟骨の部分が、圧迫されてつぶれて神経を圧迫することです。

症状

神経が圧迫されてますから、当然、痛みは激しいものになります。通常は安静にしていると痛みませんが、ジッとしていても痛むケースもあります。また、腰には足にもつながる神経が通っているため、足の痺れや痛みを生じます。

この足の痺れが出る場合は、慢性化しないように早めの治療が望ましいかと思います。

治療法

おそらくベッドでの安静が必要になります。通常は鎮痛薬などの投薬を行い、保存療法で安静にして経過を見ます。保存療法は手術しない治療法のことです。

安静状態でも少しも改善しないようであらば、手術での対処法となります。実際手術をする人は全体の10%程度とそれほど多くはありません。というのも、手術をしても完全に痛みがなくなる訳ではないからです。手術をしてもしばらくしてから痛みが再発する人も少なくありません。ただ現在は、内視鏡手術など昔ほどの大げさな術にはならないというのが、最近の主流のようです。

この椎間板の圧迫は、放っておいても自然によくなることはありませんので、何らかの治療が必要となります。

予防法

重いものを持ち上げるときは、腰に負担のかからない上げ方をするなど、普段の生活において注意することで、防げます。まれに運動をしている時での衝撃がダイレクトに伝わると影響が出ますが、これは予測が不可能なので、予防するには難しいかと思います。

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

後ろ姿

あまり聞き慣れませんが、脊柱管狭窄症により腰の重さを感じているケースもあります。

原因

腰の骨である腰椎の脊柱が年齢とともに狭くなり、神経回路を圧迫することです。加齢による原因が最も多いと報告されています。

症状

この病気の症状は、腰が重いのと同様に足も痛くなります。少し長い時間歩くことにより、脊柱が圧迫され、足の痛みと痺れも生じます。身体を前かがみにすると痛みがやわらぐという特徴があります。ただ、一時痛みがやわらいでも、進行性のものはやわらぐ時間も短くなります。

治療法

基本的に細くなった脊柱間を広げることになります。重症の場合は脊柱の拡張手術を行います。圧迫されている場所や状態により、手術の方法が異なります。

予防法

普段から、神経を圧迫するような動きをしないようにすることです。また、間を空けると痛みがやわらくからと、そのままにすることが特に危険です。そのように治療を遠ざけていると、知らない間に進行が早まっていることもあります。

原因

脊椎同士がずれた状態をいい、X線検査でわかりますので、対処も速やかに出来るかと思います。脊柱がずれることにより、神経を圧迫し痛みが発症します。激しい運動、不自然な状態の姿勢のままでいることが多いとか、長時間立ちっぱなしの状態の時に、発症します。

症状

腰が重く、だるい状態が続きます。また、長時間の立ち仕事であったり同じ姿勢を続けると、痛みは増します。

また、背中をそらせると痛みが増幅します。さらに年を重ねるごとに、足の痛みや痺れを引き起こすことも確認されています。

治療法

脊柱のずれを治すために、長期に渡ってコルセットの着用で骨の修正ができます。やはりこれも神経の圧迫が主な痛みを引き起こす原因と考えられます。骨のずれを治すとともに痛みを抑える鎮静薬の投与が望ましいかと思います。

予防法

普段から不自然な格好で、長時間同じ姿勢でいることはよくありません。こちらも他と同様、適度の運動が必要です。特に腰を動かすことは重要です。

筋性腰痛症

腰痛じいさん

原因

腰の回りの筋肉が加齢と疲労などによって痛むもので、腰の回りの他、背中まで痛みが拡がることもあります。また、内臓疾患による痛みの可能性もあります。

症状

痛みやだるさ、重い状態が常時続きます。特に前かがみになると強い痛みを感じます。また、朝の寝起きに痛みがあり、身体を動かしていくうちに痛みが減少していく傾向があります。

治療法

ストレッチなどで普段から筋肉をやわらかく保つことが必要です。腰回りの筋肉は、加齢と疲労で硬直していますので、動かさないことが一番いけないことです。さらに、風呂に入る時は、身体を十分に温めることにより、血行を良くし、疲労物質なども流すことが痛みをとる方法の一つでもあります。ですから、なるべくシャワーなどで軽くすませないようにしたほうがいいでしょう。

予防法

治療法と同様、温めることは予防法にもつながります。また、筋力を衰えさせないように、食事に気をつけること、疲労を回復させる食物を取ることも必要かと思われます。あまり身体を疲れさせる食事は、好ましくありません。

これは例えば、揚げ物類、練り物類、油をたくさん使用するものなどです。逆にいいものとしては、生で食べれる野菜類、刺身類、発酵物などです。これらには酵素が含まれており、消化を助けるとともに身体に負荷がかかりにくいからです。これらは積極的に摂取することが望ましいかと思います。

その他、腰痛を引き起こしていると考えられるもの

その他に考えられる原因について紹介します。

内臓疾患

慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胆石症・尿路結石・子宮筋腫・卵巣膿腫などの内臓疾患は、腰痛を引き起こす原因となる場合があります。

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍はその部分が痛むため、腰に影響を与えているとは考えにくく、気づきにくいのが難点です。ですが、実際に胃が良くなったら腰痛も良くなったとか、胃潰瘍を治したら腰が軽くなったという実例があります。そのメカニズムですが、内臓の疾患や疲れはその回りの筋肉を固く疲労させる傾向があります。その筋肉の疲労などが、内部から腰に影響を及ぼすのです。

また、胆石症・尿路結石・子宮筋腫・卵巣膿腫などは急激に痛くなるケースがほとんどですが、まれに慢性的な症状の時に、じわじわと回りの筋肉に影響を与え、腰に負担をかけていると予想されます。

生活習慣

疲れ・暴飲暴食・ストレス・睡眠不足・便秘・更年期障害などが当てはまります。

これらのことが、腰に負担をかけている場合もあり、血液の中に疲労物質が腰に悪影響を与えていると考えられます。これは、生活スタイルを規則正しいものにして、食事に気をつけるなどの対応で、かなり良くなると考えられます。

まとめ

いかがでしたか。腰痛の悩みを抱えている人は相当な数に上ります。ですが実際に治療でうまくいっている人はどれくらいいるでしょうか。おそらく、全体の10%にも満たないのではないのでしょうか。それほど原因不明の腰痛が多いというのも事実です。

ある民族は、腰痛という言葉がないというぐらい腰が丈夫だということです。とすれば、この腰痛も国民性の病気という風に解釈もできます。であれば、腰痛はその環境がもたらす病気なのでしょうか。そのように考えれば、日本人はこれからもずっと腰痛に悩まされる民族と解釈されてもおかしくないですね。

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