握力の鍛え方を知ろう!トレーニング方法や、どの程度必要かを紹介!

握力を鍛えることは男性らしい前腕筋や逞しい上腕筋を作る上で欠かせない要素です。握力と手指の魅力は比例関係にあり、女性が選ぶ好きな男性ボディパーツの中でも上位に入ります。

男性の手(掌:てのひら Palm)に魅力を感じる女性が多いことからもわかるとおり、握力を鍛えて男性としての価値を高めることはとても有効なことといっていいでしょう。

ある研究によれば握力と寿命には大きな関係があるという報告もあり、健康で長寿な人程握力が強いとされています。

本稿ではこの握力の魅力について迫ると共に、握力の鍛え方について検証していきます。最後までお読みいただければ握力の魅力を存分に発掘でき、あなたの“手力(てぢから)”をアップさせる方法が見つかるはずです。

握力の必要性

握力

物を握りしめる5本の指と掌(てのひら)の共働動作による力を数値で示したものを握力と言います。握力は身体の他の部分と同様に必要な機能のひとつです。

ではなぜ人間が生きていく上で握力が必要なのでしょう。

握力の機能性

人は手を使って色々な操作をします。ビジネスでは書類を整理したりパソコンを打ったり、日常生活においても掃除・洗濯・炊事、はたまた子供と遊ぶ時も含め様々な作業に手の力は必要になってきます。こうした日常生活に置いて握力を利用する機会は意外に多いことを知る人は多くありません。

力はないよりはある方が物理的な余裕が生まれます。また精神的にもないよりはある方が余裕を持てるのです。握力が強ければ強い程いいとはいいませんが、特定動作を継続する際、力の発揮能力が優れている方がそうでない場合に比べ良いと考えることは自然なことです。

握力に関しても同様で、一見「そんな力が必要か?」と思われる動作に置いても力の発揮能力が高いほうが継続性や速さに優位な差がでることもあります。タイピング等は握力もさることながら、指のスムースな動きの確立と手と指の淀みない連動性が打つ速さや持続性にも影響を及ぶすのです。

握力を鍛える大きなメリットの一つはこうした掌(てのひら)と指といった手全体のスムースで洗練された動作に繋がる点です。力の発揮は特にスポーツ活動等で有利に働きますが、自分の思い描いた通りに自由に動かすにはある程度の握力も必要だということです。

手根管症候群を予防

握力を鍛える際、握り締める力ばかりに目をやりがちですが同時に開く力も鍛えられることを知る人は多くありません。この手指を開きながら動作を司るという作業はしっかりとトレーニングされていない場合、ある疾患を招く恐れがあります。

それが手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん:Carpal Tunnel Syndrom CTS)と言われる手首の障害です。特にパソコン作業をする時に発症しやすい病態で、手根管という手首にある靭帯と骨に囲まれたトンネル内を正中神経と9本の指へと伸びる腱と神経が通ります。

この手根管に手首を伸展(背側へ伸ばす:曲げるの反対動作)させる作用が継続するとトンネル内圧が上がり正中神経を圧迫して痛みが出るのです。タイピングでは誤ってタイプすることのないよう各々の指を浮かす状態、つまり手首を僅かに伸展させるため手根管への圧迫が高まり、負荷がかかりやすいとされています。

握力を鍛えることで手首と前腕筋群の機能も高まり、タイピング時に必要のない指を浮かしておく能力も向上し、結果としてこの手根管症候群の予防にも役立つとされるのです。

詳しくは、手根管症候群とは?症状や原因を知ろう!治療に手術が必要な場合はどんな状態?を読んでおきましょう。

全身の筋肉量や体力の指標

握力は腕はもちろん、全身の筋肉の程度を図る指標となります。握力計さえあれば簡単に測定でき、しかも全身の筋肉量との相関が非常に高いことで知られるため、昔から体力測定の指標として利用されてきた経緯があります。

 握力の測定は、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを知るための、簡単で安価な検査法である。その効果は血圧測定と同等以上である可能性がある。

研究チームは、世界17ヵ国の35~70歳の男女13万9,691人を対象に調査、4年間にわたり健診を行い、握力計で握力を測ったほか、体力測定を行った。

その結果、握力が5kg低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加することが判明した。握力が低下することで、心血管疾患のリスクは17%、心筋梗塞リスクは7%、脳卒中リスクは9%、それぞれ増加した。

握力の低下は、体全体の体力の低下と関連している。医療従事者は、高齢者の健診を行うときに、握力測定も含めることが望ましい。

保健指導リソースガイド 最新ニュースより

この記事では握力は筋肉量との相関だけでなく、成人病の罹患率との関わりも指摘しています。

握力が強いということは元々運動やトレーニングをしている場合が多く、身体に適度な刺激を与えていることから、成人病のリスクを減らす因子として信頼性の高い指標と考えられます。

握力の仕組み

握力2

人の指は特殊な形をしています。親指と他の4本指とはその機能がまったく違い、使い方も異なります。

握力を鍛えるためには手・指から前腕にかけての筋肉の働きを高めることが必要であり、その筋肉達に関する知識があれば「何をどうすればいいか」の方向付けを確立することができます。

手・指の筋肉

握力を司る筋肉に限れば浅指屈筋(せんしくっきん  Flexor Digitorum Superficialis)と深指屈筋(しんしくっきん:Flexor Digitorum Profundus)の機能は非常に大切です。

浅指屈筋も深指屈筋もその停止部(身体の中心から離れた筋肉端の付きどころ)は第2-5指の末節骨底の掌側に、起始は前者が上腕骨骨頭・尺骨頭・橈骨頭についています。これらの筋肉が縮むことで指はその先端からしっかりと内側にまるで花びらが萎むかの如く曲がり込みます。

親指の独特な動き

第2~5指のこの蝶番(ちょうつがい)のような動きに対し、親指(拇指)には拇指球筋と呼ばれる4つの内在筋群が存在し動きを調節しています。親指が特殊なのはその根元にある中手指節関節(MP関節)が鞍(あん)関節の機能を有していることです。関節の両面が馬の鞍の形をしていて互いに直角方向に動く二軸関節です。

このため親指は他の4本指から真横に離れていく伸展と近づいてさらに内側に向かう屈曲動作を可能にし、さらにMP関節の下にある手根中手関節(CM関節)が外転と内転動作に関わることで第2~5指と共に握る・掴む動作を実現しています。

この親指の特殊ともいえる機能によって様々な感情を親指で現すことを可能にしています。例えば親指と人差し指の先端を互いに合わせることで「OK」という意味を現し、同じような意味で親指を立てた状態もあります。親指だけがこのような特殊な発達を遂げたことで、人は握力という能力を最大限に発揮することができると考えていいでしょう。

4本指と親指の共働作業

握る・掴むといった手のひらをつぼめて力を発揮する作業では、手の前面にある屈筋群が積極的に働く必要があります。前述した浅指屈筋や深指屈筋を含む全屈筋群の機能が最大限に高まることで握力も向上するわけです。

こうした屈筋群の働きはあくまで第2~5指の機能であり、これに第1指(拇指)の屈曲・伸展を含む共働作業が加わることで、握る・掴むといった人間特有の動きが成立することになります。

一方腕橈骨筋は手のひら側である前腕の前面のさらに外側に位置する筋肉です。主な機能は肘の屈曲動作です。ペットボトルの蓋やドアノブを回す動作で働きます。スポーツでは柔道の釣り手や腕相撲での相手の手を引き付ける動作が主な働きです。

握力を発揮しつつ肘を身体に引き付ける、または捻じるといった複合的な動作では、特に関節をまたいで繋がる二関節筋の能力を高めることも、握る力をさらに強める意味で必須の要素でしょう。

握力はどの程度必要か

握力 年齢別

実際に握力はどの程度が理想なのでしょう。日常生活でリンゴを握りつぶす程の力を必要とすることはまずありませんが、全身の筋肉量の指標と捉えるとそれなりの力は必要となるでしょう。

握力における性別差、年齢差をみていきましょう。

握力の平均値

平成26年度文部科学省体力・運動能力調査結果年齢別握力テストによれば、成人男性(20歳以上)の握力平均値は約46kg、成人女性は28kgです。その後多少の変化はあるものの男女とも50代前半まではそれぞれ45~46kg、28kgで一定しています。

しかし50代中盤からは徐々に衰えはじめ60代中盤からはそれぞれ39kg、24kgとガクンと落ちていく傾向が見て取れます。最も高い値を100とした場合、男性は16%、女性は15%とほぼ同じ比率で減少していきます。

男女とも仕事や家事が一段落するいわゆる“定年”の時期を迎え、体力レベルも下がっていることが伺えます。運動能力の落ち込みが最も激しい時期と考えれば、この時点よりも前に何らかの運動習慣を持たせることで体力の落ち込みをそれこそ緩やかにでき、そこからさらに充実した人生を送れる可能性が高くなるはずです。

握力の年齢別平均値を把握することで、全身的な体力指標がどの位置にあるかを知る手がかりとなり、そこから体力維持のプラン立てができることを考えると有用な情報と言えそうです。

握力を鍛える方法

鍛える方法

握力を鍛えるには様々な方法があります。また重量や抵抗(レジスタンス)をどう変化させるかもその効果を左右します。

小さい筋肉の集まりである手指を使うためケガのリスクを抑える知識も必要になるでしょう。

手・指そのものを鍛える

動きの中心は掌と指といった手の部分に集約されます。そのため基本は「握り締める・握り潰す」といったクラッシュ力(破壊する力)とピンチ力(つかむ力)を高めるトレーニングがおすすめです。

昔からあるトレーニング法としてハンドグリップ(またはハンドグリッパー)を利用してみましょう。逆Vの字のような形に一方は親指、もう一方は残りの4本指を添えて握り締める動作を繰り返します。

最近はグリップの柄の部分にすべり止めが付いていたり、指の形に馴染む様な構造になっていたりと様々な工夫が施されているので、ご自身の手にフィットしたものを選ぶと良いでしょう。

強さを好みや筋力に応じて変えることはできないため、購入する際は注意が必要です。といってもひとつ安いものでは200円しないものもありますので、異なる強度の品を取り揃えておいてもいいでしょう。

手首周辺を鍛える

握力は決して手と指の力だけではありません。手首の屈曲力や前腕の屈筋・伸筋といった前腕筋の力が非常に大切なため、身体全体といったトータルで鍛えるトレーニングメニューを作成するべきでっしょう。

その他特異な筋トレグッズとしてはパワーボールもお薦めです。その昔約30年程前は「ダイナビー」という名称でした。蜂の羽音のような音がするということが名前の由来と聞いています。野球ボール程の大きさの両端をカットしたプラスチックケース内に意外に重いボールが内臓されています。

パワーボールはジャイロ(姿勢制御)の原理を応用したトレーニング器具で、中に入っているボールがしっかりとまわせるまでにちょっとしたコツが必要ですが、慣れればかなり有用なトレーニングアイテムとなりそうです。

ボールをしっかり回すことができれば手首周辺や前腕の筋トレ効果としてはかなり有用な筋トレメニューとなるはずでです。こうしたハンドグリップトレーニングやパワーボールトレーニングはその強度より持続性を重視するべきでしょう。筋肉自体が小さいためケガのリスクがあるためです。

手首と前腕部の運動

手首は手のひらと腕とを繋ぐ大切な中継点の役割を担っています。重いものを持ち上げる力を出す源は腕や肩ですがそれを掴んで握る等のホールド力・ピンチ力の発揮場所は指を含めた手全体です。こうした作業は中継基地としての手首が強く強靭でなければ成立しない動作ともいえます。

リストカールは手首の主要動作である屈曲(手のひら側に曲げる動作)と伸展(甲側に反らす動作)能力を高めます。初心者であれば例えば2~3kg程度の軽いダンベルで行うと良いでしょう。

ダンベルを握る手を天井に向け前腕部をベンチにのせた状態で行う屈曲と、甲側を天井に向けた伸展動作を、最初は10回を目安として3セット繰り返してみましょう。手首周囲には比較的小さな筋肉が多いため疲労しやすくなります。ケガをリスクを考慮し最初はゆっくりと動きを慣れさせるつもりで取り組んでみましょう。

腕を鍛える

握力は単に握る力だけで鍛えられることではありません。例えばフリーウエイトを使った筋トレでは全身を鍛えようとすると肩を除けば、ウエイトを持つ荷重点(作用点)は手以外には考えられません。

バーや重りを握る・掴むという作業の中でも(それが重くなればなる程)、握力は自然と増していくのが自然なのです。これが握力が全身の筋肉量と相関があるとされる所以です。握力を強くする、つまり筋トレ効果を最大限に出すためにも前身の筋肉を継続して鍛えるほうがより有効でしょう。

腕力を鍛えるにもダンベルやバーベルは大いに役立つトレーニング器具です。特にベンチプレスやショルダープレス等はより身体の中心に近い部位に効かせることができるため全身運動の一環として定期的に取り入れる必要があります。

自重を用いた腕立て伏せは負荷強度を自由に変えることができない代わりに姿勢維持エクササイズとしても有用です。手・指付近のより小さい筋肉を刺激するには指で身体を支える指立て伏せも是非トライして見ましょう。

自重負荷と言う点では懸垂も非常に有効な方法でしょう。鉄棒は学校や公園等に設置してあるのでウォーキングでウォームアップし懸垂運動といった流れを作れます。本格的な懸垂は無理な方であれば脚を前に出す斜め懸垂をお薦めします。

指立て伏せと同様に姿勢を真っ直ぐに維持する必要があるため体幹の深層筋群への効果も期待されます。

まとめ:握力を強くする

握力逞しさ

握力は男性の優しさや逞しさを象徴するボディパーツのひとつとされ、手に魅力を感じる女性が多く存在します。日常生活の様々な場面でものを掴む・握る、そして維持する等、ある程度の握力は人間の行動能力を高める重要な要素となっています。

握力と全身の筋肉量は高い相関関係にあり、さらに成人病との関係性も指摘されることから、平均以上の握力を維持することはアンチエイジングの点も踏まえ有効とされています。

握力は指と手の握る・掴む力に依存しています。しかし手の力だけでなく、腕や肩さらには身体全体を鍛えることで握力も自然と高まることが予想されます。しっかりとしたトレーニング効果を期待する場合ハンドグリップトレーニング等、専用トレーニンググッズを用いた運動も一考ください。

手・指は日常の様々な場面で使うばかりか人の身体の中で顔と同じように唯一オールシーズン露出している場所でもあります。それだけ人の目に触れる手・指はケアをして適度な刺激(運動等)を与えることで、あなたのさらなる魅力を伝える重要なボディパーツとして主張してくれるに違いありません。

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