男性の体脂肪率は増えやすい?肥満の判定基準や増加の原因、対策方法を紹介!

最近では若い世代でその体型やスタイルを気にかける男性が多くなりまいた。例えばマッチョや太マッチョ・細マッチョ等と様々なメディアで取り上げられることが多くなり「筋肉男子」の社会的立場が向上しています。

一方こうしたスポーツ系男子とは逆にお腹周りや体重、そして体脂肪率を気にかける中高年男性は一層増えています。サラリーマンであればお腹周りはワイシャツからのシルエットが覗けるため見た目の印象がガラリと変わってしまう感が否めません。

このお腹周りについてしまった体脂肪を落としたり、体脂肪率を下げたりするためにはどうしたらいいのでしょう?我々が日常でできることは果して効果があるのでしょうか?

本稿では特に男性の体脂肪率について様々な角度から検証し、体脂肪率を下げるためのちょっとした工夫や無駄な体重を増やさない生活習慣について観ていきます。

当稿を最後までご覧いただければお腹周りがシュッとした程よい筋肉質の“ナイスバディ”な身体を手に入れられるヒントが見つかるはずです。

体脂肪率とは?

体脂肪率

体内に占める脂肪の割合(量)を体脂肪率といいます。率というからには数値は脂肪の割合、つまり体重の内何%が脂肪なのかを示しています。

体脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪に分けられます。体脂肪はどういった物質でどのような特徴があるのかをみていきましょう。

脂肪細胞の特徴

体内にある成分はたんぱく質であろうと炭水化物であろうと各器官に吸収されやすくするために分解されます。脂肪も例外ではなく体内に摂りこまれると合成・分解といった作用を繰り返し蓄積されます。この合成・分解、そして蓄積に関わる細胞が脂肪細胞です。

この細胞内の脂肪蓄積量が増えると肥満となり、体重増加が見込まれます。脂肪細胞は特に乳児期と思春期に増えることが証明されていますが、不規則な生活・過食過飲・寝不足等の環境要因によっても増加します。

白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞

脂肪細胞には2つの種類があります。ひとつは皮下脂肪になりやすい中性脂肪を中心とした白色脂肪細胞です。炭水化物や動物性脂肪を中心として肝臓で作られる中性脂肪(TG:Triglyceride)をエネルギーとして体内に大量に蓄えることができるという特性を持っています。

体内にエネルギーを蓄えやすい白色脂肪細胞に比べ、褐色脂肪細胞は余ったエネルギーを熱として体外に放出する働きがあります。当然褐色脂肪細胞が活性化するほうが太りにくい身体になり体脂肪率を効果的に減らすことが可能です。

細胞の特性を有効利用

脂肪量を減らし体脂肪率を下げるためにはこの褐色脂肪細胞を活性化させることがポイントです。ではどうすればこの褐色脂肪細胞は減らすことができるのでしょうか?

白色脂肪細胞は全身に万遍なくあるのに対し、褐色脂肪細胞はその存在場所が限定されています。特に多いのが肩甲骨周り、脇、首周りといった上背部です。この辺りの部位を積極的に動かすことで褐色脂肪細胞は活性化します。

さらに褐色脂肪細胞は寒さに対応し体温の低下を防ぐ(活性化する)働きがあります。そこで体温より低い水温環境での運動としてスイミングが有効とされます。

スイミングは前進する際、特に腕を連続して大きく搔くという動作にも繋がるため肩甲骨付近をより使いやすくし、結果として脂肪燃焼効率を高めカロリー消費を促進してくれます。

体脂肪率増加の要因

食習慣

体脂肪率はなぜ増えるのでしょう?特に中高年になるとその増加は顕著であり身体が重くなったり関節に痛みが生じるなど明らかな不具合も各所に生じてきます。

体脂肪率増加の原因と付随する問題についてみていきましょう。

食習慣

体重の増加とは体内に摂りこまれるエネルギー量つまり摂取カロリーが、使われるエネルギー量である消費カロリーを上回ってしまう状態を言います。理論上摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れなければ体重の増減はありません。

このバランスに影響を及ぼすのが食習慣と運動習慣です。現代の日本人は特に欧米の食文化が入ってくることで食の内容が大幅に変わってきました。

ファーストフードにより簡単で味が濃く過度の脂肪が含まれた食事が多くを占める割合が増えました。ファーストフードは飽和脂肪酸を大量に含み動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす遠因ともされています。

こうした食習慣の変化と後にあげる運動量の減少により摂取・消費カロリーのバランスが崩れたことで体内に脂肪を蓄積しやすい状況を作りやすくしています。

昨今は精神的・肉体的ストレスを溜め込みやすい社会特性も災いし十分な咀嚼(よく噛む)をしないで食べたり、過度の量を食べる等不安定な食行動も体重増加や高い体脂肪率の原因とされています。

運動習慣

今でこそ国民に運動することのメリットを説いている日本ですがその実、国民の運動習慣は中々根付いていないのが現状です。

平成25年度厚生労働省が実施した「国民健康・栄養調査」によれば運動習慣がある人の割合は男女別でみると男性33.8%、女性27.2%であり、その割合は30代で最も低く、60~70歳以上で初めて男女とも4割を超える程度です。

つまり年齢を経て、あるいは病後に健康に目覚め運動を始めるというケースが最も多く、それだけ運動を習慣にすることは難しいと言わざるを得ません。

筋肉量は運動習慣と大きく関係します。特に大腿筋、お腹の腹直筋、背中にある広背筋、大胸筋といった大きな筋肉は休息時のエネルギー消費である基礎代謝を高め脂肪の燃焼効率をあげる働きがあるため、運動習慣の有無が体脂肪率に大きく関与することは言うまでもありません。

体脂肪率上昇と身体への影響

体脂肪率が高くなることは肥満と直接関係が深く動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・高血圧症・脂質異常症等といった生活習慣病の発症率を高めます。

この内最も影響を受けるのは体内器官の機能不全です。特に動脈硬化は血管内壁に余分なコレステロールや中性脂肪が蓄積することで血管が「硬く・狭く・もろく」なる病変であり、その進行形が心筋梗塞や脳梗塞です。心臓や脳で血管が詰まると人体にとって致命的なダメージを招き社会復帰が非常に難しく場合によっては命に関わります。

糖尿病はすい臓から分泌されるインスリンの働きが弱くなり血糖値が高くなることで体内に様々な合併症を引き起こす病気です。血糖値が高くなる、つまり血液中のブドウ糖が多くなりすぎたため行き場を失って溢れたブドウ糖が細胞を傷つけて様々な合併症を引き起こします。

高血圧や脂質異常症(高脂血症)も肥満を原因として発症する病気です。脂質異常症は血液中の血清脂質値といわれるLDL-コレステロール、中性脂肪が基準値を超える場合をいいます。血清脂質値は脂肪濃度(脂肪の濃さ)を示すため、上限を超える数値は血管を硬く・狭く・脆くする動脈硬化の元凶となります。

肥満の判定基準

リンゴ型肥満

肥満判定の基準をご存知でしょうか?いくつかの計算方法もあり使い方によっては非常に有効なツールとなり得ます。

あなた自身、現在どのくらいに位置するのかを知っておくことで今後の肥満対策や体脂肪率を下げる効果的な手段となることを知っておくべきです。

体脂肪率と男女差

肥満判定にはいくつかの指標がありますが、体脂肪率はおおよそのレベルである男女平均(標準値)が男性で10~19%、女性で20~29%とされています。年齢別にさらに細分化されてもいますが平均値を大幅に上回る(男性25%~、女性30%~)場合は「肥満」と判定されます。

女性は男性に比べ体脂肪は平均で10%弱多い傾向にあります。これはどの年代にもいえることですが女性は比較的皮下脂肪を蓄積しやすくそのため全体的に丸みのある美しいボディラインを呈します。バストやヒップの膨らみからも明らかなように女性らしさを形成する元になるのが女性ホルモン(エストロゲン)です。

一方男性は皮下脂肪より内臓脂肪を蓄積しやすい傾向にあります。蛋白質合成を促し筋肉質の身体を作りやすくする男性ホルモンは、筋肉を動かすためのエネルギー源として内臓脂肪を多く使うため蓄積しやすいとされています。内臓脂肪は腹腔という内臓がしまわれている袋の内部で臓器の間に存在します。

イメージとしてはスーツケース内の荷物の隙間を埋める緩衝剤のような役割で内臓が定位置で動かないようにする役割も担っています。ただ内臓脂肪が一定以上になると生活習慣病のリスクが高まるため過度の蓄積は回避するべきです。内臓脂肪が増えた男性の場合、ウエストを中心としたリンゴのようなポッコリとしたお腹の形(リンゴ型肥満)をしています。

BMI値

肥満判定のベースとなるもう一つの指標がBMI(肥満指数:Body Mass Index)です。計算式は以下の通りでBMIの数値が求められます。

【BMI=体重(kg)/身長(m)/身長(m)】

日本肥満学会の判定基準では「22」を適正値とし、「25」以上を肥満と定義しています。BMIは体重と身長の値からその理想値を割り出したものでありこの値を持って有病率の確率を判定できるものではありません。もしかしたら筋肉質のため「25」を超えている可能性もあります。

従って(特に年齢別を含めた)体脂肪率とBMI値を組み合せ併用することでより肥満度の判定に有用な指標となり得るでしょう。昨今こうした指標は家庭用体重計でもしっかりと表示されるので、定期的に測定することで体重管理の大きなモチベーションともなるはずです。

体脂肪率の抑制対策

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体脂肪に関してその特性を理解したところで、今度は体脂肪率を効果的に抑制する方法を探っていきましょう。抑えておくべきポイントはQOL(生活の質)を高めることです。

どんな方法がありどれが合うのかを検討することで、目的が明確になりあなたに合った対処法がきっと見つかるはずです。

身体を動かす習慣

運動を始めるきっかけは人それぞれですが病気の回復過程で身体を動かす気持ちよさに目覚め楽しくて続いてしまうという人も少なくないでしょう。

仲間とボールゲームを楽しんだりゴルフを定期的に行うのももちろん効果があるでしょう。もし可能であればパートナーと運動やトレーニングにトライすることも楽しいはずです。例えば少し長めに“ハヤアシ”ウォーキングやジョギング等、そうした有酸素運動と筋トレを組み合せたメニューであれば一層の効果を得られます。

筋トレは民間のジムでも地域の公共施設でも変わりありません。大概の種目はできるでしょうしインストラクターに相談すれば筋トレ方法や詳細なメニューを組んでもらうことも可能です。筋肉量を増やすための種目を選ぶことでエネルギー消費を高める効果も期待できます。

腹筋や背筋といった大きな筋肉を鍛えることはもちろん、お腹周り・腰周りの深部にあるインナーマッスルを刺激することも大きなダイエット効果を生む秘訣です。

例えばお腹の中の圧力を高める「ドローイン」は、長くゆっくりした呼吸をつづけることで腹壁を刺激する腹横筋の収縮能力を高め、お腹周りの筋肉を背骨に引き付ける“絞り込み”動作を可能にします。お腹周りをシュッと細く締める効果が絶大な運動です。

適切な食習慣

食べる量や質と時間帯は非常に大切です。基本的には3食をしっかりとることが重要でその中身や量を調節することが賢い食べ方です。また夜から朝までの12時間を食べない時間帯にすればそれだけでカロリーオーバーは比較的簡単に防ぐことができます。

例えば夜の7時に夕食を摂った場合、朝の7時まで時間を空けることで食べ物の消化をスムースに促し基礎代謝による脂肪の燃焼効率を高めてくれます。

こうした12時間の「内臓の休息」も継続して初めて高い効果を発揮するわけで如何に日常生活の一部として同化させるかが体脂肪率を下げる秘訣でしょう。食“習慣”とは行動を習慣化することでその効果が最大となるのです。

さらに食材の持つ自然の味は良く噛むこと(咀嚼)で一層わかりやすくなります。美味しいものの味を五感で味わえるとそれだけで心が豊かになり、ものを観る目や考え方が変わってきます。そうした食行動ってとっても素敵なことではないでしょうか。

ストレスの軽減

現代はストレス社会とも言われます。仕事や家庭での精神的・肉体的負担により知らず知らずのうちにストレスに苛まれることも少なくはないでしょう。ストレスは人の食行動に過度の負担を強いることが様々な研究で示されています。

ストレスによる過食、夜間の暴飲暴食、日常的な間食など多くの場合、知らず知らずのうちに誤った食行動を呈する場合が少なくありません。多くはストレスの原因となる問題を解決することでそうした“食の悪循環”も解決するはずです。

もしあなた自身で解決できないような問題であれば専門家(精神科医や臨床心理士等)に相談してみるのも良い方法かもしれません。問題を誰かに話すこと、話を聞いてもらうだけでも心が落ち着き、自分とは違った視点や考え方で新たな解決方法が見つかることもあります。

また自律神経の働きを安定させることから軽度な運動等も試してみましょう。さらに瞑想等で長くゆっくりした呼吸を心掛けることで自分を見つめ直す時間ともなります。不規則だった生活習慣をすこしでも改善するだけでストレスは徐々にではありますが減っていき食行動も安定するはずです。

セルフチェック

“習慣”とは毎日、あるいは定期的に無意識的に続けられる行動です。歯磨きと同じように毎日の生活に取り入れることができれば、その健康的な好循環があなたの日常生活に少しずつ変化をもたらすでしょう。

一昔前、体重計とかヘルスメーターと呼ばれていた体重を測る道具、今では(デジタル)体組成計という名前に進化しました。体脂肪率やBMI値だけでなく内臓脂肪レベル・皮下脂肪率・基礎代謝・骨格筋率・体年齢等が一瞬にしてわかります。

全てを把握する必要はありませんが「体重・体脂肪率・BMI値」等を常に頭の片隅に置いておくことで、過飲食行動のコントロールや運動のモチベーションとして利用できるでしょう。

こうしたセルフチェックは楽しめること・興味を持つこと・気持ちいいことの感覚があれば毎日続けることが可能です。まずはあなた自身が持つ興味や気持ちよさと関連づけた行動習慣を見つけてみましょう。自ずと継続できる秘訣が足元に転がっているかもしれません。

まとめ

運動習慣

身体の構成成分の内、脂肪の割合を示したものが体脂肪率です。脂肪は脂肪細胞によって体内で合成・分解・蓄積を繰り返します。体内に占める脂肪の割合がある一定以上に増えると「肥満」と判定されます。

肥満は四肢の関節にダメージを及ぼすだけでなく、身体の各組織を傷つけ血管を硬く・狭く・脆くして動脈硬化を促進します。生活習慣に起因するこうした病変から様々な疾患へ移行する生活習慣病は肥満がその元凶とされています。

体重、体脂肪率、そしてBMI値を併用しあなたの自身のコンディションを毎日チェックしてみてはいかがでしょう。そうした指標を簡単に測定できる体組成計がお手頃価格で手に入れやすい環境もあり、セルフチェックの重要性は徐々に高まりつつあります。

日々の生活でストレスを軽減することも大切です。軽度の運動や筋トレダイエット、さらに瞑想等の呼吸法により自律神経を安定させることで精神的・肉体的ストレスを回避し充実したQOL(生活の質)に貢献することが可能です。

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