突然、過去の嫌なことを思い出して「うわぁぁぁぁぁぁぁ」となることがありますよね。記憶というのはおかしなもので、覚えていなければならないことは忘れてしまうのに、さっさと忘れてしまいたいことはいつまでも覚えています。
嫌なことは早く忘れてしまう方が精神的に良いとわかっていても、なかなか忘れられません。でも、大丈夫です。日常のちょっとした工夫で記憶をコントロールできます。
嫌なことを早く忘れる方法についてお伝えしますね。
なぜ嫌なことを忘れられないの?
だれにでも嫌な記憶がありますよね。思い出したくもない嫌な出来事や恐怖体験などは、早く忘れてしまいたいものです。
それなのに、ミスや失敗をして周囲の人たちから責められ記憶・頭の中が真っ白になるほど怒ったこと・恋愛が破綻した悲しみや恨みなど、忘れたいことほどよく覚えています。
[人間の脳は嫌なことほど強く記憶する]
人間の脳は面白い働きをします。脳は、楽しいこと嬉しいことのようなポジィティブな感情よりも、辛い・悲しい・苦しい・怖い・怒りなどのネガティブな感情を生理的に強く記憶します。嫌なことほど強く記憶するを特徴があります。
生存本能・防衛本能が働いて強く記憶する
恐怖感や不安感などの感情は、しばしば生命の危機をともなう可能性があります。高速道路で交通事故に遭った記憶や海で溺れかけた記憶などは、いつまでも忘れられません。再び危険な目に遭わないように警戒する生存本能が働いて、強く記憶されるからです。
大失敗して窮地に陥ったり人から裏切られたりして心が傷つくと、二度と傷つかないように防衛本能が働きます。怒りや悲しみなどのネガティブな感情をともなう嫌なことが忘れられない理由は、人間の防衛本能です。心が傷つかないように警戒する心理が働いて、嫌なことを強く記憶します。
納得しないこと・未解決なことほど強く記憶する
ある出来事があった時、その結末に自分が納得できなかったり結末がうやむやになったりすると、未解決なこととして記憶されます。未解決なことは、心がスッキリしませんから嫌なネガティブな感情をともないます。そのため、強く記憶されます。
仕事の失敗を自分の責任にされた時、そのことを納得できないと、いつまでも忘れられなくなります。未解決の出来事は解決方法を探して、何度も繰り返し思い出します。
[記憶のメカニズム]
脳には優れた忘却機能があり、本来忘れっぽくできています。人間は忘れっぽいから生きていられるのかもしれません。
記憶には、数分間から1日で消える短期記憶・1週間から1ヶ月しか保たない中期記憶・1ヶ月以上残る長期記憶があります。嫌なことは長期記憶になる傾向があります。
エピソード記憶は長期間保存される
エピソード記憶とはストーリーになっている記憶です。最初があって最後がある一連のストーリーで、怒り・悲しみ・嫉み・恐怖などのネガティブな感情と結びついています。ネガティブな感情と結びついたエピソードは、実に鮮明に現実のように思い出すことができます。ふとした時に、エピソード記憶は感情とともに思い出されます。
不条理な理由で叱られたなど納得のいかないエピソード記憶や自分の中では未解決のエピソード記憶は、何度も何度も繰り返して思い出す「グルグル記憶」になる可能性があります。「納得がいかない」「未解決」な嫌なことで心が傷ついたため、二度と傷つきたくないという防衛本能が働きます。「グルグル記憶」で何度も思い出し、警戒心を高めます。
反復することで記憶は強化される
記憶は何度も何度も繰り返されることで強化・固定されます。
人間の脳は、学習能力のあるバイオ・コンピューターと考えられます。情報伝達や記憶の再現の役割を担うのが、神経細胞ニューロンです。ニューロンはシナプスという接続部でつながりネットワークを築いています。
記憶を再現する時には、ニューロンに微弱な電気が流れます。何度も反復して記憶されると、電気が流れる度にネットワークのつながりが強くなります。繰り返して再現される記憶は思い出しやすくなり、思い出す度にシナプスのつながりが強化されます。
思い出すことが多いほど忘れられなくなる
嫌なことはグルグル記憶になって反復して思い出すので、脳のネットワークが強化されます。嫌なことを思い出すほど忘れられなくなります。
思い出さなければ、脳のネットワークは切断される
漢字を覚える時に何度も繰り返して書くのは、脳のネットワークを強化するためです。でも、漢字を書かないでいると脳の回路が切断されてしまい、書き方を思い出せなくなります。
嫌なことを思い出さないようにすれば、脳のネットワーク回路が切断されて思い出さなくなります。忘れることができます。
[嫌なことを忘れないと、どうなるの?]
嫌なことが忘れられないで頭にこびりついていると、その時に体験したネガティブな感情も一緒について廻ります。毎日の生活をネガティブな感情を持ったまま送ることになるので、だんだん思考のパターンがマイナス思考・ネガティブ思考に陥る可能性があります。ミスや失敗した経験が忘れられず、自分に自信を失い消極的になる人も少なくありません。
嫌なことが忘れられないために精神的なストレスが大きくなり、理性を失ったり仕事が手につかなくなったりします。そのためにミスや失敗をするようになり、嫌な記憶が積み重なっていきます。嫌な記憶に悩み、ますます落ち込んだ気分になります。
うつ症状やPTSDになることもある
嫌なことはトラウマ(心の傷)になります。嫌なことが忘れられないために嫌な経験が積み重なると、うつ症状になる可能性があります。嫌なことで心が大きく傷つくと、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になる可能性もあります。
男性より女性の方がうつ病を発症しやすい
女性は男性よりも「特定の嫌なことばかり思い出す」傾向が強く、「グルグル記憶」や「反すう思考」に陥りやすいのです。そのため、嫌なことが忘れられずにうつ病を発症するのは、女性の方が多くなります。
嫌なことを無意識に閉じ込めてしまう
人間には「思い出したくない嫌な記憶・受け入れられない不快な感情・自分で認めたくない自分の気持ち」を意識の層から排除して、無意識(潜在意識)の層に閉じ込めてしまおうとする防衛機能があります。
嫌なことを忘れてしまいたいという心理が強く働くと、記憶がスッポリ消えてしまう「解離性健忘」になることがあります。
嫌なことを忘れるには、どうしたらいい?
人間は生きるために嫌なことを忘れないようにします。でも、嫌なことを忘れられないために悩みが大きくなり、人生が辛く苦しくなる可能性もあります。嫌なことはさっさと忘れてしまう方が、人生に再挑戦できます。
嫌なことを忘れる方法は、嫌なことを思い出さないようにすることです。嫌な記憶を消すことはできませんが、思い出さないようにすることはできます。脳のネットワークを切断して、思い出しにくくすればいいのです。思い出さないことが、嫌な記憶の消し方になります。
①嫌なことは思い出さないようにする
「嫌なことを思い出さない」ことが忘れるポイントです。嫌なことを思い出す時、多くの人はフルカラーの映画を見ているようにエピソードを再現します。嫌なことを経験した時の感情が尾ひれをつけてよみがえります。脳の中でこんな不快な映画を見る必要は全くありません。
嫌な記憶はゴミにして捨てる
嫌な記憶の映画が始まりそうになったら、嫌なことを小さく丸めてゴミ箱に捨てるイメージを思い浮かべます。あるいは木の葉や小さな舟に乗せて川に流すイメージを描きます。映画が始まってしまったら、フルカラーを白黒にしたり映像をぼかしたりして小さく丸めてゴミにします。ゴミを遠くに放り投げるか水に流すかのイメージをを思い浮かべます。
嫌な記憶をゴミにして捨てたら、頭の中に好きな音楽を流して歌います。実際に声に出して歌うのも効果があります。
抑圧された記憶は忘れられる
精神分析学者のフロイトは「嫌な記憶を無意識へ追いやってしまうことで、忘れることができる」と言っています。嫌な記憶を無意識(潜在意識)へ追いやる過程を「抑圧」といいます。
嫌なことを思い出しそうになったら、記憶をゴミ箱に捨てるイメージを思い浮かべたり他の楽しいことを考えたりして、とにかく思い出さないようにします。思い出さないことで脳のネットワーク回路を切断します。
②嫌な記憶を新しい楽しい情報に入れ替える
嫌なことを忘れるには、古い嫌な記憶を新しい楽しい情報に入れ替えます。新しい楽しい情報をできるだけ多く脳にインプットします。
新しい情報を考えている時は、嫌なことを思い出しません。次々に新しい情報を脳に与えると、嫌なことを思い出すネットワークが切断されるようになります。
打ち込めるものを見つけて、忙しくする
新しい情報をどんどんインプットするためには、仕事でも趣味でも勉強でも何か興味のあることを見つけて打ち込むようにします。忙しく活動していると、そのことばかり考えて嫌なことを思い出す暇がなくなります。
脳を遣って忙しくする
単純作業をしていると嫌なことを思い出すことがありますから、できるだけ脳を遣って忙しくすることをオススメします。失恋した女性が仕事に専念するのは、正しい方法です。仕事で大失敗した記憶が忘れられない人は、配置転換や転職などをして新しい環境で忙しく活動するようにします。新しい仕事の知識やスキルアップのことで、頭がいっぱいになるようにします。仕事に関係のない趣味や遊びのグループで活躍するのも良い方法です。気分転換の旅行の企画を立てたりすると、先のことが楽しみでそのことばかり考えるようになります。
ポジィティブ体験を多くする
ポジィティブな体験・ポジティブな活動とは積極的で楽しい経験です。先が明るく見える仕事に打ち込んだりスキルや知識の向上を周囲の人たちから評価されたり、親しい友達とイベントや気分転換の旅行で盛り上がったりする体験です。
ポジィティブな体験はネガティブな体験に比較して記憶されにくいものです。ポジィティブな情報をネガティブな記憶と入れ替えるためには、ポジィティブな情報を多くするしか方法がありません。ポジィティブな体験をできるだけ多くするようにして、頭の中をポジィティブな新しい情報でいっぱいにします。
③人と会話する
家族・友人・会社の仕事仲間(同僚・先輩・上司)など、だれとでも会話するようにします。人と会話すると、相手からいろいろな新しい情報が入ってきます。話題は新しい情報と関連性のあることを中心にします。新しい情報と古い嫌な記憶を置き換えることができます。
だれとでも会話することが多くなると、新しい良好な人間関係を築けます。新しい人間関係は新しいポジィティブな情報を増やします。新しい情報と楽しい会話で、嫌なことが忘れやすくなります。
会話をすると幸せホルモンが分泌される
人と会話をすると、脳内に神経伝達物質のを一つであるエンドルフィンが分泌されます。特に親しい相手と会話すると、エンドルフィンが多く生じます。エンドルフィンは幸せホルモン・脳内麻薬と呼ばれ、多幸感を与えて「なんとなく心地がいい」気分にします。親しい相手と会話を交わすことでストレスが解消がされます。
繰り返してグチをこぼすのはNG
嫌なことをだれかに話して聞いてもらうと、気持ちがスッキリする可能性があります。溜まっていた感情を吐き出すことで、ストレスが解消されます。しかし、何度も何度も多くの人に繰り返してグチをこぼすと、その度に記憶が反復されて脳内のネットワークの結びつきが強くなります。嫌なことが思い出しやすくなり、いつまでも忘れられません。
④ポジィティブな気持ちで十分な睡眠をとる
人間の記憶は睡眠中に定着します。睡眠は脳の記憶のニューロンネットワークの接続を強化します。新しく学習した知識や新しく得た情報は、睡眠中に固定され強化されます。睡眠は、短期記憶を長期記憶に変える重要なステップです。
就眠前にはできるだけ楽しいポジティブな新しい情報を数多くインプットして、睡眠中に長期記憶として固定させます。
夜はマイナス思考になりやすい
夜はマイナス思考になりやすい時間帯です。ベッドに入ると嫌なことが思い出されて、眠れなくなる人が少なくありません。「眠れなければ、起きていよう」くらいに気楽に考えて、嫌なことを思い出しそうになったらゴミにして捨てるようにイメージします。
寝る時はできるだけ楽しいことを考える
ベッドに入ったら、できるだけ楽しいことや嬉しいことを考えるようにします。これは中村天風氏の言葉です。楽しくなること嬉しくなることを考えながら眠るようにします。
早寝早起きをする
生活習慣を早寝早起きに切り替えます。朝早く起きる習慣をつけると、夜は自然に眠くなります。運動をして体を疲れさせると、嫌なことを思い出す暇もなく、眠ってしまいます。
早起きして朝陽を浴びると、幸福ホルモンの一つであるセロトニンの分泌が増えます。セロトニンは精神を安定させて、イライラや不安を鎮めます。体内時計を調整して良質な睡眠を十分に取れるようにします。新しいポジィティブな情報が固定・強化しやすくなります。
⑤嫌なことを文章に書く
嫌なことを文章で記録すると記憶が強化されるように思われますが、逆です。嫌なことを文章に書くことによって、忘れやすくなります。
エピソード記憶と意味記憶
記憶には、エピソード記憶と意味記憶があります。エピソード記憶は具体的で、意味記憶は抽象的です。エピソード記憶は類似の体験が多くなるにつれて個々の区別がつかなくなります。そのうちに抽象化されて意味記憶になります。
初めてデートをした時は男女とも大いに興奮しますが、回数を重ねて日常的な習慣になると興奮が薄れます。お互いの関係を大事にしていても、個々のデートが区別できなくなります。「デート」という一括りの意味になり、感情をともなわないようになります。
具体的で感情をともなうエピソード記憶は強く記憶されますが、意味記憶は感情をともなわない抽象的なものなので精神的な負担が少なくなります。年を取ると忘れっぽくなる原因の一つは、エピソード記憶が抽象化して意味記憶に変わっていくためです。
文章に書くと抽象化できる
嫌な具体的な出来事や体験の内容を文章で記録すると、エピソード記憶が意味記憶に変わります。言葉で表記することで、抽象度が高くなります。抽象化すると感情をともなわなくなりますから、機械的に対処する方法に気がつきます。
「かわいそうな私」を創作すると逆効果
嫌なことを文章にまとめる時に、話を具体的にふくらまして「かわいそうな自分」を創作するとエピソードとして記憶されます。体験した感情も増幅されます。「かわいそうな自分」を創作すると益々気分が落ち込み、逆効果です。
嫌なことを忘れるには性格を変える
傷つきやすい性格の人は、嫌な記憶が次々に増えていきます。一つの記憶を抑圧しても、嫌な出来事がどんどん増えていけば、抑圧しきれなくなります。頭の中は嫌なことでいっぱいになってしまいます。
嫌なことを忘れるには、自分の性格を見直して改善するのが良い方法です。ストレスに耐える力を身につけ、少しのことでは傷つかない強い心になると、嫌なことを忘れやすくなります。
①どんな嫌なことも時が必ず癒してくれる
どんなに悲しいことでも辛いことでも、必ず時が癒してくれます。人間の脳には優れた忘却機能があるので、どんなに嫌な記憶でも時間が経つにつれて薄れていきます。
次々に起きる嫌なことを忘れられないで苦しんでいる人は、「時間は最良の忘れ薬」であることをしっかり覚えておくようにします。「心の傷は必ず時が癒してくれる」と信じて、楽観的に考えます。
②自分自身を受け入れて自己肯定感を強くする
嫌なことが忘れられない人は、他者や自分自身を非難したり攻撃したりする思考の癖があります。自分で自分を非難し攻撃して、自分自身の心を傷つけます。心の傷が嫌なことの記憶を強化固定します。
そこで、まず自分自身を受け入れて自己肯定感を強くします。「自己肯定感」とは「自分は大事な価値のある存在だ」と思うポジィティブな心の状態です。自尊心を高く持ちます。長所も短所もひっくるめたありのままの自分を受け入れます。
自己肯定するポジィティブな言葉を声に出して言う
「私は常に努力している」「私は思いやりがある」など、ポジィティブな言葉を声に出して言います。鏡を見ながら、自分に話しかけます。ポジィティブな言葉を声に出すと、会話をしている時と同様にエンドルフィンの分泌が増えます。毎朝毎晩、声に出して言う習慣をつけるだけで、ストレスが解消され心が強くなります。続けるうちに、効果に気づきます。
ネガティブな言葉は避けて、ポジィティブな言葉だけを選ぶ
「多くの人に好かれたい」「努力する人間になろう」というのは、今は「みんなに嫌われている」「努力していない」という状況を表しています。ネガティブな言葉が裏に潜んでいます。今の自分を肯定するポジィティブな表現を選ぶようにします。
過去を手放す
嫌なことは過去のことです。過去はすでに終わってしまったのですから、「もう済んだことだよ」「もう終わってしまったことだよ」と自分に言ってあげます。「過ぎたことにクヨクヨしない」と、鏡の中の自分に声を出して言います。
納得のいかないことや未解決のことがあっても、もう過ぎたことです。「まっ、いいか」と自分に言って、過去のことにこだわらないようにします。世の中は不条理なことが多いと諦めて、過去と決別します。
自分で自分を弁護する
嫌なことがあった時や嫌なことを思い出した時は、自分自身を非難したり責めたりしたくなります。でも、自分の最大の味方は自分自身です。自分の非や責任を認めはしても、「自分はダメな人間だ」と決めつける癖はやめます。視点を変えて自分自身を肯定し、自分で自分を弁護して護るようにします。
③新しい対人関係を学ぶ
恋人や配偶者・親友・ビジネスのパートナーなど、人生の道連れと言える親しい人との関係が破綻することは、とても悲しく辛いことです。心が大きく傷つきます。特に恋人や配偶者(夫または妻)との別離はとても嫌なことです。何度も繰り返し思い出し、忘れられません。
人生のチャンスは何度もある
破綻した人間関係をいつまでも嘆いていると、気持ちが落ち込んで不幸になるばかりです。視点を変えて過去の失敗から学び、新しい対人関係の築き方を見つけるようにします。人生のチャンスは一度きりではありません。チャンスは何度でも訪れます。次のチャンスを捕らえて、人生に再挑戦するようにします。新しいより良好な対人関係を築きます。
④ポジィティブ思考・プラス思考にする
心が傷つきやすく嫌なことを忘れられない人の思考のパターンは、ネガティブ思考・マイナス思考です。思考のパターンをポジィティブ思考・プラス思考に切り替えて、どんなことでも前向きに受け止めるようにします。前向きに考えるようにすると、嫌なことにも良い面があることに気がつきます。「嫌な経験だったが、おかげで○○できるようになった」と考えれば、嫌な記憶が良い記憶に変わります。
まとめ 嫌なことを思い出さなければ忘れられる
人間の記憶は不思議な働きをします。楽しいことや嬉しいことよりも嫌なことを強く記憶する傾向があります。それは、嫌なことには生命の危機や人生の窮地に立つなどの重大な危険をともなう可能性があるため、生存本能や防衛本能が働くからです。嫌なことはネガティブな感情と結びつき、再び同じ目に遭わないように警戒するために記憶が強化固定されます。
嫌なことは強く記憶されるので、繰り返して思い出します。繰り返し思い出すと、脳のニューロンネットワークのつながりが強くなり、ますます思い出しやすく忘れにくくなります。
しかし、脳には優れた忘却機能があります。思い出さないでいると、ニューロンネットワークが切断され忘れてしまいます。嫌なことを忘れる方法は、嫌なことを思い出さないことです。
嫌なことを思い出しそうになったら、嫌な記憶をゴミにして投げ捨てるイメージを脳内に描きます。他の楽しいこと嬉しいことを思い浮かべます。何か興味のある仕事や勉強や趣味に打ち込んで脳を遣い、できるだけ多くの新しい楽しい情報をインプットして嫌な記憶を無意識へ追いやるようにします。頭の中を新しい楽しい情報でいっぱいにして、嫌なことを思い出さないようにします。
ありのままの自分を受け入れて、自己肯定感や自尊心を強くします。ポジィティブ思考プラス思考にして、少しのことで心が傷つかないように自分を強くします。
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