自分の事を引っ込み思案な性格と思っている人は、その性格をコンレプックスに感じてしまう事も少なくありません。デメリットだと思い込んでしまうと、自分に自信がなくなって人見知りをしたり、自分の中に籠もってしまいます。
しかし、どんな物事にも両面あるように引っ込み思案な性格も損なことばかりではありません。ここでは、引っ込み思案な性格の特徴から克服方法まで詳しくご紹介します。
引っ込み思案について
皆さんは、引っ込み思案な性格と聞くとどんな印象を持ちますか?自分に自信が持てずに何かと行動を躊躇するイメージを持っていませんか。
このような印象が強いからこそ、デメリットになる事をたくさん思いついてしまいますが、メリットもたくさんあります。ここでは、引っ込み思案とは何か、またメリットやデメリットについてご紹介します。
引っ込み思案とは?
「引っ込み思案」という用語の意味を辞書で調べてみると・・・
内気で、積極的に人前に出たり自分から行動を起こしたりすることができないこと。また、そのような性格や、そのさま。「引っ込み思案な(の)青年」「引っ込み思案で友達がなかなかできない」
参照:コトバンク
このように引っ込み思案な性格であることで仕事や恋愛が上手くいかないと悩みを抱えてしまう人も少なくありません。特に大人数が集まる場所で自分の存在が周りに気付かれないよう、目立たないように言動しがちです。周囲から注目を浴びることに恥ずかしさや恐れ、嫌悪感を抱いています。
なるべく目だないようにする為、服装も派手なものは好まず地味なものばかりを選びます。色は黒、白、グレー、茶色などの単色で誰でも似合うような無難な色を選び、流行に流されないシンプルなものを着ます。その為、周りから「あの人は地味だね」と思われている事が多いです。
引っ込み思案な人は、なるべく目立たない言動を心がけていますが、この状態を本当に望んでいるわけではありません。楽しいや心地よいといった感覚は持っていなく、素直な感情をだしたり周囲から認められたいという欲求を抱えています。その為、このような性格を変えたいと思っている人も少なくないのです。
病気の可能性?
極度の引っ込み思案な性格の人は、社会不安障害という精神病の可能性もあります。この社会不安障害に共通する点は、引っ込み思案の目立ちたがり屋という点です。人前に出ると緊張して赤面したり、他人からの視線が怖くなったりします。
動悸や下痢、発汗、パニック発作などが起こり対人関係を避けるようになります。こうなると、日常生活に大きな影響を及ぼすの認知行動療法などの治療が必要になってきます。
引っ込み思案の心理
引っ込み思案の人は「ちゃんとしないといけない」という心理を持っています。真面目で失敗を必要以上に恐れ、失敗が頭をチラつき行動に移すことが出来ません。
自分を出すことを恐れ自分を出せないでいますが、このような自分はダメだと思っている傾向にあります。自分を否定し続けると、いつまで経っても自信をつける事は出来ません。引っ込み思案を改善したいのであれば、自分自身を受け入れて少しずつ自分に自信をつけていくことが重要です。
引っ込み思案の性格の短所と長所
引っ込み思案というと、マイナスのイメージを抱く人が多いと思います。しかし、物事は視点を変えるとプラスな面も必ずあります。例えば、引っ込み事案という言葉は「大人しい、温厚な性格」などと言い換える事もできます。ここでは、引っ込み思案である長所と短所を理解していきましょう。
短所
引っ込み思案である事の短所はハッキリと自分の意見を言えないことで、人との距離を縮めるのが難しくなります。その為、恋愛においては異性とするのが苦手で、周りから奥手な人だと思われています。恋愛において引っ込み思案な性格は女性の場合は「草食系女子」、男性の場合は「草食系男子」と呼ばれます。反対に積極的な人を肉食系女子や肉食系男子と呼びます。
恋愛に対して消極的な態度な人は、 周りが動き出すきっかけを作り出すことができず、恋愛が上手く発展しないケースも多いです。また、仕事面においても会社の重要な会議で活躍の場を見つけることができず、上司や取引先とも距離を縮めることが難しいと感じる事も少なくありません。
どんな仕事でもコミュニケーションは重要ではありますが、特に営業職やサービス業などの専門職に関してはコミュニケーションが下手であると、職に就く事が困難になる可能性が高いです。
■主な短所
- コミュニケーションが苦手で友達が作れない
- 積極性に欠ける為、メンドクサイと思われる事がある
- チャンスを逃す
- 恋愛が上手く発展しない
長所
内向的で真面目であるからこそ、人から信用されやすいというのは最大のメリットです。例えば、社交的な人と内向的な人が取引について話した場合、口数は圧倒的に差が出ます。
社交的な人の方が口数も多く、色んな話をしますが一方で内向的な人のほうは真面目で一言一言に言葉の重みが加わります。ミスを恐れているからこそ慎重になり、必要最低限のシンプルな情報を相手に渡す事ができるのです。
■主な長所
- 慎重で思案深い
- 真面目
- 聞き上手
- 人から信頼を得やすい
- 他人の言動を観察できる
- リスクマネージメントが得意
引っ込み思案な性格の特徴
自分では引っ込み思案と思っていても、意外と思い込みだったという事もあります。また、実際に引っ込み思案であったとしても、性格の特徴を知る事は自分の性格と向き合ったり克服する方法を知る手がかりになります。
引っ込み思案とはどんな性格の特徴があるのか、こちらでご紹介します。
自分から話しかける事が少ない
引っ込み思案な人は、自分から話をかける事が少ない傾向にあります。「こんな発言したら、おかしいと思われてしまうかもしれない」「こんな事言ったら相手を傷つけてしまうのではないか」などと相手の反応を過剰に気にしてます。
色々と頭の中で考えを巡らせているうちに、話かけるタイミングを逃してしまいます。また、考えているうちに話題が違う話へと変わっていく為、相手の話を聞いているだけで精一杯になる事も多いです。
周りの人は「この人は大人しい人だから無理して話題を振るのはよした方がいい」と判断される事も多くあります。こうなると、話しかけられる回数も減り、人とコミュニケーションを取る機会も減りコミュニケーション下手になっていきます。
自分に自信がない
引っ込み思案な人は自分に自信がありません。自信がない人は思う事があったとしても「自分が言う必要はない」などと考えて、発言を控えてしまいます。日本人の多くは、謙虚である事を美徳と考えています。しかし、多くの人が否定する事が謙虚だと思い込み、自分を否定し始めます。
自分を否定してくと、いつまで経っても自分に自信を持つことが出来なくなります。他にも経験不足であったり、人と比べてしまったりするタイプの人も自分に自信がなくなる原因となります。
自信がない人は、自分の周りは自信がある人が多いと思ってしまう傾向にあります。自分で勝手に思い込んでしまうことで、自信を失う原因を作り出している事もあるのです。自分に自信が持てない原因を追究して、自分に少しずつ自信をつけると引っ込み思案な性格も克服することが出来るようになります。
考え方がネガティブ
引っ込み思案な人は、ネガティブ思考です。何かをする時も「上手くいかないだろうな」や「失敗しそうだから、止めておいた方がいい」などと物事をネガティブに考えてしまいます。
私達の頭の中は、何か物事を考えるたびに瞬間的にイメージが浮かんできます。この事を自動思考と呼び、引っ込み思案な人は何かをしようとすると「自分がやっても意味ない」など自動思考が常にネガティブです。ネガティブな考え方を持っていると、新しい事に臆病になり何も挑戦できなくなってしまいます。
失敗を恐れていると、何もする事が出来なくなります。何かをする時に一瞬ネガティブな気持ちがよぎったよしても、失敗の事ばかりを考えるのではなく、成功するにはどうしたらいいか考え方を変えることが重要です。
目立たないように行動する
引っ込み思案な人は極力目立たないようにすることを心がけています。自分に自信がなかったり、周りの反応を気にしてしまう為、他人と目を合わせることが苦手な人が多いです。また、人の事を気にしてしまう事をストレスに感じてしまう為、なるべく人と関わらないようにしようと考え始めます。
このように、人との係わり合いをなるべく避けようとしているので、仕事場ではリーダーシップを取る事を苦手とし、いつも誰かのサポートをしています。また、週末は誰かと外に出かけるよりも、家に一人で過ごす方が好きな傾向にあります。
引っ込み思案になる原因
自分は引っ込み思案だと思っている方は、どうしてこのような性格になったのか原因を知っていますか?引っ込み事案はマイナスな事ばかりではありませんが、克服したいと考えている人も多くいます。原因を探ることはより効果的な克服方法が見つける手がかりでもあります。
こちらで引っ込み思案になった原因について探っていきましょう。
家庭環境に問題があった
引っ込み思案になる原因の多くは、家庭環境に問題がある事で生まれます。例えば、親に否定的な言葉ばかりを投げかけられ、何をしても褒めてもらった事がない人は自信がつけられずに引っ込み思案な性格になります。
「○○しちゃダメ」などと否定や罰則的な言葉が多い環境で育つと、自分の言動に対して自信が持てずにビクビクするようになります。自信がつけられないまま大人になってしまい、周りの事を気にして自分の感情を押し殺そうとする思考が身についてしまいます。
「愛情が注がれなかった」や「否定されてきた」という理由以外にも親が何でもやってしまう環境も問題があります。子供に最後までやらせるのではなく、母親が代わりになんでもやってしまうと「母親に頼れば何でも全てが上手くいく」と思ってしまい自分を表現する事を止めてしまいます。自分を表現しなくなる事で、周りからは引っ込み思案だと捉えられてしまいます。
いじめられた経験がある
学校や職場でいじめられた経験がある事も自分に自信がなくなったり、人を信用できなくなる原因になります。ほとんどのいじめは理不尽なものが多く、本人は悪いことをしていないのにいじめられてしまいます。
いじめられている本人は「自分が何か悪いことをしたのかもしれない」と自分が悪いと思ってしまいがちです。自分が悪いと否定的な思考を持ったり「こんな事をしたら、またいじめられるかもしれない」といじめられた時のことを無意識のうちに思い出して周りを気にしすぎるようになります。
恥をかいた事がトラウマ
何かをした事で、思いがけずに周りから笑われたことがある経験をした場合も、引っ込み思案の性格を作る原因となります。自分が面白いことを言ったわけでもないのに、周りから笑われてしまうと「恥ずかしい」や「失敗した」という気持ちが生まれます。
周りは悪意を持って笑ったわけではなくても、このような経験をすると自分の言動に気をつけるようになります。恥をかくことを恐れたり、周りから笑われないようにと周りを気にし始めるきっかけになります。このようなタイプの人は、冗談でも真面目に受け取ってしまう傾向にあります。
引っ込み思案の克服方法
仕事、恋愛、友人関係など人間関係を上手に構築するにはコミュニケーション力をつける事がとても役に立ちます。コミュニケーション能力を付けたいが為に、引っ込み思案を克服したいと考える人も少なくありません。ここでは、引っ込み思案を克服する方法についてご紹介します。
シンプルに話を進める
引っ込み思案な人は「自分の思いを上手く伝えられない」と考えている人が多いです。周りの反応を気にしてしまう為、自分の思いをハッキリと伝えることが出来ないのです。色々と言いたい事や言い方を頭の中で考えると、的の外れた意見を言ってしまうことも少なくありません。そうなってしまうと「変な事を言ってしまった」と恥をかいて余計に意見が言いづらくなってきます。
まずは、相手がどう考えるかよりも自分の意見をシンプルに言えるようにしていきましょう。自分の思う事を結論から話すように心がけることで、言いたいポイントをシンプルに相手に伝えることが出来ます。簡潔に相手に伝えることで、言葉数が少なくても自分の思いを伝えることが出来るようになります。
メリットを考える
引っ込み思案な人は、引っ込み思案である事がダメだと思いがちです。しかし、引っ込み思案である事でもメリットはあります。例えば、相手の話を真剣に聞くことが出来るタイプは、相手の信頼を得やすい傾向にあります。また他人の言動をよく観察することもでき、リスクマネージメントが得意とも言えます。
このような部分をメリットとして考えて、いい部分を伸ばすように心がける事も重要です。自分が短所だと思う点にどうしても目が向いてしまいがちですが、短所を気にするのではなく長所に目を向けるようにしましょう。長所に目を向けることで思考も次第にポジティブ思考へと変わっていきます。また、メリットと考えることで、少しずつ自信が持てるようになり自分の意見を言えるようにもなります。
得意な事を作る
引っ込み思案な人は自己肯定感が低いのが特徴の1つです。その為、自分に自信をつけていく事がとても重要です。自分に自信をつけるには、得意な分野を作ることが近道です。一つでも「これは得意」と言えるものを作るようにしましょう。
その時に、他人と比べてしまうと「他人に比べたらまだまだで得意とはいえないかもしれない」などとネガティブな思考になってしまいます。まずは他人と比べることを止めて自分が「これをやっている時間が好きだ」と思うものを伸ばすの事が得意なものを見つけるコツです。
好きなものを磨いていけるように工夫をして、得意なものへと変えていきましょう。例えば、料理が好きな人は毎日家で料理を作るようにしたり、料理教室に通い始めて新しい事に少しずつ挑戦していきましょう。好きこそ物の上手なれということわざもあるように、好きな事は続けているとすぐに上達していきます。「上達しているな」と感じる事で自分に自信をつけられるようになります。
外見を変える
引っ込み思案な性格の人はなるべく目立たないようにしようと、見た目にも表れてしまいます。服装だけでなく、いつも下を向いていたり、声が小さかったり、笑顔が少なかったりします。これらを一気に改善するのは難しいので、1つずつ集中して改善していくようにしましょう。
例えば、表情がないのを改善したい場合は、笑顔を多くしようと決めて練習をしましょう。笑顔を意識することで次第にあなた自身の雰囲気も変わっていきます。
自分を褒める
自分に自信がない人は、自分を褒めることから始めてみましょう。何かをして失敗した時「やっぱり私はできない」と落ち込んでしまいがちです。他人と比べるとキリがなく、自信が持てない原因になります。
しかし、昨日の自分と比べてどうだったのか見てみましょう。新しい事に挑戦したという事は、過去の自分と比べて少なからず成長しているはずです。過去の自分と比べてみてみると、新しい事に挑戦した自分に対して褒めることができるはずです。
このように、自分の事を褒めるようにして、ポジティブな言葉を自分にかけることで思考がポジティブに変わっていったり、自信を持てるようになってきます。
おわりに
引っ込み思案な性格であると恋愛に奥手になったり職場でもサポート役ばかりで、このような生活に不満に感じる事も少なくありません。
引っ込み思案な性格を変えたいと思っている方は、こちらで紹介した克服方法を参考に少しずつ自分に自信をつけていくようにしていきましょう。