寝る前の食事を止めた方が良い理由とは?食べるなら何がいい?

寝る前に食事を取ると太りやすいという話、ダイエットに敏感な女子であれば聞いたことあるのではないでしょうか。また、寝ている間には、1日の約3分の1のカロリーを消費するとも言われています。このように睡眠とダイエットには深い関係がある為、睡眠の質を高めることがダイエットにも繋がります。

質の高い睡眠を取るには、どのような食事方法に気をつけるべきか。ここでは、寝る前の食事が与える影響や対処法について詳しくご紹介します。

寝る前の食事について

sleepingbaby

寝る前に食事を取るという行為は、何となくいいイメージではないと思います。確かに、寝る前に食事をすることは、睡眠を妨げることに繋がります。

ここでは、人にとって睡眠とは何か、睡眠のメカニズムと効果についてご紹介します。

睡眠とは?

人は睡眠を取らないと、脳や体に大きな影響を及ぼします。私達は疲れを感じた時、体を動かさなければ意識的に身体を休ませることが出来ますが、脳は休ませることは出来ません。睡眠は、脳を休ませ回復させる時間でもあります。その為、質の高い睡眠が取れると、体と脳を回復することが出来ます。

睡眠を取らないと、集中力がなくなったり、イライラしはじめます。不眠状態を継続すると記憶力の低下や単純な計算ですら出来なくなります。アメリカの高校生が264時間眠らなかった記録がありますが、断眠3日目で記憶力の低下が現れました。

動物実験では不眠状態を取り続けると、死に至るというデータがあり、人間も同様に不眠状態を取り続けると、死に繋がると考えられています。また、睡眠中には成長ホルモンが分泌され脂肪を燃焼したり、寝ている間に大量のカロリーが消費される為、質の高い睡眠を取ることは美容やダイエット面でも重要な行為です。

睡眠のメカニズムと効果

人は入眠するとレム睡眠とノンレム睡眠と呼ばれる2つの睡眠状態を交互に行います。この2つの睡眠を繰り返す長さは1回につき90分程度です。入眠してから、5分~20分で、ノンレム睡眠を60分~80分、レム睡眠を10分~30分ほど行います。8時間睡眠の場合、寝てから朝目覚めるまで、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に行う事を5~6回ほど繰り返します。この2つの睡眠を交互に行うことが質の高い睡眠と呼ばれています。

レム睡眠

レム睡眠とは眠りの浅い睡眠のことで、体は眠っているのに、脳は活発に動いている状態の眠りです。レム睡眠の特徴は下記のようなものが挙げられます。

  • 急速眼球運動が見られる
  • 体が休んでいる状態で脳は活発に動いている
  • 身体を保つ筋肉の緊張がほとんどなくなる、筋肉の疲労回復
  • 物音ですぐに目覚めやすく、トイレで起きる
  • 複雑な夢を見る、内容を覚えている
  • 記憶の処理、学習、消去などの情報処理を行う
  • 金縛りにあいやすい
  • この時期に人を起すと目覚めが悪い
  • レム睡眠の時間は10分~30分程度

ノンレム睡眠

ノンレム睡眠は、深い眠りのことで、体も脳も休んでいる状態です。脳を休ませる為には、ノンレム睡眠をきちんと取ることが重要です。このノンレム睡眠がとれないと、脳が回復することが出来ずに、朝起きた時に「眠った感じがしなくて、疲れている」「朝起きるのがつらい」などの症状を感じます。

また、成長ホルモンが分泌されることで脂肪燃焼が出来るため、ノンレム睡眠の状態を作り出すことが、自分で簡単に出来るダイエット法とも言えます。ノンレム睡眠の特徴は下記の通りです。

  • 眠りが深く、体も脳も休んでいる状態、脳と身体の疲労回復
  • 体を支える筋肉は動いている
  • 単純な夢を見る、内容は覚えていない
  • 成長ホルモンの分泌、カロリー消費
  • 体温低下
  • ストレス解消
  • 免疫増強作用
  • この時期に人を起すと目覚めが悪い
  • ノンレム睡眠の時間は60分~80分程度

就寝前に食べるとダメな理由

belly

就寝前に物を食べると、ダメというのはどこかの記事で見たことあるかもしれません。それでは、なぜダメなのか知っていますか?

健康面だけでなく、美容面でも寝る前の食事がダメな理由があります。ここでは寝る前に食事をとってはいけない理由についてご紹介します。

寝る前に食べると太りやすい

寝る前に食べると太りやすくなる。美容意識が高い女性の方であれば、こんな話一度は聞いたことあると思います。仕事で帰るのが遅くなって、夕飯の時間が寝る前になっている人もいるかもしれません。

しかし、寝る前に食事をとると、確かに太りやすくなります。

カロリーが消費されない

人は寝ている間も体温を維持したり、生命活動維持に重要な臓器を動かしています。生命活動維持に必要な代謝行為を基礎代謝と呼びます。この基礎代謝を行うにあたり、ほとんどの臓器は中性脂肪が分解され血液に溶け込んだものを使用しますが、脳は糖分(グルコース)と呼ばれる別のエネルギーを使用します。

血糖値が低くなると、体内ではグルコガンというホルモン分泌を行い、中性脂肪を分解し中性脂肪を体に取り込むのを抑えます。通常起きている時は、血糖値が低くなると脳の働きが悪くなる為、「エネルギー補給をしろ」という命令が脳からでてお腹がすくようになります。

しかし、寝ている間は、血糖値が下がっていても、グルコガンが分泌されて空腹感を覚えることがなく、中性脂肪をどんどんと消費してくれます。一方で、糖や炭水化物などの食事をとり、血糖値が高くなった際には、体の中ではインスリンというホルモンが分泌され、中性脂肪の分解を抑制し、中性脂肪を体の中に取り込みます。

その為、寝る前に食べてしまうと血糖値が高いまま入眠することになります。寝ている間に、インスリンのホルモンが分泌され、中性脂肪を体に取り込みはじめ、脂肪の分解の妨げになります。このようにして、寝る前に食べてしまうと、中性脂肪を体に蓄えてしまい太りやすくなります。

モチリンの分泌減少

寝ている間にも腸は蠕動運動を行い、便を作っています。便を作る際に、十二指腸からは、モチリンという消化ホルモンが分泌されます。このモチリンは、腸内の老廃物を、肛門の方へ移動させる働きがあります。このモチリンが分泌される条件は、胃の中が6時間以上空腹であることやリラックスした状態であることです。

その為、寝る前に食べてしまうことで、胃の空腹時間を6時間以上にすることが出来なくなり、腸の働きを悪くしたり、便秘を引き起こします。老廃物が溜まることで、腹部膨張感、冷え、痩せにくい体質をつくるだけでなく、便秘になることで肌荒れの原因にもなります。

睡眠不足

寝る前に食事をすると、睡眠の質が下がり、朝起きた時に「十分に寝たはずなのに、疲れが取れない」「スッキリしない」など感じます。お腹いっぱいになると、血液が胃の方に集中して頭がボーッとして眠気が襲います。このまま寝てしまうと幸せな気もしますが、残念ながら疲れが回復できない原因になってしまいます。

寝る前の食事が睡眠を妨げる原因は2つあります。1つ目は食事を取って、寝るとベッドの上で体が水平の状態になり、消化活動を困難にします。胃腸の動きが鈍くなり、消化不良をおこして胃腸にダメージを与えます。

2つ目は睡眠は体を休めるはずが、消化器官を動かす必要があるため、回復に集中することができません。特に、消化に時間のかかるものは、睡眠の妨げになります。たんぱく質、繊維質、脂肪質が多いものは、消化に時間がかかるため、寝る前は避けることをオススメします。

肌トラブル

寝る前に食事をすることは、美容面でも良くありません。ノンレム睡眠中には成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンは肌細胞を作り出すホルモンで、日中に受けた肌のダメージの修復を行います。その為、別名で若返りホルモンとも呼ばれています。

深い眠りが出来ていない、質の悪い睡眠では成長ホルモンを分泌することが出来ません。寝る前の食事は、質の低い睡眠を引き起こし、肌にも大きく影響します。寝る前に食事を取ってしまうと、肌が受けたダメージを修復することができずに、肌荒れを起こします。

寝つきが悪い

人は眠りに付く時に、メラトニンという睡眠を促すホルモンを分泌します。このホルモンは起きてから14時間~16時間後に分泌されます。このホルモンが分泌されると深部温度が低下して、眠気を感じる仕組みになっています。

このように、人は寝る時に温度を下げて眠りにはいります。通常21時以降にホルモンが分泌されて眠る準備を行いますが、食事をとってしまうと胃腸が動き体温が上がります。体温が上がった状態では眠りにつくことが出来ずに寝つきが悪い状態が発生します。

寝る1時間前にお風呂に入るといいと言われる理由も深部温度が関係しています。お風呂からあがると体が温かい状態ですが、1時間後には温度も下がって行きます。このように体温が下がるのを利用して上手く眠りにつけるようになります。

寝る前にオススメな食べ物とNGな食べ物

bananas

「仕事が終わるのが遅くて夕飯が食べれなかった」「お腹がすいて眠れない」など、食べないと眠れないほどの空腹感を感じた場合、我慢せずに食べましょう。しかし、消化の悪いものを食べると、消化に時間がかかり、質の高い睡眠を取ることが出来ません。このような状態になると、翌朝も疲れが残るだけでなく太りやすくなります。

その為、なるべく睡眠に悪影響を与えない食事を取りましょう。ここでは、ダイエット方法も兼ねた寝る前に空腹を感じた場合に摂取するべき食材やドリンク類、NGな物についてご紹介します。

寝る前にオススメの食べ物

寝る前にオススメの食べ物のポイントは消化にいいものです。消化にいい食べ物の条件は、胃に留まる時間が短く、胃腸を荒らさない、食物繊維が少ないものです。これらの条件にあう食べ物で、寝る前にオススメな食べ物は、バナナやホットミルク、スープなどです。

これらを取り入れて空腹感をなくしましょう。温かくして摂取することで、消化や吸収を早めたり、体温が低くなる状態で眠りにつきやすくなる効果が期待できます。これらの食品で満腹感が得られない場合は、おかゆやうどんを食べましょう。

バナナ

バナナは1本あたり84カロリーの低カロリーで栄養価と満腹感のある食べ物です。また、バナナに含まれているアルギニンは、成長ホルモンを活性化させる作用があります。成長ホルモンは体脂肪を燃やしたり、肌のダメージを修復するなど老化防止の効果があります。その為、ダイエットを意識されている方は寝る前バナナがオススメです。

アルギニンは朝起きた時、運動前、寝る前の取ることで、効果が期待できるといわれています。バナナは熟している方が消化に良いため、黒くシミがついているバナナを選びましょう。バナナ1本の消化時間は1時間~1時間半です。

しかし、ミキサーなどでジュース状にすると20分ほどで消化されます。寝る前はミキサーでジュース状にしてホットミルクと混ぜて飲む方法をオススメします。

ホットミルク

牛乳には、トリプトファンやカルシウムが含まれており、これらの成分は鎮静効果や安眠効果があります。

温かくして摂取することで消化や吸収率も高まるだけでなく、眠りにつきやすくなります。満腹感が欲しい方はバナナジュースにしたり、バナナを一緒に食べるのがオススメです。

スープ

消化にいい食べ物の代表としてスープがあります。眠りに着く前にスープを飲んで、体を温めて1時間ほど経過することで、眠りにつきやすい効果もあります。

ダイエットを意識している方は、コンポタージュスープなどの高カロリーのものを避け、コンソメスープや和風スープ、味噌汁などの低カロリーのものを選びましょう。

寝る前にNGな食べ物

寝る前にNGな食べ物は、消化に悪い食べ物です。消化に悪い食べ物は、たんぱく質、繊維質、脂肪質が多いものです。これらは、胃に留まる時間が長く消化に時間がかかるため、睡眠に集中することが出来ません。

また、血糖値を緩やかに上昇させる効果があるので、血糖値が高いままでは深い眠りにつくことが出来ない状態が作られます。消化の悪い食べ物は、個人差がありますが、6時間ほど消化に時間がかかるといわれています。消化に悪い食べ物を夕飯に摂取しないことが一番いいですが、現実的でない方が多いと思うので、最低でも4時間前には夕食を終えましょう。

糖分の多い物

糖分の多い食べ物や飲み物は血糖値を上げるため、眠りの妨げになります。ケーキやクッキーなどのお菓子だけでなく、炭酸飲料なども糖度が高いです。

炭酸飲料は糖度が高いだけでなく、ガスが発生して胃酸が逆流する場合もあるので、寝る前は避けましょう。

辛い物

辛い食べ物は胃酸を多く作り出します。辛いものは胃腸に負担をかけ、胸焼けや不快感の原因になり眠りを妨げる場合があります。

脂肪分の多い物

揚げ物、アイスクリームや生クリームなどは脂肪分を多く含み、消化に時間がかかります。更に、冷たいものは消化、吸収を悪くします。

牛乳やヨーグルトなど低脂肪のものを少量摂取する分には問題ありませんが、寝る前に食べる場合は、温かくして消化吸収にいい状態で摂取されることをオススメします。

たんぱく質の多い物

消化の悪い食べ物にタンパク質の多い食べ物が挙げられます。例えば、赤みの肉は高タンパクなだけでなく、脂肪分も多いので、消化しにくいです。

このような高タンパクな食品は、寝る直前に摂取するのは控えましょう。

食物繊維の多い物

食物繊維が多いものは消化するのに時間がかかります。ダイエットしている方は食物繊維を多く取るべきという話を聞いたことがあると思います。食物繊維は、腸内環境を整える作用がある為、積極的にとるべきです。

しかし、寝る前に摂取するのはオススメできませんので、寝る4時間前には夕飯を終えましょう。

カフェインの入ったもの

カフェインは利尿作用や覚醒作用があります。これを寝る前に摂取してしまうと、夜中にトイレにいきたくなったり、眠りを妨げる原因になります。夕飯を早めに済ました場合に摂取する分には問題ありませんが、寝る前4時間以上は避けることをオススメします。

カフェインの入った飲み物は、コーヒーだけでなく紅茶や緑茶、お茶、コーラ、栄養ドリンク、ココアなどやチョコレートなどの食べ物にも含まれています。

おわりに

「仕事が遅くに終わって、夕飯が遅くなってしまった」場合や「空腹で眠れない」などの場合、我慢せずに食事を取りましょう。しかし、寝る前の食事の内容によっては、睡眠の妨げになり、睡眠不足や肌トラブル、太りやすいなどの悪影響を及ぼします。

寝る前は4時間以上前には夕飯を食べ終わる生活が理想的ですが、どうしても就寝前に食べる場合は、消化にいい食べ物を摂取しましょう。質の高い睡眠を取ることで成長ホルモンの分泌が行われ、脂肪燃焼が期待出来ます。ダイエットをしている方は、特に質の高い睡眠を取ることを心がけ、寝る前の食べ物に注意しましょう。

関連記事として、

寝る前の牛乳は太るって本当?効果や成分、効果的な飲み方を知ろう!

寝る前のコーヒーは良くない?どうしても飲みたい時の対処方法は?

寝る前にオススメの飲み物7選!ダイエット効果や疲労回復に!

これらの記事を読んでおきましょう。

  
/* */
  
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする