私たちが日ごろから親しんでいる緑茶。熱くても冷やしてもおいしく、一年を通して楽しめますよね。食後やほっと一息つきたい時、仕事中など、様々な場面で飲みたくなってしまいます。
カロリーもなく、一般的に「緑茶は体に良い」というイメージが強いので、ついつい飲み過ぎてしまうこともあるのではないでしょうか。今回は、緑茶が体にもたらす効果・効能と、飲用にあたって注意することをご紹介します。
緑茶の主な成分
緑茶にはどんな成分が含まれているのでしょう?
カテキン
緑茶の代表的な成分といえばカテキンです。聞いたことがある人も多いかと思います。お茶の独特な「渋み」は、主にこのカテキンによって形成されています。
カフェイン
コーヒーなどと同様に、緑茶にもカフェインが含まれています。眠気覚ましなどの効果があることで有名な成分ですが、緑茶に「苦味」を出す成分でもあります。
テアニン
アミノ酸の一つであるテアニンですが、こちらは緑茶に「うま味」をもたらす成分となります。緑茶にはその他にもアスパラギン酸、グルタミン酸など様々なアミノ酸が含まれています。
ビタミン
実は緑茶にはビタミンも含まれています。主なものとして、ビタミンC、ビタミンB2、葉酸、ビタミンEなどです。特にビタミンCはレモンの3~5倍の含有量と言われており、酸味がないのに少し意外ですよね。
その他にも、ミネラルやフッ素、サポニン、クロロフィルなどの成分が含まれています。
緑茶が体に良い理由
それではどうして緑茶は体に良いと言われているのでしょうか。体にもたらす効果とその理由を幾つかまとめました。
殺菌効果
緑茶に含まれる「カテキン」には、強い殺菌効果があります。大腸菌O-157が猛威をふるった際にも、緑茶が最も効果的であることが発表されました。
その他にもよく耳にするヘリコバクター・ピロリ菌や、食中毒の原因となるサルモネラ菌、インフルエンザやロタウイルスといったウイルスに対しても作用します。意外なところでは、水虫を引き起こす白癬菌にも効果があるとか。
また、口中の食べカスによる細菌の繁殖を防いでくれる為、食後に緑茶を飲むことで口臭予防の期待ができます。
美容効果
食品に含まれる「ビタミンC」は、熱を加えることで壊れてしまうものが多いのですが、なんと緑茶のビタミンCは熱に強く、熱湯で淹れても壊れにくいという素晴らしい特性があります。
ビタミンCといえば美肌には欠かせない成分ですよね。シミ・ソバカスの原因となるメラニン色素の沈着を防ぐ作用や、肌のハリや弾力に必要なコラーゲンを形成する作用などがあります。
また、緑茶に含まれる「タンニン」には脂肪分解作用があり、緑茶自体もノンカロリーであることから、ダイエット効果も期待できます。普段ジュースを飲んでいる人は、ぜひ緑茶に変えてみてくださいね。
血管、血圧への効果
脳出血や脳梗塞、動脈硬化、心筋梗塞など、あらゆる重大な病気を引き起こす大きな原因となるのが高血圧です。
緑茶に含まれる「カテキン」には、血圧の上昇を防いだり降圧させる効果が認められており、高血圧に非常に効果的であると言われています。
また、善玉コレステロールを増やす働きもあり、これにより動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果もあります。
リラックス効果
耳にしたことがある人も多いと思いますが、うま味成分である「テアニン」には、リラックス効果があると言われています。
女性にとっては月経前症候群(PMS)によるイライラや不安感等の症状緩和にも効果が期待できるようです。
休憩やほっと一息つきたい時に緑茶を飲むというのは理にかなっているんですね。
二日酔い予防効果
居酒屋でお酒を飲んだ最後にお店からお茶が出されることがありますが、これはぜひ飲むことをおすすめします。
なぜなら緑茶に含まれる「ビタミンC」にはアルコール(アセトアルデヒド)の分解能力を高める作用があり、「カフェイン」には利尿作用がある為、アルコールを排出するのに役立ちます。
という訳でお酒を飲む前後に緑茶を飲むことによって、翌日のつらい二日酔いを予防する効果があるのです。
注意したい緑茶の飲み方
このように体に良い効果がいっぱいの緑茶ですが、健康的に摂取する為に注意したいこともあります。
飲みすぎに注意
『コーヒー中毒』という言葉を聞いたことはありませんか。これはコーヒーに含まれる「カフェイン」によるものですが、実は緑茶に含まれるカフェインでも同様に中毒や依存を引き起こす可能性があるのです。
日常的に摂り過ぎている場合、飲まないと落ち着かない、イライラするといった禁断症状がでることもあります。
また、脂肪分解作用が成分としてあげた「タンニン」ですが、鉄分の吸収を妨げてしまう作用もある為、貧血の人は注意する必要があります。特に食後はその作用が強くなる為、できるだけ食後1時間はあけた方が良いかも知れません。
ただし、いずれも飲み過ぎの場合です。成人の1日に摂取する量としては、5~8杯ほどは問題ないとのことですので、たくさん飲んでいるなと感じたら少し薄めに淹れるなどして調整すると良いでしょう。
飲み合わせやタイミングに注意
先に挙げたように緑茶には「カフェイン」が含まれている為、コーヒーや紅茶と一緒に飲む(例えば緑茶を飲んだあとにコーヒーを飲む、等)といったことで、カフェインの過剰摂取となる恐れがあります。
中毒や依存の他にもカフェインを多く摂取することで、リラックス効果のあるテアニンの作用が弱まってしまう為、リラックスしたい時や安眠したい時は特に控えた方が良いでしょう。
また、血圧を低下させる効果があることを書きましたが、実際に病院で高血圧の治療中で血圧降下剤などの薬を服用している人は、念のため薬との併用は避けた方が良いようです。
茶葉の腐敗に注意
『宵越しのお茶は飲むな』という言い伝えがあります。その理由は、茶葉を使用するごとに殺菌作用のある「カテキン」が流出してしまい、カテキンが無くなった茶葉は腐りやすくなります。一煎淹れただけだとしても、時間の経過とともにカテキンが酸化して「タンニン」という物質に変化し、消化不良を起こして吐き気や下痢といった症状が現れる場合があります。
また、茶葉に含まれるたんぱく質が腐敗を起こし、食中毒の原因ともなってしまうようです。
せっかく健康に良い緑茶を飲んでいるのに、体に害のある成分にしてしまうのは避けたいものです。できれば一、二煎淹れた後は新しい茶葉に変え、常に新鮮な茶葉で淹れるようにしましょう。
ペットボトルの緑茶
気軽に飲める為とても便利で人気の高いペットボトルの緑茶ですが、大抵の商品ラベルには原材料名に「ビタミンC」と書かれているのをご存じですか?
緑茶にはビタミンCが含まれていることは書きましたが、ペットボトルに含まれているこのビタミンCというのは、実は酸化防止剤と呼ばれるいわゆる添加物でして、本来緑茶に含まれるビタミンCとは別物です。
ビタミンCの他に、緑茶であるにも関わらず香料や着色料が含まれているものもあります。
このような添加物は、過剰摂取することで発がん性やアレルギー症状が現れる場合がありますので、少量であれば問題ありませんが、毎日飲むものとしてはやはり急須で入れた緑茶が良いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。飲みすぎや時間がたったお茶を飲むことで幾つかの弊害が起こることがありますが、それさえ気を付ければほぼデメリットや副作用はなく、体と心の健康に緑茶は大きな効果をもたらすことが分かりました。
風邪予防やアンチエイジングなど、毎日手軽にできる健康つくりのひとつとして緑茶を飲む習慣を取り入れたいものです。
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