精巣上体炎とは?症状や原因、治療法を紹介!慢性と急性で変わってくる?

精巣というのは、男性の体の中で、非常に大切な働きをする場所です。日常のふとした場面で、たとえば排尿時に痛みを感じたり、陰嚢にかゆみを感じたりすることはありませんか?

そうした小さな違和感が、精巣上体炎のサインです。普段はなかなか意識することはありませんが、非常に身近な器官ですから、違和感があると気になりますし、ましてや痛みが出れば不安になってしまいますよね。

では、精巣上体炎とは一体何なのか、詳しく見ていきましょう。

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精巣上体炎とは

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精巣上体炎は、いわゆる男性生殖器の疾患です。陰嚢内に痛みが出るのが特徴で、精巣上体炎以外にも、精巣炎や精巣捻転など、比較的急激に症状が出る疾患をまとめて「急性陰嚢症」と呼ぶこともあります。

精巣上体とは、精巣の横にある小さな器官です。精巣で作られた精子は精巣上体を通って精管へ向かい、そこで精嚢腺と前立腺と合流して、精液とともに尿道から出ていくのが「射精」の仕組みです。

精巣上体炎は、これとは逆に、尿の中にあった細菌が精巣上体へ入り込むことで炎症を起こし、引き起こされます。精巣上体炎の特徴は、症状が緩やかで気づきにくい点だと言えます。そのため初期に発見できず、症状が重くなってしまう場合もあります。

また、急性の精巣上体炎が慢性化すると、男性の不妊症の原因になるため、放っておくと危険です。

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精巣上体炎の原因

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精巣上体炎と言っても、急性のものと慢性のものがあり、それぞれ原因が違います。では、それぞれについてご紹介します。

急性精巣上体炎の原因

急性精巣上体炎は細菌nいよって引き起こされますが、実は通常、尿道内に細菌はいません。ではどうして細菌が侵入するのかと言うと、前立腺肥大症や尿道狭窄、膀胱結石などの疾患によって発症すると言います。こうした疾患を持っていると、尿が汚れた状態になり、細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまうのです。ただし、前立腺肥大症や膀胱結石などは高齢者に多くみられ、その原因菌は大腸菌がほとんどのようです。

しかし若年層では別の疾患が原因となっています。その疾患とは、尿道炎という性病の1つです。尿道炎はクラミジアや淋菌といったウイルスが原因ですが、こうした原因菌が精巣上体にまで入り込むことで、急性精巣上縁を引き起こすというわけですね。また、こうした細菌が尿道カテーテルを経由して入り込んでくる場合もあります。

慢性精巣上体炎の原因

慢性精巣上体炎は中年層に多く見られ、大腸菌やクラミジアを原因とする急性精巣上体炎をきっかけとして発症するケースが多いようです。

また、高齢者の場合には、先ほどご紹介した通り、前立腺肥大症や暴行結石、尿道狭窄などが原因となり引き起こされます。若年層の場合は、性行為をきっかけとして細菌感染し、急性精巣上体炎を放置しておいたことで、慢性化するケースがあります。

また、慢性化のリスクとして、肺結核を経験した人は、すでに慢性精巣上体炎になっている可能性が高いとも言われています。結核菌を原因とした、結核性の精巣上体炎の場合、検査をしても細菌が検出されないため、非常に厄介です。手術によって摘出後、再送上体を確認して初めて、結核菌が発見されることもあるようですが、慢性精巣上体炎の場合、急性精巣上体炎と違って原因菌を絞りにくいという特徴があります。はっきりとした原因菌が元となって発症する急性精巣上体炎とは異なり、炎症が長引くことによって引き起こされるためです。

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精巣上体炎の症状

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次に精巣上体炎の症状ですが、こちらも急性と慢性では症状の出方が違います。

痛みは急性の方がはっきりと出やすいと言います。

急性性上体炎の症状

急性精巣上体炎の症状としては、痛みと熱があります。

痛み

症状の出方としてはまず、陰嚢に軽い痛みが現れます。陰嚢と言っても、詳しく言えば精巣上体の一部に痛みが出ている状態です。

この段階では、精巣自体が痛むように感じられるようです。この時点では軽い痛み程度ですが、症状が進行すると、はっきりと痛みに変わっていきます。その後、痛みは陰嚢全体に広がり、痛みが増すと比例して陰嚢が腫れあがります。炎症が精管全体に広がると、痛みの範囲はさらに広がり、鼠蹊部や下腹部にも現れてきます。

腫れている部分を押すなどして圧迫すると強み痛みがあり、時として38℃くらいの熱が出ることもあるようです、症状がさらに進行して悪化すると、陰嚢に膿が溜まり、破れて膿が出てくることもあります。場合によっては陰嚢を切開しなくてはなりません。

発熱

急性精巣上体炎では、特に高熱が出た場合にはリスクが高くなります。発生頻度は低いですが、太ももやお尻の方にまで感染が拡大する場合もあり、非常に危険です。

中でも糖尿病を患っていたり、ステロイドを服用している人は要注意です。免疫力が低下しているため、感染が陰部の広範囲に広がり、「フルニエ壊疽」という疾患を引き起こす場合もあります。フルニエ壊疽は、1度発症すると重症になり、命の危険もある怖い病気です。

慢性精巣上体炎の症状

慢性精巣上体炎の場合、急性精巣上体炎とは異なり、はっきりとした自覚症状があります。軽いものではありますが、陰嚢内部で痛みが続く程度のものですが、慢性化によって痛みや腫れが急激に悪化することがよくあり、これを繰り返すのが特徴です。

また、細菌感染が原因の場合には陰嚢部に軽い痛みや不快感などが現れますが、急性精巣上体炎のような高熱や、激しい痛みが出るケースはあまりないようです。なお、結核菌が原因の場合には、軽い鈍痛と合わせて、精巣上体が数珠状に腫れ上がり、触ると硬いのが特徴です。

急性精巣上体炎と慢性精巣上体炎は何が違う?

症状が非常によく似ている急性と慢性の精巣上体炎ですが、その違いとは一体なんでしょうか。

大きく分けると、急性では痛みや違和感などを感じやすく、慢性ではあまり症状が強く出ません。また、急性なので安静にしたり、抗生剤などによる投薬治療を行うことで、症状が改善しやすいのも特徴です。急性場合、その症状が現れるのはおよそ6週間未満だとも言われています。

一方、慢性の場合は陰嚢内の違和感や鈍い痛みなどが6週間以上続きます。また、急性が細菌性の炎症であるのに比べ、慢性は炎症が続くことが原因のため、抗消炎薬を用いた治療を長期間行う必要があります。

やはり慢性化してしまうとそれだけ治療にも時間がかかりますから、まずは慢性化させないことが大切です、もちろん、結核などによる炎症が原因で慢性化してしまうこともありますが、少なくとも急性精巣上体炎からの慢性化は、早期治療で防ぐことができます。違和感を覚えたら、早めに行動を取るようにしましょう。

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精巣上体炎の検査方法

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では、精巣上体炎と診断するためには、どうしたらよいのでしょうか?急性と慢性では少しちがいますので、それぞれについてご紹介しましょう。

急性精巣上体炎の検査

急性精巣上体炎の場合は、血液検査と尿検査を行います。血液検査では炎症状態を調べ、尿検査では血中の白血球や細菌を検出します。若年層の場合にはクラミジアの可能性もあるため、同じく尿検査で確認します。細菌の種類が特定できれば、どの抗生物質が有効か絞り込むことができますが、細菌が検出されないこともしばしばあると言います。

また、画像検査では、判断の難しい精索捻転(せいさくねんてん)症や精巣腫瘍(せいそうしゅよう)との区別をつけることも非常に重要です。

精索捻転(せいさくねんてん)症とは

精索捻転症とは、腹部と精巣をつなぐ精索という器官がねじれている状態です。この精索は紐状をしており、精巣に出入りしている血管と精管があります。精索がねじれると精巣に血液が送られなくなるため、激しい痛みが現れない、さらに悪化すると精巣が壊死していまうという、怖い病気です

この精索捻転症は新生児期と思春期に多く見られますが、新生児期には精巣が陰嚢にしっかり固定されていおらず、回転しやすくなっていることが原因です。また、思春期に起きる原因としては、第二次性徴に伴いといって精巣の重量が増えるものの、それを支える周辺組織が未発達であることが原因と言われています。

精索捻転症は、血液検査や尿検査で感染症を疑うような異常が出ていないかを調べます。また、大きな特徴として、陰嚢を持ち上げた時に痛みが強くなる、プレーン兆候が見られます。これは陰嚢を持ち上げると痛みが和らぐ精巣上体炎とは異なるため、判断材料として使われますが、必ずしもはっきりと区別がつけられるものではないようです。

より診断を確実にするものとしては、ドプラー超音波検査によって血液の流れがあるかどうかを確認する方法があります。血流が確認できなければ、精索捻転症である可能性がより高くなるというわけですね。

精巣腫瘍(せいそうしゅよう)とは

精巣腫瘍は、精巣にできる腫瘍のことを言います。この腫瘍はいわゆるがんと言われる悪性腫瘍であることが多いため、早期発見・早期治療をすることが非常に大切です。

10万人に1~2人という、非常に珍しい病気ですが、発症する年代は15~35歳くらいの若い層に多く、この年齢層で発症するがんの中では最も多いものと言えます。

詳しくは、精巣腫瘍の症状や原因、生存率を知ろう!検査方法や治療方法はなに?を参考にしてください。

早期発見が重要

精巣腫瘍のはっきりとした原因はまだ分かっていませんが、停留精巣と言い、精巣が陰嚢内にきちんと降りきっていない状態では、がんになるリスクが高いようです。この他、精巣の発育不全もリスクを高めます。

精巣腫瘍は痛みや熱が出ないため、なかなか気づきません。しかし、精巣の一部が硬くなっていたり、全体的に腫れてくると、ようやく気づくことができます。精巣や陰茎などは、部位的に恥ずかしさがあり、少しくらい気になってもなかなか受診しにくいかも知れません。しかし。放っておけばそれだけリスクが高くなり、助かる可能性が低くなるということを念頭に置きましょう。羞恥心を捨てて、早い段階できちんと医師の判断を仰ぐことが治療のカギです。

病気がかなり進行すると咳が出たり胸が苦しくなったりという症状が現れますが、その頃になってようやく病院へ行くのでは、治療が一層困難になります。また、痛みが出ないから重病ではない、とも限りませんので、自己判断をせず、きちんと受診するようにしましょう。

精巣腫瘍の場合は、泌尿器科の医師が触診しただけで、たいていは判断がつくと言います。しかし場合によっては判断が難しいこともあるため、超音波で腫瘍の内部を検査したり、中身が詰まっているかどうかを調べる検査方法も用いられます。

精巣腫瘍と判断された場合には。早急に精巣と腫瘍を取り除く必要があるため、早めに手術を受けることが必要となります。治療法の進歩により、昔と比べれば緊急性は下がりましたが、急激に悪化することを考慮し、治療は早めに行うことをオススメします。

転移のリスクも

また、精巣腫瘍で気を付けるべきことに、他の臓器への転移があります。特に肺やリンパ節には転移しやすいため、精巣の摘出と合わせて調べておく必要があります。放置してしまうと命の危険にかかわりますから、非常にリスクの高い病気なのです。

検査方法にはCTやアイソトープを使ったものがあり、近年では治療法も進歩しているため、きちんと治療を受ければ、9割の人が完治するようになりました。他の臓器への転移が見つかった人でも、7~8割の人は治っているので、適切な処置をきちんと受けることが大切です。

ただし、がんが進行するとそれだけ治療は難しくなりますから、少しでもおかしいと感じたら、早い段階で医療機関を受診するようにしましょう。

慢性精巣上体炎の検査

慢性精巣上体炎の場合、検査方法はやはり血液検査と尿検査で、細菌の検出や白血球の数、尿の濁り具合を確認します。

尿検査で尿から細菌が検出された場合には、尿路感染症や性感染症が疑われます。また、尿から細菌が検出されない場合には、結核菌による感染を原因として考えるため、同じく尿内から結核菌が検出されるかどうかを確認してきます。

また、慢性尿路感染や前立腺肥大症を引き起こしている場合には、腎臓や膀胱、前立腺などといった、他器官に対しても検査を行います。

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精巣上体炎の治療法は?

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では、精巣上体炎になったら、どのようにして治療すればよいのでしょうか。

急性と慢性で治療方法は異なるため、それぞれ見ていきます。

急性精巣上体炎のち療法

急性精巣上体炎の場合には、基本的に抗生剤や抗生物質使った治療法が有効です。

使用する抗生剤は、ユナシンなどのペニシリン系や、セフゾンなどのセフェム系、クラビットなどのニューキノロン系を使用することが多いようです。こうした抗生剤を服用しつつ、陰嚢を冷やし、安静にしておきます。ここで言う安静とは、スポーツを避ける程度で問題ありません。また、サポーターなどを使って陰嚢を持ち上げる(挙上)と、症状が軽くなります。

ただし、発熱など、全身に症状が見られる場合には、入院し、安静にした上で、消炎鎮痛剤を投与します。加えて、点滴による治療も必要になりますので、現れている症状によって対処方はやや異なることを頭に入れておきましょう。

急性期の発熱を伴う炎症は、およそ1~2週間で治まっていきますが、精巣上体にできた腫れや鈍痛はすぐには消えず、数ヶ月続くこともあるようです。また、精巣上体にできてしまったしこりは消えずに残ることが多く、初期にきちんと治療をしないと悪化することもあるため危険です。

慢性精巣上体炎の治療

慢性精巣上体炎の場合、まずは原因が細菌感染によるものなのかどうかを判断します。その上で、抗炎症薬や抗菌薬を使用して様子を見ます。

しかし、抗生剤を使用した治療を続けても効果が得られない場合には、精巣または精巣上体を摘出する場合もあります。また、原因となる細菌を特的できない場合には、鎮痛剤を使って症状を緩和しつつ、経過観察となります。

結核菌が原因で炎症が起きている場合には、抗結核薬を使用した治療がなされます。結核菌は肺などの臓器に潜んでいるため、尿路などにも感染が広がっている可能性が高く、抗結核薬による治療は半年以上続けることが必要です。治療には、主にイソニアジド(イスコチン)とリファンピシン(リファジン)、さらにストレプトマイシンまたははエサンブトールを組み合わせた方法を用います。

不妊症になるリスクも

慢性精巣上体炎の場合、精巣上体の炎症が長く続くことで、精路通過障害を起こすリスクがあります。こうなると、精管が狭くなり、精子が通過するのを妨げてしまいます。また、精管が塞がってしまえば精液中に精子がたどりつけず、まったく精子がない状態にもなります。こうした精管の炎症が陰嚢の両側で起こった場合、男性不妊の原因となるのです。

なお、精巣上体に炎症が起こるという点では急性精巣上体炎も同様のリスクがありますが、急性精巣上体炎の場合は、精管の炎症が片側でのみ起こるのが一般的なため、基本的には不妊のリスクはないと言えます。しかし、炎症が両側に起きてしまえば、急性精巣上体炎でも不妊になる可能性はあります。

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まとめ

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このように、急性と慢性では、同じ精巣上体炎でも違いがることが分かりました。やはり慢性は症状が長引くため、自覚症状も出にくいですし、治療にも時間がかりますよね。原因は必ずしも1つではありませんし、自分の力ではなかなか防げないこともあります。しかし、例えば性病などは正しい知己を持って向き合うことで、感染のリスクを下げることができますし。もしも急性精巣上体炎になってしまったとしても、放置せずに早めの治療を受ければ、短期間で治療することが可能です。

まずは、慢性化させないことを念頭に置き、少しでもおかしいと感じたら、すぐに専門にに相談をしましょう。どうしても言いにくい部分はありますが、受診の際には正しく自分の症状を伝えることが大切です。例えば精巣が腫れていることをきちんと伝えなかったために、精巣上体炎であると発覚するのが遅くなってしまうケースもあります。

医師も万全ではなりませんから、きちんとこちらから必要な情報を提示するよう心がけましょう。互いに情報を共有し合うことで、初めて効果的な治療を受けることができるのです。

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これらを読んでおきましょう。

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