「肩が凝っているわけでもない…それなのに肩が痛い」こんなふうに感じた事はありませんか?もしかしたら、それは三角筋という肩にある筋肉を痛めてしまっているかもしれません。「じゃあ筋肉を鍛える為にトレーニングをすればいいのか?
でも上腕二頭筋や腹筋ならわかるけど、三角筋の鍛えなんて知らない」「そもそも三角筋って何?」と思う方も多いかもしれませんね。そんな方に対して、三角筋とは何か、痛めてしまうとどうなるのか、三角筋を鍛えるためにはどうしたらいいのか、この記事でご説明させて頂きます!
三角筋って、そもそも何?
「そもそも三角筋って何?」という説明をしましょう。
三角筋とは、肩と腕の付け根にある、腕を上げ下げする為に存在する筋肉の事をいいます。この筋肉は、肩を覆う表層部にあり、上半身にある四肢の中では最も大きな筋肉であると言われています。
例えば、野球をする際にボールを投げるとしましょう。これに、肩の強さが重要であるという事はご存知でしょうか。この「肩の強さ」というものは、三角筋と僧帽筋という2つの筋肉により構成されています。つまり、「肩が強い」人とは、三角筋と僧帽筋を鍛える事が出来ている人の事をいいます。
野球以外の運動をする上でも、三角筋は使われます。具体例を挙げるとテニスやバスケットボール等、様々な三角筋を使うスポーツが存在します。この三角筋は、それぞれで正しい関節トレーニングやストレッチを行う事で鍛えられますが、正しくないトレーニングを行えば三角筋に痛みを生じてしまいます。
三角筋の役割はなにがあるの?
また、腱板という上腕骨頭を関節を構成する骨があります。この腱板は、ある関節の片方に存在するくぼんだ関節面である関節窩に引きつける役割があります。三角筋にはこの腱板の運動を支え、上腕骨の動きを誘導する事が役割としてあります。三角筋は筋肉のボリュームもあり、とても大きな力強い筋肉です。一方、腱板はそれぞれの筋肉のボリュームも力も弱い筋肉です。
ですが、この両者が上手くかみ合う事によって最も可動範囲が広い肩関節を自由自在に動かす事が出来ます。腱板だけでも、肩関節だけでも中々肩関節の広い可動範囲を動かす事が難しいです。そのため、関節の安定性を保つ腱板と上腕の動きを先導する三角筋の関係性は非常に重要となっています。
三角筋ってどこにあるの?
「三角筋が大体どこにあるのかは知っているけれど、実際よくわからない」という方は多いかもしれませんね。三角筋は、肩関節を覆うように両肩に存在する体の中心軸から、四肢の指を遠ざけようとする筋肉である「外転筋」として存在します。
解剖図を見ると分かりやすいのですが、肩関節を囲むように存在している形が三角形に見える事から、三角筋と呼ばれています。
三角筋はどんな構造をしているの?
また、三角筋は動かす部分によって作用が異なる為、大きく分けて3つに分類する事が出来ます。
1つめは鎖骨部(まっすぐ前を見つめた際、身体の前方側で、前にまっすぐ手を上げると固くなる、上腕二頭筋に近い部位)、2つめは肩峰部(けんぽうぶ:身体の真ん中で、肩の高さまで腕を上げると固くなる部位)、3つめとして肩甲棘(けんこうきょく:背中側の肩にあり、まっすぐ後ろに腕を引くと固くなる部位)が挙げられます。
これら3つのうち、鎖骨部と肩峰部は筋性であり、肩甲棘は腱性を示しています。一体、この3つはどういう役割を果たすのか。それぞれについて、ご説明します。
鎖骨部(前部)
この鎖骨部は、それぞれ左右にある鎖骨の外側の1/3から上腕骨三角筋租面という、上腕骨にある隆起した骨の部分にまで存在します。この鎖骨部には一部には腋窩神経という神経が通っており、更にこの鎖骨部には鎖骨部繊維(前部繊維)が存在します。
この鎖骨部繊維は収縮する事により、肩関節屈曲や上腕の位置を変えずに身体の内側へ動かす動きである内旋を行います。内旋に作用するという事は、上腕の位置を変えずに身体の外側へ動かす、外旋という動きに対して制限を書ける事にも作用します。
また、腕を高く上げ続ける事により、損傷しやすい部位であると言われています。この鎖骨部を鍛えるには、ダンベルトレーニングとチューブトレーニング、自重によるトレーニングが推奨されています。
肩峰部
先程の鎖骨という名前はわかりやすいですが、肩峰部という部位の名前がよくわからないという方もいるのではないでしょうか。先述にもありますが、肩峰とは身体の真ん中で、肩の高さまで腕を上げると固くなる、健康上腕関節の事であり、肩甲骨の部位の名称の事をいいます。わかりやすくいうと、肩関節より上にあり、外側に向かって大きく出ている箇所の事を肩峰といいます。
鎖骨部同様、肩峰部にも繊維と腋窩神経の一部が存在します。「肩峰部繊維(中部繊維)」と呼ばれています。この繊維が収縮する事により、肩関節を外旋させる事が出来ます。また、この肩峰部は筋繊維が羽状に並列している多羽状筋となっています。この筋肉はチューブトレーニングとマシントレーニングにより鍛える事が出来ます。
肩峰部にのみ存在する、滑液包とは?
また鎖骨部、肩甲棘部と異なり、肩峰下に三角筋下滑液包という部分が存在します。滑液包とは、皮膚や筋肉、腱等の骨が擦れる部分に存在する、衝撃を吸収し滑りを良くする平らな袋の事です。
これは肩関節を扱う上では欠かせない、肩峰滑液包の一部であり肩関節最大の滑液包になります。肩関節外側を動かし続ける事により、滑液包が損傷し、炎症をおこし、肩関節周囲炎の癒着が起こってしまうかもしれません。この炎症を治療しないと、肩を少し動かすだけで痛みを生じたり、肩関節が動く範囲を固定してしまう原因にもなります。
筋肉の構成が他と異なる事や滑液包が損傷しやすい事も関係があり、三角筋を構成する3つの部位の中で最も損傷しやすい部位であると言われています。
肩甲棘部
中々これもよくわからない名前をしていますね。読み方も難しいです。けんこうきょく、と読みます。肩甲棘は肩甲骨の一部であり、先述通り肩の外側(背中側)にあり、まっすぐ後ろに腕を引くと固くなる部位の事です。この肩甲棘部は肩峰部と同じ所から筋肉が作られています。
また、この肩甲棘部も鎖骨部や肩峰部と同様に繊維が通っています。肩甲棘部を通る事から、肩甲棘部繊維(後部繊維)と呼ばれています。この繊維は肩関節伸展と外旋に作用する事で知られています。スポーツをする上では最も大切な部分であるとも言われています。この肩甲棘部を鍛えるには、バーベルトレーニングやマシントレーニングが推奨されています。
肩甲棘を痛めると危ないって本当?
三角筋の中では最も損傷しにくい部位ではありますが、繋がっている腱板の筋肉が弱いため、腱板損傷や肩関節疾患等を生じてしまう事もあります。腱板損傷をおこしてしまうと、肩関節屈曲を行った際に激痛が走ります。
これにより、筋肉として続いている鎖骨部の変形や肩甲骨周辺に腫れが起きたりするようにもなります。これを治療為には、整体院へ通院します。安静にし、痛みが解消されててきたら、円滑な運動な運動を行えるように腱板の筋力強化を目的としたトレーニングを行います。
三角筋を痛めるとどうなるの?
三角筋を鍛える事は非常に大切ですし、運動により肩を動かす事も大切です。しかし、それにより三角筋を痛めてしまえば本末転倒というものです。
トレーニング種目をバランスよく行わない事や、このような記事を長時間同じ姿勢、動きで読むと肩周辺に肩こり或いは筋肉痛が起きたりします。バランスボールこの理由は、筋肉に負荷を与え続ける事により血行の悪い状態が続いてしまう為です。この血行の悪い状態が継続する事により、筋肉繊維の収縮がもとに戻らなくなり、短縮してしまいます。
筋肉繊維の収縮が元に戻らないとどうなるの?
これにより、関節の軟部組織である靭帯や関節包に損傷を与え、痛みの続く状態となります。
これが悪化すると肩関節周囲炎という炎症を発症してしまい、筋肉のバランスが崩れる事に繋がってしまいます。これを解消するためにも、押して特に痛みを感じるトリガーポイントを把握しましょう。
また、日頃からバランスよく鍛える為にも、全身の筋肉をほぐすためにバランスボールを使用したり、姿勢を良くしたり、トリガーポイントの部分を優しくほぐしたりしましょう。また、インナーマッスルを鍛える為に腕立て伏せ等のトレーニングも効果的です。
三角筋を鍛えるのにおすすめな、マシントレーニングとは?
さて、ここまで三角筋を構成する鎖骨部、肩峰部、肩甲棘部や三角筋を痛めてしまうと起こる事についてご説明しました。では、痛めてしまわないように三角筋を鍛えるにはどうしたらよいのでしょうか。器具を使ったトレーニングや、マシンを使用したトレーニング等様々なものがありますね。
一体どのトレーニングをする事が、最も効率よく行えるのでしょうか。今回は、トレーニングとしてよく行われているマシントレーニングについて取扱います。
マシントレーニングは本当に筋トレにいいの?
マシントレーニングには非常に様々なものがありますが、代表的なものとしてはショルダープレスでしょうか。ショルダープレスとは、リラックスした状態からダンベルを持ちあげ、三角筋鎖骨部、肩峰部、肩甲棘部のどれもを鍛える事が出来るトレーニング方法です。
動作の中では、両肩周りを大きく使い、特に肩前部と肩峰部に負担をかけます。ここで肩後部に負担があまりかからないのは、肩甲棘部が主に外旋に対して効果を出すためです。このショルダープレスを上手く行えれば、ベンチプレスというマシントレーニングを行う上で必要な筋肉の強化にもつながる可能性があります。
マシントレーニングを行う上での注意点とは?
このショルダープレスを行う上では注意点があります。まず、行う際に肩をすくめ過ぎないようにする事が挙げられます。理由として、効果が落ちてしまう事もありますが、首周辺に不要な力が入る事によって肩に負担が掛かってしまう事です。
この肩をすくめる事が癖になってしまうと、肩のクッション材の役割をする肩峰下滑液包がすり減ってしまったり、筋肉や腱に負荷がかかりすぎてしまいます。これにより、ショルダープレスで上腕外部を動かす度に肩峰下滑液包がすりへり関節窩と肩峰下の間に炎症を起こしてしまう事があります。
この炎症を肩峰下滑液包炎といい、肩を身体の横から上にあげる動作や外転、ジャケットやシャツを着脱する際に背中側の肩が上手く動かなくなってしまう事があります。三角筋にばかり負荷をかけると、このような症状が起きてしまったりします。
そのため、予防方法を事前に学んでから行い、トレーニングをする際には種目についてしっかりと考え、トレーニング動作の1つ1つに気を配り、効果を実感しながら行う事が大切であると言えます。
マシントレーニングを行う上で、怪我をしないための防止策とは?
しっかりと予防法を学んでからマシントレーニングは行うようにしましょう。予防法として最も大切なのは、自分にとって無理な動きをしない事です。
筋肉や上腕骨頭等の関節の可動域には個人差があるため、違和感を感じるようでしたら、自然に筋肉を動かすようにこころがけましょう。また、正しいフォームで行う事を心掛けましょう。誤ったフォームで行ってしまうと、肩関節だけではなく肘を痛めてしまう事にも繋がります。折角筋肉を鍛えても怪我をしてしまっては意味がありませんので、しっかりと正しいフォームで行いましょう。
また、トレーニングを行う前、後にウォーミングアップやクールダウンを行う事も心掛けましょう。トレーニングをいきなり始めると、肩関節に非常に大きな負荷をかけてしまいます。その日のコンディションや、フォームを確認しながら準備運動等を行い身体を温めましょう。その後にしっかりトレーニングを行ったら、筋肉痛や怪我、疲れを防ぐ為にも筋肉をほぐすストレッチやマッサージを行いましょう。
三角筋を鍛えるためにおすすめなスミスマシンとは
三角筋を鍛えるトレーニング方法としては、非常に様々なものがあります。
しかし、一歩間違えば肩関節だけでなく、肘や腰に負担をかけてしまい、最終的には腰に負担がいき頸椎を傷つけてしまうかもしれません。頸椎を傷つけてしまえば、頸椎椎間板ヘルニアを発症してしまうかもしれません。
そんな危険を冒してトレーニングを行う事は本末転倒ですね。では、これからトレーニングをはじめる人にとって、安全に行えるトレーニングは一体なにがあるのでしょうか。そのトレーニングとして、「スミスマシン」をおすすめさせてもらいます。
スミスマシンとはなにか?
スミスマシンとは、バーベルをレールの上に乗せて、持ちあげるトレーニングマシンの事です。トレーニングを実践して少しした人の中には、このスミスマシンを意図して避ける人もいます。
理由として、レールのない状態でバーベルを持ち上げるフリーウェイトと比較して、スミスマシンは非常に楽をしているような印象を受けてしまう事が挙げられます。確かに、全身的な筋肉トレーニング効果としては、フリーウェイトより下がってしまうかもしれません。
しかし、スミスマシンを正しく使えば、筋力を均一に強化出来て、他のマシントレーニングと比べて安全な動作でバーベルをコントロールできます。関節のみの動きの、関節技に頼る事なく純粋にトレーニングが出来るため、初心者にも安心して使用できるマシントレーニングであると考えられます。
スミスマシンを三角筋を鍛える為におすすめする理由
スミスマシンを使用する際には、基本的にはアップライトロウというバーベルを上に持ち上げた後にゆっくりと下に下げる動作が行われます。これは一部の筋肉だけではなく、全体的に三角筋を鍛える事が出来る点で、お勧めできます。鍛える事が出来るのは、以下の3点です。①肩前部 ②肩関節 ③肩甲骨棘部
普通にバーベルやダンベルを使用するアップライトロウを行う事も確かに筋肉を鍛えられるのですが、スミスマシンを用いるとダンベルのバーが上半身とは接触せず、身体の前に位置します。この事により、無理な肩関節外転を行う事がありません。
その為、適切な量の筋肉トレーニングを行う事が可能となります。また、これにより背中や肩関節、腱関節への不要な負荷を軽減する事も可能となります。
スミスマシンを使用しても怪我をする可能性はあるの?
幾ら安全なスミスマシンを使用した所でウォーミングアップやクールダウンを行わなければ、怪我の元となってしまいます。スミスマシンを使って鍛えようとした筋肉の場所に応じてマッサージ方法を自ら学び身体のケアを行う事は不可欠であると言えます。
どうしても怪我をしてしまった際には、整形外科へ行き、何処を痛めてしまったのかを検査してもらい把握しましょう。その際には、トレーニングを休み、筋肉を休ませてあげる事を優先しましょう。
まとめ
さて、ここまで「三角筋とは何か?」「三角筋の役割、構造は?」「三角筋を痛めてしまうとどうなるのか?」「三角筋を鍛えるためのおすすめトレーニング方法は?」等、様々な内容に触れました。内容をまとめてみましょう。
三角筋とは、肩と腕の付け根にある、腕を上げ下げする為に存在する筋肉の事をいいます。この筋肉がある事により、上腕や肩を自由に動かす事が出来ています。この三角筋の中でも、鎖骨部(前部)、肩峰部(中部)、肩骨棘部(後部)と分けられています。これらを痛める事によって、関節の軟部組織である靭帯や、関節包を痛めてしまう事にも繋がります。安全に三角筋を鍛えるためには、「スミスマシン」というトレーニング器具を使用する事を推奨します。理由としては、初心者でもやり方さえ学べば安全に使用できる点、筋力を均一に強化できる点が挙げられます。
さて、いかがでしたでしょうか。今回、スポーツを行う上で大切な筋肉として三角筋を取り上げましたが、三角筋を鍛える理由にスポーツを行っている、いないは関係ありません。ましてや、スポーツ能力も関係ありません。是非、自信の健康の為にも、正しい三角筋を鍛えるトレーニングを行ってみてはいかがでしょうか?
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