膵炎の時の食事制限のルールは?注意点と摂取したい食品を紹介!

世間的にあまり知られていない病気だし、見た目も普通でパッと見てもわからないから、説明するのも大変だし・・・という悩みを抱える膵炎(すいえん)の患者さんは多くいます。

二十歳前後で発症する人も多く、アルコールが原因であることが多いなど身近に潜む病気です。食事は毎日のことで、生きる源です。この記事では膵炎の症状改善に役立つ、正しい食事療法に関する情報をお届けします。

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膵炎(すいえん)はどんな病気?

お酒

まずは、膵炎について紹介します。

膵臓の働き

膵炎について説明する前に、わかりやすくなるように膵臓(すいぞう)の働きと役割を先にみましょう。膵臓は、胃の後ろにあります。長さ15cmほどの細長い腺器官(せんきかん)です。器官の中央を膵管が通っていて、小腸の最初の部分である十二指腸の入党部に開口しています。

膵臓の役割は2つあります。その1つが、食物の消化を助ける膵液の外分泌です。外分泌とは、分泌物を体の表面や消化管内に放出する現象をいいます。膵液は消化酵素のアミロプシンなどを含み、アルカリ性で、胃の中で酸性になっている内容物を中和する働きがあります。

膵臓のもう1つの役割は、インスリンなど血糖値の調整に必要なホルモンを内分泌として生み出すことです。内分泌とは、分泌物を直接、血液などの中へ出すことをいいます。

膵炎とは

膵炎は、昔の日本にはほとんどなかった病気です。住まいから食事まで生活スタイルがすっかり欧米化した現代の日本では、欧米人特有だった種類の病気が増えてきています。膵炎もまた、その1つです。

膵炎とは簡単にいうと、膵臓が炎症を起こした状態をいいます。膵炎になる原因は、アルコールの過飲や動物性脂肪の多い食べ物をたくさんとるなど、食生活の欧米化に起因すると考えられています。外傷によるものや、原因不明のものもあります。

膵炎の症状について

膵炎には、急性膵炎と慢性膵炎があります。膵臓の働きのところで触れたように、膵臓が生み出す膵液には消化酵素が含まれています。この消化酵素は通常は不活性で、十二指腸に分泌されてから活性になります。

しかし、急性膵炎になると、なんらかの原因で膵臓に急性の炎症が生じ、酵素が膵臓の中で活性化されてしまいます。これはどういうことかというと、膵臓自身が消化され、壊死してしまうのです。また、酵素が血中に逸脱すると、全身症状も起こります。

主な症状は、上腹部から背中の激痛です。慢性膵炎は30~50代で膵炎になる人が多く、男女比は3:1で男性の方が多いです。特に飲酒家に多い病気です。

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膵炎の再発防止のための食事のルール

汁物

膵炎は残念ながら、すぐに完治する病気ではありません。医師による治療を受け、一定期間食事療法を行わないと再発につながります。急性膵炎であれば完治するといわれていますが、再発を繰り返すと慢性化してしまいます。

病気と向き合い、幸せな日常生活を送るためにも、膵炎の食事に関する正しい知識を把握しておくことが大切です。

発病した直後は絶食を守って!

膵炎の急性期は、激しい痛みを伴います。この期間は、絶食が基本です。飲食をして膵液の分泌がされると、症状をさらに悪化させてしまうからです。専門医の指示に忠実に従うことで、状態は必ず改善します。数日間は何とか、がんばってください。

絶飲絶食時は、病院で点滴による栄養補給が行われます。痛みをとるための薬物療法も行われますので、好きな本を買ってきてもらって読むなどして、できるだけリラックスして過ごしましょう。

症状が改善してくると、医師の指導の下に飲み物から摂取が始まり、それで痛みがなければお粥など胃にやさしいものから徐々に食べられるようになります。こうした急性期の食事管理はすべて専門医に相談しながら、指示を守って行ってください。

痛みが気にならなくなってくると空腹感を覚えますが、ここで医師の目を盗んで飲んだり食べたりしてしまうと、膵炎が悪化する可能性が非常に高いのです。軽い気持ちで先々に後悔することのないように充分注意しましょう。

膵液の分泌をコントロールする必要性

急性膵炎の症状で入院しているときは、病院で正しい食事療法が行われるので指示さえ守っていれば大丈夫です。

問題となるのは、自宅療養になってからです。病院とちがって自由がきく分、徐々に「これくらい、いいかな」という気持ちが患者さんだけでなく周囲の家族にも出てくるものです。ここで気持ちがルーズになると、膵炎を引き起こした食生活に戻ってしまいます。

膵炎の患者さんに食事療法が必要なのは、1つに膵液の分泌をコントロールしなければいけないためです。食事をして胃液が分泌されると、膵液分泌が促進されるのです。膵液は、鶏肉を20時間で溶かすほど消化能力があるのです。

一度膵炎になった人は、膵液が膵臓内にとどまって臓器に働きかけてしまう恐れがあります。膵液の分泌を促進する食品は避ける必要があります。具体的には、コーヒーや紅茶などのカフェイン飲料、アルコール、炭酸飲料、とうがらしやわさびといった香辛料は避けましょう

再発防止には禁酒を

膵炎の原因で最も多いのが、アルコールの多飲です。慢性膵炎の場合は絶対禁酒、でも急性禁煙では控えれば大丈夫と考える人もいます。

しかし、急性膵炎を繰り返すと慢性膵炎になって完治が困難になります。そして重度の慢性膵炎になると、難病指定にもなる病気です。膵臓の組織が破壊されると、糖尿病を引き起こすリスクが増加し、併発するとインスリン注射も毎日打たなければいけなくなります。

一番の原因を絶つことが何より効果的です。どうしてもお酒はやめられないという急性膵炎の人は、飲み過ぎの原因となるストレス発散方法で飲酒をしないことと、お酒を飲まない日をできるだけ作って膵臓を休めてください。慢性膵炎の場合は、アルコールは絶対厳禁です。

脂肪を制限する

脂肪を消化吸収するためには、膵臓がはたらかなければいけません。脂肪を分解するためには、膵臓から分泌される膵液に含まれる消化酵素が必要なのです。

膵炎の人は膵臓の負担を減らすことが大切ですから、脂肪を制限する必要があるのです。摂取量は1日30グラム以下にして、暴飲暴食は避けます。

タンパク質は適度に取り入れる

脂肪と同様に、タンパク質を消化吸収するためにも膵臓のはたらきが必要です。膵液に含まれる消化酵素の中のトリプシンという酵素によって、タンパク質は分解されるのです。

しかし、タンパク質は脂肪のように制限しすぎてはいけません。タンパク質は、膵細胞を修復させるための重要な役割を果たしてくれるからです。膵臓になるべく負担をかけないように、絶食後にいきなり摂るのではなく、大豆や豆腐といった植物性タンパク質や脂質の少ない魚から徐々に食事に取り入れていきましょう。

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膵炎の人におすすめの献立と注意点

和食

1日3度の食事が楽しくないと、生きることもしんどくなってしまいがちです。膵炎患者さんに限らず、腎臓病や糖尿病の患者さんでも、厳しい食事制限に過度のストレスを感じると、生きる希望を失ったり、うつ病に陥りがちです。

低脂肪で調味料を減らしても、美味しいメニューはたくさんあります。おまけに簡単だと尚良いですね。そんなメニューをご紹介します。ヘルシーなのでダイエット中の方にもおすすめです。

だしたっぷりの玉子丼

用意するもの(2人分)

  • 玉ねぎ 1個
  • 人参 半分
  • 玉子 2個
  • だし 400cc
  • しょうゆ 小さじ1
  • 酒 小さじ2
  • みりん 小さじ1
  1. 玉ねぎと人参は適当な大きさに切って、柔らかくなるまで茹でます。レンジでチンする場合は小さめに切るといいでしょう。
  2. だしをフライパンに入れて、火にかけます。
  3. 玉ねぎと人参をフライパンに入れ、しょうゆ、酒、みりんを入れます。しっかり沸騰させて、アルコール分を飛ばします。
  4. しばらく煮込んだら、溶き玉子をフライパンに流しいれます。
  5. 消化しやすい柔らかめのご飯の上にのせて、出来上がりです。

調理のポイント:だしは市販品ではなく、昆布や鰹節の素材そのものから取ることで、より安心で美味しくなります。だしで伸ばすことによって少量の玉子でも玉子丼が作れます。

ブルーベリーマフィン

市販のスイーツは脂質が多いので、膵炎患者さんは避ける必要があります。でも、作り方に工夫をすれば甘くておいしいおやつも楽しむことができます。

用意するもの(2人分)

  • 薄力粉  200グラム
  • ベーキングパウダー  小さじ2
  • 塩 少々
  • ココナッツオイル 30グラム
  • お湯  130cc
  • メープルシロップ 適量
  • ブルーベリー 適量
  1. ジップロックなどに粉類を入れて、ほぐしながらよく振ります。
  2. ボールにココナッツオイルとお湯を入れます。
  3. メープルシロップを入れて泡だて器で乳化するよう手早く混ぜます。
  4. 乳化してから、ジップロックの粉類とブルーベリーを入れ、さっくりと混ぜます。
  5. 型に入れて、180度のオーブンで20分ほど焼いて、冷ませば完成です。

調理のポイント:砂糖の代わりにメープルシロップ、油は酸化しにくいココナッツオイルで作ります。1人分の脂質は20グラム以下です。ブルーベリーは冷凍でもかまいません。バナナを代わりに使うと甘みがアップします。

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まとめ

膵臓はとても大切な臓器ですが、一般的にはその役割はあまり知られていません。食べ過ぎて気持ちが悪くなると、消化を促す市販薬で済ませがちです。病院へ行っても、胃炎と診断されてしまうことも多くあります。消化不良をよく起こす人は、膵炎の可能性も視野に専門医の受診をすることで早期発見につながります。急性膵炎で済んだところを、気付かずに暴飲暴食を続けていると慢性膵炎にいつの間にかなってしまっていることもあります。

ごく初期の膵炎の場合は、揚げ物や甘い物、刺激物のほか、自分の消化能力に合わない食事を避けることで再発予防になります。脂質が少なく一般的には体に良いとされる食品でも、消化機能が弱まっている膵炎患者さんには不向きの食材もあります。身体の状態に合った食材を選んで、1日3食の食事を楽しみながら膵炎と向き合っていきましょう。

慢性膵炎であっても正しい食事療法を実践することで、普通の生活を送っている人は多くいます。

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