胆嚢炎とは?症状・原因・検査方法・治療方法を知ろう!早期発見が大事?

日本の食事が欧米化してきたこともあり、脂っこい食事や高カロリーな食事を好む方が増えてきました。食生活の乱れは病気になるリスクを伴います。胆嚢炎は胆嚢が炎症を起こす病気であり、この病気の主な原因はこのような食生活の乱れが原因となっています。

中高年の女性に特に発症しやすい病気の1つとして知られており、ビールを飲みながらおつまみばかり食べていたり、脂っこい食事や甘いものに目がない方などは、この病気にかかる可能性が高いです。

ここでは、胆嚢炎の概要や症状、原因、検査方法、予防方法、治療方法について詳しくご紹介します。

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胆嚢炎について

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胆嚢炎の概要や胆嚢の役割、胆嚢炎の種類について詳しくご紹介します。

胆嚢炎とは?

胆嚢炎とは、胆嚢という場所が炎症を起こす病気です。40代~50代に多く発症し、女性の方が男性の2倍かかりやすく、特に中高年の女性がかかりやすい病気です。

高齢者もかかりやすく、70歳以上の方は5人に1人がかかるとも言われています。欧米では、この病気にかかりやすい人の特徴として、Forty(40歳)、Female(女)、Fatty(肥満)、Fair(白人)、Fecund(多産婦)の5つが挙げられており、これらの頭文字を取って5Fとも呼ばれています。

食生活が偏って脂っこい食事をしている方、アルコールを飲みながらおつまみばかり食べている方は、この病気にかかる可能性があります。

胆嚢の役割

胆嚢は、みぞおちと右わき腹の間に位置し、背中寄りに奥の方にあります。胆嚢の形状は、ナスや西洋のナシ(ラ・フランス)などの形に例えられることが多く、大きさは握りこぶし程度で、長さ約10cm、幅約4cmの大きさ、50ml~60ml程度の胆汁を溜めておくことが可能です。

胆嚢の主な役割は、肝臓で作った胆汁を保管しておく貯蔵庫の役目です。胆汁は、脂肪やたんぱく質などの消化を促進するのに必要な消化液の1種で、色は緑色です。肝臓で1日に約1リットルの胆汁が作られ、胆汁の成分は胆汁酸塩、胆汁色素、コレステロール、ビリルビンと90%の水分で構成されています。この胆汁は肝臓で作られた後、総肝菅と胆菅をとおり、胆嚢に貯蓄します。

貯蓄している間に、水や電解質の吸収を行い、胆汁を5倍~10倍濃縮します。そして、食事をすると消化液である胆汁が必要となり、胆菅を通じて十二指腸に排出されます。胆汁は、脂質を分解し、水に溶けやすい物質に変化させて酵素で分解したり、ビタミンの吸収を助ける役割があります。脂肪分の多い食事をした後や、卵黄を食べた後に十二指腸に多く排出されます。

この胆汁が固まり結石が胆嚢に出来ることを、胆石と呼び、病名では胆石症と呼びます。胆嚢炎の多くの原因はこの胆石によるものだと言われています。胆嚢炎は胆嚢癌を合併するリスクが高いと言われている為、胆石をみつけた時点で、早期治療することがおススメです。

胆嚢炎の種類

胆嚢炎は大きく分けて急性胆嚢炎と慢性胆嚢炎があり、急性胆嚢炎はカタル性胆嚢炎、化膿性胆嚢炎、壊疽性(えそせい)、気腫性胆嚢炎など、炎症の程度によって段階分けすることが出来ます。これらの急性胆嚢炎を繰り返すことで、慢性化して慢性胆嚢炎になります。

・カタル性胆嚢炎

胆嚢の内側に軽い炎症が起きた状態です。

・化膿性胆嚢炎

胆嚢に保存されている胆汁が膿のように濁り、胆嚢の壁が肥厚している状態です。

・壊疽性(えそせい)

炎症がひどく、胆嚢の壁の組織が壊れた状態です。この場合、胆嚢に穴が開き(穿孔)、胆汁が漏れ出す可能性があります。

・気腫性胆嚢炎

特殊な胆嚢炎で、ガスを発生させる細菌に感染することで起こります。胆嚢壁やその周辺にガスが発生し、通常の胆嚢炎より症状が強く腹部に激痛が起こります。

・慢性胆嚢炎

上記のような急性胆嚢炎を繰り返し引き起こすことで、慢性化して慢性胆嚢炎になります。慢性胆嚢炎は急性胆嚢炎よりも比較的に症状が軽い傾向にありますが、胆嚢の壁が肥厚なり、固くなったり、胆嚢が縮んで機能低下が見られます。

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胆嚢炎の原因は?

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ここでは、胆嚢炎になる原因を詳しくご紹介します。

胆石

胆石とは、胆汁が固まることで出来ます。この胆石が出来ることが胆嚢炎を引き起こす主な原因です。急性胆嚢炎の患者の95%、慢性胆嚢炎の患者の場合は100%胆石が原因だと言われています。

胆石が出来る原因で最も多いものは、コレステロールの過剰摂取と胆嚢の収縮機能の低下によるものです。肝臓から流れ出たコレステロールの一部は胆汁の中に溶け込みます。また、胆嚢の収縮機能が低下している時に、胆汁のコレステロールと胆汁酸の配分バランスが崩れ、コレステロールが多く溶け込み、固まり石のようなものを作り出します。これが胆石と呼ばれるものです。

胆石の初期段階の形状は砂の粒程度で非常に小さいですが、コレステロールの石はムチンと呼ばれるたんぱく質により、複数合わさりやすい性質を持ち、次第に大きくなります。大きくなった胆石は移動しやすく、その際に胆のう管などの菅に詰まりやすくなります。

胆管結石を引き起こすことで、大腸菌などの腸内細菌などが胆管周囲や胆汁に感染を起こして、炎症を引き起こします。他にも、胆石が移動する際に起こす痛みも刺激となり胆嚢内に炎症を引き起こす場合があります。

詳しくは、胆石の原因とは?症状や治療方法も詳しく知っておこう!を参考にしてください!

その他の原因

胆嚢炎を引き起こす多くの方の原因は、胆石ですが、他の原因として長時間にわたる点滴、絶食、手術、火傷、外傷、ストレスなどが原因となって胆嚢炎を引き起こす場合があると言われています。

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胆嚢炎の症状について

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胆嚢炎の症状は主に腹痛と発熱です。ここでは胆嚢炎の症状について詳しくご紹介します。

腹部痛

右のあばら骨の一番下に位置する右季助部(きろくぶ)の場所やみぞおちの部分である心窩部(しんかぶ)に指すような痛みや鈍痛といった継続的な痛みを感じたら、胆嚢炎の疑いがあります。人によっては胸や背中、肩に痛みを感じる方もいます。

痛みの度合いは人それぞれで、急性胆嚢炎の場合は、ある日突然お腹をかかえ、耐えられないほどの激痛を伴う場合が多く、慢性胆嚢炎の場合は、胆石疝痛と呼ばれるチクチクするような、刺すような痛みが特徴的ですが、中には鈍痛を発作的に感じる方もいます。

慢性胆嚢炎の方の場合、痛みは6時間以上続き、ひどい場合は半日以上続きます。激痛を伴う時間は15分~60分程度の短い時間で、それ以降は痛みはありますが、穏やかに継続していきます。また、深呼吸をした時に痛みが強くなるのも特徴の1つです。

発熱

細菌感染を起こすと、発熱の症状が見られます。急性胆嚢炎の方の約3分の1の方が発熱を起こします。胆嚢が炎症を起こすことで、全身にも炎症がおこり38度以上の発熱が現れます。発熱に伴い、悪寒を感じる方もいます。慢性胆嚢炎の方の場合は、熱が出ることはほとんどありません。

吐き気

胆道感染症を起こして胆管閉鎖が起こる事で、吐き気を引き起こす場合があります。吐き気は若い人よりも、高齢者の方によく見られます。

食欲不振

胆嚢炎になると消化機能に影響を受け、食欲不振になる方がいます。若い人よりも特に高齢者の方に食欲不振の症状が見られ、食欲不振以外にも疲労感、脱力感など全身性の不調を訴える高齢者の方が多くいます。

黄疸

胆嚢炎になると、急性でも慢性でも黄疸が現れる場合があります。胆汁の流れが妨げられて炎症を起こしている場合、皮膚や粘膜、目の白目部分が黄色く変化する黄疸の症状が見られる場合があります。中でも、胆管に結石が詰まっている胆管結石の場合に黄疸がよく見られます。

上記以外にも右肩、背中、みぞおちなどの痛みを訴える方もいます。症状が現れているにも関わらず放置すると進行し、炎症が腹膜全体に広がる腹膜炎を引き起こしたり、血液を通じて細菌感染が広がりを見せて、敗血症(はいけつしょう)や癌を引き起こす可能性があります。進行してこのような症状を起こした場合、命の危険にさらされる場合があるので、症状が現れたらすぐに病院を受診しましょう。特に高齢者の方は症状が進行しやすい傾向にあると言われています。

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胆嚢炎の検査法

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検査方法は、血液検査とCTやMRI、超音波などの画像検査を通じて炎症や感染症を確認します。

血液検査

炎症が起こると、白血球数や炎症が起きたときに発生するたんぱく質の1種であるCRPなどの数が血液中に増加します。その他にも、血中にビリルビン、ALP、LAP、ガンマGTPなどの胆道系の酵素の上昇も確認できます。

これらの数値に異常がないかどうか、血液検査を通じて確認し、炎症や感染性の有無を判断します。

画像検査

下記のような画像検査方法を通じて、胆嚢炎が起きているか確認します。胆嚢炎を起こしている場合、胆嚢が大きく膨らみ、壁に厚みがあることが画像を通じて分かります。

また、胆嚢の中に非常に濃厚な胆汁である胆泥(たんでい)が見られたり、結石を確認することが出来ます。

腹部X線検査

X線を体にあてて、腹部の映像を確認する検査方法です。腹部の状況を調べる際には、仰向けに寝るか、立ったまま撮影が行われます。

胆嚢炎以外の状態を確認するのに優れており、腸の動きの低下、ガス、腸閉鎖や腸や胃に穴があいているかなど確認できます。胆石は画像に映りにくいこともあるので、他の検査で確認する必要があります。

超音波検査

超音波検査は、体に超音波を当てて、体内の臓器や組織に反射した信号をとらえることで、体内の様子を映像化してみることのできる検査方法です。内部組織を画像として確認することで、腫瘍や炎症、胆石の有無を確認することが出来ます。

超音波検査は別名、エコー検査とも呼ばれています。超音波検査をする場合、食事制限や排尿などに制限がかかる場合があります。比較的に身体の負担が少ない検査方法です。

CT検査

CT検査は放射線であるエックス線を使った画像検査方法です。体に20分ほどエックス腺をあてて、内部を輪切りにした画像として確認することが出来ます。血液の流れを確認したい場合や、画像にコントラストをつけて強調した撮影を行いたい場合には、造影剤を静脈注射して検査する場合もあります。

この場合、ヨードアレルギーがある方は検査できないので、医師に事前に伝えることが重要です。体にペースメーカーや金属類が入っていてMRIの検査が出来ない方でも、CT検査は受けることが可能です。CT検査を受ける場合には、食事制限が必要な場合があります。

MRI

MRIは強い電磁気を使った画像検査方法です。胆嚢、胆管、膵菅を同時に画像で映し出すことが出来、胆石が詰まっていないか確認できます。エックス線を使用していないため、放射線被爆の心配がないこと、造影剤と使用しなくても細部まで確認できることがメリットとして挙げられます。多くの方向から画像情報が得られるので、手術の際の助けにもなります。

しかし、強い電磁気を使用しているため、ペースメーカーや金属類が体に入っている方は、MRI検査は受けられません。検査時間は30分程度で、MRI検査を受ける方は絶食・絶飲時間が必要です。

内視鏡的逆性胆道膵菅造影(ERCP)

内視鏡を使用し、十二指腸に繋がっている総胆管から、造影剤を注射してX線を使って撮影する方法です。胆嚢、胆嚢管、胆石の有無を確認する事が出来ます。

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胆嚢炎の予防方法

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胆嚢炎の原因の多くは、胆石が出来ることで起こります。その為、胆石が出来ないように予防することが、胆嚢炎を予防する方法の1つです。

また、胆石が出来てしまった場合も、早期発見早期治療することで、胆嚢炎になる可能性を防ぐことが出来ます。

食生活の見直し

胆石は規則正しい生活をしている方に、起こる確率は非常に低いと言われています。

その為、暴飲暴食をしている方、脂肪分を過剰に摂取している方、甘いものが好きな方、カップラーメンや冷凍食品などの偏った食生活をしている方、アルコールやコーヒー、香辛料などを過剰摂取している方に胆石が現れます。このような乱れた食生活を送っていると、コレステロールが胆汁に多く流れ出て固まります。その為、食生活の乱れを見直すことが、胆石を予防する最も重要な事です。

一度胆嚢炎にかかった方も、再発を防止する為には食生活の見直しが必須になります。高脂肪、高コレステロール食品に制限を設け、1回の食事で過剰摂取しすぎないようにすることが重要です。また、アルコールやコーヒー、香辛料などは胆嚢炎の発作症状を引き起こす原因となるので出来るだけ避け、病院で栄養指導を受けられることをおススメします。

胆石の早期発見

胆石がある場合、初期の段階では無症状で自覚症状がないことがほとんどですが、次第に食後に違和感や痛みが出始めます。特に、右のあばら骨の一番下に位置する右季助部の場所に指すような痛みや鈍痛を感じたら、胆石の疑いがあります。この部分を押してみると、固く感じたり、痛みがあるようであれば、その内容を医師に伝えて検査をしてもらいましょう。

胆石がある場合痛みの場所は人によって様々あります。背中や肩、おへその上、みぞおちや腰に痛みを感じたり、不快感を覚えることもあります。特に、てんぷらや揚げ物料理、肉料理などの脂っこい食事をした数時間後にみぞおち付近に不快感を感じやすくなります。無症状の方の場合でも、健康診断などで発見される場合が多いです。その為、健康診断は定期的に受けましょう。

胆嚢を摘出する手術

胆石がある方は、炎症を起こす前に胆嚢を摘出する方法も予防策の1つとして挙げられます。胆石が出来ていた場合、必ずしも治療する必要はありません。

しかし、胆石があることで胆嚢炎を引き起こす場合があるので、積極的に治療することで重症な病気にかかるリスクを防ぐことが出来ます。胆石の治療は、胆嚢炎と同様で、手術により胆嚢を摘出するのが一般的な治療方法となります。

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胆嚢炎の治療法

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炎症の程度により治療方法が異なります。

軽症の場合は、内科的治療で済みますが、重症の場合は手術で胆嚢を摘出します。

内科的治療

軽症の場合は、手術をせずに内科的治療で炎症を抑えることが可能です。消化機能が低下している為、飲食は絶対に許されずに、点滴治療を受けます。

腸が正常に動いていないと判断された場合は、鼻からチューブを差し込み、胃の中にある消化物を吸引し、腸への負担を減らします。抗生物質を静脈に注射し、鎮痛剤を投与して炎症を抑えます。

外科的処置(手術治療)

急性胆嚢炎を引き起こしたり、慢性胆嚢炎で症状が重度の場合は、開腹胆のう摘出手術もしくは、腹腔鏡下胆嚢摘出手術を行う必要があります。

開腹胆嚢摘出手術

まずは、腹部から針を刺して、胆嚢の中に溜まっている胆汁を外に出します。この方法は、経皮経菅胆のうドレナージ術と呼ばれています。胆汁を外に出して炎症が治まった場合は、開腹して胆嚢を取り出します。

また、症状が進行して胆のう壁が化膿して穴が開いていたり、悪化して腹膜炎を引き起こしている場合は、緊急手術が必要になります。

腹腔鏡下胆嚢摘出手術

腹部に小さい穴を開けて行う手術方法の為、開腹手術よりも手術創が小さく、痛みも少ない手術方法です。腹部に4箇所穴を開けてて、炭酸ガスを入れてお腹を膨らませ、胆嚢動脈と胆嚢菅にクリップをかけて切断し、胆嚢を摘出します。この手術を受けられる条件として、炎症がひどくないこと、癒着していないこと、胆管や十二指腸などの他の臓器が損傷していないこと、癌がないことが挙げられています。

急性胆嚢炎で38度以上の熱が見られ、血液検査で白血球の上昇が確認され、画像検査で胆嚢の肥厚がみられた場合は、4日以内には手術をした方がいいと言われています。しかし、発作がおさまっている場合や、心臓や肺、腎臓などに障害を持って手術をすることにリスクがある患者に対しては、手術が延期されることも多くあります。

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おわりに

胆嚢炎は胆嚢の部分に炎症が起きる病気で、腹痛や発熱が主な症状です。原因のほとんどが胆石が詰まることで圧迫されて、細菌感染を起こすことだと言われています。胆石は日本人の10人に1人が持っています。

食生活の乱れが胆石を作る原因となるため、特に胆石が出来やすくなる40歳以上の方は食生活の見直すことが胆嚢炎だけでなく、様々な病気を予防できる鍵といえます。

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