皮脂欠乏性湿疹とは?症状や原因、治療方法を知ろう!生活を工夫することで予防できる?

冬場の空気が乾燥してくる時期になると、足のすねの部分や顔にも一部、乾燥した肌が白い粉が出ている人が結構います。その上、痒くて、夜の寝ている間に無意識にボリボリとかいていることがあります。

寝ている間は、あまり痛みなどの症状は訴えないので、無意識に掻き過ぎて出血してしまうこともあります。このような症状はアトピー性皮膚炎などの影響もありますが、時期的に発症する場合は、皮脂欠乏性湿疹になっています。

以前は加齢に伴う高齢者に多いものでしたが、最近では幼少期などの子供でも発症しているケースが多く、皮膚科疾患として、きっちりと治療の取り組むことは重要です。

今回は、そのような皮脂欠乏性湿疹についてお伝えいたします。

皮脂欠乏性湿疹とは

足すね

特に冬場の空気が乾燥している時期になると、足のすね部分が粉を吹いて、ひび割れをすることがあります。それが痒い状態で稀に掻きすぎて出血します。

このすね部分は皮膚の下に筋肉がほとんどないため、水分がもともと少ない場所となっています。ですから、角質層という皮膚の内部に水分が不足しがちな人は、最初にすね部分ががさがさになるのです。

また、顔の一部、首回り、手の甲なども症状が重い人は、肌ががさがさになり、赤く炎症を起こしたりと、非常に厄介な状態になっている人を見かけます。

ドライスキン(乾燥肌)

単純に皮膚が乾燥してしまっています。水分が不足しているため、その皮膚がひび割れを起こしてしまいます。

その他にも普段から、肌は乾燥を防ぐために微量の皮脂という脂が皮膚の表面を覆っています。この脂自体の分泌も減っていることも影響をしています。体質的な影響もありますが、環境、気候なども多く関わっていることが解っています。

皮脂欠乏

先にも書きましたように、本来ですと乾燥から守るために皮膚の表面が脂で覆われています。それが老化を始め、環境や男女の性による影響で、この皮脂が減少してしまうことです。

若いうちからこのような状態になることは、石鹸などを使い過ぎであり、過剰に清潔にしすぎることが原因と考えられます。

本来皮膚を守るためには3つの要素があります。

皮脂

皮膚を覆っている脂で皮脂線というところから分泌されています。主に水分の蒸発を防ぎ、一定の水分量をキープするようにバリア機能が働いています。

これは、紫外線なども皮膚面でブロックする機能もありますので、ある程度は皮脂で覆われていないといけません。

保湿因子

細胞間にあるもので、これもやはり水分をキープする性質をもっています。

細胞間脂質

皮膚の細胞同士を隔てている細胞壁を密着させているもので、その間に適度の水分をキープするようになっている部分です。

皮脂欠乏性湿疹の原因

手洗い

皮脂欠乏性湿疹にはいろいろな原因が上げられますが、日々の注意で充分に通常の肌を維持することができます。

皮脂の減少

ほとんどがこの影響といっていいでしょう。

その理由としては老化が進むと自ずと皮脂は減ってくるからです。これは多少、食生活も影響しています。年を取るとそれほどの食事の量を取れなくなることもあり、必然的に脂肪などの摂取が減っていることが理由です。

また、ウーロン茶など脂を分解する飲料を摂取することで、せっかく体内に取り込んだ脂が分解されて、排出します。これにより、本来必要でもある皮膚表面にある脂が不足しがちになるのです。

洗剤

現在の洗剤は、洗浄効果が高く、汚れも非常に落ちやすい反面、皮脂もきっちりと落としてしまいます。ですからきれいになることには間違いないのですが、それと同時に皮脂が全くなくなってしまいます。

特に仕事がら、洗浄をよくする人や患者を看護する看護師や、美容師は気をつけなければいけません。

洗剤は、天然成分配合しているものは、自然の成分から製造していることもあり安全性は高いのですが、逆に石油などの成分が原材料となっていると、乾燥しやすい、角質細胞を荒れさせると同時にアレルギーになるなどの危険性が高まります。

接触

皮膚に接触する服、肌着なども影響します。

その生地が水分や皮脂を吸い取ってしまい、乾燥を引き起こします。なるべくなら水分が過剰に吸収しない素材の服を着用することです。衣類は意外に盲点です。

老化

若い頃は身体の水分量が7割ぐらいですが、歳を取ると、その量は6割ぐらいと減ってきます。その影響で、身体の随所ではやはり水分不足になる傾向が強くなります。また、筋肉量が減ることでも体内の水分量が減ることがわかっています。水分は筋肉に蓄えられているからですが、これはある意味やむをえないことです。

特にその影響がでるということは、乾燥肌となり、痒みが出るということで、それ以外はあまりないと思います。対応としては、やはり保湿成分の入ったクリームなどを塗ることである程度は痒みや乾燥を防げます。

食生活

栄養のバランスを取ると共に、温かくなるようなものを取ることをお勧めします。温かい物をとることにより、身体が温まり血行を促進します。

また、水分を体外へ出すような食事はあまりしないことも重要です。お茶やコーヒー、アルコールは利尿作用が働き、体内への水分キープがしにくい、水分が不足している状態になります。

アレルギー

アレルギーは体内にある異質物質を外に出そうという働きであり、そのために皮膚に異常が起きます。つまり体内にあってはよくない物質を感知した場合には、その反応として皮膚からも出そうとする働きがあります。

それが肌の乾燥や肌荒れなどにつながります。場合によっては、皮膚が炎症を起こすこともそれが原因と考えられます。

また、アナフィラキシーショックなどを起こす時は、注射や人工呼吸器などの対応を行い、罹患者の救出を行うこともあります。

俗に言うインスタント食品や加工食品には本来体内にはあってはならないものが多く含まれているので、その排除のために身体は反応します。

皮脂欠乏性湿疹の症状

肌荒れ

そのほとんどが、乾燥に伴う痒み、肌荒れとなっています。

どのような症状があるのかを知っておきましょう。

肌の乾燥

特に空気の乾燥している時期には、肌細胞の乾燥も目立つようになります。

初期のまま放置しておくと、ひび割れ、出血等があり、何の対処を施さないと、毎年毎年同じ症状を繰り返すことになります。

白い粉

肌が乾燥することにより、古い細胞である「角質」が自然に剥がれ、白い粉となって剥がれてきます。新しい細胞がどんどんできるようになっていますが、白くなるということは皮膚が乾燥するという乾皮症を引き起こし、白い粉が出る状況を引き起こしています。

乾燥が進み悪化すると、湿疹ができます。そのほとんどが赤い湿疹であり、掻いたりして悪化すると出血もするし、かさぶたもできます。また、肌の状態が通常でないと、細菌が繁殖しやすくなります。これは炎症すると同時に、化膿します。

後々に傷として残る可能性もありますので、十分な注意が必要となります。

ひび割れ

やはり乾燥しているということで、皮膚の表面が砂漠の乾燥地帯みたいにひび割れしてきます。最終的にはこれが剥がれて白い粉となっていくのですが、湯上りには必ず保湿成分の入ったクリームやステロイド外用薬などを塗ることで防ぐことができます。

ひび割れして出血しているようですと、傷薬を塗るほうが早く完治すると思います。なおステロイド外用剤はその常習性があるため、よくなってきた段階で、その使用をやめるべきと思われます。

炎症

皮膚が赤くなり、表皮が白い粉のようにはがれてきます。この状態はおそらく炎症を引き起こしています。この場合は、搔いてしまうとさらに悪化してしまうので、注意を要します。

寝ている間に搔いてしまうことがありますので、寝る前や風呂から上がったあとは、皮膚疾患の場所に保湿のクリームを塗ることをお勧めします。

これも完治は難しく、根気よくステロイド剤をもらい続けるか、飲み続けるしかなく、治療期間もどれくらいとなるかは、どれくらいになるかは解らないというのが現状です。

皮斑

リビドーとも呼ばれており、赤い筋状のものが網目にように露出するものです。やはり乾燥が原因であり皮脂欠乏性湿疹と同様に皮膚炎を起こします。

皮膚所見で、その皮膚細胞を確認し皮斑が皮脂欠乏性湿疹かを見立ててもらうことになります。

皮脂欠乏性湿疹の治療方法

治療

完治するというのは、かなり難しいようですが、治療方法もいろいろとあるようで、最初は皮膚科専門医に相談のうえ、皮膚科治療から取り掛かることが第一歩と言えます。

ヒスタミン薬

かゆみを内面から改善する方法として、内服薬であり飲み薬である、抗ヒスタミン剤を使用します。

改善までには若干時間がかかるかもしれませんが、病院で処方してもらうといいでしょう。

抗アレルギー剤

特に皮脂欠乏性湿疹に対応するという訳ではなく、アトピーやアレルギーに対する薬での対処法です。皮膚の異常を薬処置しますので、完全によくなるとは言い切れませんが、効果は期待できます。

保湿

乾燥を引き起こす前に、保湿クリームや軟膏などを塗り、十分なスキンケアをします。主に入浴後に行うことがいいようで、ある程度の保湿を保ちながら、水分が身体から出ていくのを防ぐと同時に痒みなどの抑える効果もあります。

クリームの他、白色ワセリンも廉価で非常に保湿力も高く効果的です。

食事

食生活も皮膚の乾燥などを招く原因となります。特に最近の食事は、欧米型の生活習慣が主流であり、加工食品の摂取が皮膚への悪影響が考えられます。これは先に書いたように、添加物などがアトピーと似たような現象を引き起こし、肌の荒れなどに直接影響してきます。

また、刺激物であるものは極力控えるようにすると、かゆみなどは抑えらます。例えば、しょうがやトウガラシなどです。これらのものは血行をよくすることから、かゆみが出やすくなります。時期的にも冬場だけでもおさえることが望ましいといえます。

また、ダイエットのことも考えて、食事中にウーロン茶を飲む人も多いと思います。これは、先にも書きましたが、体の中に溜まっている油や、食事中に摂取している油を分解して排出する作用があります。

美容を考えて飲む人が多く、飲むには逆効果あるということを念頭に入れておいてください。ウーロン茶や最近特に注目を浴びている黒ウーロンは、必要な油までも排出してしまうので、肌がカサカサになりやすくします。これに似た成分のお茶はすべてその傾向にありますので、注意を要します。

血行の促進

普段から体を動かして血行を良くすることが皮脂欠乏性湿疹を防ぎます。主に湿疹ができるところは、血流が悪くなることが原因の場合がかなりあります。

体を動かす以外にも、揉んだりすることも効果があります。ですが、決してその場所をこすることはないようにします。こすることは、乾燥してしまい皮膚の表面を傷つけることにもなりますので、さらに状況が悪くなることもあります。

皮脂欠乏性湿疹の予防法

顔チェック

あまり意識していないことでも、ちょっとしたことでかなりの改善は見込めます。ここでは、その対策などを挙げてみます。

肌着を選ぶ

肌を刺激するような繊維を避けるのは当然ですが、水分を無駄に吸収してします肌着の素材はお勧めしません。

意外かもしれませんが、かなりこの肌着は乾燥を左右します。着用する衣類は注意してください。

洗剤

洗剤はその内容成分にも因りますが、汚れたものを白くきれいにする訳ですから、科学的なものが大量に入っています。一般的には石油系のものが多くこれが洗濯後も少量でも残っていると、皮膚が乾燥するなどの影響を及ぼします。

敏感の肌の人は洗濯の後のすすぎを多めにして洗剤が少しも残らないようにすることが重要となります。

入浴

これは、入浴している時に体を洗う時も大事なのですが、長湯をしないことが大事とされます。あまり長くお湯に浸かると、皮脂がお湯に奪われてしまうからです。特に熱めのお湯に入ることは厳禁とのことで、若干ぬるめのお湯に温まる程度に入るのがお勧めです。

どうしてもお風呂が好きで長湯したいという方は、保湿成分の入った入浴剤を使用するといいでしょう。長湯しなくても、皮脂欠乏性湿疹の人はその入浴剤を必ず入れると、ある程度は肌の乾燥を防げます。また、これは冷え性にもいい成分が入っているものもあるので、冷え症の人には、一石二鳥の効果が見込めます。

また、体に気を遣う人は、シャンプーを使わないとか、お湯だけで洗うという風にする人も多いようです。どうしてもボディシャンプーや石鹸を使いたい人は、一日おきに使うというようにしてもいいかもしれません。

また、入浴後はすみやかに保湿成分の入ったクリームを塗ることがベストです。時間を空けるほど水分が蒸発してしまうので、保湿の意味がなくなります。

空気の乾燥

冬場は特に空気も乾燥しがちなので、皮膚の保湿も充分に保たれません。この乾燥である外的因子を防ぐ意味でも室内の湿度を上げることは重要です。加湿器があれば、対応するといいでしょう。

ですが、加湿器を無理に購入しなくても、花瓶を置いておくとか、濡れタオルを置いておくだけでも違ってきます。これは喉や気管支の乾燥や風邪の予防にも有効なのでぜひお試しください。

また、部屋を過度に温めますと、やはり皮脂が失われて、皮膚にはよくありません。室温は低めにすることがいい状態を保つことになります。

皮膚を擦らない

皮膚を刺激することは、皮脂が減少するために痒みや炎症を起こしやすくします。

痒みが発生しても、掻かないようにしないといけませんが、それ以外にも皮脂のキープや乾燥を防ぐ意味でもこすらないことが大事です。

冷暖房

先にも書きましたように、室温を低めに設定することが大事です。

ストーブなどは室温自体を温めえるので低めであればいいのですが、エアコンやファンヒーターなどは風が体に当たったりすることが、水分を奪う原因ともなります。室内を循環するような風回りに調整することがいいでしょう。

栄養補給

食事から取るのが理想的ですが、皮脂欠乏性湿疹にならないように必要最低限の栄養素は予防と共に、内的因子の排除にもなります。

ビタミンA、B、C、E

ビタミン類は、全般的に肌に必要であり、最近の食品からは微量しか摂取できなくなっています。ですから、サプリメント等で補充する必要があります。割と廉価のものが多く、美肌効果も見込めることから、積極的に摂取することをお勧めします。

亜鉛

皮膚を強化しその保湿や新しい皮膚を作るために必要な栄養素です。意識するほど不足するものではありませんが、皮脂欠乏性湿疹がでる時期には摂取しておきたいものとなります。

油は最近特に注目されているものです。今までは料理や揚げ物に使用していたサラダ油や植物油脂がよくないとされています。これは、油を特殊な加工をして製造しているため、人の体に合わないものなのです。今後は油を使用する料理などには米油、オリーブオイルなどを使用するといいでしょう。

タンパク質

体を組織している細胞の元となるもので、特にダイエットをしている人は不足しがちです。

肉類や卵類は、そのタンパク質が豊富なので、意識的に取るようにしたいものです。ただし、肉類を過剰に摂取しすぎるもの良くないので、注意してください。

補湯

漢方でも改善をはかることは有効です。

「十大補湯」というほどに種類もあり、血流改善にはうってつけのものです。ただ、漢方はなかなか効かない上に、金額も多少張ることから敬遠されがちではあります。

まとめ

入浴01

今回は皮脂欠乏性湿疹についての記事でした。冬場になると、テレビでもよく皮膚がかゆくなるのを防ぐ塗り薬のCMを流していますが、それは結構対象の人がいるということにもなります。

実際には現代では、洗剤などの影響が大きいかと思いますが、おそらくそのように皮脂欠乏性湿疹の人が増えるものもの、ある程度は想像がつきます。

ちょっとした生活の工夫で、かなりの効果は期待できるので、ぜひこの予防法などを利用していただきたいと思います。

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