冬の時期になると空気が乾燥して、肌がガサガサしたり、ひび、あかぎれやニキビなど様々な肌トラブルに悩まされます。肌荒れが起こった顔に、メイクをすると化粧のノリも非常に悪く、気分も落ち込みますよね。
このような、肌トラブルが起きる原因は、生活習慣が大きく関わっているのを知っていますか?肌荒れが起こったといって、いつも以上に一生懸命スキンケアしていても、実際の原因が生活習慣の場合は、効果が期待出来ません。
ここでは、どんなことが肌荒れの原因になるのか、肌荒れが起こるメカニズムや原因について詳しくご紹介します。
肌荒れについて
肌に起こる様々なトラブルを肌荒れと呼びます。肌には外部からの刺激を受けないよう肌を守るバリア機能が備わっています。
このバリア機能が上手く働かないことで、肌荒れが起こります。ここでは肌荒れとは何か、肌荒れが起こるメカニズムについて詳しくご紹介します。
肌荒れとは?
肌荒れとは、肌に生じる肌トラブルのことを総称して、肌荒れと呼びます。肌荒れが起こる原因は沢山あります。例えば紫外線や寒さなどの外部の刺激による乾燥、皮脂不足、ホルモンバランスの乱れや、内蔵が関係している場合もあります。
原因が多すぎて、思いあたらないと言う方もいると思いますが、場所や症状によってある程度原因を特定することが出来ます。例えば、頬に生じる肌トラブルは、食べ物やホルモンバランスの乱れが影響していると言われています。
また、顔に赤みが出ている場合は、刺激が原因となっています。洗顔をしすぎたり、紫外線をあびすぎたり、化粧品などがあわない場合は、顔に赤みが生じます
肌荒れの主な症状とは?
肌荒れが起こると、下記のような症状が現れます。
肌荒れの症状
- 肌がピリピリと痛む
- 肌が痒い
- 肌に赤みがある
- ガサガサしている、乾燥肌
- ニキビ、吹き出物
- じんましん
- ひび・あかぎれ
赤ちゃんの肌あれの場合は?
赤ちゃんは肌のバリア機能が弱く、大人よりも肌トラブルが頻繁に発生します。乳児湿疹が起こる主な原因として、乳児脂漏性湿疹、おむつによるかぶれ、あせも、アトピー性皮膚炎、食べ物アレルギーが挙げられます。
生まれてから2週間ほどで肌トラブルが見られ、1歳~2歳までには自然治癒すると言われています。ベビーローションでケアを行い、症状が悪化するような場合は、一度先生に相談しましょう。
肌トラブルが起こる仕組み
皮膚には、2つのバリア機能があります。1つ目は角質で、2つ目が皮脂です。この2つの機能により外からの刺激からを肌を守ります。
しかし、これらの機能が低下すると外からの刺激を受けやすくなり、肌荒れを引き起こします。
角質による肌バリア
肌の外側には角質層と呼ばれる、人の内と外の境界線を引く部分があります。この角質層には、角質細胞が15~25層から成り、手洗いや入浴、運動など外部の刺激により剥がれ落ち修復を繰り返し健康な肌を保ちます。また、この角質層は、外部からの化学物質や紫外線、細菌などの進入を防止したり、体内の水分を含む体液が外に出るのを防ぐ役割があります。
この角質層の役割をバリア機能と呼びます。通常は、角層は十分な水分を保っていますが、何かしらが原因となって、バリア機能が衰えると肌が乾燥します。そして、修復が間に合わずに、角質が剥がれると、そこに隙間が作られ、刺激が入りやすい状況が作られます。
この隙間から刺激が入ることでひびやあかぎれ肌、かゆみなど様々な肌トラブルを引き起こします。痒いからといって、肌を引っ掻いてしまうと更に刺激が加わり症状がひどくなり、悪循環を招きます。
皮脂による肌バリア
皮脂が過剰に分泌すると肌がベタベタしたりと、良いイメージを持っていない方もいますが、皮脂の分泌は肌を守るのに必要です。皮脂とは、皮膚の皮脂腺から分泌される脂質成分で、毛穴を通じて皮膚の表面に出てきます。皮膚の表面に出た皮脂は汗と合わさり皮膚表面に皮脂膜を作り出します。
この皮脂膜は、蓋のような役割をして体内からの水分の蒸発を防ぎ、皮膚に潤いを与えたり、外部からの刺激から肌を守ったり、肌を弱酸性状態に保ち細菌の繁殖を防ぐなど肌のバリア機能の役割があります。この皮質の分泌が不足すると、刺激が入りやすくなり、肌荒れを引き起こします。
肌荒れの原因
肌荒れの原因は角質や皮脂などの肌バリア機能が壊れたり、上手く機能しないことで生じます。肌バリア機能が低下する原因は、実は生活環境が影響している事が多いです。
ここでは、肌バリア機能を壊す原因となるものをご紹介します。
冬の寒さ、乾燥
冬になると、肌荒れが目立ってきたり、一度肌が荒れると治りづらいという経験をされた方も多いと思います。これは、冬の寒さと空気の乾燥が、肌の水分を蒸発しやすくし、肌のバリア機能を壊し、肌荒れを起こします。
温度や湿度は肌にとって刺激になります。また、寒さは血行不良やストレスを引き起こし、より一層肌トラブルを引き起こします。冬の寒さは肌の乾燥を招き、肌荒れだけでなくシワになる原因をつくったり、肌の弾力を無くします。
寒いからといって、住む地域を変えることは難しいですが、室内の湿度や温度はコントロールはすることが出来ます。肌にとって快適な温度は、夏と冬で異なります。夏は26度、湿度60%、冬は25度、湿度60%が快適だと言われています。
また、風も水分が失われる原因になります。快適だからという理由で冷暖房器具の近くにいて風にあたると肌荒れの原因になります。仕事場でも加湿器などを置いて、乾燥から肌を守るのが重要です。
ストレス
ストレスは精神的に感じるストレスと肉体的に感じるストレスの両方あります。ストレスを抱えている多くの原因は、人間関係によるストレスだと言われています。また、過剰に仕事をすることで肉体的に疲れを起してストレスを抱えている人もいます。このような様々ストレスが原因となって肌荒れを引き起こします。
ストレスが溜まると、脳の自律神経に影響を及ぼします。この自律神経は、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整する役割があり、生命活動を維持するのに重要です。この自律神経がストレスにより乱れると様々な部分に影響が現われます。
血流が悪くなり、肌に十分な栄養素や酸素を届けることが出来なくなり、肌のターンオーバーが遅れて、肌荒れを引き起こします。
顔ダニ
顔ダニが原因で肌荒れを起す場合があります。顔ダニには、有名なもので「ニキビダニ」や「コニキビダニ」と呼ばれるダニが存在します。これらのダニは人を含めた全ての哺乳類の皮膚に寄生しており、成人の97%は寄生していると言われています。その為、ほぼ全員の顔に存在するといえます。
この顔ダニは普段は毛の根元に住み、皮脂や皮細胞を食べて生活をしています。特に顔には皮脂量が多いので、顔に住みつきます。この顔ダニは余分な皮脂を食べ、肌を健康的な状態に保つ助けをします。しかし、この顔ダニが増えすぎると、顔ダニの死骸や排泄物が増えて、これらが毛穴に詰まりやすくなることで、肌荒れの原因となります。
顔ダニが多くなることで、起こる症状は、ニキビや吹き出物、乾燥肌、肌荒れ、老化、毛穴の汚れ、開きなどです。顔ダニが多く存在している場合は、エサである皮脂を抑える為に、脂分の多い食生活を見直したり、朝と夜1日2回しっかりと洗顔することが重要です。あまりにも多い場合は皮膚科で薬を処方してもらいましょう。
加齢
皮脂は、肌の内部にある水分の蒸発を防いだり、外部の刺激から肌を保護する役割があります。この皮脂が不足すると、肌に潤いがなくなり刺激が入りやすくなり肌トラブルを引き起こします。この皮脂は年齢とともに減少していきます。30歳をすぎると皮脂が減少していき、肌トラブルだけでなく、シワやハリ・潤い不足に繋がります。
皮脂は、多すぎても少なくても肌によくなく、バランスを整えることが重要です。年齢による皮脂不足に関しては、スキンケアが重要です。体内から水分が蒸発して乾燥肌を招きやすい為、化粧水で水分を補給して、油分を含む乳液や保湿クリームを使って水分の蒸発を防ぎましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが崩れると、大人ニキビが出やすくなるという話は、誰もが聞いたことあるのではないでしょうか。ホルモンバランスの乱れは肌荒れを引き起こします。
ここでは、なぜ起こるかについてご紹介します。
女性ホルモン
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンがあります。この女性ホルモンがバランスよく分泌されることで、女性らしい美や若さ、健康を保つことが出来たり、精神的にも安定し穏やかに過ごすことが出来ます。エストロゲンと呼ばれるホルモンは、美のホルモンと呼ばれるほど、美容効果の高いホルモンです。
このエストロゲンが分泌されると、コラーゲンやヒアルロン酸を生成して、肌の潤いやハリを保ったり、皮脂の分泌を抑えて、肌の健康を保ちます。一方で、プロゲステロンは皮脂成分を活性化したり、新陳代謝を遅らせるなどの作用があります。これらのバランスが崩れると肌の健康に影響を与えて肌荒れを起します。
また、女性ホルモンは自律神経を支配している脳の視床下部という部分から、分泌命令が出ます。自律神経はストレスに大きく影響する為、それにより視床下部の働きが鈍くなります。その為、ストレスがかかることで女性ホルモンが乱れて肌荒れが起こる原因にもなります。
男性ホルモン
男性ホルモンは、男性でけでなく、女性の体内でも作られます。男性ホルモンが分泌されると、角質の柔軟性を低下、肌のバリア機能を低下、皮脂の過剰分泌を起す為、ニキビが出来やすくなります。
特に顔の外側、もみあげから顎にかけた顔のライン上にニキビが出来やすい場合や、鼻の下、口の周りにニキビが出来ている場合は、男性ホルモンが原因の可能性が高いです。これらの部分は、男性の場合ヒゲが生える位置で、男性ホルモンの影響を受けやすい場所だと言われています。
男性ホルモンが過剰に分泌される理由は、不規則な生活、ストレスによるものだと言われています。ストレスを抱えた状態になると、交感神経を刺激して男性ホルモンが分泌され、活発で攻撃的な状態を作り出します。そして、ストレスを受け続けると、男性ホルモンの分泌が多くなり、肌に影響を与えると言われています。
化粧品
肌に合う成分は人によって異なります。アトピー肌の方や敏感肌、アレルギー体質の方など、もともと肌が弱い方は、化粧品の成分が刺激と感じる人もいます。また、生理中は肌がデリケートになりやすい時期でもあります。このような肌荒れが起こりやすい時期や体力が落ちている時に化粧品が刺激になる場合もあります。
新しい化粧品を使った場合、3日以内に何かしらの肌荒れの症状が起こった場合は、すぐに使用を中止しましょう。化粧品が合わない場合は、ヒリヒリしたり、しみると感じたり、赤みが出たり、かゆみ、湿疹、肌がガサガサ、ニキビなどの症状が出やすくなります。
これらの症状が出やすい方は、化粧品を使用する前に、二の腕など見えにくく薄い皮膚の場所でパッチテストを行ってから顔に使用されることをオススメします。
アレルギー
アレルギーとは、花粉やハウスダスト、ホコリや猫の毛、紫外線など、特定の物質に対して免疫システムが過敏に反応する状態のことです。通常、体の免疫システムは細菌やウイルスなど体に害となる刺激に反応して、体を守るための防御システムです。
しかし、これらのアレルゲンは通常体に害でもないのに、害だと勘違いを起して、免疫システムが働いてしまうことで起こります。皮膚症状を起すのは、外部からのアレルゲンの刺激だけではありません。
食物アレルギーでも皮膚や粘膜症状を引き起こします。食べ物でアレルギーが起こると、じんましんやかゆみなどの皮膚の症状を引き起こしたり、口の周りが腫れたり、目の充血や目の周りが腫れるといった症状が見られます。その他にも、くしゃみ、鼻水や呼吸困難などの呼吸器症状や腹痛や吐き気などの消化器症状、意識を失うアナフィラキシーショックが起こる場合もあります。
便秘・腸内環境の乱れ
便秘が起こると肌荒れを起す場合があります。便秘が慢性化すると便が長い間腸内に留まっている状態が作られます。便は、食事から必要な栄養素を吸収した後の体にとって不要な老廃物です。老廃物が体内に溜まると、便の腐敗が進み、有害物質やガスが生じたり、悪玉菌が増えます。
有害物質が体の中に発生すると、通常は外に追い出そうとする動きが起こりますが、便秘の場合は便により出口が塞がれている為、出すことが出来ません。こうなると人の体は、腸壁から吸収して血液に溶け込み、皮膚の穴から外に追い出そうとします。
皮膚は、肌に溜まった古い角質や汚れ、皮脂、余分な水分を排出する働きがあります。その為、有害物質が排出されると、通常の肌の排出機能を邪魔することになり、肌に汚れが溜まり肌トラブルを引き起こします。
また、腸内環境の悪化は自律神経にも影響を与えます。自律神経の機能が低下することで、血液の循環を悪くしたり、ホルモンバランスを乱すことで更に肌トラブルを悪化させる原因にもなります。
睡眠不足
睡眠不足が肌荒れを起す理由は2つあります。1つ目は、肌の修復は寝ている間に活発に行われます。その為、睡眠不足や睡眠のリズムが乱れると肌の修復が追いつかずに、ダメージを受けたままの状態になり、肌荒れを引き起こします。2つ目は、睡眠不足はストレスになります。
ストレスは、自律神経の乱れを引き起こしたり、男性ホルモンを分泌する為、肌荒れを引き起こします。睡眠は長く眠ればいいわけではなく、質の高い睡眠ができるかどうかが重要です。睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠と呼ばれる、深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返しています。
この深い眠りのノンレム睡眠の間に肌のターンオーバーが行われます。その為、この2つの睡眠を交互に行えていることが、質の高い睡眠といえます。
ダイエット
無理なダイエットは肌荒れを引き起こします。ダイエットの方法にもよりますが、食事制限を行うと、体内からビタミンやたんぱく質が失われ、肌を健康的に保つことが出来なくなります。体内で栄養素が不足すると、生命維持に関係ない部分、肌や髪の毛などから栄養素をとって補おうとしたり、重要な機能に栄養素を優先する動きが出ます。
その為、肌荒れや髪の毛がパサパサになる原因になります。ビタミンA、B、Cとミネラルはニキビ予防に重要な栄養素です。これらが不足すると、ニキビが出来やすくなります。また、ダイエットをすることで、ストレスがかかり、自律神経の乱れにより、肌荒れを引き起こしやすくします。
肌荒れ対策・ケア方法
肌荒れが起こる原因は生活習慣の乱れが主な原因となります。その為、根本的な原因を改善することが重要です。ここでは、肌荒れが起こった時に肌に良いスキンケア方法や、摂取するべき食べ物など、すぐに実施するべきケア方法をご紹介します。
乾燥肌のケア方法
乾燥肌の場合は、肌の水分が失われている状態です。特別なスキンケアは必要ありませんが、年齢が30歳を超えている方は皮脂の分泌が少ない為、化粧水と保湿をしっかりと行いましょう。また、乾燥対策として部屋の湿度や温度を調整したり、肌の保湿をしっかりすることが重要です。
乾燥肌は洗顔のしすぎが原因の可能性も高いです。たくさん洗顔をすることで水分量を保つ皮脂を余分に流れ落としてしまいます。朝は化粧水で顔をふきとり、夜は、メイクをしている場合はクレンジングと洗顔を行い、余分な洗顔を行わないようにしましょう。また、肌荒れがひどい状態の場合は、皮膚科で低刺激の化粧水や保湿クリームを処方してもらいましょう。
痒みや痛みがある場合のケア方法
痒みや痛みがある場合は、スキンケアは逆効果になる場合が多いです。肌本来の修復機能を助ける為に、十分に睡眠を取ったり、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンCなどのビタミン群やミネラル、食物繊維を積極的に補い、肌の補修力を高めましょう。
ニキビケア方法
ニキビは、乾燥が起こり、皮脂が多く分泌してしまうことで現れるタイプと、化粧品や汚れが毛穴に詰まって発生する2つのパターンがあります。
乾燥が原因
この場合、小さいニキビが顔全体に広がっている場合が多いです。乾燥が原因となるので、余計な洗顔をせずに、炎症部分を手で触るのは控え、抗炎症作用のある保湿剤で保湿を行いましょう。
油分の多いクリームを使用すると、更にニキビが増える原因になったり、エタノールの多い化粧水を使うと、刺激になって悪化する場合があるので使用を控えましょう。また、ビタミンA、B、C、ミネラルはニキビ予防に重要なので積極的に補いましょう。
化粧品などの汚れが毛穴に詰まっている場合
この場合、クレンジングと洗顔料の洗浄力と化粧品があっていない可能性があります。クレンジングと化粧品の組み合わせを見直しましょう。クレンジングと洗顔をしっかりと行い、汚れをきちんと落とし、ニキビには市販のニキビ薬を塗りましょう。
また、ビタミンA、B、C、ミネラルはニキビ予防に重要なので積極的に補いましょう。ニキビは数日経過すると芯が見えるようになります。この状態になった時に毛抜きを使って芯を取り出すと、ニキビ跡が残りにくく早く治ります。
おわりに
肌トラブルが起こる原因は様々ありますが、多くの原因は生活習慣が関係しています。寝不足、ストレス、ダイエット、便秘など生活習慣を改善することで、改善できる肌荒れが多くあります。
また、今回ご紹介した肌荒れの症状別に効果的なスキンケア方法を取り入れることで、肌荒れ悪化を防止し、本来の肌の修復機能を使って肌トラブルを改善することが出来ます。
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