2007年にアップル社のスティーブ・ジョブズがiphoneなるスマートフォンを販売開始してからというもの、世界の生活は一変しました。
そして現在問題になっているのが歩きスマホ問題。発売開始から10年が経ちますがこの問題は解決する兆しが見えていません。
その歩きスマホの問題がさらに拗れて現在では、歩きスマホをしている人にわざとぶつかって怪我をさせるという事件も相次いでいます。
また歩きスマホをしていると罰金を取られるなどの条例も可決されるなど、モラルの改善が急がれています。
歩きスマホ問題の全貌について見ていきましょう。
歩きスマホを狙った当たり屋について
歩きスマホをしている人を狙った当たり屋。歩きスマホをしている側は自分が悪い部分があるので謝ることしかできずに嫌な思いをしたり、中には転倒して骨を折るという怪我を負った人もいます。
当たり屋に狙われないようにどのような事件が発生しているのかを確認していきましょう!
事件の例
実際に発生して報告されている事件例について紹介します。
事件1
2017年7月22、兵庫県のとある駅で歩きながらスマホを操作していた女性にぶつかって重傷を負わせたとして60歳の男性が逮捕されました。
男性は作家兼ミュージシャンで、SNS上ではこの男性が頻繁に駅付近で歩きスマホをしている人にぶつかりに行っている様子が目撃されるなどの証言も見られ、常習的に歩きスマホをしている人を狙ってはぶつかっていた疑いがあります。
事情聴取に対し男性は「歩きスマホをしている相手が悪い」と発言していて反省の色はないようです。
女性は頭を強く打ち意識不明の重体でしたがのちに意識を取り戻したと報告されています。
事件2
都内の某所で地図を確認しながら移動していた40代男性に勢いよくぶつかるガタイの大きな男性も報告されています。
歩きスマホの男性がよろけて体制を崩しても謝ることなく立ち去る相手。
相手は確実にぶつかる覚悟で接近していたが、まさか本人はぶつかられるとは思わなかったと言います。
人混みでもなく十分にスペースは空いているのに避けない男性に疑問の目が向けられています。
事件3
ぶつかられた人の意見ではなく、ぶつかっている人を目撃した人の意見もあります。
駅前のバスターミナル付近で、歩きスマホをしながら歩いている女性をターゲットに頻繁にぶつかりに行っているおじさんがいるそうです。
男性が同伴していたり複数人いる場合には歩きスマホをしている人でも絶対にぶつからず、一人でいる女性を狙ってぶつかりに行っていると言います。
周囲の人が注意をした際に逃げたとのことなので本人にも罪の自覚はあるのでしょう。
事件4
通勤時間帯の東京町田市のJR駅構内で30代男性と40代と見られる男性が歩きスマホをしていてぶつかったことを巡り口論になりました。
男性同士がすれ違ったのちに40代男性が後ろからタックルし相手をホーム下の線路突き落としました。電車は来ていませんでしたが、運行中の電車の線路内に相手を突き落とした行為は殺人未遂に繋がるとして捜査されました。
この場合当たり屋はスマホを操作していた男性側で、因縁によって相手に攻撃された形になりますが、こういった歩きスマホに不快な思いをさせられた男性が歩きスマホをしている人に執拗にあたりに行っている可能性もあります。
歩きスマホは狙われている
歩きスマホでぶつかられやすい人の特徴を挙げると以下のようになります。
- 単独で行動している人
- 女性
- 温厚そうな人
- 当たり屋よりも体の小さな人
- 見た目が派手でなく地味な人
この特徴を持っている人で歩きスマホをするのは当たり屋に狙われる可能性が高いということを認識しておきましょう。当たり屋は相手を選んでいますので、狙われないように注意です。
たとえ地図を見ていたとしても完全に画面に集中するのは危険です。
当たり屋をしていると公言する人も
テレビのニュース取材に応じた20代男性が告白していた話によると、通勤途中や街中で歩きスマホをしている人を見つけると直前まで避けずに相手に危ない思いをさせて、歩きスマホは危ないことを自覚させる啓発活動の一環として行なっているどのことです。
顔にはモザイクがかかっていましたが、モラル的にどちらが正しいとは言い難い関係性です。
当たり屋は法律的に罰せれるの?
明らかに危険性の高い犯行を繰り返していることが実証できるケースや、悪質であると判断できる場合には迷惑防止条例違反となる可能性もあります。
また、相手に怪我を負わせた場合は傷害罪にも該当しますし、自分が怪我をした・ものが壊れたと言って相手から金品を要求する場合には詐欺罪に該当する可能性もあります。
実際に秋葉原で30歳男性が同様の事件を複数件起こして詐欺未遂で逮捕されています。
スマホ操作で罰金5万円!条例を紹介!
世界の一部の地域では歩きスマホ自体が罰金の対象となることがあります。
海外旅行などで旅行の際に歩きスマホをして罰金にならないように注意しましょう。
現在では日本国内での条例は定められていません。しかし、今後このようなシステムを導入も検討しなければいけない可能性もあります。
また国内でもある状況ではスマホの操作が罰金の対象になりますのでそちらも紹介します。
国内でスマホの操作が罰金となる例
国内では(2017年11月現在)歩きスマホの操作に関しては注意喚起をしている状態に留まります。
しかし、自転車の運転中のスマホの操作、車を運転中のスマホの操作には罰金と減点が課せられます。
自転車の運転中のスマホの操作は、道路交通法では5万円以下の罰金に抵触する恐れがあります。
自動車を運転中のスマホの操作は携帯電話の使用もしくは所持で危険運転の違反に該当し、9000円または6000円の罰金と2点もしくは1点の減点が課せられます。
アメリカで制定されている法律
アメリカのニュージャージー州では横断歩道内で歩きスマホをしていた場合、50ドルの罰金もしくは15日間の拘留が課せられる条例が制定されています。
道路を横断している最中に歩きスマホをしていることが問題となります。同州で歩行者の行動を調査した結果3人に1人は赤信号なのにも関わらず道路を横断し交通を妨害していることを確認しました。
この調査を受け今回の条例を制定するに至ったそうです。
また、日本人観光客が多く存在するハワイ・ホノルルでも罰金の条例が制定されています。
違反の回数に応じて罰金が増加していく仕組みで、最小15ドルから最大99ドルの罰金が課せられます。3回違反をすると最大の金額が請求されます。
アメリカでの年間の歩きスマホが原因の死亡者数は2010年時点で4000人を超えており、けが人は7万人以上に登っています。
もしこの条例で数字的に改善が見られない場合はさらなる規制が必要になるでしょう。
歩きスマホで発生している事故の件数
現在のスマートフォンのシェアの割合は8割弱と言われています。
年々利用者数が増加し、未だ天井が見えないスマートフォンの事故件数について紹介します。一体どれくらいの件数の事故が発生しているのでしょうか?
2017年の事故発生件数について
昨年の事故発生件数は2015年に比べて2、5倍と発表されています。
そのデータは怪我に繋がる患者数から出された数字です。
NTTドコモ公式YouTubeチャンネルで投稿されている動画では歩きスマホを危ないと思っている人が99%に登っていながら、73%の人が歩きスマホをした経験があると回答しています。
さらにそのうちの66%がぶつかる3、6%が落ちる、18%が転んだ経験があると回答。
つまり、日本の人口の80%=約9000万人のうち73%(6570万人)が歩きスマホをしている。そのうち7割(4600万人)近い人がぶつかる・落ちる・転ぶなどの事故を起こしています。
中には重大事故に繋がって救急搬送されているケースもあります。
年間30人が救急搬送されている
東京消防庁が発表しているデータでは、2010年〜2014年までの5年間の間に救急搬送された人は152人と発表しています。
2014年には一旦搬送件数は少なくなりましたがその後さらに増加し2012年〜16年までのデータでは193人となり、現在が最も重大事故発生頻度が高い水準となっています。
搬送された年齢層別項目では40代の搬送者がもっとも多いとの結果が出ており、次に20代>30代>10代と続きます。
事故内容は45%が人やものや車などにぶつかることで発生している事故、28%が転ぶ、24%が落ちることで足を強くひねったり骨を折るなどして搬送されています。
事故が最も起きやすい場所は?
重大事故が最も発生しやすい場所としては道路や交通施設などで発生している件数が最も多く、80%が駅構内や道路で発生しています。
駅構内で発生している事故は階段転落、ホームから転落した人が30%ずつ存在し、駅構内の事故の6割を占めています。
他は人との接触、エスカレーターでの事故となります。
事故の例を紹介
- スマホを操作しながら歩行中に電柱に激突。目の上を負傷。
- スマホを操作しながら歩行中に駐車場のチェーンに気づかずに引っかかって転倒。右膝骨折。
- スマホを操作中に階段に差し掛かり、階段の存在に気づかずに5段下に転落。足首捻挫。
- ホーム上をスマホを使用しながら歩行中に線路内に転落。腰を強打。
- 自転車の使用中にスマホを操作し、前方の車の停車に気づかず衝突。
- スマホを使用しながらの道路横断中に自転車の接近に気づかず接触事故。
これらの事故が発生しています。
また、歩きスマホをして怪我をするのは自分だけではありません。
高齢者にぶつかって相手を怪我させてしまうこともあり、加害者になる可能性もあります。
特に幼児や妊婦などに怪我を負わせてしまった場合や高齢者に障害を残す怪我を負わせてしまった場合は莫大な賠償金の問題に発展します。
特に都市部で同様の事件が相次いでいますので注意しましょう。
歩きスマホを防止するアプリを紹介
どうしても自分の意志ではやめられず、ついついやってしまう歩きスマホ。
そんなアプリを防止することができるアプリがあります。
au歩きスマホ注意アプリ
iosではなくアンドロイド端末のみに対応したアプリです。
携帯電話が歩きスマホを感知すると携帯画面に「やめましょう、歩きスマホ」との文字が出現します。
画面の操作も完全に停止するまでできなくなるので、自分で歩きスマホがやめられない人にオススメのアプリです。
アプリも無償でダウンロードできますので、小さなお子さんなどにスマートフォンを持たせる際にはこの機能をつけておくと安心でしょう。
最新のXperiaを購入すると初めから付いている機能でもあります。
ソフトバンクストップ歩きスマホ
同様にソフトバンクの携帯にもこの歩きスマホ防止アプリが入っています。
しかし少し仕様が異なり、アプリ機能の名前も変わっています。オンオフで簡単に切り替えられますので最新版を購入した際は使用してみましょう。
ドコモ安心モード
ドコモにも安心モードという名前でこの機能が存在します。
[設定]⇒[セキュリティ]から[端末者管理情報]を開いて安心モードを切り替えることでオンとオフが設定できます。
しかし安心モードの機能の中の歩きスマホ機能だけをオフにすることはできないというところが難点でもあります。
安心モードを切ると、ゲームアプリの機能制限やダウンロード制限、Wi-Fiの使用制限などの制限まで解除されてしまいます。
まとめ
歩きスマホは命を落とすこともある危険な行為という認識をもっと皆が持つ必要があります。
わざと歩きスマホにぶつかる人を賞賛することはできませんが、スマホの操作をしながらの事故で悲惨なものは過去にもいくつか報道されています。
ポケモンGOのアプリで死人が出たことも記憶に新しいです。
事故や事件につながらないように、スマホを使用するシーンや場所を確認して周囲の安全はしっかり確認して携帯電話を使用して生きましょう。
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