教育実習、大変ですね。終わると、身も心もクタクタに疲れ果てますよね。でも、大変なのは教育実習生だけではありません。実習生を受け入れた学校の校長先生や指導教官の先生たちの協力があるから、実習が巧くいくのです。
教育実習が終わったら、実習先の先生方にお礼状を書きます。お礼状は、教育実習の締めくくりと言えます。
教育実習のお礼状の書き方を例文付きでお伝えしますね。
教育実習の後はお礼状を書くの?
教育実習は教育職員免許状(教員免許状)を取得するために必要な修得科目の一つです。一般的に、大学四年次の5月から6月に実習を行います。小学校免許取得の場合は4週間、中学校免許は3週間、高等学校免許は2週間の教育実習が必要です。
教育実習が終わると、いよいよ都道府県の教員採用試験です。どこの都道府県でも6月末から7月にかけて第一次試験、8月に面接など第二次試験を行います。私立学校の教員採用試験は8月後半から始まります。
教育実習を終えてほっとする暇もなく、本腰を入れて教員採用試験対策をしなければなりません。「とても教育実習のお礼状どころではない」と思う人も少なくないでしょうが、お礼状は社会人として大事なマナーです。
[教育実習が大変なのは実習生だけではない?]
教育実習は2週間~4週間ですから、教育実習生は大変です。今までの大学生活とは違う日々を過ごすことになります。朝早く起きて登校し、教室を整え授業の準備をします。
放課後は指導教員から指導を受けたり注意されたりします。翌日の指導案を作り、教材を準備します。教育実習を終えると、実習生は身体も頭も心もクタクタに疲れ果てます。
実習生を受け入れる学校側も苦労する
教育実習生を受け入れる学校側は、優良な教師を育てるために力を尽くします。ことに実習生の指導教官(指導教員)は、本来の自分の仕事の上に実習生の指導を引き受けるのですから、心身の負担が大きくなります。5月6月は比較的学校行事の少ない時ですが、実習生の指導が加わると大変です。
教育実習生に教えられる生徒たちも苦労します。指導案の作り方や授業展開の方法がよくわかっていない未熟な学生が教えるのですから、生徒たちも戸惑うことが多くなります。
お礼状は感謝の気持ちをこめて
教育実習の間に、実習生は大学生活では経験できない様々な体験をします。涙が出るほどつらい経験や言葉にできないほどの感動もあるでしょう。人間として成長したことを実感する人もいます。これは、実習生を受け入れてくれた学校の校長先生や指導教員をはじめとする先生方の協力があればこそできたことです。もちろん、生徒たちの協力もあります。
教育実習のお礼状は、実習に協力してくれた人たちへの感謝をこめて書きます。感謝する誠意が相手に伝わるように書きます。
実習生から感謝の気持ちのこもるお礼状が届くと、受け入れ校の校長先生も指導を担当した先生方も実習生に好印象を持ちます。同じ大学の後輩たちが受け入れてもらいやすくなります。
[お礼状を書くタイミングは実習終了から1週間以内]
お礼状は、教育実習を終了してから1週間以内に送るのがベストのタイミングです。遅くても2週間以内に送るのがマナーです。
教員採用試験対策や卒業論文などに追われて、お礼状が遅れる場合もあるでしょう。その時は、お礼状が遅れたことをお詫びする言葉を添えて送ります。
[お礼状を送る相手は?]
お礼状は、基本的に2~3通書きます。送る相手は、①実習先の学校の校長先生 ②担当教科の指導教官(指導教員) ③担当クラスの指導教官(クラス担任の教師) の3人に必ず書きます。担当教科の指導教員と担当クラスの指導教員が同一人の場合は、2人になります。
小学校の教育実習では、主な指導教員はクラス担任(学級担任)の教員です。
児童・生徒やお世話になった教員の方たちにも?
実習生の中には、担当クラスの児童・生徒に手紙を書く人もいます。教頭先生や学年主任・教科主任や教務主任の先生方にお礼状を出す実習生もいます。部活動の指導を一緒にした部活動指導の教員に出す人もいます。
お礼状は、校長先生・教科担任・クラス担任(学級担任)の3人宛だけと限るものではありません。「お世話になった」「面倒をかけた」「細かく指導していただいた」と思う先生には、お礼状を書くことをオススメします。
[お礼状は封書にするのがマナー]
お礼状は必ず封書にします。お礼状・依頼状・紹介状など大事なことを伝える時は、封書にするのがマナーです。ビジネスシーンでも同じです。
電話やメールはNG
ビジネスシーンでは、日常的に電話やメールを使用します。今や、メールは必要不可欠のビジネスツールです。ですから「教育実習のお礼は、電話かお礼メールでいいのではないか?」と考える実習生もいます。
相手に敬意と誠意をこめて何かを伝える手段には、順位があります。もっとも丁寧な伝え方は「相手に直接会って話す」です。次が封書で、ハガキ・電話・メールの順となります。
ハガキは送り状・暑中見舞い・簡単なお礼などに使います。電話は相手と直接話せるので良いのですが、相手の都合の悪い時にぶつかってしまう可能性があります。電話をもらって迷惑することがあります。教師は本来の仕事の他に雑用が多く、極めて多忙です。電話で相手の時間を取るのは、かえって失礼になります。
教育実習を終えた翌日にお礼メールを送り、改めて封書の礼状を出すのであればかまいません。お礼メールだけで済ませるのはNGです。
[お礼状は縦書きがマナー]
日本語の正式な文書は縦書きにします。封筒も中の便箋も、縦書きにするのがお礼状のマナーです。
封筒は縦型で白無地・便箋は地味なもの
封筒は縦型の白無地にします。白なら地紋があってもかまいません。便箋は無地か季節の花などを描いた地味なものにします。
パソコンを使わず、手書きにする
お礼状は、自分の手で書くことをオススメします。字が下手でも、一字一字丁寧に読みやすく書けば良いのです。パソコンを使って書くのはオススメできません。黒インクの万年筆か黒のボールペン・水性ボールペンを使います。
誤字・脱字・敬語の使い方に気をつける
お礼状を書き終わったら、誤字・脱字をチェックします。敬語の使い方にも気をつけます。
誤りが見つかったら、最初から書き直す
誤字・脱字・記載ミスが見つかった時は、全文を最初から書き直します。修正液などで訂正するのはNGです。
封筒の宛名は相手ごとに別々に
封筒の宛名は、校長先生宛・教科担任やクラス担任など指導教員宛・生徒宛など相手ごとに別々に書きます。住所は同じですが、一つの封筒にまとめて何通も入れるのは失礼です。
宛名の書き方
- 住所 ○○県△△市青葉区緑町一丁目三番地
- 肩書+氏名+敬称 みどり小学校校長 山田太郎先生
あるいは
- 住所 ○○県△△市青葉区緑町一丁目三番地
- みどり中学校 御中
- 氏名 鈴木花子先生
肩書は「校長・学年主任・英語科主任・教務主任」などです。必ず「肩書+氏名+敬称」の順に書きます。「三年生学年主任 佐藤一郎先生」「英語科主任 田中春子先生」とします。敬称は「様」よりも「先生」が良いでしょう。「山田太郎校長先生」や「鈴木花子教頭先生」はNGです。
特に肩書がない場合は、「○○中学校 鈴木花子先生」とします。児童や生徒たち宛の場合は「○○小学校 五年三組の皆様」とします。
差出人
校長宛や先生宛の手紙は日に何通も来ます。ただ差出人の住所・氏名を書いただけでは、どういう手紙なのかわかりません。封筒の裏面には、住所・氏名を書き、氏名の後に()して「所属大学・教育実習生」と書き添えます。
- ○○県△△市東区雪山町三丁目二十番地五号
- 山田花子(○○大学 教育実習生)
教育実習のお礼状の書き方は?
教育実習のお礼状は、御指導いただいた先生方に感謝の気持ちを伝えるとともに、教員として働く決意や抱負を述べます。「先生方の御指導を活かして、良い教員になるように努めます」という言葉に、指導した先生方の苦労も報われます。
[お礼状の基本的形式]
お礼状など手紙の書き方には、基本となる形式やマナーがあります。校長先生宛や担当教科の指導先生宛・担当クラスの指導教員宛の礼状は、きちんとマナーを守って書きます。
手紙の基本の構成は、前文・本文(主文)・末文・日付・差出人署名・宛名(相手の肩書+氏名+敬称)となります。
前文
前文は、頭語・時候の挨拶・安否や近況の挨拶から構成されます。
頭語
拝啓・謹啓など、手紙の書き出しに使います。結語とセットになっているので、書く時に注意が必要です。
頭語が「拝啓」ならば、結語は「敬具」「敬白」です。もう少し丁寧にしたい時は頭語に「謹啓」「謹白」を使い、結語を「謹言」「敬白」「敬具」にします。
時候の挨拶
季節や天候について心情や情景を表現するのが「時候の挨拶」です。頭語を書いたら改行して、一文字分下げて書き出します。
安否・近況の挨拶
相手の健康や近況について述べ、次に自分の健康・近況を述べます。
前文の例文
- 謹啓
- すがすがしい初夏の候となりましたが、皆様いかがお過ごしでございましょうか。私は目下、教員採用試験の準備に追われております。
本文(主文)
お礼状の中で最も重要な部分です。校長先生や指導教官に感謝の気持ちを伝え、お礼を述べます。自分の決意や抱負を述べます。
起語
「さて」「このたびは」「ところで」など、前文と本文(主文)をつなぐ言葉を「起語」と言います。起語を書いてから、本文に入ります。
末文
本文の内容を簡潔にまとめ、相手の健康と繁栄を祈ります。
結語
頭語とセットになった結語を書きます。「かしこ」という結語は女性だけが使います。どの頭語にも使えて便利な結語ですが、女性らしさを強調するためビジネスシーンでは避ける傾向があります。
日付・差出人署名・宛名
日付は、年・月・日を書きます。
差出人署名には、封筒と同様に「所属する大学」を書き「教育実習生」と書き添えます。差出人の氏名の次の行に書くようにします。
宛名は、必ず「肩書+氏名+敬称」の順で書きます。
[本文には何を書く?]
お礼状は、本文(主文)に何を書くかが重要です。基本的に書く内容は、以下の3点です。
- 教育実習の場を与えてもらったお礼
- 実習中の感想・実習から学んだこと
- 指導を受けたお礼や今後の決意・抱負
本文の内容は、基本を踏まえながら相手によって変えるようにします。
校長先生宛のお礼状には?
校長先生宛のお礼状のポイントは、校長先生はじめ学校全体に対する感謝の気持ちを誠意をこめて伝えることです。本文は、次の順序で書きます。
- 教育実習の場を与えてくださったことに対する感謝の気持ち
- 校長先生をはじめ教頭先生や学校全体の先生方・職員の方々にお世話になったお礼
- 教育実習の経験を今後の教員生活に活かしていきたいと思う気持ち
指導教員の先生のお礼状には?
教科担任やクラス担任の指導教員の先生へのお礼状のポイントは、具体的な指導に対する感謝です。指導を受けて、教員という仕事に対する熱意を新たにしたことを述べます。
- 担当の学科の仕事だけでなく、生徒指導・校務の分掌・部活指導など多岐に渡る仕事について指導を受けた感謝の気持ち
- 自分が困った時や不安になった時に、励まし助けていただいたお礼
- 授業発表の時に学習指導案の作成や教材研究を指導してもらった感謝の気持ち
- 指導教官の先生の指導で、自分が成長できたこと・新たにやる気や熱意が生まれたこと
[教員採用試験対策は教育実習の前から]
教師という職業に就くのは、決して簡単ではありません。教員免許状は大学で所定の科目を修得すれば、大学卒業時に都道府県に申請して取得できます。しかし、教員採用試験はかなりの難関ですから、前々から対策を立てる必要があります。私立学校の教師になるならば、各私立学校独自の採用試験を受けなければなりません。
本気で学校教師になりたい人は、三年次から教員ステーションなどのサイトで情報を収集し、教員採用試験対策をすることをオススメします。
教育実習では現場の教師の声を聞く
教育実習の現場には、教員採用試験に合格して間もない若い先生もいます。若い先生たちに試験対策を聞くのも良い方法です。
教育現場の悩みや問題の対処法について聞く
経験の浅い若い先生方は、教育現場の悩みや問題を数多く抱えています。教員採用試験対策を聞くだけでなく、生徒指導の悩みや問題の対処法についても聞くことをオススメします。二次試験の面接で役に立つ可能性もありますが、実際に教職に就いた時に必ず役に立ちます。
[教育実習の間は、本気で教師になるつもりで]
教育実習生は、全員が教職に就くとは限りません。中には、教員免許を取得するだけで、教員採用試験を受けて学校教員になるつもりの全くない人もいます。教育実習が終わると同時に、一般企業への就職活動に奔走します。
そういう実習生は、教育実習中も就活で頭がいっぱいになっている可能性があります。指導教員の指導や注意も聞かず、実習に身を入れません。これには、学校全体の先生たちも職員も児童・生徒も迷惑します。
教育実習の経験はビジネスにも活かせる
教育実習の期間中は、学校教員になるつもりで本気に取り組みます。そうすれば、教育実習で受けた指導や経験は、社会に出て一般企業に勤めた時にビジネスに活かすことができます。
教育実習の間は、本気で教員になるつもりで取り組むことをオススメします。終わった後は、必ずお礼状を書きます。学校全体や指導教員の先生に感謝の気持ちを伝えます。相手に感謝の気持ちを伝えることは、社会人として不可欠な能力で大事なマナーです。
教育実習のお礼状の例文
最後に、いくつかお礼状の例文紹介をしますね。お礼状の書き方例文は、教育実習関連のサイトや手紙の書き方のサイトに数多く載っています。サイトの記事には、お礼状の書き方に関する質問や回答も載っています。
例文をまねするうちに、自分なりの文章が書けるようになります。でも、例文はあくまで参考ですから、丸写しにしないで、自分の状況に当てはめて文章や言葉を変えるようにします。
①校長先生宛ての例文
校長先生宛のお礼状は、改まった言葉や表現を使うようにして高い敬意を示します。
謹啓
梅雨明けが待たれる今日この頃でございますが、校長先生はじめ若葉中学校の皆様におかれましては、益々御清栄のこととお慶び申し上げます。私も元気に大学に通っております。
さて、この度は教育実習という貴重な場を与えていただきましてこと、心より感謝申し上げます。
校長先生・教頭先生・指導担当の山田先生はじめ学校の皆様には本当にお世話になりました。先生方の温かい御指導や御助言をいただいたおかげで、無事に教育実習を終えることができました。お礼の言葉もございません。
大学の授業ではわかっていたつもりでも、実際に生身の生徒たちを前にして何もできず、自分の未熟さを思い知りました。実習と言う実地訓練の大事さを痛感致しました。
先生方の御活動を間近に見て学び、親しく御指導を受けて、教師は生半可な覚悟では務まらないと実感いたしました。しかし、生徒のみなさんたちと接する喜びがどれほど大きいかということも、身をもって知ることができました。
御校で実習させていただいたおかげで、教師になりたいという気持ちが益々高まりました。教員採用試験が迫っております。御校で御指導いただいた経験を活かし、教職へ熱意を新たにして試験に臨むつもりでおります。本当にありがとうございました。
今後とも御指導御鞭撻賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
校長先生はじめ先生方の御健勝と若葉中学校の益々の御発展を心からお祈り申し上げます。
敬白
平成○○年〇月△日
鈴木太郎
(○○大学△△学部 教育実習生)
若葉中学校校長
田中花子先生
②担当教科の指導教員宛ての例文
担当教科の指導先生に宛てたお礼状の例文です。
拝啓
梅雨の候、うっとうしい天気が続いております。山田先生には相変わらず御多忙な日々をお過ごしのことと拝察いたします。私は大学に戻り、教員採用試験の準備に追われております。
さて、この度の教育実習では親身に御指導いただきまして、誠にありがとうございました。何もかも初めてのことばかりで、私はただおろおろと戸惑うばかりでございました。指導案の作成から授業中の生徒指導の方法まで、先生がいつも温かく根気よく御指導くださいましたこと、何とお礼を申し上げてよいか言葉が見つかりません。
山田先生のお力添えのおかげで、3週間の実習を無事終えることができました。困った時も辛い時も、いつも先生が励ましてくださいましたこと、今思い出しても胸が熱くなります。
試験に通り教職に就くことができましたら、私も先生のように常に生徒たちに温かい手を差し伸べるようにしたいと存じます。改めて教師になりたいという気持ちが湧いて参ります。本当にありがとうございました。
末筆ながら、山田先生の御健勝と若葉中学校の御発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
平成〇年〇月〇日
田中花子
(○○大学教育実習生)
若葉中学校
山田春男先生
③学級担任の指導教員宛ての例文
小学校の教育実習では、学級担任(クラス担当の指導教官)と教科担当の指導教官が同じです。中学では、クラス担任の指導先生と教科担任の指導先生が別人のことが多くなります。同じ教師の可能性もあります。
拝啓
梅雨の候、高田先生にはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。先生のクラスの生徒たちは相変わらず元気でにぎやかにしていることでございましょう。私は大学に戻り、教員採用試験の勉強に取り組んでおります。
このたびの教育実習では、先生には大変お世話になり、誠にありがとうございました。大学で教わったはずなのに、実際に生徒たちの前に立つとどうしていいかわからず、おろおろするばかりでした。先生に根気よく御指導いただいたおかげで、少しずつクラスをまとめて授業を進めることができるようになりました。無事に四週間の実習を終えることができたのは、先生のお力添えがあればこそと存じます。
先生は放課後遅くまで学習指導案を練り、生徒一人一人に合う手作りの教材を用意していらっしゃいました。クラス担任で学年主任という御多忙の身で、未熟な実習生の指導を引き受けてくださいましたこと、何とお礼を申し上げてよいかわかりません。
私も先生のように生徒一人一人のことを考える教師になれますよう、一生懸命頑張るつもりでございます。今後とも御指導のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。この度は本当にありがとうございました。
末筆ながら、高田先生とクラスの皆様の御健勝ならびに若葉小学校の御発展をお祈り申し上げます。
て敬具
〇年〇月〇日
山田花子
(○○大学△△学部 教育実習生)
若葉小学校五年生学年主任
高田太郎先生
④クラス生徒宛ての例文
担当したクラス生徒に宛てたお礼状の例文です。教育実習は、生徒の協力が必要です。クラス生徒に宛てた手紙はマナーを守りながらも、親しみのある手紙にします。
二年A組の皆様へ
長雨が続いていますが、皆さんお元気ですか。私は大学の学生に戻って、毎日授業を受けています。でも、何かにつけて皆さんのことを思い出しています。
最初は緊張して言葉もなかなか出てきませんでしたが、皆さんが温かく見守って励ましてくれたおかげで、だんだん緊張もほぐれてきました。皆さんと一緒に勉強したり話したりするのが楽しくて、毎日張り切って学校に行くことができました。部活動にも参加させてもらい、運動が大の苦手だったのに、スポーツをする楽しさも知りました。
最後の日には、メッセージカードや手作りのプレゼントを皆さんからいただき、本当にうれしく思いました。皆さんの温かい気持ちは、一生忘れません。未熟な私を助けてくれて、本当にありがとうございました。
皆さんのように素敵な生徒さんに出会える教師になりたいと思い、教員採用試験に合格するよう頑張っています。いつか、成長した皆さんに会えることを心から願っています。
皆さんが楽しく元気に学校生活が送れるようにお祈りしています。
〇年〇月〇日
山田花子
(○○大学 教育実習生)
まとめ 教育実習の礼状は感謝の気持ちをこめて書く
教育実習は実習生も大変ですが、実習生を受け入れる学校の校長先生はじめ実習指導の先生方の苦労も並大抵ではありません。
教育実習が終了したら、1週間以内にお礼状を書きます。遅くとも2週間以内に書いて送ります。お礼状の相手は、実習先の学校の校長先生・担当教科の指導教員・担当クラスの指導教員の三人です。この三人には必ず書きます。他にお世話になった先生や生徒たちに礼状を書く人もいます。
礼状は封書にするのがマナーです。縦型の封筒を使い、封筒も中の便箋も縦書きにします。黒インクの万年筆やボールペンを使用し、自分の手で一字一字丁寧に書きます。お礼状は、相手ごとに別々の封書にします。
お礼状の書き方は、一般の手紙の書き方と同じです。頭語・時候の挨拶・近況の挨拶・起語・本文・末文・結語・日付・差出人署名・宛名という構成です。お礼状はマナーに従い、敬語など言葉遣いに気をつけて書きます。
本文の内容は相手によって少し違いますが、基本は同じです。教育実習の場を与えてくれたことの感謝・教育実習を経験して学んだことや感想・教育実習を経験して新たに生じた教職への熱意や抱負 の3つがポイントです。3つのポイントを抑えながら、未熟な実習生を指導してくれた感謝の気持ちを誠意をこめて相手に伝えます。