シナモンといえば、洋菓子に使われている香りを思い出しますが、日本でも最も古くから使われていた八つ橋をご存知のかたは多いのではないでしょうか?
シナモンはただの香りづけだけと思っているかたも多いと思いますが、実はシナモンにはとてもよい効果効能があるのです。スパイスやお菓子作り、アロマなどにもよく利用されています。
シナモンについての詳しく見てみました。
シナモンについて
シナモンについていろいろ調べたことを書いてみたいと思います。シナモンの効果的な方法や歴史について見てみます。
シナモンとは
クスノキ科の常緑樹で、幹や枝の樹皮を細長くはぎ取りコルク層を除去したものがシナモンです。桂枝(けいし)・桂皮(けいひ)を用いて作ります。日本では肉桂として桂皮と桂枝がが同じ扱いをされていますが、中医学では桂枝と桂皮は性能が違うので違う扱いをしています。
- 桂枝は直径1㎝以下の若い細い枝の樹皮
- 桂皮は幹の皮を一定の幅ではぎ取ったもの
- 肉桂は桂皮とほぼ同じで、シナモンスティックと同じ香り
シナモンにはたくさんの種類がありますが、一般的にはセイロンシナモンがシナモンと言われています。しかし、現在はベトナム産のカシアも利用されています。
シナモンの原産地はインド、マレーシア、スリランカが多く、熱帯地方で多く栽培されています。
シナモンは甘いものとの相性がよく、アップルパイをはじめ、ケーキやドーナツに利用されると一層の相乗効果でおいしさを倍増させます。また、コーヒーや紅茶、フルーツととても相性が良いのです。また、シナモンにはシナモンパウダーとステック状のシナモンがあります。
シナモンパウダー
シナモンパウダーは非栄養性機能物質という栄養にならない栄養素でできていて、身体の様々な反応や活動に加わることで適切に促します。
パウダー状になっているので非常に使いやすいです。
スティック状シナモン
スティック状になったシナモンは粉々にして煮出さないと有効成分が吸収されません。毛細血管の効果を出したい方は、パウダー状のほうがよいでしょう。
シナモンの研究
アメリカのラッシュ大学附属病院の神経学者たちの研究によると、学習能力の低いマウスにシナモンを与えると、学習能力に改善が見られました。
シナモンはトースト、コーヒー、朝食のロールの旨味添加物で、食べることで、脳内の特定のタンパク質を増量させます。それにより、記憶力と学習能力を向上させます。
シナモンを摂取するのに効果的な方法
シナモンを摂取するにはどのような時間帯でもよいのですが、効果がはっきり表れやすいおすすめの時間帯は夜がよいと言われています。
肌の修復や若返りに良いと言われている成長ホルモンは就寝中に分泌されます。身体の調整や回復を行うため、お肌にも効果的で、リラックス効果があるので安眠効果も期待ができます。
毛細血管を回復させるためなら、最低2~3日おきに、糖尿病改善の予防や改善なら毎日摂取することをおすすめします。
シナモンの歴史
私たちが使用しているスパイスにはかなりたくさんの種類があります。その中でもシナモンは世界最古のスパイスとしてしられています。
シナモンは紀元4000年ごろから利用されていたようで、旧約聖書やパピルスにも登場していて、シナモンは昔から香辛料や漢方として用いられていました。
当時はミイラの防腐剤や香油として用いられています。シナモンには強い抗菌作用と殺菌作用があることが、当時から分かっていました。
古代ギリシャでは王侯貴族に深い愛情を伝える最高の贈り物として重宝されています。シナモンは「愛をかきたてる」と甘美な香りからそのように利用されていました。
日本における歴史
日本において8世紀前半に乾燥したシナモンが「桂心」という名で生薬や漢方薬として伝来しました。
今でも正倉院の御物の中に保存されています。防腐剤、香料として大航海時代の冒険者たちが命を懸けて求めたスパイスです。
江戸時代の1716年~1735年ころに、シーボルディー種の樹木として伝えられてきました。
日本で古くから利用されていた八つ橋は皆さまもご存知のことでしょう。八つ橋は、一般的なセイロンシナモンでなく、ニッキと呼ばれる種類が使用されて、江戸時代の中期には作られて皆様に親しまれていました。
シナモンの栄養成分
シナモンは香りだけでなく豊富な栄養成分が入っています。シナモンはスパイスの王様と言われるように、香りだけでなくその栄養成分には生薬や漢方に用いられるほどの、栄養効果があるのです。
ビタミンB1
ビタミンB1は、水溶性のビタミンで、疲労回復のビタミンとも呼ばれ、神経や筋肉の機能を正常に保つ効果があり、糖質の代謝を促し、エネルギーを作る手助けの働きがあります。
ビタミンB2
ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれ、ビタミン群の一種です。脂肪を燃焼させる効果があるので、ダイエットにも効果的です。
細胞の新陳代謝やエネルギー代謝を促進し、健康な皮膚や髪、爪をつくる成長や美容に関わるビタミンです。
粘膜や皮膚を健康に保つ効果、成長を促進する効果、ダイエット効果などが期待されます。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の一つで、糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作り出します。二日酔いなどのアルコールを分解の酵素の働きを補助する補酵素です。
脳神経を正常に働かせる効果や皮膚や粘膜の健康維持を助けます。また、血行を促進する効果もあります。
カリウム
カリウムは余分なナトリウムを体外に排出するミネラルです。食事から摂取することはむつかしくない栄養素です。
しかし、近年は食生活の変化からナトリウムの摂取量が増加して、不足がちのミネラルとして重要視されています。
カルシウム
カルシウムは丈夫な身体作りには欠かせない栄養素で、骨や歯の基礎となる栄養成分です。現代は子供から老人まで不足しがちな栄養素です。したがって、積極的に摂る必要があります。
骨粗しょう症やストレス・イライラを抑える効果があります。
マグネシウム
マグネシウムは体内で300種類以上もの酵素の働きを助けるミネラルの一種です。カルシウムと密接な関わり歯や骨の形成に必要な栄養素です。
エネルギー生産や多くの体内酵素の正常な働きを助けながら、血液循環を正常に保つ働きがあります。
丈夫な骨を作る高血圧の予防、心疾患を予防、精神を安定させる効果などが見られます。
鉄分
鉄は赤血球を構成する成分で、必須ミネラルとして重要視されています。全身の細胞に酸素や栄養素を運ぶ役割を担っています。
体内には実際に酸素を運ぶ機能鉄があります。機能鉄が不足したときに蓄えられる貯蔵鉄の2つが存在します。鉄は貧血の予防に重要な栄養素で、また、疲労回復効果などもあります。
亜鉛
亜鉛はミネラルの一種で、タンパク質、核酸の代謝に関与して健康維持に役立ち、味覚を正常に保つためにも必要です。
また、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きもして、ミネラルの中でも不足しがちな栄養素です。
成長を促進する効果、味覚を正常に保つ効果、二日酔いを防ぐ効果、抜け毛防止する効果、生殖機能を維持する効果などがあります。
シナモンの効果
シナモンの効果は老若男女だれでも効果が実感できます。それは、シナモンが毛細血管に直接働きかけるためです。しかし、10~20代は血管の修復力が高いので、その効果があまり実感できませんが、40代以降になると早く効果が実感できます。
また、女性は女性ホルモンが毛細血管の減少に深く関わっているので、ホルモンバランスが崩れて女性ホルモンが減少すると毛細血管の減少が起こります。
シナモンは女性ホルモンへの作用があるので、男性より女性のほうが効果が実感できます。シナモンの健康効果には次のような健康効果があります。どのようなものがあるか見てみました。
血流を改善する効果
シナモンは血行を盛んにし、諸臓器の機能を亢進する働きがあります。血液の流れが悪くなると全身の細胞の新陳代謝が滞ったままになるので老化が進む原因となります。
また、疲れやすい免疫力低下などの症状が起こってきます。シナモンを摂取すると老化防止効果や免疫力アップの効果が出てきます。
お肌の代謝をアップして美肌作り
シミやソバカス、シワという女性には悩みの種ですが、これらの悩みはお肌のターンオーバーが整うことで改善されます。
ターンオーバーにより古角質がはがれ落ち、新しい肌がよみがえります。シナモンには血流を改善する効果があるので、お肌の細胞への栄養補給を活発にして、肌のターンオーバーが整う新陳代謝や目の下のクマ改善に期待ができます。
お肌のアンチエイジング効果
お肌の効果の原因は活性酸素にあります。活性酸素を除去する働きに抗酸化作用があります。この強い抗酸化作用の働きを持っているシナモンには肌、髪の毛、手足といった毛細血管の修復力が強いです。
毛細血管がダメージを受けていると、シワやたるみが出やすく十分な栄養が行き渡らなくなります。皮膚毛細血管の修復をしてくれるのがシンナムアルデヒドという成分の働きによるものです。
加齢とともに毛細血管が衰えてくると、形だけの血管が増えてきてゴースト血管になってしまいます。
ゴースト血管になると、毛細血管に栄養素が運ばれなくなるので、風邪をひきやすくなったり、発汗作用もうまくいかなくなったりします。
身体中に栄養が運ばれなくなると、臓器がうまく働くなり感染症にかかりやすくなります。シナモンを摂取することで毛細血管を修復し、アンチエイジング効果をもたらしてくれます。
血管年齢が若返ってきます。
冷え性の解消
女性の敵ともいわれる冷え性の解消にシナモンは働きます。身体が冷えることで血流が悪くなり、毛細血管はより血流の流れが悪くなってしまいます。
血流の流れが悪くなるとくすみやむくみが起きてきます。髪の毛にも十分な栄養が回らないので、抜け毛や薄毛が目立つようになります。
加齢になって毛細血管が弱体化してくると、余計に血液循環が悪くなって冷えが増長しますがシナモンで内臓も手足の冷えもすべて温かくしてくれます。
薄毛抜け毛の改善
薄毛や抜け毛に悩む女性が増えてきていますが、その原因は一つではありません。頭皮の毛細血管がダメージを修復します。血流の改善をしてくれるので、健康な髪が生えやすい環境が整います。そのため、薄毛抜け毛の効果が期待できます。
むくみを予防する効果
漢方で使用されるシナモンには、水分代謝を調節する作用があり、発汗を促してむくみを予防する働きがあります。
水分代謝というのは汗や尿とともに体にある余分な不要物を体外に排出することを言います。ですから、水分代謝が悪く余分な水分が身体にたまりむくみのトラブルの原因となります。
女性の身体は脂肪が多く筋肉が少ないので、代謝が鈍りやすくできています。それに加え、女性のファッションが脚やおなかを露出するファッションや、高いヒールを履くことで脚の血の巡りを悪くさせます。
血の巡りが悪くなると、水分や老廃物を排出するリンパも滞りむくみやすくなりますが、シナモンのカリウムが余分な水分を体外に出します。
胃や腸を健康にする効果
シナモンは腹痛や下痢や腹部満腹感などの解消に効果があるとされています。
腸には人間の免疫の7割が存在していると言われています。腸の健康を維持できるかどうかは健康と美容に大きく関わってきます。
シナモンは胃腸の働きを整えてくれるので、便秘、下痢の改善に働きかけてくれ、美肌効果やまた、免疫力アップの効果も期待できます。
消化促進する効果
シナモンの甘いさわやかな香りは、消化促進作用を持っています。
桂皮アルデヒドという成分が臭覚を刺激して、胃の働きを高め胃液の分泌を促し、消化促進します。
糖尿病の予防・改善効果
シナモンは糖尿病対策の機能成分として注目されていて、Ⅱ型糖尿病の患者を対象にしたランダム比較試験により、シナモン投与による血糖コントロール改善作用、糖代謝改善作用が発表されています。
糖尿病の人は肥満気味です。それは、インスリンというホルモンに脂肪合成を進める作用があるからで、シナモンに含まれるプロアントシアニジンという成分が、インスリンの分泌を活性化させ、血糖値の安定させる働きがあるのです。
また、生活習慣病の原因となるコレステロール値を整え、中性脂肪を減らすのに効果的で習慣病の予防と改善に期待できます。
血糖値をコントロールするダイエット効果
ダイエットは脂肪燃焼する効果が必要ですが、シナモンには脂肪細胞を縮小させる働きがあります。血糖値もコントロールしてくれます。
身体の中から脂肪を燃やすサポートをしてくれるので、ダイエットには最適です。
シナモンの副作用
なんでもそうですが、良いからと言ってそればかり摂取していると害を及ぼします。シナモンも例外ではありません。
シナモンの副作用を起こさない摂取方法
一日の摂取量は0.3g~3gが適量で、それ以上摂ると肝機能の障害を起こす危険性があります。シナモンを適量とって入れは問題ありません。
しかし、血糖値を下げる効果やアンチエイジング効果があることが分かってから、サプリメントを販売されるようになりました。
そのため、シナモンの過剰摂取に気を付けなければならなくなりました。シナモンには、クマリンという成分が入っています。
過剰摂取すると肝機能障害を引き起こす
クマリンは過剰摂取すると肝障害を引き起こす可能性があります。これだけでなく、香気成分のシンナムアルデヒドが胎児への悪影響を及ぼし、妊婦さんのリスクがありますので注意が必要です。
ですから、毛細血管の老化、美肌、ハゲ予防に効果があると言ってサプリメントをとり、シナモン入りの食品を食べることは過剰摂取につながります。
クマリンの含有量
シナモンには2種類あって、スリランカのセイロンシナモンと中国やベトナム産のカシアです。
セイロンシナモンはクマリンの含有量が少ないのですが、中国産カシアは41倍ベトナム産カシアは385ばいのセイロンシナモンのクマリンが含まれています。
シナモン自体は天然のスパイスなので心配ありません。妊婦さんは心配なので医師に相談してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?シナモンについて詳しく見てきました。シナモンも血管を修復してくれるありがたい食べ物です。
シナモンは毛細血管を修復してくれるので、女性にはとてもうれしい効果が期待できます。先日も韃靼茶の血管修復を知って、早速取り入れてみましたら、おいしくてとても身体によいように思われました。
ただ、韃靼茶は日持ちがあまりしなようです。このシナモンはスパイスなので日持ちにはとても良い食品です。早速スリランカのパウダー状タイプを取り寄せてみました。
また、効果など分かりましたら書いてみたいと思います。
シナモンにはパウダー状とスティック状がありますが、用途によって使い分けます。パウダータイプはヨーグルトやシリアルなどに混ぜるとよいです。
スティックタイプは紅茶やコーヒーを飲むときにかき混ぜながら香りを楽しむのにおすすめです。料理なら隠し味にスティックタイプをカレーやシチューに入れるとよいです。
シナモンはスリランカらのシナモンを選ぶとよいでしょう。
関連記事として、
・体を温める飲み物を知ろう!いつ飲むのがベスト?冷やす飲み物も紹介!
これらの記事も読んでおきましょう。