多くの女性が悩まされている冷え性。冬が終わったからといっても、油断はできません。これからの季節、会社や図書館、公共施設などクーラーを強めにかけているところは多く、夏場でも冷えとの戦いをしなければいけません。
夏場でも体を冷やさないように意識を高める必要がありますが、実は普段の飲み物を変えるだけでも、冷え性対策をすることができます。ここでは、体を温める飲み物について記事にしていきます。
体を温める飲み物について
「体を温める飲み物」というと、皆さんは何が思い浮かびますか?ホットコーヒ、ホット緑茶ホットティー、ホットミルク・・・などとホットドリンクを思い浮かんでいる人もいるかもしれませんが、実は「ホットドリンク=体を温める飲み物」というわけではないんです。
ここでは、体を温める飲み物とは何か、今話題の温活について、体を温める飲み物の見分け方、体を温める飲み物と冷やす飲み物についてご紹介します。
体を温める飲み物とは?
東洋医学の考えでは、食べ物や飲み物は陽(温・熱)、陰(涼、寒)、平の3つの性質に分けることができると考えられています。
陽のものは体を温める食べ物で、陰は体から熱を奪ってしまうもの、平は陽や陰のどちらにも属さないものという定義があります。これらの食べ物や飲み物の性質を食性と呼び、これは加熱したり加工することで変わる場合もあります。
冷え性だからと言って、陽のものだけを摂取しようと考える人もいますが、そのようにしてしまうと制限がかかりすぎて、かえってバランスが悪くなったり、必要な栄養素を十分に取ることができなくなります。
体を温めたいと考えている時は、陽の性質のものを積極的に取り入れたり、体を温める性質のある香辛料を混ぜ合わせる工夫が重要です。
今話題の温活とは?
温活とは日ごろから体を温める活動のことで、基礎体温を1度あげるだけでも本来体が持つ免疫力を高めたり、冷え性や月経不順などの女性特有の病気を改善することができます。「冷えは万病のもと」ともいわれるように、体が冷えることで引き起こされる病気は様々です。
また、多くのモデルさんが夏でも体を冷やさないように、白湯を飲むなどして工夫しています。体が冷えることは美容の大敵でもあります。健康や美容の為に日ごろから温活をして、自分の体への意識を高める事が重要です。
体を温める飲み物の見分け方
体を温める飲み物を全て把握しておくことは難しいです。いくつか見分けるポイントがあるので、こちらでご紹介します。しかし、中には例外なものも存在するため、あくまで目安として覚えて置きましょう。
寒い季節・土地で育ったもの
寒い地域で育ったものは、体を温める性質があり、温かい地域で育ったものは体を冷やす傾向にあります。
例えば、コーヒーの原料となるコーヒー豆は温かい地域で育っていたり、南国育ちのバナナ、パイナップル、マンゴー、みかん、レモンなどのトロピカルフルーツやきゅうり、トマト、なす夏が旬の野菜にも体を冷やす作用があります。
果物の場合は、りんご、ぶどう、桃、さくらんぼを使ったジュースや、にんじん、かぼちゃ、たまねぎなどの冬野菜を使ったスープなどを飲むと体を温めることができます。
赤や黒の飲み物
赤や黒色の飲み物は、比較的に体を温める作用があり、白い色や薄い色の飲み物は体を冷やす性質に属している傾向にあります。
例えば、赤ワインや黒豆茶などは体を温め、白ワインや豆乳などは体を冷やす性質があります。冬には赤ワインでホットワインを楽しむと体を温める効果が更に上がり、保温効果のあるシナモン入れると風味の変化も楽しめます。
利尿作用の高い飲み物
体内に余分な水分がある事は、冷えが起こる原因になるといわれています。その為、利尿作用のある紅茶やウーロン茶、ゴボウ茶などのお茶は、余分な水分を体外へ排出して体内を温めてくれます。
コーヒーや緑茶も利尿作用が高い飲み物として知られていますが、コーヒーは体を冷やす飲み物です。
発酵しているもの
発酵している紅茶は体を温める性質があり、発酵していない緑茶は体を冷やす性質があります。
また、ココアはカカオを発酵させて作ったものなので、カカオは南国育ちのものですが、体を温める作用があります。
体を温めてくれる香辛料が入った飲み物
生姜やシナモンなど体を温めてくれる香辛料が入った飲み物も効果的です。例えば、生姜紅茶、生姜湯、ショウガ入りホットレモン、シナモン入りココアなど体を温めてくれる香辛料が入った飲み物は体を温めてくれます。
もともと温める性質のある紅茶、ココアなどを組み合わせると効果が更に高まるのでオススメです。
体を温める飲み物と冷やす飲み物
上記で紹介したポイントを踏まえたうえで、体を温める飲み物と冷やす飲み物にはどんなものがあるのか一覧でご紹介します。
体を温める飲み物
- しょうが湯、生姜紅茶
- 黒豆茶
- ココア
- ほうじ茶
- 紅茶
- ウーロン茶
- 赤ワイン
- 日本酒、紹興酒
- ごぼう茶
- プーアル茶
体を冷やす飲み物
- コーヒー
- 緑茶
- 牛乳
- 豆乳
- ジュース
- 清涼飲料水
- 水
- 白ワイン
- ビール
- ウィスキー
- 焼酎
体を温める飲み物の種類と効果について
日ごろから飲用する物であれば、体を温めるだけでなく、別の効果もあれば気になるところですよね。体を温める飲み物の中にはダイエット効果の高いものや、美肌効果のあるものなど美容にいいものがたくさんあります。
今回ご紹介する中から自分の期待する効果を確認して、日ごろから飲むように心がけましょう。ここでは、体を温める飲み物の効果について詳しく紹介します。
紅茶
紅茶は発酵していることと、高い利尿作用がある為、体を温める作用があります。紅茶にはカフェインが含まれているので、夜寝る前に飲むと睡眠の妨げになります。夜寝る前に飲む場合は、カフェインレスの紅茶を選びましょう。
また、紅茶を飲む際に注意するべき点は、白砂糖や牛乳を入れることです。これらを入れることで体を温める効果が低くなってしまいます。味の変化をさせたい場合や、体を温めたい場合には、生姜やシナモンを入れましょう。これらの体を温める香辛料を合わせることで、更なる保温効果が期待できます。
ウーロン茶
ウーロン茶は緑茶と紅茶の間のお茶で、半発酵のものです。発酵しているお茶は体を温める作用がある為、ウーロン茶にもその効果が期待できます。また、ウーロン茶には脂肪を吸収して老廃物として外に排出する効果がある為、ダイエット効果が期待できます。
日ごろから飲んでいると基礎代謝も上がるといわれている為、ダイエット中の強い見方です。脂っこい食事を摂取する際には、ウーロン茶を飲むのがオススメです。こちらにもカフェインが含まれているので、夜寝る前に飲むのはオススメできません。
プーアル茶
プーアル茶は2度発酵させたお茶で体を温めるだけでなく、ダイエット効果も期待できます。脂肪の吸収を防ぎ外に排出するだけでなく、体に既についてしまった脂肪を燃焼する効果もあります。
その他にも、むくみ防止の効果もあるので、日ごろから摂取しておきたい飲み物ですね。こちらにもカフェインが含まれている為、夜寝る前は控えましょう。
ほうじ茶
ほうじ茶は煎茶や番茶などを焙煎したものです。焙煎することで、苦味成分であるタンニン(カテキン)などが壊れて、渋みが収まっている為、これらの効果は薄れています。その一方で、ビラジンと呼ばれる成分を含み、こちらには血行促進効果がある為、体を温める効果が期待できます。
また、ほうじ茶のテアニンと呼ばれる成分にはリラックス効果があり、ほうじ茶を嗅ぐだけでも飲んだ時と同じようなリラックス効果があると言われています。ほうじ茶のリラックス効果を得たい時には、沸かしたてのお湯で入れると香りを強く引き出すことができます。
他にも、ほうじ茶にはレモンの5倍ものビタミンCが含まれており、ほうじ茶のビタミンCは熱にも強いと言われています。このビタミンCの効果により、シミ予防、肌の貼りと弾力を改善、ニキビ予防といった美肌効果が期待できます。
ごぼう茶
ごぼう茶はごぼうの皮を使ったお茶で、このお茶には便秘解消、若返り効果、むくみ改善、冷え性改善、美肌効果など女性に嬉しい効果がたくさん詰まっています。
ゴボウには食物繊維が多く含まれている為、腸内を洗浄する作用があります。普段野菜嫌いな方や慢性的な便秘に悩まされている方の不足した栄養素を補い、便秘を改善します。
また、ゴボウには腸の働きを活発にするオリゴ糖が含まれている為、腸内の悪玉菌を減らして善玉菌の働きを活性化させて腸内を整えるため、便秘だけでなく普段お腹を壊しやすい人にもオススメです。
ゴボウの葉にはサポニンというポリフェノールの一種の成分が豊富にあり、血流改善の効果や肌や体内の老化を防ぐ効果もあります。このように、内臓機能や血流を改善することで中からキレイになる手助けをしてくれます。
黒豆茶
黒豆茶は黒大豆を原料としたノンカフェインのお茶です。黒豆茶にも体を温める効果があり、他にも、骨粗しょう症予防、美肌効果、老化防止、ダイエット効果などが期待出来ます。
黒豆には大豆と同様の栄養成分が含まれており、皮の部分にはポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。これにより、血液をサラサラにして活性酸素を除去して老化防止、美肌効果にも効果的です。
イソフラボンは骨からカルシウムが流出するのを抑制する為、骨粗しょう症予防もできます。他にも、サポニンはブドウ糖が脂肪に変化するのを抑制し、脂肪の代謝を促す為ダイエットにも最適です。
生姜湯
生姜湯はすりおろした生姜をお湯に入れるだけでできます。甘さを付け加えたい場合は、ハチミツを加えるのがオススメです。他にもレモンやすだちなどを絞っても美味しく頂けます。
生姜は漢方にも使われている食材の1つの為、体を温める以外にも様々な健康効果が期待できます。生姜の主な作用は、免疫力UP、血液サラサラ効果、消化不良改善、ダイエット効果などです。
また、体を冷やす作用のある飲み物の作用を弱める方法は、生姜を絞って入れることです。生姜自体に体を温める作用がある為、生姜を入れることで冷やす作用が弱まります。
ホットココア
ココアには生姜に負けないくらいに、冷えを抑制する効果があると言われています。ある研究では、ココアと生姜の冷え性の抑制具合を調査した結果、ココアを飲んだ後の体温の上昇と低下が生姜よりも緩やかで体を温めている時間が長かったと報告しています。
ココアには「テオブロミン」という成分が含まれており、これには末端の血管を拡張して血液をサラサラにする効果があります。また、副交感神経の亢進作用がある為、飲むとリラックスできます。
他にも注目したい作用は、抗酸化作用です。カカオポリフェノールは、免疫力を高めてウイルス性の風邪などの予防したり、活性酸素を抑制して肌や髪の再生やシミ、シワの予防といったアンチエイジング効果が期待できます。また、食物繊維も豊富な為、便秘改善にも効果的です。
ココアを飲む際に砂糖や牛乳を入れてしまうと効果が薄れてしまうので注意しましょう。効果を高めたい場合は、生姜やシナモンを加えるのがオススメです。
ホット赤ワイン
ホット赤ワインとは、名前通りに赤ワインを温めただけのものですが、オレンジなどの果物とシナモンなどのスパイスを入れて火にかけた飲み物です。火にかけることでアルコール分が飛ぶので、お酒が弱い人にもオススメです。
赤ワインを飲むことで新陳代謝が高まり体が温まるだけでなく、免疫力UP、リラックス効果、血液サラサラ効果などが期待できます。ワインに含まれるポリフェノール効果により様々な病気を予防したり、老化の原因を防いでくれます。健康と美容に最適な飲み物と言えます。
熱燗
アルコールを飲むと一時的に体は温まるものの、すぐに冷えてしまうものも多くあります。これはアルコールを摂取すると、血液中のアルコール濃度が上昇して、これを分解するのに多くの水分を使い、体の水分が少なくなることで血液が濃くなり血行が悪い状態がおこります。血行が悪くなると、冷えが引き起こされてしまいます。
体を温めたい場合には、日本酒を温めて飲むのがオススメです。日本酒には血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ効果もあります。ビールや焼酎などの麦で出来ているお酒は体を冷やす作用があるので、冷え性解消の為には避けるようにしましょう。
飲むタイミングについて
冷え性対策として、体を温める飲み物を飲むときに効果的な時間があります。
特に効果の高いタイミングについてご紹介します。体を冷やす飲み物を飲みたいときには、下記で紹介する時間帯を除いて飲むと体温が下がる影響が少なく済みます。
朝一番に飲む
人は寝ている時には、体温が下がっているのを知っていますか?子供が眠くなると体が温かくなるため、寝ている間は体温が高くなると思っている人もいますが、実はその反対で体温が下がります。
体温を下げて眠りに着こうとする為、眠くなると無意識のうちに体内の熱を外に出そうとする為、手足が温かくなるのです。温度を下げて寝ている為、朝起きた時は体温が上がりきっていないことが多く、すぐに起き上がれない、体が動かない、頭が働かないということが起きます。
その為、体を温めるには体の温度が低い朝一番に飲むのが効果的です。体温が下がっている朝に体を温めると、1日中体が温まりやすい状態が続き、体や脳がスムーズに動くようになります。起きてすぐに飲んでも、朝食と一緒に飲むのでも効果は変わりません。
お風呂に入る前に飲む
お風呂に入っても体の芯まで温まらずに湯冷めしてしまう人は、お風呂に入る前に飲むのがオススメです。お風呂に入っても長い時間入ることができない人は、体の表面しか温まってなく、湯冷めしやすくなります。
お風呂に入る前に体を温める飲み物を飲むと、体の中からじんわりと温まります。こうすることで体の中の温度と湯船の温度差が縮まり、体をすぐに温めることができます。
寝る前に飲む
手先や足先が冷たすぎて眠れないという方は、寝る前に飲むのがおすすめです。飲む時間は寝る前1時間前がオススメです。体を温めておいて、就寝時間前にあわせて温度が下がり始めこ眠たくなり、眠りに入りやすくなります。
また、夏の場合は暑過ぎて思うように温度が下がらずに寝付けないということも出てくると思います。そのような場合は、部屋の温度を少し下げて寝室を冷やしておくと温度が下がりやすくなり、ぐっすりと眠れるようになります。
おわりに
女性は男性よりも冷えやすいといわれ、夏場でも手足の冷たさを感じている人は多いと思います。冷えは体調不良を引き起こすだけでなく、美容にも悪影響を及ぼします。
体温を1度あげたい時は、毎日の飲み物を変えるのが手軽でオススメです。今回ご紹介した飲み物を毎日の生活に取り入れて温活を楽しんでください。
関連記事として
これらの記事も読んでおきましょう。