おいしいものを食べているときは、本当に幸せを感じられます。食べることは、人間として動物として、生きるために必要なことであり、かつ楽しみのときでもあります。
だからこそ、食欲は欲望であり、意志が弱く欲望のままにしておくと食べ過ぎてしまいます。そして、罪悪感を感じるのです。食欲を抑えるにはどうしたらよいのでしょうか。
この記事の目次
なぜ、お腹はすくのか?食欲のメカニズムとは!
なぜ、お腹はすくのでしょうか。朝ごはんを食べ、ランチもしっかり食べたのに、夜には空腹感を感じます。
食事をしっかりしているつもりでも、食後においしそうなデザートが出てくれば、それも食べたくなってしまうことがよくあります。
生きていくために必要な食欲
食べることは生きていくために必要なことですので、エネルギーが足りない、もしくはエネルギーが足りなくなりそうだという身体からのサインが食欲です。
食欲がわくというのは、健康な印でもありますが、それでもまだエネルギーがあるはずの時にお腹がすいてくるのはどうしてでしょうか。食欲のメカニズムはどうなっているか解説していきます。
食欲のメカニズムとは
食事をするとおなかに食べたものが蓄積されていきます。そうすると、満腹中枢が刺激されて、満腹感を感じるサインが脳にいきます。血糖値の上昇なども満腹中枢を刺激する一要因です。満腹中枢が刺激されれば、人間は満腹ホルモンが出るて、それ以上食欲がわかないようになるのです。
逆に血糖値が下がって、エネルギーが足りないと感じるときは、空腹となります。人は、体の中に蓄えられていた脂肪分を分解してエネルギーとします。脂肪分を分解してエネルギーとするときに、遊離脂肪酸というものができます。
この遊離脂肪酸が血液中に増えてくると、摂食中枢つまり空腹中枢が刺激されて、おなかがすいたと感じ食欲がわいてくるのです。
食欲は血糖値で決まる
空腹中枢が刺激されれば食欲がわきます。空腹中枢を刺激する時というのは、血糖値が下がったときです。胃が空になるからお腹がすくのではなく、血糖値が下がり、空腹中枢が刺激されて食欲がわくのです。
つまり、ダイエットをするときには、血糖値のコントロールをすることが大切なことになります。胃の中が空っぽになった時というのは、本当の意味で空腹ですが、血糖値が下がっただけで感じているような空腹はニセの空腹感といってもいいでしょう。
どんなときにお腹がすくのか?
血糖値が下がれば、食欲はわくということが分かりました。それでは、どんなときに血糖値が下がり、食欲がわくのでしょうか?
睡眠不足で食欲がわく
睡眠不足のときは食欲がわきやすいです。食欲にかかわるホルモンには、グレリンやレプチンなどがあります。グレリンは胃から分泌されるホルモンで、空腹中枢を刺激します。
睡眠時間が短いと、このグレリンが多く分泌されます。グレリンが多く分泌すれば、お腹がすいて食べ過ぎてしまうのです。
甘いものばかり食べている時
甘いものを食べると、幸せな気分になれますよね。人間が根本的に欲する味、栄養素、成分というものの一つが甘いものだからです。チョコレートなどのお菓子やケーキ、ジュースや砂糖といった甘いものばかりを食べていると、血糖値が急上昇します。
血糖値があがると満腹中枢が刺激され、お腹がいっぱいだと感じるはずです。しかし、甘いものを食べて血糖値が急上昇すると、体はインスリンというホルモンを大量に分泌し、血糖値を下げようとします。それにより、今度は逆に血糖値が下がり、空腹を感じてしまうのです。
血糖値を急激に上げる食べ物
上に上げたように、お菓子やケーキ、ジュースなど砂糖の入っているものは全て、血糖値を急激に上げてしまい、体がインスリンを大量に分泌します。同じ働きをする食べ物に、糖質いわゆる炭水化物があります。糖質にはご飯、パン、麺類などがあります。
これら糖質が多い食品を食べると、砂糖などのお菓子を食べたときと同じように、血糖値が急激に上昇してしまうのです。
生理前には食欲がわく
女性にはつらいことですが、女性ホルモンは食欲を増進させます。妊娠などに体が備えて、生理などで女性ホルモンが活発に分泌されると食欲が増えるようになっているのです。生理前にお腹がすくのは仕方が無いことだったのです。
生理前には、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、自分の意思とは関係なく、脂肪や糖分、水分などの栄養を体に蓄えようと食欲を引き起こすのです。
ブルーライトは食欲を増進する
スマホやパソコン、タブレットなどからはブルーライトと呼ばれる光が出ています。このブルーライトを長時間浴びていると、体内時計が狂ってきます。体内時計が狂うと、食欲のリズムやタイミングも狂ってきて、食事の時間ではないときにも食欲がわいてきてしまうのです。
スマートホンやパソコンは適度な時間でやめて、定期的に休憩を取る必要があるのです。
ストレスでお腹がすく
ストレスを感じると、セロトニンという神経伝達物質の分泌が減ってしまいます。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、精神を落ち着かせる役割があります。また、摂食中枢や満腹中枢に刺激を与えて、食欲を抑える作用もあります。セロトニンが不足してくると、ノルアドレナリンやドーパミンといったストレスホルモンが暴走し、食欲を抑えることが難しくなるのです。
精神的に不安定になると、過食症や摂食障害などの病気も起こしやすくなってしまいます。
食欲を抑える具体的な方法
誰でもお腹はすきます。お腹がすくのは仕方がないのですが、そこで欲望のまま食べてしまうと、肥満体へと向かってしまいます。
どうすれば、食欲を抑えることができるのでしょうか。
好きなことに夢中になる
好きなことに夢中になっていて、食事をするのを忘れていたことってありますか。食事をするのを忘れなくても、何かに夢中になっていて、時のたつのを忘れてしまうという経験は誰にでもあるでしょう。そんな、夢中になれることに没頭しましょう。
ゲームをしてもいいし、本を読んでもいいし、手芸や裁縫などをしてもいいでしょう。掃除をしたり、勉強したり、音楽を聴いたり、映画を見るのもいいでしょう。とにかく、何かに夢中になって取り組むのです。そうすれば、夢中になっている間、食欲のことは忘れることができます。
水を飲む
お腹がすいたら、とりあえず水を口にしましょう。水ダイエットもあります。胃が空っぽのときならば、水を飲めば水が胃に入ります。こまめに水分をとれば、代謝が良くなるという利点もあります。代謝が良くなれば、効果的なダイエットが可能です。
コーヒーなどではなく、常温の水がいいです。冷たすぎる水は体を冷やしますし、胃腸の機能を低下させます。
運動をする
運動をすれば、アドレナリンが出て食欲を忘れられます。また、体を動かしていれば、意識も運動の方に向かいますので、空腹感を和らげたり忘れたりできるのです。
できれば、財布を持たずに家の外に出て運動をする方がいいでしょう。外に出れば、気分転換にもなりますし、財布がなければ買い食いなどもできません。
どんな運動が食欲を抑制するか
散歩やジョギングなどの有酸素運動で脂肪燃焼するのがおすすめですが、公園で筋トレや体操でもいいです。外に出られない人は、屋内でスクワットや腕立て伏せ、腹筋運動など色々とあります。また、モモ上げを10回するだけで、あっという間に食欲を忘れられます。
きつい運動ができない人は、ストレッチや伸び、腕や首を回したりするだけでも十分です。体を動かして、食欲を一時的に忘れたり、少なくするということが大切です。
食欲を抑制するツボを押す
人間の体には、食欲を抑制するツボというものがあります。食欲を抑制するツボは耳と手のひらにあり、ここを刺激することで食欲を抑制できます。また、自律神経を整えることもできるので、ストレスを和らげる効果も期待できます。
耳のツボ・飢点
耳ツボダイエットというダイエット方法を聞いたことがある人もいると思いますが、耳の穴の前側の出っ張りの部分にあるツボです。飢点と呼ばれるこのつぼを刺激することで、食欲を抑えることができるのです。
手のひらのツボ・大腸区
手のひらで、親指の付け根から手首にかけてのラインです。いわゆる生命線という部分です。ここをつねるようにして強めに指で刺激をすると、食欲を抑えられます。
歯磨きをする
歯磨きをするというのも食欲抑制の方法の一つです。歯磨き粉を使って歯を磨けば、すっきりとして食欲を忘れられますし、歯磨き粉の味が口に残った状態の時は、すぐに何かを食べるのは嫌ですよね。
炭酸水を飲む
炭酸水を飲むと、げっぷが出ておなかがいっぱいになります。炭酸水は、炭酸ガスなどで胃の中を膨らませることで、一時的に満腹な気分になります。
砂糖などの入っていない甘くない炭酸水を500ミリリットルくらい飲めば、食欲抑制には十分な効果を発揮します。
深呼吸をする
お腹がすいて、いらいらしてしまったり、食べてはいけないと思えば思うほど、食べたくなります。そういう時は深呼吸をして見ましょう。
頭に酸素を送ることで、冷静になれますし、ストレス軽減にも有効です。腕を使って体全体で深呼吸をすれば、より効果的です。
何も食べずに噛む
お腹が空いたら、かむ動作を繰り返すのも効果的です。実際に食事をしている時でも、よくかむことは、食べ過ぎない基本です。何も食べない状態でもかむ動作を繰り返すことで、脳が何かを食べたと勘違いします。
本当には食べていないので、一時しのぎではありますが、お腹が空いたときのちょっとした時間稼ぎにはなります。
お腹がすいたときに、食べるもの
食欲を抑えるといっても限界がありますし、食物を食べなければ、栄養不足になり倒れてしまいます。
そこで、おなかが空いたときに食べるものとして、体に悪くない物、太りにくい物を挙げていきます。
エクストラバージンオリーブオイルを一口
オレイン酸がたくさん含まれているエクストラバージンオリーブオイルをスプーン一杯だけ飲めば、便の排出をスムーズにします。また、香りが食欲を抑えます。
水分量の多い食べ物
水分量の多い食べ物は水分を取っているのと変わりませんから、太りにくいです。また、水分が多いのですから、カロリーも低くなります。
夏場のキュウリが一番適した食品です。水分量の多い食物をたくさん食べれば、食事量も減らせます。
低カロリーのおやつをちょっとだけ
お腹が空いたときは、栄養カロリーが低いおやつがおすすめです。こんにゃくゼリーやおからは低カロリーなのに、満足感を得られておすすめです。
ビターチョコレート一切れ
チョコレートは誰もが好きな食べ物ですよね。カカオが70パーセント以上含まれているビターチョコレートならば、糖分も少なく、さらに頭も冴えてきますので、一口だけ食べるおやつとしておすすめです。
ナッツ類
無塩のナッツ類もおすすめです。ナッツダイエットなどがあるほど、ナッツはダイエットに適した食品です。ミックスナッツであれば、いろいろな食感があり、歯ごたえもあるのでよりいいでしょう。
昆布やするめなどよく噛んで食べるもの
昆布やするめなど、よくかまなければ食べられないものはおすすめです。よくかめば、それだけで食中枢を刺激しますし、するめや昆布はかめばかむほど、味が出てきますので、満足感も得やすい食べ物です。
食欲を抑える食事法
食欲を抑えるための食事法や食事ダイエットがあります。ちょっとした食事法を変えるだけで、ダイエット効果が劇的に変わります。
食べる順番を考える
順ダイエットというものがあります。同じものを食べていても、食べる順番を変えるだけで、血糖値の上がり方が変わります。糖質は血糖値を上げますので、最初には余り食べない方がいいでしょう。
最初は、野菜やタンパク質などを食べて、その後に糖質などをとるにようにしましょう。
青菜で食欲抑制
ほうれん草ダイエットというダイエット法があります。ほうれん草などの青菜の葉緑素に含まれているチラコイドという成分が、ダイエットに有効だからです。
チラコイドは、血糖値の上昇を緩やかにして、糖質に対する食欲を抑えます。また、レプチンというホルモンを分泌することでも食欲を抑制することが出来ます。
定期的にプチ断食をする
たまにでいいので、半日くらい断食をしてみましょう。寝ている間は食べられませんので、寝る前から起きた後までと考えれば、それほど我慢する時間は長くありません。
プチ断食に慣れれば、お腹が空いた状態にも体が少しずつ慣れてきます。
朝ごはんからタンパク質を食べる
夜ご飯をガッツリ食べる人は多いですが、実際には、朝ご飯にがっつり食べる方が体にもよく、ダイエットにも効果的です。
朝ご飯から、タンパク質を摂取するように心がけましょう。豆腐や納豆、味噌汁、焼き魚、お肉など、昨日の残り物でもいいのでタンパク質をとれば腹持ちがよくなります。
ながら食べをやめる
テレビを見ながらやスマホを見ながらなど、何かをしながら食事をすると、惰性でどんどん食べ続けてしまいます。食事をするときは食事に集中することが大切です。
栄養を考える
ジャンクフードやファーストフードなどは、おなかはいっぱいになっても、必須栄養素が少なく満足感が少ないため、すぐに体が栄養を求めます。しっかりと栄養バランスを考えて、十分な栄養素を取るように心がけましょう。
食物繊維をたくさんとる
水溶性食物繊維をたくさんとれば、便の出が良くなりますし、腹持ちも良くおすすめです。また、血糖値の急な上昇を防ぎますので、インスリンの過剰な分泌もなくダイエット効果がアップします。
食欲を抑える生活習慣
食欲制限などの食事ダイエット方法以外にも、食欲を抑える生活習慣があります。生活習慣を少し気にするだけでも、ダイエットの効果を上げることが出来ます。
毎日体重計に乗り、体重を把握する
体重計に毎日乗って、自分の体重を常に把握しておくことは大切です。体重の数値が大事だと言うよりも、何をどれくらい食べたから体重が昨日に比べてどう変わったかを把握しておくことが重要です。
食欲をうまく抑制できたときに体重が少しでも減っていれば、やる気も上がりますし、やり方が間違っていなかったことを確認できるからです。
睡眠をしっかりとる
睡眠不足は、生活リズムをくずし、食欲のリズムが狂います。
食欲のリズムが狂うと、食事の時間でもないのにおなかが空いたりしてしまいます。睡眠をしっかり取り、生活リズムを整えましょう。
ストレスをため込まない
ストレスは、ダイエットの敵です。それでなくても我慢をしているのに、食事以外にもストレスを抱えていれば、ドカ食いやヤケ食いにつながりかねません。
毎日鏡を見る
毎日、お風呂に入る前などに自分の裸を鏡で見ましょう。少しずつですが、変化を感じてくるはずです。その変化をダイエットのモチベーションにしてください。
食事の時間を決める
食事の時間を決めることで、食欲のリズムをコントロールできるようになります。生活リズムを整えるためにも食事の時間を決めることは重要です。
青色を活用する
青色は食欲を抑制する色です。青色の食器で食べたり、テーブルクロスを青色系にすると、食欲を抑えられます。
まとめ
食欲を抑える方法を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
胃が空になり本物の食欲がわいたときは、栄養を考えてしっかり食べればいいですが、食事の時間でもないのに、甘いものが食べたくなるなど、ニセの食欲にだまされてはいけません。欲望のままに食べていれば、やせられるはずはないのです。
全てをマスターして取り入れる必要はありませんので、ご自分の気に入った方法だけを取り入れて、ぜひ理想の体を手に入れてください。
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