耳の後ろが痛い6つの原因とは?頭痛や腫れは病気の可能性も!

耳の後ろに痛みを感じることは滅多にありませんが、頭部なので不安になりますよね。痛みがすぐ無くなれば心配することはあまりありませんが、長引いたり激しい痛みの場合は何かの病気ではないかと疑ってしまいます。

悪化してしまう前に病気を改善していきたいですよね。しかし病気かどうかもわからない症状でいちいち病院に行く時間もない、面倒臭いこともあるでしょう。

耳の後ろが痛くなるのにはどういった原因があるのでしょうか?その原因としていくつかの問題を紹介します。病気に繋がる原因となることが無かったか探っていきましょう。

今回は、耳の後ろの痛みについての記事を書いています。痛みを感じている人やなんとかしたいと考えている人はぜひ読んでみてください。

耳について

耳の中の音

まずは基本的な知識として耳の構造について知っていきましょう。耳は、3つの器官から成り立っています。

・外耳「耳介と外耳道」

外から視覚的に見える部分です。外耳があるおかげで、音を集めることができています。耳介は耳の大きく外に広がっている肉片そのものです。軟骨や皮膚で出来ています。外耳道は耳の穴のことで外から鼓膜までの穴のことを言います。

また外耳道の中には耳垢腺と呼ばれる耳特有の汗腺が通っていて、ここから耳垢が生成されます。この代謝物が嫌な匂いを出し、耳に虫が侵入するのを防いだり、水の侵入を防ぐ妨害壁の役割を果たし、耳の役に立っています。

・中耳「鼓膜、耳小骨、耳管からなる中耳腔」

外耳に伝えられた音は次に中耳に届けられます。役割としては、音の振動を大きくする役割を担っています。鼓膜を振動させ、さらに音の振動を中耳腔の中にある中耳骨で振動させ蝸牛に伝えます。

外耳で起こった炎症を外耳炎、中耳で起こった炎症を中耳炎といいます。さらに中耳には耳管と呼ばれる管が通っていてこの管は喉と繋がっています。これにより、中耳の気圧を一定に保ち、音の振動を一定に保っています。その他にも中耳に溜まってしまった水などを喉に流す働きもあります。

・内耳(蝸牛と前庭・三半規管)

耳の一番奥にあるのが、内耳です。身体のバランスや音を司る部分になります。外耳と中耳で伝えられた音を電気信号に変換し脳に送る役割があります。蝸牛神経が脳に音の信号を届け、三半規管は身体の平衡感覚を保ちます。

耳はこのように大きく分けて3つの部屋に別れていて、役割の分担をしながら音を正常に感知したり、平衡感覚を保ったりしています。

耳の後ろが痛い原因について

耳痛い

では早速、耳の後ろが痛くなる原因について紹介します。

◆おたふく風邪

おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」という病名がありますが、おたふく風邪を発症させてしまうと耳の後ろが痛むことがあります。

「ムンプウイルス」というウイルスが原因で発症する病気です。ウイルスが感染してから、2週間前後は体内に潜伏する期間があります。また、ムンプウイルスに感染しても症状が現れない場合もあります。

症状として、耳下腺がある部分に痛みと腫れが発生します。耳の下部分に症状が現れる場合が多いですが、耳の後ろ側に症状が発生する場合もあります。最初に片側の耳に症状が現れてきて、2日くらい経つと両耳に症状が現れるのが特徴的です。

またそれ以外の症状として、発熱や頭痛などの風邪の症状もみられます。

3歳〜10歳までの子供に発症することが多いとされています。ムンプウイルスは、くしゃみや咳などにより空気感染するために、学校などの子供が集まりやすい場所で集団的に流行することがあります。

一度おたふく風邪になると、体内にムンプウイルスに対しての抗体ができるので再び発症することはありません。子供の時におたふく風邪になっていない場合は大人になっても発症するケースがあるので注意してください。

詳しくは、おたふく風邪は大人でもなる!症状や似ている病気を紹介!を参考にしてください!

 ◆後頭神経痛

後頭部の神経に痛みを感じるのが「後頭神経痛」です。後頭神経は頭部の皮膚のすぐ下にある神経です。ここが刺激されることで、耳の後ろに神経性の痛みが発生している場合があります。

症状は?

痛み方に個人差があり、鈍い痛みを感じる人もいれば激しい痛みを感じる人もいます。電流が走るようなピリピリした痛みを感じ、一瞬痛みを感じるとその後感じなくなるのが特徴的です。ひどい人だと、目の奥の部分までも痛みを感じてしまうケースもあります。

痛みが発生する部位としては、左右どちらかの片側だけに発生するケースと、後頭部全体が痛むケースが考えられます。首の真ん中部分から左右に2、3センチ離れた、首と後頭部のつなぎ目部分を押して痛みを感じる場合は、後頭部神経痛である可能性が高いといえます。

また、痛みと同時に耳鳴りを感じるケースも少なくありません。さらに、しびれを感じることもあります。

原因は?

後頭神経痛の原因として、

  • 過度のストレス
  • ビタミン不足
  • 他の病気の影響
  • 疲労の蓄積

などが挙げられます。会社でのストレスや遅くまでの残業が負担となって、後頭神経痛を発生させる人は多くいます。頭部の痛みなので、偏頭痛や緊張型頭痛と勘違いしている人も少なくないので注意しましょう。頭痛については、朝からつらい!寝起きに起きる頭痛の原因と対策方法の記事に詳しく書いてあるので読んでみてください。

日々の疲労やストレスの積み重ねが原因となる場合が多いので、十分な休息をとる必要があります。これらが取り除かられると、自然と痛みが発生しなくなる場合がほとんどです。

対処法は?

基本的には安静にしていると、1週間前後で痛みが引いてくると言われています。

しかし、忙しくてなかなか休みが取れない人方や、痛みに耐えれないという方は、病院へ行くと、点滴や神経の痛みを緩和する「ブロック注射」を受けることが可能です。

また普段からビタミンが不足しないように、バランスの良い食事を心がけることで予防することも出来ます。

◆緊張型頭痛

次に挙げられる症状としては緊張型頭痛があります。偏頭痛などの症状に比べて、痛みが首や後頭部などの耳の後ろで引き起こることが特徴です。詳しい情報を見ていきましょう。

原因は?

緊張型頭痛の多くの原因はストレスだと言われています。肉体的ストレスと身体的ストレスが合わさり、蓄積することで緊張型頭痛を引き起こす事に繋がります。

肉体的ストレスでは、長時間の同一姿勢での筋肉の強張りや血管の収縮による血行不良などが影響し、筋肉が凝ってしまう事が大きな原因となります。特に肩から首にかけての筋肉の硬直が発生している場合に脳への血行不良が起こり緊張型頭痛の引き金となります。

さらに精神的なストレスも交感神経を刺激することで血管の収縮に繋がり頭痛に繋がる問題となります。凝りが引き起こっている筋肉中に乳酸などの老廃物が多く溜まってしまうことで、それらが脳の神経に刺激を与え痛みを発生させます。

症状は?

偏頭痛などはズキズキする痛みが頭全体に広がりますが、緊張型頭痛は頭部全体を締め付けられるようにズーンと鈍く痛み、特に後頭部周辺や首筋のあたりに痛みが強くなります。

30分〜1週間程の期間で頭痛が長期的に発生します。中には吐き気などを伴う場合もあります。しかし、他の頭痛に比べて痛みの症状は比較的我慢出来るものが多く、仕事などを無理して行うことも可能です。

治療法は?

血行不良による痛みなので、運動を行うと逆に楽になる傾向があります。痛くなる場合は無理はしないでください。首周りや、肩をほぐす運動を行うと多少は改善されるでしょう。

冷やしてしまうと、血管が収縮してしまうので逆効果です。温めて血管を拡張させましょう。マッサージや入浴などの行為が有効です。緊張型頭痛の場合は身体をしっかり温めて安静にしましょう。

しかし、偏頭痛の場合は温めてしまうと逆に頭痛はひどくなります。二日酔いなどでの頭痛の場合は逆に痛みが増してしまうので注意してください。

◆粉瘤(アテローム)

粉瘤(アテローム)という皮膚に発生するイボ状のものが出来てしまい、耳の後ろ側で痛みを感じている場合があります。特に毛穴が多くある場所に出来やすく、皮脂腺が集まっている耳の後ろに出来ることがあります。その他にも、おしりや脇の下で発生することがよくあります。

原因は?

本来であれば排出されるはずの老廃物が溜まってしまい、硬化することで出来てしまうのが粉瘤です。詳しい原因は判明しておりませんが、外部からの刺激やストレス、疲労の蓄積で発生するとされています。

粉瘤が出来やすい体質の人がおり、そういった人は、同じ場所に何度もできることがあります。

症状は?

粉瘤自体に痛みがあるわけではなく、しこりが原因となって炎症が起きてしまうと痛みが発生します。また垢の塊なので悪臭がすることがよくあります。

特に耳たぶや、耳の後ろは粉瘤が発生しやすい部位です。大きさもマチマチであり、小さい粉瘤がたくさんできることもあります。コリッとした硬さがあるのが特徴です。

治療法は?

放っておいても自然になくなることはなく、大きくなってしまう恐れがあるので早めに対処する必要があります。無理やり垢を排出しようとすると炎症が発生しやすくなってしまい痛みが激しくなる可能性があるので止めましょう。

基本的に、粉瘤は良性腫瘍といわれており、症状が悪化しないのであれば放置してもよいのですが、赤く腫れてきたり、痛みを感じだした場合は病院を受診しましょう。

その場合は、病院へ行って切開手術を受けて除去する必要があります。皮膚科へ行って相談しましょう。粉瘤を取り除いた後は、再発しないように規則正しい生活を送って予防しましょう。

耳の後ろは洗い忘れが多い部位でもあるので、再発防止のためには入念に洗うことを意識しましょう。

詳しくは、耳たぶに粉瘤が出来るのは病気?治療方法など紹介!を読んでおきましょう。

◆リンパ節炎

人間の身体には血液の他にリンパ管を流れるリンパ液が流れています。このリンパ液が各所で合流している部分をリンパ節といい、リンパ節で炎症が起きることをリンパ節炎といいます。

リンパ節の働きとして、免疫抗体を生産したり細菌やウイルスが侵入した際に排除するという役割があります。この排除する働きの際に、リンパ節が腫れて痛みが発生する場合があります。

風邪をひいた時などに発生するイメージがありますが、耳付近のリンパ節が腫れるときは外耳炎や中耳炎などの耳の炎症である場合があります。その場合は、耳の内部にも痛みが発生することがあります。耳の炎症について詳しくは、耳が痛い原因となる7つの出来事!ストレスや頭痛が関係!?の記事を読んでみてください!

また、発熱や発疹といった症状が現れるケースも有ります。耳の後ろが腫れて、これらの症状が現れる場合は、すぐに病院へ行きましょう。抗生剤を使用しての治療を受けることで、症状を緩和することが出来ます。

頸部リンパ節炎

耳の後ろに痛みを感じる場合は、リンパ節炎の中でも頸部リンパ節炎である可能性が高いといえます。

特に、首周辺はリンパ節がたくさん集まっています。頸部リンパ節炎が起きると、1センチ以上の大きさに腫れ上がるケースが多くあります。また、気になって触ると痛みが発生し、喉の痛みを同時に感じるのが特徴です。

原因は?

頸部リンパ節炎は、細菌、ウイルスの感染が主な原因です。基本的にリンパ節は、体の異物を排出する働きを行っている免疫機能です。

口内や喉から侵入したウイルスを、首部分のリンパ節が処理したことにより、リンパ節が腫れ上がるのです。また、意外な原因としては、虫歯などが原因となることもあります。

◆顎関節症

顎関節症が発症していることが原因で、耳の後ろに痛みが発生していることがあります。

歯の噛み合わせが悪かったり、顎に長期に負担がかかることで発症することがあります。症状として、

  • 口を開閉する際に、音が発生する
  • 顎に痛みを感じる
  • 口が上手く動かせない

といったことが挙げられます。顎と耳の神経はつながっているために、顎関節症が原因となって耳の後ろに痛みを感じている場合があります。

原因によっては治療方法が異なることがあります。顎に異変を感じて耳の後ろが痛い場合は、病院へ行って顎関節症の治療を受けましょう。

詳しくは、顎関節症は何科に行けば良い ?治療方法についてを読んでおきましょう。

◆その他の病気

その他に耳の後ろに痛みが発生する可能性のある病気を紹介します。

  • 脳炎
  • 髄膜炎
  • 脳梗塞

などの脳で起きる疾患が原因で、耳の後ろに痛みが発生するケースがあります。この場合は発熱や頭痛、吐き気といった症状が同時に現れることがほとんどなので、すぐに病院へ行くようにしましょう。

病気に気づくことが出来る初期症状である場合もあります。痛みが長続きする場合は、念の為に医者に相談することをオススメします。

耳の後ろが痛い時の対処方法は?

耳の後ろ しこり

耳の後ろ裏側の部分が痛いと感じた場合は、どうすれば良いのでしょうか?痛みが発生した場合の対処法を紹介していきます。

休む

まずは、耳の後ろが痛い場合は、ストレスを感じたり体に負荷がかかっているケースが多くあります。なので、規則正しい生活を送り、睡眠時間を十分にとるようにしましょう。

体を休ませることで症状が緩和するケースもあります。症状が悪化する前に、体が疲労しているという合図だと思って、しっかり休みましょう。

痛みがひどい場合は薬?

耳の後ろが痛くてたまらない!という方は、痛み止めの薬を服用して対処しましょう。

しかし、あくまでも一時的な対処にすぎません。なぜ耳の後ろが痛いのかをはっきりさせ、根本的な原因を解消するようにしましょう。痛み止めを服用したことで治ったと勘違いするのは避けて下さい。

原因が分からないときは?

耳の後ろの痛みがいつまでも続くという方は、総合病院を受診して、検査を行い痛みの原因を判明させることが重要です。

そうすれば、上記に記したような痛みの原因がはっきりするので、適切な治療を行うことができます。勝手に冷やしてみたり、温めてみたりをするのは逆効果になることがあるので注意しましょう。

まとめ

耳の後ろが痛い原因

  • おたふく風邪
  • 後頭神経痛
  • 粉瘤
  • リンパ節炎
  • 顎関節症
  • 脳の疾患

以上が今回の記事のまとめになります。

耳の後ろに痛みを感じる際は、何かしらの病気である場合が多くあります。その場合は、他の症状も現れるので病院へ行って症状が悪化しないように対処しましょう。

後頭神経痛の場合は、疲労やストレスが原因で痛みが発生します。頻繁に感じる場合は、休みをとってリラックスしましょう。

普段からあまり痛みを感じることが少ない耳の後ろの痛みは、体の異常を知らせてくれているケースが多くあります。放置せずに早めの対処を心がけてください。

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