上顎洞癌とは?進行の種類や症状、検査方法を知ろう!後遺症に注意しよう!

病気は体のあらゆる場所に発症します。ちょっとした違和感が続くとき、それが何かの病気であることもありますから、些細なことでも十分な警戒をするに越したことはないでしょう。

上顎洞癌は副鼻腔内にできるがんの一種です。ただ、その症状は些細なものですから、それをがんと思う人は多くないでしょう。では、この病気について詳しくみていくことにしましょう。

上顎洞癌とは

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人の頭蓋骨は鼻の部分に空洞があります。この部位を「副鼻腔」といいます。頭蓋骨の写真を見て、空洞を見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。

その穴の進むと上顎の頬と歯の間に部位にも空洞が現れます。この部位を上顎洞といいます。そして、この部位にできた悪性腫瘍を上顎洞癌といいます。とてもわかりにくい場所にありますよね。上顎洞癌は他、頸部癌と合わせて扁平上皮がんと呼ばれます。

その他、鼻にできる腫瘍は鼻腔がんがありますが、それでも全体の10%以下です。上顎洞癌は鼻の癌の内、約90%を占めるといわれています。このがんは非常に稀な病気で、日本全体で1,000人程度の患者しかいないといわれています。進行が遅いので早期発見がされ、きちんと治療をすれば完治が可能な病気です。

上顎洞癌の原因とは?

この病気の発病メカニズムや原因について詳しいことはわかっていません。しかし、病気の引き金となる原因として主に以下の3つが考えられています。

1:蓄膿症

蓄膿症とは上顎洞内に炎症が起こり、膿が溜まってしまう病気です。初期の段階ではサラサラとした鼻水が出ることがありますが、単なる鼻炎と勘違いし、放置してしまうことがあります。以下の症状に注意が必要です。

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 歯が痛くなる
  • 鼻声になる
  • 発声しにくくなる
  • 頭痛がある
  • 鼻水の色が黄色く濃い

蓄膿症は上顎洞内に細菌が感染し、繁殖・炎症をすることで膿が発生します。この際、がん細胞が一部排出され、出血することがあります。長く続く鼻炎症状があるようであれば、なるべく早めに病院へ行くようにしましょう。

2:ウィルス感染

ヒトパピローマウィルスの感染による病気の発症が考えられています。このウィルスはイボウィルスに一種で、その種類は150以上にのぼります。子宮頸がんを発病させる原因ウィルスであることもわかっています。

3:クローム

クロームとは金属のこと。日常的に何かしらの形で微粒な金属を吸い込んでいる環境にいると、上顎洞癌の発症リスクを高める危険性があるといわれています。

慢性的な副鼻腔炎にはご注意

上顎洞癌の原因は主に3つですが、やはりその中で最も大きな引き金になるのは蓄膿症です。鼻腔内に膿がたまるのは慢性的な副鼻腔炎をきっかけで発症します。

3ヶ月以上の長い期間、鼻に関して何かしらの異常がある。鼻呼吸がしにくかったり、疼痛や頭痛がある。このようなことに心当たりがあるようであれば注意が必要でしょう。

蓄膿症の発症予防には以下のことがオススメです。

  • 空気清浄機を使い、空気を綺麗にする
  • 過度な圧を加えない、鼻をかみすぎない
  • 鼻うがいを実施する

細菌やウィルスの感染によって、鼻腔内で炎症が起きているケースもあります。そのようなケースでは自分で治すことは難しいでしょう。早めに病院へ行き、治療を開始するようにしてください。

上顎洞癌の進行の種類

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上顎洞癌は頬骨の歯の間の空洞にがんができる病気でした。

当然、治療をしなければ進行していきます。進行が遅いといっても、その動きには注意を払う必要があります。病気は進行によって以下の種類に分類されます。

内方進展型

内方進展、つまり頬骨にできた癌が副鼻腔に向かって進行するタイプです。このタイプでは鼻づまりや鼻血などが主症状としてみられます。治療が比較的容易で、予後も良好とされます。

症状そのものは花粉症やアレルギー症状と似ているため、病気と疑われることは少ないです。ただ、これら症状であれば比較的早期に症状は収まるでしょう。長期的に症状が出ているようであれば要注意です。

上方進展型

頬骨から上へ向かって進行するタイプです。頬骨の上には眼球がありますので、悪影響を及ぼすことがあります。具体的には視力障害、眼球の突出、疼痛、頭痛などです。

内方進展型と比べて、治療が困難で予後が悪い傾向があります。また、視力障害を起こすと生活に支障をきたすこともあるため、早急な治療が必要でしょう。

下方進展型

頬骨から下へ向かって進行するタイプです。頬骨の下には歯がありますから、これら部位に悪影響を与えます。具体的には歯が浮く、歯痛、歯肉の腫れなどが起こります。

最初は虫歯を疑いますが、歯科にいっても問題がありません。しかし、歯の痛みは相変わらず続きます。鼻腔症状と合わせて歯の痛みがあるようでれば、一度検査を受けてみてください。

前方進展型

前方に進行するタイプです。症状の進行に伴い、頬の膨らみが起こります。合わせて、鼻炎症状である鼻水や鼻血もみられます。濃い色をした鼻水が続きますので、心当たりがあるようであれば注意が必要でしょう。

後方進展型

後頭部方向へ進行するタイプです。進行すると骨を破壊し脳へ侵入。深刻な影響を及ぼすことがあります。口が開きにくくなる、知覚障害などの症状を発症します。

こんな症状にはご注意

上顎洞癌は副鼻腔炎やアレルギーといった症状と勘違いされがちです。鼻水はよく出るけど、それが癌だったなんて。そう思う人は少なくないでしょう。一方で以下のような症状が長く続いているようであれば注意が必要でしょう。

片方の鼻のみに異常がある

上顎洞癌は通常片方のみ発症します。そのため、鼻づまりや鼻血といった症状はどちらか一方に偏ります。左鼻だけずっと鼻づまりがある。その場合は一度検査を受けた方がいいかもしれませんよ。

鼻水の色が濃い

上顎洞内の細菌・ウィルス感染によって炎症が起こると膿が発生します。膿は排出されにくく、その間細菌・ウィルスが繁殖するため、色が濃くなります。サラサラとした鼻水ではなく、濃い色の鼻水が出たら注意です。

視力の異常

病気の進行では視力障害を発症するといいました。具体的にはモノが二重に見えたり、目やにや涙がやたら出るなどの症状が起こります。病気がかなり進行している可能性があるかもしれません。

歯の異常

虫歯がないのにも関わらず、歯が浮いたり、歯肉が痛い。このような歯の異常が継続的に起こっているケースも要注意です。

頭部の異常

頭痛、頬骨の脹れ、片方の頰だけ痛い。こういった症状も上顎洞癌の進行によって引き起こされます。

上顎洞癌の検査

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上顎洞癌の検査は主に3つあります。それは「鼻腔ファイバースコープ」、「生検」、「画像検査」です。では、それぞれの検査方法についてみていくことにしましょう。

鼻腔ファイバースコープ

ファイバースコープは内視鏡の一種で、鼻に挿入し、内部を観察することができます。ファイバースコープそのものは細いので、挿入時に痛みを感じることは少ないです。

ファイバースコープそのもので上顎洞まで見ることはできませんが、ガンが進行していると、病変を確認することができます。異常があるようであれば、詳しい検査をすることになるでしょう。

生検

ファイバースコープによって病変が確認されたら、一部を採取し、生検を行います。生検によってがんであるかどうかを診断することができます。鼻腔に異常はないものの、病巣が画像診断等で確認できる場合は、歯肉から切開し、病巣を生検にかけることもあります。

画像診断

画像診断は主にCT検査、MRI検査、超音波検査があります。上顎洞癌は比較的進行の遅い病気ではありますが、他の部位への転移や進行がみられるケースもあるため、画像診断が有効です。

口の中を検査することも

上顎洞癌が進行すると口内にしこりを発症することがあります。癌が進行しているほど顕著にみられるため、病気の進度を図る重要な手がかりとなります。しこりがいつまでもあるのであれば注意が必要でしょう。

上顎洞癌の治療

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上顎洞の検査をし、癌であると診断が下ったとき、どのような治療を行なっていくのでしょうか。具体的には以下の治療方法があります。

外科手術

患部を切開し、癌を摘出してしまう治療法です。根本的な治療につながるのですが、やはり顔という場所の変形を招くことがあります。具体的には以下のことが起こる可能性があります。

  • 歯や歯茎の喪失
  • 頬骨がなくなり、顔がくぼむ
  • 眼球の喪失
  • 発音が困難になる

病気の進行によって手術後の状態は大きく異なります。外見を気にしてしまう人も少なくなりませんから、日常生活に戻ったときのことまでを考えた治療を考え、行なっていくこともこの癌のテーマといえるでしょう。

三者併用療法

三者併用治療とは「抗がん剤治療」、「放射線治療」、「外科手術」の3つをバランスよく組み合わせ治療していくという方法です。治療のステップは次の通りです。

1:癌を縮小させる

まず癌を縮小させることを行なっていきます。癌へ血液を供給している血管に高濃度の抗がん剤を投与し、癌の縮小を狙います。また、合わせて放射線療法も行います。

2:癌の切除

抗がん剤治療、放射線治療によって縮小した癌の組織を摘出する外科手術を行います。癌が小さくなっているため、切開する範囲を少なくすることができ、手術後の顔面の変形を最小限に抑えることができます。

超選択的動注化学療法

抗がん剤治療についてさらに詳しく説明すると「超選択的動注化学療法」があります。これは先に述べた癌に血液を送っている血管に直接抗がん剤を投与するというもの。通常の抗がん剤投与に比べると数百倍の効果があり、さらに中和剤の投与によって副作用を抑えるというメリットがあります。

治療のポイント

上顎洞癌は顔の内部、頬骨にできます。このため、治療は成功したとしても、切開箇所が大きかったり、治療が大規模になれば、それだけ外見に影響を与えてしまうことがあるでしょう。

治療し完治することはもちろんのこと、退院後の生活についても十分考える必要があります。病気を発病したとき、治すことだけではなくその後の生活について考えるのも必要なのだと思います。

上顎洞癌の後遺症

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上顎洞癌の治療後、注意が必要なのが後遺症です。骨の空洞部といっても場所は頭部。脳や眼球など重要な臓器が近くにありますから、深刻な後遺症を発症することがあります。

具体的には食べ物を食べにくくなる、飲みにくくなる。眼球の陥没や突出などがあります。外見上、とても気になることもありますから、生活で不便を感じることがあるかもしれません。また、同時に再発に対しても気を配る必要があるでしょう。

これら後遺症はやはり手術が大掛かりであるほど、残りやすく影響が大きいといえます。病気の治療は慎重に行なっていきますが、やはり早期発見に越したことはないでしょう。

後遺症が出たときの治療

癌がどの方向へ進むのかによって、症状や影響が変わりました。基本的な治療法はどれも同じですが、治療後にでる後遺症は異なります。具体的には以下に分類されます。

下方進展型

癌が下方向へ進行すると、影響が出るのは歯や歯肉です。手術によって癌を取り除いたものの、同時に歯や歯肉も取り除いてしまうケースがあるのですね。

すると硬口蓋と呼ばれる口の天井部がなくなることがあります。つまり、鼻と口が繋がってしまうのですね。食事をとることができなかったり、発声が困難になります。

このため、手術と一緒にこれら部位の再建術を行うのが一般的です。手術後もリハビリが必要なことがあり、根気強い治療が必要でしょう。

上方進展型

頬骨から上に癌が進行すると影響が出るのは眼球です。手術ではそのまま眼球を摘出してしまうケースがあり、治療後は義眼を入れるなどして外見に違和感がないよう対策する人は少なくないようです。

また、女性は特にこのような理由があることから、手術に踏み切れないことがあります。そのため、先に述べた放射線治療や抗がん剤治療をうまく組み合わせ、手術を最小限に行う方法で治療していくことがあります。

後遺症を残さないために

病気の後遺症は元々の病気が進行しているほど残りやすくなります。上顎洞癌に限らず、これはあらゆる病気にいえることでしょう。では、後遺症を残さないためにできることはなんでしょうか。

それはシンプルに「早期発見・早期治療」です。病気を初期の段階で発見・治療することができれば、最小限の負担で完治することができるのです。

上顎洞癌はどうしても発見されにくい病気です。進行は遅いものの治療をしなければどんどん悪化し、体を蝕んでいってしまうでしょう。頭蓋底へ進行することもあります。そのため、些細な体の変化に対しても敏感になる必要があります。

いつまでも鼻炎症状が続く。鼻水の色が濃い。繰り返しになりますが、花に関して異常が長く続いているようであれば、まずは病院で検査を受けてみてくださいね。症状が悪化すると頸部リンパ節転移に移行することもあるので注意が必要です。ちなみにリンパ節転移は全体の15〜30%程度といわれています。

上顎洞癌が与える影響とは

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実際に上顎洞癌の発症は本人に強い心の傷を残すことがあります。それはがんであるということもそうですが、治療による傷跡によるものが大きいのです。

上顎洞癌の治療では物理的にがんを摘出する外科手術を行うことがあります。この方法では上顎を全て切除してしまうことがあり、術後は顔の変形が起こります。

特に女性であれば外見に気を使っていた人が、術後人前に出られなくなってしまい、精神的に追い詰められてしまうなんてこともあります。これはとても大きな影響でしょう。

進行してから気付く

上顎洞癌は本来、空洞である部位に癌ができるため、初期症状はほとんどありません。そのため、症状が出たときにはすでに癌が進行しており、肥大していることが多いのです。

実際、癌の肥大によって起こる症状として奥歯の痛みがありますが、このケースではかなりの肥大が確認できます。それは素人がレントゲンを見てもわかるほどです。

また、リンパ節等の転移が見られる場合は、かなり進行していることが予想されます。治療も大掛かりとなり、心身共に大きいな負担を要することになるかもしれません。

周囲家族への影響も大きい

根本的な治療は外科的手術。そうわかっていながらも、術後の容姿の変化を考えるとどうしてもそれだけは避けたい。周囲の家族は強くそう思うでしょう。

上顎洞癌では副作用が比較的少ない抗がん剤、一方で効果も大きいけど副作用も大きい抗がん剤を使用していくこともあります。その過程を見ていくのも家族としてとても辛いことです。

ただ、時として決断をせまられることがあります。命を優先するために、本人の意思を尊重することもありますが、それが茨の道なんてこともあるのかもしれません。

治療をしていく中で辛い選択をすることがあるかもしれませんが、最大限、体への負担が少ない道を選ぶ。そのためには、色々な病院や医師の話を聞き、治療法を探るというのも大切なことなのかもしれません。

まとめ

上顎洞癌は稀な病気であるものの、いつ自分がかからないとは言えない部分があるでしょう。自覚症状も少なく、気付いた時にはステージが進んでいるという厄介な病気でもあります。

小さなことですが、やはり体の異変を感じた時、すぐに治療を開始できるかが大切なこと思います。いつまでも症状が続く場合は気をつけてみてください。

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