親知らずが生えかけで痛い!抜く場合と抜かない場合の判断基準は?

歯の奥がむずむずする。口の中を見たら奥歯の後ろに歯が顔を出している。奥歯が痛くて歯医者に行ったら親知らずのせいだった…。生えかけの親知らずが将来の口内環境にどのように影響してくるのか気になりますよね。

悪影響があるならば早めに処置しておきたいけど、不必要なコストは払いたくないし、激しい痛みは感じたくないものです。抜くべきか、抜かないべきか、判断の方法とそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。

親知らずについて知ろう

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まずは、親知らずについて紹介します。

親知らずって何?

親知らずとは、10代後半から20代前半にかけて奥歯の後ろの四隅に生えてくる永久歯です。成人、独立するころに生えてくるため親がその歯の存在を知らないことからこの名前が付きました。

人によって生える本数は違い、中には全く生えてこない人もいるようです。

生えてきたらどうしよう?

まずは自分の親知らずがどのような状態で生えてきているのかを知る事が重要です。下あごの歯の場合は口を開くとみることが出来ます。前歯から数えて8番目に歯が見えていれば親知らずでしょう。

よくわからない場合や、上あごの場合、下あごの奥が痛いが何も見えない場合は、歯医者さんでレントゲンを撮ってもらいましょう。レントゲンは歯茎や骨に埋まった親知らずまで撮ることが出来るので、確実に状況を知る事が出来ます。

その際、歯科医さんに抜くことを勧められる場合もありますが、最終的な判断は自分自身で行うことが出来ますので、抜歯に不安がある場合は一度検討し、後日返事をすればよいです。

以下の項目に注意して確認してみてください。

1)歯の向き

親知らずはどの向きに生えてきていますか?縦、横、斜めなど、親知らずの生える向きは千差万別です。まっすぐ生えた歯は抜かなくても問題ありませんが、正しい向きで生えてこない場合は、傷んだり歯並びの悪化につながります。

2)痛み

親知らずの周辺に痛みはありますか?親知らずが生えかけの場合、腫れや痛みを感じても時間がたてば落ち着く場合があります。しかし、長期間痛みが続く場合や、痛みで眠れない、口が開かないなど、日常生活に支障が出る場合は早急に対処が必要です。

3)周りの歯茎の状況

歯茎が腫れていたり、嫌な臭いがしませんか?生えかけの歯の場合、歯茎が歯に被っていることが多いです。歯の奥は歯ブラシが届きにくいため、細菌が溜まりやすい環境です。そのため、周囲の歯茎に炎症が起こっていたり、歯周病になっている場合があります。

4)奥歯の状態

親知らずの手前の奥歯に深刻な虫歯や、神経の通ってない奥歯がありますか?奥歯の状態が悪い場合は、奥歯を抜いて親知らずを活用するという方法があります。

親知らずを抜いたほうがいい場合

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歯の状況を確認したら、抜歯の判断をします。以下に当てはまる人は親知らずを抜いたほうが良いでしょう。

明らかに親知らずの生える方向が横、もしくは斜めの場合

親知らずの生える方向が正しくないのは、既にある永久歯で顎のスペースが塞がっているからです。無い場所に無理やり頭を出そうとして歯の方向が歪むのです。

この場合、手前の歯や顎の骨を圧迫し、歯茎の痛みや頭痛を引き起こす可能性があります。また、手入れも難しいため、虫歯になる可能性も高くなります。

痛みが激しく、生活に支障が出る場合

口内の痛みで親知らずに気づいた人も多いでしょう。親知らずには神経が通っているので、生える際に多少の痛みを伴いますが、徐々に落ち着きます。また、何度か痛みを繰り返すこともあります。原因は、親知らずが生える際に歯茎を突き破ることです。親知らずが横や斜めになって生えかけの状態で止まってしまった場合、痛みが長引きます。

痛みが長期に渡り収まらない場合や、痛みで眠れない、顎が腫れて口が開けないなど、日常生活に支障が出る場合は親知らずを早急に抜いたほうがいいでしょう。すぐに病院に行けない場合は、ロキソニンなどの痛み止めを飲んだり、柔らかい歯ブラシで優しく歯を磨くなどの方法が効果的です。

親知らずが虫歯だったり、周囲の歯茎が炎症を起こしている場合

親知らずは歯の一番奥に生えるため、手入れが難しいと言われます。生えかけの状態で既に虫歯になっている、周囲の歯茎が腫れて痛い、歯周病になってしまった、などの場合は抜いてしまいましょう。最悪の場合、親知らずだけでなく、手前の奥歯も巻き込んで悪化してしまう可能性があります。

この場合は痛みを伴うことがほとんどですので、その面からも抜歯を考える必要があるでしょう。

妊娠する可能性がある場合

親知らずの抜歯には麻酔や抗生物質などの薬を使用するため、緊急を要する場合でない限り抜歯は行わない方が無難です。痛む場合は鎮痛剤などを処方されることが一般的ですが、安定期に入っている場合は抜歯も可能です。ただし、抜歯後の痛みや腫れが長引くことがあるので、長期で痛み止めなどの薬を服用する必要があります。

親知らずが生えかけた時点で妊娠の可能性がある場合は、早めに処置をしておいた方が良いでしょう。

抜かなくて良い場合

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親知らずの状態によっては抜かない方が良い場合もあります。以下に当てはまる人は抜く必要はないでしょう。

正しい方向にまっすぐ生えている

親知らずが歪んで生えてくる原因は口内のスペース不足です。ですが、親知らずが生えてくるためのスペースが十分にある場合はまっすぐに生えてきます。そのような場合は正しく歯としての役割を果たすため、抜く必要はありません。

顎や歯茎の奥の骨に埋まっている

レントゲンで確認した時に、顎の骨の中に親知らずが埋まっている場合や、大部分が歯茎に埋まっていて痛みが無い場合はこれ以上生えてこない可能性もありますので、しばらく様子を見てもよいでしょう。ほかの歯に悪影響を及ぼさないと判断された場合も抜く必要はありません。顎に埋まっている場合は切開などの大掛かりな手術となり、術後の痛みも強くなることがあります。

親知らずの手前の歯に虫歯がある

7番と呼ばれる親知らずの手前の奥歯に虫歯がある場合、親知らずはそのままにして奥歯を抜き、親知らずを活用する方法があります。奥歯を抜いた後、親知らずの位置を矯正して移動させ、奥歯の代用にします。

また、今後ほかの歯が悪くなった時に移植できるよう、親知らずを残しておくという選択肢もあります。残しておく場合は、他の歯や歯茎に影響がないことが大前提となります。

後日の可能性

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親知らずを抜いた場合、抜かなかった場合、それぞれの考えられるメリットとデメリットを紹介します。

抜いた場合のメリット

1)歯並び

親知らずが歯を圧迫している場合、親知らずを抜くことで圧力が消え、正常な歯並びを維持できることが期待できます。特に、片方しか親知らずが無い人は、歯並びが不均等になるのを防ぐため抜いたほうがいいでしょう。

2)歯周病、虫歯予防

親知らずには汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境です。親知らずを抜くことで手入れが楽になり、歯周病や虫歯の予防になります。

抜いた場合のデメリット

1)痛みと腫れ

親知らずを抜いた後は、施術の程度により1週間前後痛みや腫れが続くことが多いです。その間は鎮痛剤を服用しますが、切れた時には激しい痛みが襲ってくることがあります。また、飛行機などで気圧が変化した場合や、運動で血流が良くなった場合も痛むことがありますので、旅行やスポーツの予定がある場合は抜歯の時期を調整した方がよいでしょう。

2)ドライソケット

施術後は親知らずのあった位置に穴が開き、そこに血餅と呼ばれる血のかさぶたが出来ることで骨を護っています。穴からの少量の出血が気になりうがいをしすぎる、ストローなどで飲み物を吸引する、舌で触りすぎるなどして血餅が取れてしまうと、そこから細菌感染が起こり、激しい痛みに苦しむこととなります。

3)食事の制限

抜歯の後の痛みが強い場合は、痛みで食欲が落ちたり、かたい物を噛めない場合があります。既に痛みがある場合は抜歯によって早期の改善が見込まれますが、痛みの無い場合は会食などのスケジュールがないか確認してから抜歯に臨んだ方がよいでしょう。

抜かなかった場合のメリット

1)正常な歯として機能する

親知らずは本来ならば正常に生えてくる歯ですが、日本人は顔が小さく、顎のスペースが狭いため斜めや横になりがちです。しかし、正常に生えてきた場合は健康な歯として使用でき、抜歯による痛みを経験する必要もありません。

2)虫歯になった歯との交換

親知らずを抜かずに残しておけば、将来ほかの歯を悪くしてしまった時の代用や、土台として使用することが出来ます。

抜かなかった時のデメリット

1)虫歯や歯周病のリスク

歯の奥は歯ブラシが届きにくく、食べ物のカスなどが詰まりやすいため、手入れが難しい場所の一つです。特に、親知らずが生えかけの場合、隙間に者が詰まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

2)歯並びが悪くなる可能性がある

まっすぐ生えていない親知らずは、放置しておくと歯並びに影響する可能性があります。たとえ痛みが無くとも歯が生えるのに十分なスペースが無い場合はほかの歯を圧迫し、将来的にに前歯が飛び出したり、八重歯に鳴ったりする可能性があります。

3)年を取ってから痛み出す可能性がある

今は痛くなくとも、将来的に痛みが発生する場合があります。年を取ってからの手術は、体に負担がかかり、傷の治りも遅くなるので、親知らずの形や生える方向などを見て、不安がある場合は抜いておくのも手です。

まとめ

生えかけの状態の親知らずをどうするかは難しいところですが、最後はご自身の判断となります。個々の口内環境によっては上記が当てはまらない可能性もありますので、まずはレントゲンなどで親知らずの状態を確認することが大切です。

ご自身での判断が難しい場合は、掛かりつけのクリニックや最寄りの歯科医に相談することをお勧めします。

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