体のあらゆる部分に発生する「イボ」ですが、顔に出来ることももちろんあります。他の部分ならともかく、顔は目立つ場所なので、なるべくいぼが出来るのを防ぎたいものですよね。
イボには様々な種類のものがあり、それぞれ出来る原因などが違います。原因を知ってイボの予防をしましょう。
顔にイボが出来てしまった時の対処方法や治療方法なども合わせて紹介しているので、イボが気になる人はぜひ読んでみてください。
顔に出来るイボの種類
イボはたくさんの種類がありますが、顔に出来るイボはどういったものがあるのかを紹介します。自分にあるイボがどの種類にあたるのかを知っておきましょう。
尋常性疣贅(じんしょうせいゆうぜい)
「ヒトパピローマウイルス」というウイルスが原因で発生するイボです。主に、擦り傷や怪我の後などからウイルスが侵入することで発生します。
自然に治ることはないので、病院へ行って治療する必要があります。
皮膚であればどこにでも発生するイボでもありますが、体幹部分にはあまり発生しないイボでもあります。特にできやすい場所としては手の指や足の裏や膝や顔が挙げられます。ささくれほどの傷があるところになら菌が侵入しイボが出来る可能性があります。
感染が始まって数ヶ月の時間が経過すれば、皮膚が次第に隆起してきて1mm程の発疹ができ、これがさらに時間とともに大きくなり患部の皮膚が角化し白っぽくなります。
顔面や首にできる場合は、先端が尖ったような形状にイボが出来たり、足の裏に出来た場合は隆起することが出来ないので魚の目の様な形になったり潰れた敷石状になります。
足の裏に出来た場合は痛みが強く出ることもあります。
尋常性疣贅に関する詳しい記述は尋常性疣贅の治療法は?自然治癒するの?原因や症状を把握しよう!こちらの記事を御覧ください。
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
こちらも傷からウイルスが侵入することで発生するイボです。
特徴として、色は肌色に近い色をしており扁平に盛り上がります。さらに扁平疣贅になってしまうと、一度に多く発生します。かゆみを感じることもありニキビと類似していますが、かゆみを感じだすとに2週間前後で治ってきます。
主婦湿疹やアトピーの症状にも似ていて顕微鏡での検査を行わないと明確には判断できないものでもあります。扁平疣贅は良性のイボになります。放置しておいても大きな問題に発展するケースは多くないですがウィルスに感染したことに気づかずかゆみの症状に任せて掻いていたらイボの症状を広範囲に広げてしまう可能性があります。
このイボは比較的若い世代に多く見られるイボでもあり、20代でも発症が多く見られ、その後の世代ではほとんど観測されません。その為青年性扁平疣贅とも呼ばれます。イボの形は大きくても1cmほどの大きさになり円形もしくは楕円形の形状をしています。
手や首周り、顔などの部分に出来やすいイボになります。色は肌色から茶色もしくは黒に近いような色をしていて、沢山ブツブツと広がっているのが特徴です。
稀に自然治癒も確認されるものですが、見た目にも目立つような症状が発見さらたら自己治療だけでの治癒は難しくなります。病院やクリニックでの治療や検査を受けましょう。
老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)
文字通り、高齢者に多く発生するイボです。
老人性疣贅は皮膚が老化することによって起きるイボなので、健康的に害があるものではありません。様々な原因により皮膚が老化するのですが、若い人にも起きる場合もあります。
特に、首より上の部分に発生しやすいイボです。高齢者ではない人に発生した場合には脂漏性角化症と呼ばれることもあります。手のひらと足の裏には出来ないイボになります。それ以外の場所であればどこにでも発生する可能性があります。顔、首に次いで胸部や背中に出来やすい傾向があります。
このイボも癌など細胞などの悪性のものではなく良性のイボになります。主な原因としては遺伝的な要因や、紫外線などによる肌への刺激、角質の老化、化粧などによる刺激などが発症誘引として考えられます。
1mm〜5mm程の小さなものから大きいものでは3cmほどの大きなものもあります。隆起の具合も異なり僅かに盛り上がったものから異常に突出する非常に目立つものもあります。
色も黒や茶色など大きな変色が見られ非常に目立ちます。
脂漏性角化症、老人性疣贅についての詳しい記述は脂漏性角化症とは?そのメカニズムや治療方法を知ろう!こちらの記事を一緒に御覧ください。
顔にイボが出来る原因(ウイルス性)
まずは、ウイルス性のイボが出来る原因について紹介します。
手で触れてしまう
ウイルスが侵入する原因として一番に考えられるのが、傷口を手で触れてしまった時にウイルスが侵入してしまうことです。
手には多くの菌やウイルスが繁殖しています。そういった手で傷口を触ってしまうとイボが出来ることがあります。また他人のイボを触った手で傷口を触ってしまうと、高確率でイボが発生するので、なるべく触らないようにするか、手を綺麗な状態に保つことを心がけましょう。特に小さい子供などは、傷口が治りかけの時などは触ってしまうことが多いので注意しましょう。
自分の顔にイボが出来た時に、何度も触ったりしているとウイルスが広がっていき、イボの範囲が広くなることがあるので、触るのは止めましょう。
免疫力の低下
疲労の蓄積や、過度のストレスで免疫力が低下している時にイボが発生することがあります。
ウイルス性のイボの原因であるヒトパピローマウイルスは、体内に侵入しても症状が起きないことがよくあります。しかし、免疫力が低下している時に体が負けてしまい、ヒトパピローマウイルスが原因でイボが現れることがあります。
顔の皮膚は薄いために、イボが発生しやすい部分でもあります。免疫力が低下している時こそ、肌の状態を健康に保つようにしましょう。
イボが出来る原因(老人性)
次に、老人性疣贅が出来る原因を紹介します。健康に害はありませんが、顔に出来ると目立ってしまうのでなるべく発生させないようにしましょう。
紫外線
老人性疣贅の一番の原因は、紫外線だといえます。
紫外線を浴びることで、顔の皮膚を守ろうと「メラニン色素」が多く分泌されます。しかし、このメラニン色素が原因で老人性疣贅が発生してしまうのです。
通常であれば、ターンオーバが行われて体外に排出するので皮膚にたまることは無いのですが、新陳代謝が悪かったり紫外線の浴びる量が多い場合は、皮膚に蓄積されてしまいます。これが表面に出てきて老人性色素斑というシミになります。
さらにこの老人性色素斑が、何度も積み重なってしまい盛り上がってくることで、老人性疣贅というイボが現れるのです。太陽の元で働いている人や、紫外線対策を行っていない人は高齢になった際に、老人性疣贅が現れやすいといえます。
ケア不足
顔のスキンケアを怠っていると、老人性疣贅が出来やすくなってしまうので注意しましょう。
まず第一に、スキンケアを怠っていると顔が乾燥しやすくなってしまいます。乾燥した状態というのは紫外線の影響を受けやすいので、顔が強い刺激を受けてしまう状態なのでメラニン色素が多く発生する要因になってしまいます。
さらに、スキンケアを行うことでメラニンが多く作られるのを防いだり、ターンオーバーが正常に働くように促す効果を得ることができます。これらの効果を顔に与えてあげることで、シミやイボの発生を軽減できるので、イボを作りたくない人はしっかりとケアを行いましょう。
生活習慣の乱れ
生活習慣が乱れている人も、老人性疣贅が発生しやすくなるので気をつけましょう。
生活習慣の乱れにより顔の皮膚の健康状態が悪化してしまい、ターンオーバー機能が正常に働かなくなり、メラニン色素が蓄積してしまいやすくなるためです。また、顔が乾燥する原因にもなるので注意しましょう。
・タバコの吸い過ぎ
・睡眠不足
・過度のストレス
・偏食
などが挙げられます。心当たりがある方は、少しずつ改善するようにしましょう。
顔のイボの治療方法について
では、もしイボが出来てしまった場合は、どのようにして治療するかを紹介します。なるべくイボが出来ないようにするのが良いですが、出来てしまった時の対処方法も知っておきましょう。いくつかのいぼ治療方法について紹介します。
レーザー治療
病院でイボの治療を行う場合に、炭酸ガスレーザーを使用してイボを取り除くという除去方法、治療方法があります。
イボが発生している部分に麻酔を使用して、ガスレーザーを使うので痛みを感じることもありません。またイボを除去した後が残りにくいので、顔のイボには向いているといえます。
保険が効かない場合もありますので、病院へ行って一度相談してみましょう。ウイルス性のイボ、老人性のイボのどちらにも即効性、効果はあります。
特に加齢による老人性いぼ治療として行われる場合が多いです。治療期間としては、完全に皮膚が元の状態になるまでには2ヶ月〜半年ほどの開きがあります。この開きは自然治癒速度の個人差になります。コラーゲンやビタミンバランスのしっかり取れた食事などを心がけている人や若い人はそれだけ治療期間が短くなります。
治療の流れとしては、まず麻酔を皮膚の局所に行い、その後レーザーを照射していきます。時間にしてここまでの所与時間は5分ほどです。麻酔が効いているため痛みは感じません。その後患部を冷却し炎症や日焼けなどの障害を防ぐため、湿布をし1〜2週間待ちます。
その間に皮膚の再生進み患部が再生します。しかしこの状態では肌はまだ赤らみがあり、その後治癒とともに色素沈着が起こる可能性があります。その為メラニン合成を防ぐためのハイドロキシン軟膏やビタミン剤などを服用して、正常な肌の再生を目指します。
液体窒素治療
病院でイボを除去する際の方法として、液体窒素治療という方法があります。
液体窒素をイボに当てて、皮膚の組織を壊滅させてイボを除去する方法です。保険が適用されるので、値段は安く済みますが激しい痛みを伴ってしまいます。また、除去した後が残ってしまうので、顔に出来たイボの除去にはあまり向いていません。
手軽に受けられるメリットはありますが、痛みが強いことや、痕が残りやすいなどのデメリットが多いのが難点です。
ヨクイニンが入ったクリームを塗る
「ヨクイニン」とは、ハトムギの実からできた成分です。これをイボに塗ることで除去できる場合があります。
ヨクイニンは、肌に適した成分が多く含まれており、皮膚に溜まった老廃物や不要なものを除去する効果があるので、イボに効くとされています。肌の新陳代謝を促す作用もあるので、美肌効果にも優れています。
このヨクイニンをイボがある部分に塗ることで、体の内部からイボを治療することが出来るのです。しかし、ウイルス性のイボに効果はなく、老人性疣贅が出来ている場合に使用しましょう。
またヨクイニンは、ハトムギ茶に多く含まれていたり、ヨクイニンのサプリメントなどがあるので積極的に摂取するのも良いでしょう。
規則正しい生活
イボを早く治したければ、規則正しい生活をしましょう。
上記で紹介したように、肌の状態が悪かったり、新陳代謝が悪いとイボの改善をすることが難しくなります。
・リラックスした生活
・バランスの良い食事
・適度な運動
・シャワーでなく、入浴を行う
などの行動により、新陳代謝を良くすることができます。生活を見なおしてみて、改善できそうな部分は治していきましょう。
イボを自分で切ってはいけない
イボが気になるあまりに、自分で切るという行動は絶対にしないようにしましょう。
自分で切ってしまうと、イボが広がる原因になったり、傷口からウイルスが侵入する原因になることがあり、症状が悪化することがあります。
またひどい場合だと、イボを切った後が一生残ってしまうこともあります。医者に相談してみるのが一番だといえます。必ず皮膚科もしくは形成外科などの専門医に相談し、適切な治療法を行うようにしましょう。
市販薬を使う
イボに効果的な市販薬はいくつかあります。即効性のあるものから、長期利用が必要なものやウィルス性のイボに効くものから老人性のイボに効くものなど種類や効力は様々です。
市販薬の薬を使うためには、自分のイボの種類がどの種類のものなのかを正確に見極めることが重要になります。
また、顔にできたイボに対してはおすすめできない市販薬などもあります。例えばイボコロリなどです。これは足のイボには非常に有効で即効性のある薬になりますが顔などの皮膚の薄い部分には使用を控えるように注書きされています。また子供や妊婦に使用する場合も医師の診断が必要です。
汎用性の高いものとしては塗り薬の紫雲膏や内服薬のヨクイニンS「コタロー」や天然エキスのドクダミエキスなどがあります。これらにはイボに効果的に働きかける効果がある他に肌の調子を整えたり、毛穴を綺麗にする効果などがあります。長期的に使用して効果のあるものなのでイボが出来ていない時期の予防としても効果的です。
また、これらの商品には個人差がありますので長期的に利用しても症状が改善しない場合はしっかり病院での診察を受けて治療を行いましょう。
まとめ
顔に出来るイボの種類
・尋常性疣贅
・扁平疣贅
・老人性疣贅
顔にイボが出来る原因(ウイルス性)
・手で傷口を触れることでウイルスが侵入する
・免疫力が低下している時に負けてしまう
顔にイボが出来る原因(老人性)
・紫外線の浴びすぎ
・顔のスキンケア不足
・生活習慣の乱れによる新陳代謝の悪化
顔のイボの治療方法
・レーザー治療
・液体窒素治療
・ヨクイニンを塗る
・規則正しい生活
以上が今回の記事のまとめになります。
顔にできるイボは種類があり、それぞれ原因が違ってきます。原因をしっかり把握して、イボが発生しないようにすることが大切です。
ウイルス性のイボが出来た場合は、すぐに病院へ行きましょう。周りにうつしてしまう可能性がありので注意しましょう。家族内でのタオルの共有などは避けた方が良いです。
規則正い生活を送って、イボが発生しないようにするのが一番の予防だと言えます!
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