挫創とは?挫傷との違いや応急処置方法を知っておこう!

「挫創」や「挫傷」など見た目が類似している言葉があり、じゃあ「挫創」って何?これらの違いって何?となります。傷であるには違い無いのですが、どんな違いがあるかはパッとは思い浮かばないでしょう。原因は双方とも同じです。双方とも創傷の内に含む傷の種類の一つです。挫創も状態によっては挫創とは呼びません。

これらの違いがわかるかわからないかで命に関わるわけではありませんが、軽く違いを知っておくと会話中やニュースで出てきても理解をしやすいと思います。この創傷のどういった原因によるものなのか、他にどういった種類があるのかを見ていきましょう。これらの違いや検査、対応方法も伝えていきます。

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創傷の原因による分類

挫創

挫創は、外傷の種類の中でも、急性創傷の創傷の原因による分類に含まれます。これには、非機械的原因と機械的原因の2つがあります。

非機械的原因によるものは、熱傷、化学損傷、電撃症、放射線などです。

機械的原因によるものは、挫創、挫傷、挫滅創、擦過創、切創、割創、裂創、刺創、剥脱創、銃創、咬創、爆創などがあります。

では、間違えやすい挫傷と挫創の違いについて述べます。

挫傷

挫傷とは、鈍体が作用して組織が圧縮されることにより生じる損傷です。簡単に言うと、打撃などの外力により皮膚の表面に傷が付かずに内部の軟部組織が損傷をする怪我ということです。

挫傷には多種類あり、脳挫傷、内臓挫傷、神経挫傷、筋挫傷(肉離れ等)、腱挫傷、関節挫傷などがあります。一般的には保存的治療が施されます。

挫創

挫創は俗に言う擦り傷、切り傷です。挫創とは、内部組織だけではなく、鈍的な外傷により皮膚にも損傷が認められる怪我の事を言います。挫傷の内、皮膚の開放性損傷で、いわゆる出血性損創を伴う場合に言います。

切創と比較して創部周囲の損傷が高度なことが特徴です。組織が挫滅する(体外から衝撃や圧迫等の強い力を受けて内部の組織が破壊されること)ため、創面は粗雑です。ここで言う「鈍的外傷」とは、鋭利な刃物などで軽く切った様な傷ではなく、転倒による擦過傷(すり傷)よりも状態がひどいものを指します。処置方法で言うと、絆創膏を貼る程度の傷ではなく、縫合術が必要なレベルまたは、縫合術も困難な状態ということです。壊死組織のデブリードマン(除去)や創保護が治療のメインであり、肉芽組織の増殖による自然治癒を待たなければなりません。

また、挫創は打撲によるものが多く、「打撲創」と呼ぶこともあります。患部の出血と浮腫が見られます。この浮腫は、皮下出血が原因で生じることが多いです。患部付近の血管も挫滅しており、出血も痛みも軽度です。浮腫が続く血行障害により筋肉が拘縮して(筋肉が持続的に硬くなり、動かなくなること)動かしにくくなっていきます。挫滅された組織は細菌が侵入しやすく、細菌感染症を引き起こすリスクが高いです。

これにより、患部が化膿したり蜂窩組炎(ほうかしきえん)や瘭疽(ひょうそ)に至ることがあります。挫滅組織や感染組織が脱落してから癒合が起こる為、創部の治癒は遅延し、治癒後の瘢痕(傷跡)は大きく残ります。

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挫創の検査

挫創 医師 問診

挫創の状態により、様々な検査方法があります。医師からのインフォームド・コンセントが行われ、治療だけではなく検査に関しても患者に行うかの同意を得ることがあります。しっかり医師と相談し、自身の意思ももって検査を行うか考えましょう。

視診と問診

挫創は、擦り傷や切り傷といった外傷になるので、検査方法は基本的には視診と問診になります。そこで怪我の原因や状態をある程度把握していきます。自身の状態の全てを正直に話せない方も中にはおり、これにより医師が患者の情報を全て把握することができず症状の悪化や二次的障害を生じる可能性が出てきます。

そうなってからでは遅いので、どのように挫創を引き起こしたのか、病院に来るまでの経過や既往(今までどんな病気や怪我をしたことがあるのか)、また現在服用している・これまでに服用したことのある薬などの全ての情報をできるだけ提供すると良いでしょう。これらの情報により状態が左右されることがあります。

個人情報保護法があるため、そういった情報を提供しても他に漏らすようなことはないので、医師と話し、自身がしっかりとしたインフォームド・コンセントを受けて治療の相談をしていけるようにしましょう。

画像検査

損傷した理由や損傷の仕方によってはレントゲン撮影やMRI、CTなどの画像検査も行われる可能性があります。これらの所見によって、他に検査が増える可能性は出てきます。

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挫創部の治療

挫創 治療

挫創を生じたとして、どう対処をしていくと良いのか。処置の仕方を説明していきます。基本的な急性炎症に対する応急処置としてはRICE(ライス)療法を押さえておきましょう。

RICEのR(Rest/安静)は患部を安静にすること、I(Icing/冷却)は患部を水などで冷やすこと、C(Compression/圧迫)は患部を固定すること、E(Elevation/抑揚)は患部を心臓よりも高い位置にもっていくこと、です。これを踏まえて細かく説明をしていきます。

止血

挫創だけではなく、挫滅創、切創、刺創、裂創など全てにおいて止血をすることが大切です。創部から細菌感染を引き起こさないように、創部の異物や挫滅組織の除去とオキシフルや生理的食塩水による十分な洗浄により創をきれいにして縫合すると治癒が早まります。

縫合術は病院で行うことになるため、そこへ行くまでの応急処置として、創部の洗浄は必ず行ってください。洗わずに消毒液のみを使用する方もいらっしゃいますが、傷口から異物を取り除いていないところに消毒液をつけても意味が無く、逆に治癒を遅延させてしまいます。

患部の冷却

アイシング(冷却)作業を行います。

まず、受傷した患部に氷を入れたビニール袋でのアイスパックや、フレキシコールド(冷却材。食品を冷やす物や氷枕でも良いです)などを当てて冷やすことが大切です。フレキシコールドは冷蔵庫から出すため、そのまま患部に当てると凍傷してしまう可能性があります。二次的外傷を受ける前に、フレキシコールドに付着している霜を取ったり、袋に入れるか、布を当てても良い状態であれば薄手の布に巻くなどして利用すると良いです。

アイシングを行う目安は約20分間ですが、状態によります。冷えすぎて痛いと感じる時は一度患部から氷を離して、少し落ち着いてから再度冷やしましょう。アイシングを続けることにより、患部の浮腫や炎症が軽減する可能性があります。

患部を圧迫する

創部を圧迫することで止血されます。ガーゼやハンカチ等の布で血管と傷口を圧迫する必要があります。フワフワと線維の生地のティッシュや脱脂綿の使用は、傷口に繊維が付きやすいため避けて下さい。

また、圧迫する際に固定する物を使用するならば、テープや太めの紐が良いでしょう。輪ゴム等の細くて縛りのキツイ物を使用すると、循環障害を引き起こし逆効果となります。過度に出血している場合は、傷口よりも心臓に近い動脈で脈打ちが感じられる箇所を強く圧迫しましょう。

圧迫をすることで、蓄積物が残留していき浮腫になってしまったり、炎症が悪化することや内出血が患部から広がることを防止します。完全ではありませんが、ある程度防止することができます。

患部を頭よりも高い位置に上げる

患部をアイシングしている間はタオルや伸縮性のある包帯で患部と冷却物を固定して、患部が心臓よりも高い位置にくるように上げておくことが大切になります。

こうすることで、浮腫の原因となる物質が蓄積されることを防止します。また、心臓よりも下にあることで圧が下にかかりやすく血液が多く患部へ行きやすくなり、出血が止まりにくくなることや、その状態よりも浮腫や炎症が悪化する可能性があるため、心臓よりも高い位置に置いた方が症状が軽減しやすくなります。手や足である場合は特に心臓よりも高い位置におく止血されやすいです。

状態が緩和してきてもなお、浮腫がある際には浮腫に対するドレナージを行うと良いでしょう。ドレナージは心臓の方向に向かって優しくなでる方法など様々な方法があります。専門家に施行してもらうと良いでしょう。

出血が止まった場合

もし、応急処置を施して出血が止まった際には、清潔なガーゼを当てておきましょう。ガーゼを当てる前に傷口を消毒する必要もあります。

消毒液を付けることが物によってはかえって良くないこともあります。治癒を送らせる場合もあるため、不安な方は消毒は行わず清潔なガーゼのみを当てておき病院に行くと良いかもしれません。

病院での処置を受ける

病院までの移動間は創部の「RICE」の応急処置を行い、残りの処置は病院で行いましょう。転んで、または何かに引っかかって軽く擦り傷ができたとします。軽傷であっても、その患部を放置したことで化膿し短時間でカビが生えたり、腐りかけてしまったりします。二次的に感染症を引き起こして患部を悪化させたり、患部以外の部位に障害が引き起こされる可能性もあります。

病院に行く際は、皮下組織の細菌感染を引き起こすことも予測して、外科や整形外科を選択して下さい。他の科の専門外の病院に行くと専門外の医師が診ることになり、対応ができず、結局他の病院にまた行かなければならなくなります。時間を奪われて症状が悪化する可能性がでますので、少し距離があったとしても専門医のいる病院へ駆け込みましょう。

最初の対処は感染の予防に抗生物質の投与をして経過を診ます。状態によっては縫合術も施行しますが、細菌感染症のリスクが高い場合には縫合術を施行しません。末梢神経が損傷されて更には、末梢まで血液がいかずに壊死を引き起こした際には切断を施す可能性も高くなります。切断を施すと、それにより感覚障害や運動障害、循環障害などの合併症へも繋がります。

また、患部に大きな施術を必要とせず、軽い処置で済む場合があります。この時に、ガーゼと消毒液を使用する医師、ガーゼのみを使用する医師、双方とも使用しない医師など、処置方法は医師により様々です。近年では、消毒液等を使用しない方法が進められていることもあり、その考え方は様々です。きちんとした処置を受けようとするならば、なるべく最新の医療技術を取り入れている施設を選択すると良いかもしれません。

なお、最新であれば必ず良いとも言えないので、各々がどうしたいかを考えて選択することがⅠ番でしょう。

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まとめ

挫創 処置

挫創とは、何らかの外力によって受ける皮膚の表面から傷ができるものであり、傷やその周囲が広い範囲で挫滅されたものを言います。挫傷とは異なるので注意して下さい。挫滅された一部分が壊死を引き起こして治癒しにくい事もあるので応急処置「RICE」は行ってください。

感染症などの合併症や浮腫・血行障害が進行することにより、末梢神経が損傷し、運動障害や知覚障害も引き起こす可能性があります。なるべく擦り傷を作らないように、転倒などには気を付けていきましょう。

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