背骨の矯正方法を知ろう!歪みの原因と改善方法を紹介!自分でもできる?

骨盤が歪んでいるので治しましょう!背骨も歪んでいますね!等、骨盤・背骨と歪み(ゆがみ・ひずみ)は切っても切れない仲のようです。

そもそも歪んでいるから治すって・・・、人の身体ってそんなに簡単に治せるものなのでしょうか?骨盤・背骨矯正といった言葉も非常に流行るキーワードであり、腰痛や肩凝りを持つ人にとっては「ピン!」と来る言葉ではないでしょうか。

一般的に矯正といえば骨や関節のズレを直すというイメージがありますが、専門家の間ではどうもそうではないようです。言葉とその中身の違いは自分がそのサービスを受ける際に、納得できるかどうかにも繋がります。当然その後の効果の有無に大きく影響します。

本稿では骨盤や背骨矯正に関する真実、そして背骨に起こる様々な変化や日常生活から受ける影響を検証し、その効果的な改善方法に迫っていきます。

最後までお読みいただければ背骨や骨盤と動きの関係への理解が深まり、あなたが持つ現状の課題を解決する術がきっと見つかるはずです。

姿勢に関わる背骨の話

姿勢

骨盤を含む脊柱は日常生活や動作と密接に関わっています。背骨は24個の椎骨(ついこつ)と1個の仙骨、そして3~5個の尾骨(びこつ)で構成され、脊柱(Spine)を形成しています。

姿勢が良い悪いって?

「姿勢が悪いね!」とか「正しい姿勢をとりましょう!」等と言われますが、何をもってその不良姿勢を決めているのでしょうか?何か明確な基準はあるのでしょうか?姿勢の基準についてはあくまでも観る側の主観が入っているようです。

医学的には解剖角的肢位(Anatomical Limb Position)という基準があります。ただこの定義についても明確な角度や数値を出しているわけではなく、基準にして比べることはできても客観性に欠けるのかもしれません。

姿勢は先天的要素、そしてその人の生まれ育ってきた環境や生活動作によってかなり違います。姿勢が良い・悪いというのはあくまで目安なので人によってその評価がまったく違ってしまうことも理解しておきましょう。

「歪み」と「矯正」

骨盤が歪む、身体が歪む、背骨が歪む等と表現しますが、その定義や本来の意味はどういったものなのでしょう。捻れや縮みという言葉から1個1個の骨の形というより、全体としての骨の構造変化といった方が正確なのかもしれません。

物体に外力を加えたときに現れる形状または体積の変化。ねじれ・ゆがみ・ちぢみなど

出典:「コトバンク“歪み”について」

さらに矯正についてもその意味を調べてみました。一般的なイメージとしては形を変える、例えば骨の形を変えるとか、関節のズレを治すといった意味として捉える方が多いのではないでしょうか。

この辺りは少しだけ誤解が生じることで、矯正についての危険性が指摘されることが多いようです。

欠点・悪習などを正常な状態に直すこと

出典:「コトバンク“歪み”について」

矯正は決して関節のズレを治す治療法ではありません。背骨でいえば捻れや曲がりが酷くてそれが痛みの原因と考えた時に、その状態を正常に変えていく治療です。マッサージのような主に筋肉にアプローチし解すことでもありません。

そしてその捻れや曲がりや左右の高さの違い等は、長年の日常生活において徐々に身体が変化してきたものなので、一度矯正したからといってすぐにそれが元に戻るものでもないのです。

ただ背骨の捻れや曲がりに由来する痛みや違和感であれば、1度治療することで改善、まはた解消する可能性はあります。腰周りを含めた体幹全体の姿勢等、長い年月をかけてすこしずつ改善していくことでしか、背骨の捻れや曲がり等の根本的な改善は望めません。

人の身体は悪く変わるのは簡単ですが、良くするのは容易ではないということです。人体はそれだけ複雑なものであり、我々の想像を遥かに超えるものなのです。

脊柱の仕組み

脊柱

背骨矯正では背骨に生じる捻じれや曲がり具合を調整し、その人本来が持つ背骨の位置に戻すことが重要です。背骨の位置変化は全体で観れば脊柱の形へと行き着くでしょう。

脊柱の特徴や構造を理解することで背骨矯正の本質がわかるはずです。

脊柱の特性

背骨(骨組)は5つの頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎と仙骨・尾骨で構成され脊柱を形成しています。脊柱には人が地球上で生きていく上で欠かせない優れた機能があり、中でも最も大切な要素が脊柱の「生理的彎曲」です。

脊柱を真横からみると(観る機会があるか否かはさておき)元々真っ直ぐではありません。よく“S”の字を例に出しますが、頭からお尻にかけて緩いS字カーブを描いているのが特徴です。さらに背骨と背骨の間には強力な繊維性のクッションである椎間板があり、骨同士が直接接触するのを防いでいます。

こうした構造上の利点である「生理的彎曲(Sカーブ)」や椎間板があるお蔭で、脊柱は“竹”のように「しなり・たわみ」を生み、柔軟性に富む状態で外からの衝撃を上手に吸収できるという特性をもっているのです。

日本人の姿勢で多くみられるのは猫背や円背(えんぱい)です。どちらも脊柱の生理的彎曲(わんきょく:Physiological Curvature)が崩れ、両肩や頭部が身体よりも前方に位置している状態を指します。

背中が丸くなる分、腰・背中・肩・頸等の負担が増し、腰であればぎっくり腰・ヘルニア・分離症、時には顎関節症といった上半身の症例が出現したり、内臓が圧迫されて臓器由来の様々な疾患も発生し健康を害する可能性が高くなります。

若竹のようにしなる状態

この生理的彎曲は多すぎても少なすぎても身体にとって何等かの障害を引き起こす恐れがあります。程よくそれこそ自然で美しい曲線を形成していることが、元々身体に備わった筋肉や骨格の能力を発揮する力になることを認識しておくべきでしょう。

理想としては「若い竹」のように“しなやか”な動きがあれば関節や筋肉の痛みを発症する可能性は少ないはずです。さらに「しなり・たわみ」といった動きと共に様々な外部からの圧力を吸収・分散させる能力が発揮されるわけで、それこそが脊柱の真の働きといっても過言ではないのです。

その人の生活環境(仕事・社会生活・運動不足・加齢・ストレス等)によって、そうした脊柱の本来持つべき能力が低下し体全体への様々な問題が生じます。

背骨矯正はこうした脊柱の状態を緩和し、予防治療としての自然治癒力も高める働きがあるため、現代人にとっては必要性の高い治療方法として有用と考えられています。

背骨が歪む原因

デスクワーク

歪むとはどうやらねじれや縮みの状態と密接に関わっているようです。では背骨はなぜそうした歪みがでるのでしょうか?その要因について探ってみましょう。

働かない筋肉

筋肉・骨格は20歳を前後にその後は徐々に衰えていきます。しかしあなたの自身の行動や考え方次第でその衰える速度を速くすることも遅くすることもできます。定期的なエクササイズや運動を行うことで筋肉の衰えを防ぐこともできますし、骨の強さを維持していくことも可能なのです。

筋力が低下すると姿勢の維持が困難になります。特に抗重力筋(こうじゅうりょくきん)と呼ばれる重力に抗って姿勢を維持する筋肉は、その影響を直接受けます。抗重力筋は姿勢維持の環境下で常に緊張し続けて働いています。

脊柱起立筋・腹直筋・大臀筋・大腿四頭筋が代表的な抗重力筋です。加齢や運動不足になれば抗重力筋が徐々に衰えて脚を組んだり、横座りをしたり頬杖を突くなどの動作が目立つようになります。また立位では片脚に重心を乗せる動作等、同じ姿勢を長時間維持できないとなればこうした抗重力筋の悪影響が考えられます。

日常生活では立ったり座ったり、あるいはその姿勢を継続しなければならなかったり、様々な動作をこなさなければならず身体は知らず知らずのうちに肉体的なストレス(負荷)を抱えることになります。

生活習慣

筋力の衰えと生活習慣はにわとりとタマゴの関係に似ています。どちらが先かということに目を向けるのではなく、どちらも背骨の歪みとして捉え適切な対処をすることが重要でしょう。生活習慣で最も影響を及ぼすのがパソコン作業等の長時間姿勢の維持でしょう。

毎日の継続したパソコン作業によって、姿勢のコントロールが効かなくなり背骨の歪みが起こるのか、筋力低下によって姿勢維持ができにくくなり脊柱に圧がかかるのか、正直なところどちらが先かはわかりませんが、両要因についても今後さらなる解明が待たれます。

先天性疾患

側弯症(そくわんしょう)とは前後方向から観て通常は真っ直ぐな脊柱が左右に蛇行しカーブを描いている状態です。実は曲がっているだけでなく真上から観た際には捻れ(回旋)が伴うケースが多くみられます。

カーブした部分の曲がりが10度以上あるものを側彎症としています。その計測値としてコブ角なるものを使います。コブ角は側弯症の弯曲、つまり曲がり具合を示す角度です。側弯症はその原因が未だ特定できずはっきりしません。

主に高齢者に多いのが後弯症(こうわんしょう)です。背中曲がりや腰曲がり等とも表現されますが、真横からみて猫背が進行した(さらに丸まった背中)姿勢になっています。背中と腰の部分が曲がっているため肺や内臓等が極端に圧迫されてしまいます。

腰椎は通常前弯(ぜんわん)といって前側に曲がっていますが、その曲がりが真っ直ぐを通り越して後側にカーブするタイプ、胸椎の後弯がさらに強くなるもの、頸椎の前弯が消えて頭が前に倒れるストレートネックタイプに分けられます。

高齢者の場合はこの3種を同時に有する姿勢が頻発します。原因として若いころに側弯症がある場合、加齢(筋肉の弱体化を含む)により脊椎・脊柱の変性が起こり後弯症に移行する等のケースがあげられます。

背骨矯正の方法

グッズ

背骨矯正とは背中や腰に出現した痛みや違和感の原因がその歪みにあるとした時、背骨の捻れや曲がりを解剖学的肢位の考えに基づいて正しい位置に戻していくことです。

その具体的な方法とはどういったものか探ってみましょう。

専門医を受診

痛みの原因がどこにあるのかを探るのは専門家の得意とするところです。またその治療法等も様々な選択肢があるため、あなたの症状に合ったやり方を提供することができるでしょう。

背骨や骨盤の形、その位置、脊柱の捻れや曲がり具合等を調べるには、骨の配列そのものを観て判断できるにこしたことはありません。整形外科や背骨や脊柱の症状を得意とする専門医に相談することで対処法が見つかるはずです。

レントゲンや必要ならMRI(磁気共鳴装置)で特定個所を判断することも可能でしょうし、手技による専門的治療に定評があるドクターであれば数分の治療により即効性が高く大幅な痛みや違和感の軽減が期待できます。

また施術に精通する接骨院整骨院であれば、各院独自の骨盤・背骨矯正サービスを行っていますので、自分に適した治療を受けることも可能でしょう。不良姿勢を要因とする場合、腰椎・胸椎・脊椎といった背骨の各箇所への適切なアプローチによって、円背(えんぱい)や猫背を矯正できれば柔軟姿勢の改善が望めるでしょう。

背骨矯正に特化、または得意とする治療院・鍼灸院では、その考え方も患者さんへ理解していただけるような配慮があるようです。ホームページ等で治療方針などが確認できるので、もし興味があれば是非チェックすることをおすすめします。

セルフコンディショニング

体を変化を感じ取りそれを変えるのも変えないのも、実は体の持ち主であるあなた次第です。痛みや違和感があれば自分で少しずつでも知識を得て毎日、あるいは定期的に予防・治療を実施してみましょう。

時間がないのであればちょっとした時にする背伸び運動や柔軟体操でも十分です。大切なことはそれを習慣化することなのです。良い治療法を選択するのはもちろん重要ですが、それよりも何らかの運動を習慣にできるか否かが慢性痛の解消には役立ちます。

背骨の捻れや曲がりに由来する慢性の痛み・違和感(腰痛・肩こり・に対しては、主に自宅で行うセルフコンディショニングやセルフケアが重要となります。

健康グッズを利用

セルフコンディショニングでは自分で行うことが基本ですが、その実践をサポートしてくれる健康グッズの存在は頼もしい限りです。自分にあったアイテムであれば毎日続けるのも楽しくなるし、なにより身体の調子が変わってくることを実感できてさらに継続する意欲も湧くはずです。

ストレッチポール・フォームローラー等、器具の上に身体を乗せて行うエクササイズは比較的簡単であり、そして楽にできるのがメリットです。トレーニングというよりはただその上に乗るだけといった感覚で、どちらかと言えば遊びの要素もあり継続性に繋がる要素でしょう。

首・背中・肩・腕・手・腰・脚・足そして肩甲骨等、のり方次第でストレッチ効果が高まるため、日常生活の疲れや、神経由来のしびれ解消にも繋がります。カラダ全体を解すことで背骨自身が位置変化の異常を感じ取り、修正する力が働きます。

そうしたローカル(末梢)の情報が大脳の運動野に伝わることで、脳と背骨の神経回路が太く強くなり(解剖学的に)、正常な脊柱の配列を探知して治す方向に向かうわけです。ただ乗るだけの単純な運動ですが、身体の仕組みや構造に働きかける優れものであることは言うまでもありません。

遊びを活用

あなたに家族がいるのであれば、もしいなくても友達やパートナーと是非試してみてください。遊びには様々な動きの要素があります。その遊びを完遂するためには実に色々な動作を組み合せなくてはなりません。

単に走るでも整地されたアスファルトの路面と芝生では身体の使い方がまったく違います。そこに坂道が加わればこれまた身体に新たな刺激を加えることになり、身体の軸をなす脊柱や骨盤はその変化に対応しようと位置を調整するようになります。

お子さんや家族であればスキンシップにも繋がり、身体への程よい負担が全身を解すのに一役かってくれます。日常の動きにこうした新たな“刺激”を加えるだけでもマイルドな背骨の矯正として、体の機能を高めてくれます。

まとめ:背骨矯正

うれしいぜぇ!

骨盤や背骨矯正は一般的なイメージとして関節のズレを治すといった内容を想像しますが、本来は背骨に発生している捻れ・曲がり・縮みを、患者本来が持つべき骨格配列の状態に戻すことを目的としています。

脊柱は様々が外部ストレスによって変化しやすく、日常生活の癖や習慣に大きく左右されます。特にストレスがその骨格や筋肉の機能を遺脱した場合、痛みや違和感といった症状として現れ、行動や思考のパフォーマンスを低下させるため早期に解決をする必要があります。

脊柱は本来、竹のようにしなり・たわみを生み出してしなやかな動きを可能にします。しかし様々な外部ストレス因子により脊柱の動きは低下しますが、その改善方法のひとつとして背骨矯正は有効に作用します。

背骨の形、脊柱の捻れや曲がり具合をチェックするにはレントゲン映像を観る必要があり、病院を受診する必要があるでしょう。自分に合った治療を受けるためにはレントゲンに限らず痛みの原因を特定することも重要で、ドクターや治療家はその問題に対処してくれるはずです。

基本的にあなたの身体はあなた自身で守るものです。骨盤・背骨矯正は知恵と工夫さえあれば自分でも行うことが可能です。毎日のちょっとしたセルフコンディショニングに楽しさ・気持ちよさを加えれば、長続きすること間違いなしですよ。

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